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2.計画実行と兄妹登場

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   “ダミーの書類” って、何だろう?
  前世では、たぶん、聞いた事が無いと思うんだけどなぁ・・・・・・・・・。

  ダミーって、いうことは、見た目だけそっくりなニセモノっていうことだよね。
  じゃあ、本物の書類そっくりな偽物の書類ってこと?かな。

「嘘だろぉ、おい!何でそんなもんがあるんだよ!止めろよな!聞いてねえぞ!」

  突然、お父さんが、怒ったような言い方で、訳の分からないことを叫び出した。でもそれは、怯えているときのような、強がっているような怒り方だと感じる。

「何をおっしゃられているのですか?兄様。事前に、ダミーの書類が書類の山に、数枚交ざっていることを兄様に伝えてしまえば、兄様の職務態度の抜き打ち調査・確認に、ならないではありませんか。」

  あぁ、偽物の書類を交ぜることで、きちんと仕事をしているかどうかを確認していた、と。きちんと仕事をしていれば、その書類は、執務室にある間に書類の山から、引き抜かれているはずだから・・・・・・・・・。

「書類の中には、機密性を最重視した、 “一代王命家印いちだいおうめいかいん” が押された書類だってありますから、兄様がきちんと仕事をしないと、迷惑を被るのは、国であり、国民なのですよ。そのことがきちんと、理解出来ていらっしゃらないのですか?兄様。」


   “いちだいおうめいかいん” って、何だろう?


【『一代王命家印』とは、 “命家印” と呼ばれる、その印鑑を押された書類の内容は、印鑑自体に登録された、一部の者にしか読めなくなるという、特殊な魔道具の一つですね。その中でも、登録される対象が、現王と要職に就いたその兄弟、王太子だけの “命家印” のことを『一代王命家印』と呼びます。】


  成程、ありがとう、ウィーシュ。

  えっと、つまり、お父さんが仕事をサボったか、雑な仕事をした、っていうことになるのかな?


「た、頼む!シェーダ。今だけ、半刻だけでいい。見逃してくれ!」


「ダメです。」


「この通り!」


  お父さん、頭下げるのは別にいいけど、震えている手で、僕を捧げるように持ち上げるのは、止めてくれないかな?


「この期に及んで、逃れようだなんて、往生際が悪いですよ、兄様。フィルを使って逃れようとしても、ダメなものは、ダメです。リーナに言いつけますよ。」


「もう、言いつけた後だろうが!だいたい、お前はさぁ、いつもいつも、・・・・・・・・・。」


  お父さん、遂に逆ギレし始めた。
  これは、ちょっと流石に・・・・・・・・・。


「に・い・さ・ま?」


  あっ、セルシェーダさんの放つ殺気が重くなった。


「は、はヒィー。」


  お父さんの怯え方が尋常じゃないな。


    -くぅーうううー-


  お腹は鳴って無いけど、鳴った気分。

  本当にお腹が空いて辛いので、そろそろ、お昼ご飯、貰えないかなぁ?


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