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2.計画実行と兄妹登場
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しおりを挟むその後は、半分くらい、自慢合戦だった。
普通だったら、有り得ないことなんだろうけどなぁ・・・・・・・・・。
まぁ僕も、お父さんやお母さんのことじゃなくて、サーシャさんのことで、ナギと張り合っていたから、お互い様だよね。
そのまま、3人が夜食を食べている姿を眺めながら夜食のミルクを貰ったり、お母さんたちにお風呂に入れてもらったりして、夜も更けたので、寝て・・・・・・・・・。
ハッ!
ウルクに、『魔法、魔術、魔導の全てを扱える』っていう、言葉の意味を聞きそびれたぁ。
うぅぅぅ、明日の護衛官は、ニケ、だったよね。
この時期に、チェンジの要求を出すのは良くないから・・・・・・・・・。
明後日まで待とう。
明後日は、ちゃんと聞かないとね。
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「お早うございます、フィルシールド殿下。」
前世で言うところの明朝に、元気良く挨拶をして、僕の部屋に入って来たのは、ニケ。
今はおそらく、朝の3刻頃。
この世界の “陽の季節” が、前世の季節で言うところの夏と仮定して、凡そ5時前後。
ニケに悪気は無いのだろうけど、正直に言うと、迷惑な時間。
お父さんじゃあないけど、もうちょっと寝させて欲しかった。
「先程、サーシャ様とナギが、中庭の方で準備運動をしている姿を見掛けたので、急いで声がけに参りました次第です。」
ちょっと、言葉遣いが間違っているけど、今は、それどころじゃない。
ズルいよ、ナギ。僕が楽しみにしていることは知っているのに、教えてくれなかったなんて。
今日は、世話・教育係からバモスが来るんだけど、・・・・・・・・・まだ来てはいない。
ニケは、背丈や年齢から、前世だと小学校中学年ぐらいと同じような体格。
抱えて運んでもらうには、些か、不安が大きい。
バモスを呼んで来てもらおう。
「あう、あおうおおううぇうえ。」
「はい、了解しました。」
相変わらず、元気良く部屋を出て行くニケを見て、溜め息が出そうになったのは、みんなには秘密にしておこう。
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バモスが、中庭まで連れて行ってくれたんだけど、・・・・・・・・・どうも機嫌が悪い。
「寝ていたら、ニケが、「殿下がお呼びだ。さっさと起きろぉ!!!」って言いながら、横っ腹に、飛び乗って来たんだ。」
それは、なんと言うか、その、ご愁傷様。
想像しただけで、ゾッとする。
そりゃあ、機嫌も悪くなるよ。
バモスと軽口を叩き合っていたら、サーシャさんが様子を見に来てくれた。
そう言えば、サーシャさんとバモスは、従兄弟だったんだっけ。
サーシャさんが、バモスに何か言っているけど、早口過ぎてあまり聞き取れない。
サーシャさんが、 “フィル君は、聞かなくても良いことだ” と、言ったので、聞いていない。
世の中を生きる上で、これも大切なスキルだ、と、僕は思っている。
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