111 / 196
2.計画実行と兄妹登場
2-050
しおりを挟む“ダミーの書類” って、何だろう?
前世では、たぶん、聞いた事が無いと思うんだけどなぁ・・・・・・・・・。
ダミーって、いうことは、見た目だけそっくりなニセモノっていうことだよね。
じゃあ、本物の書類そっくりな偽物の書類ってこと?かな。
「嘘だろぉ、おい!何でそんなもんがあるんだよ!止めろよな!聞いてねえぞ!」
突然、お父さんが、怒ったような言い方で、訳の分からないことを叫び出した。でもそれは、怯えているときのような、強がっているような怒り方だと感じる。
「何をおっしゃられているのですか?兄様。事前に、ダミーの書類が書類の山に、数枚交ざっていることを兄様に伝えてしまえば、兄様の職務態度の抜き打ち調査・確認に、ならないではありませんか。」
あぁ、偽物の書類を交ぜることで、きちんと仕事をしているかどうかを確認していた、と。きちんと仕事をしていれば、その書類は、執務室にある間に書類の山から、引き抜かれているはずだから・・・・・・・・・。
「書類の中には、機密性を最重視した、 “一代王命家印” が押された書類だってありますから、兄様がきちんと仕事をしないと、迷惑を被るのは、国であり、国民なのですよ。そのことがきちんと、理解出来ていらっしゃらないのですか?兄様。」
“いちだいおうめいかいん” って、何だろう?
【『一代王命家印』とは、 “命家印” と呼ばれる、その印鑑を押された書類の内容は、印鑑自体に登録された、一部の者にしか読めなくなるという、特殊な魔道具の一つですね。その中でも、登録される対象が、現王と要職に就いたその兄弟、王太子だけの “命家印” のことを『一代王命家印』と呼びます。】
成程、ありがとう、ウィーシュ。
えっと、つまり、お父さんが仕事をサボったか、雑な仕事をした、っていうことになるのかな?
「た、頼む!シェーダ。今だけ、半刻だけでいい。見逃してくれ!」
「ダメです。」
「この通り!」
お父さん、頭下げるのは別にいいけど、震えている手で、僕を捧げるように持ち上げるのは、止めてくれないかな?
「この期に及んで、逃れようだなんて、往生際が悪いですよ、兄様。フィルを使って逃れようとしても、ダメなものは、ダメです。リーナに言いつけますよ。」
「もう、言いつけた後だろうが!だいたい、お前はさぁ、いつもいつも、・・・・・・・・・。」
お父さん、遂に逆ギレし始めた。
これは、ちょっと流石に・・・・・・・・・。
「に・い・さ・ま?」
あっ、セルシェーダさんの放つ殺気が重くなった。
「は、はヒィー。」
お父さんの怯え方が尋常じゃないな。
-くぅーうううー-
お腹は鳴って無いけど、鳴った気分。
本当にお腹が空いて辛いので、そろそろ、お昼ご飯、貰えないかなぁ?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
167
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる