異世界物語 ~転生チート王子と愉快なスローライフ?~

星鹿カナン

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1.フィルシールド誕生

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 おはよう!今日はいい朝だね!


 っと、僕は今、とっても気分が良いんだ。


 何故かって?
  それはねぇ、目が覚めた時に、右手にお母さんの左手の人差し指を、左手にサーシャさんの右手の人差し指を握っていたからだよ。


 って、ウワァーーーッッ!
  こんなの僕じゃないよぉ!?
  お父さんの影響を受けてるぅ!って!
  いやだ、イヤだ、嫌だぁ!!!



 よし、リーナさんに頼んでお父さんが近付けないようにしよう。
  うん、昨日のリーナさんの判断は厳しくなんかなかったよ。
  僕が、僕であるために必要な手段だったんだ。


 と言うわけで、お父さん。
  たぶん、しばらくは会うことがないと思うから、最後にちょっとだけ様子をうかがってみよう・・・・・・・・・駄目だ。
  ただただ、うるさいいびきをかいているだけだった。


「ホァ、フワァ~~!んっ!んんッッ!?フィ、フィル君!?も、もう起きていたのかい?こんな朝早くから。」


 あっ、サーシャさんが起きた。僕が既に起きていることに、かなり驚いているみたいだね。
 でも、確かに赤ちゃんにしては早起きかな。いや、赤ちゃんに早起きもなにもないか。本来ならば、赤ちゃんは一日を睡眠と食事に割り振ったような生活をするんだよね。まぁ、僕は少しだけ、に位置するんだけど。


「・・・・・・・・・ソルトの奴はともかく、アンリエッタも普段からこんな朝早くには起きないよな。となると、いったいこの性格は誰を由来するものだろうか。・・・・・・・・・」


 小声でぶつぶつと思考を呟いているサーシャさん。それ、この距離では丸聞こえですよ。そして、この性格は恐らくと言うか、間違いなく、前世由来です。その筈です。そうであってほしい。


「・・・・・・・・・しかし、やっぱりフィル君は可愛いな。本当に、幼い頃のアンリエッタを彷彿とさせるような顔立ちだ。生まれたての赤子は皆、しわくちゃで、『ストラウの砂糖シュカァ漬け』みたいな顔をしている筈なんだけど・・・・・・・・・。んー、どう見ても、1歳半から2歳程度の顔だよなぁ。不思議だ。」


 ストラウ?
  シュカァは、確か、砂糖だったっけ。
  『砂糖シュカァ漬け』にすると言うことは、ストラウは、果物みたいな甘いものかな?


あううーストラウ?」


「あぁ。ストラウはな、皮が淡い紫色で中身は黄色い果物で、果汁は殆ど無いんだが、大きな種があるんだ。『ストラウの砂糖漬け』は、ストラウの種を取ってから、身を日干しして、砂糖に漬けたお菓子だよ。しわくちゃなんだがかなり人気なお菓子さ。」


 成る程。もしかして、プルーンと似たような果物かな?となると、スモモみたいな果物もありそうだ。っと、あれ?スモモは、僕が好きな果物じゃないんだけどなぁ。えっと、誰の好物だったっけ?


「ストラウと見た目が似たような果物に、プラムっていうものがあるんだ。だが、あれはストラウと違って果汁が多く含まれているんだ。それに、ストラウみたいに砂糖漬けにしても、あまり美味しくならないみたいでね。料理研究家たちはプラムを使った料理の研究・開発に必死なのさ。」


 プラムもスモモとはちょっと違いそうだ。まぁ、そのうち見つかればいい、かな?


「実はな、ソルトの奴、小さい頃に『ストラウの砂糖漬け』の食べ過ぎで、虫歯が出来たことがあるんだ。 “検査と治療の度に大泣きしたり、暴れたりして大変だった” って、ことがあったんだよ。ハハハ。」


  ・・・・・・・・・・・・お父さん。
  皆に、迷惑掛けすぎじゃないかな?





  僕が想像できる範囲以内の、お父さんの “残念過ぎるような過去の話” をサーシャさんに聞いた。
   “そんなこともあったんだろうな” って、あっさりと受け入れることができた。


 さて、お父さんとお母さんがまだ寝ている。
  今の内に、昨日立てた計画をサーシャさんに伝えないとね。


うーうッサーシャ(さん)あーあーうーう話があるんだうっうちょっとあーあうーいいかな?」


「 ? どうしたんだい?フィル君。」


あーあうッ父さんにうーあぅついてのあうぅうー話です。」


「 ! 話を聞こうじゃないか。・・・・・・・・・ここじゃああれだな。部屋を移動しようか。」


 そう言ったサーシャさんに、抱えられながら移動していると、漆喰しっくい塗の壁を持つ部屋が集まった一角に着いた。
  どうやら、この一角にある部屋は、サーシャさんの部屋みたい。

 そのうちの一室、椅子と執務机が置かれた、書斎のような部屋へ入ると、サーシャさんは、机の上に置かれた白い小さな鈴のような物を数回鳴らした。
 その鈴が気になるから、ずっと見ていたら、

「これは、呼鈴コールベルという魔道具だ。鳴らすと、対となる受信機に、鳴った鈴と何回鳴らしたかが、表示されるんだ。直ぐに、給士室で確認されるだろう。そろそろ誰かが、この部屋へ来るはずだ。その話の内容的には、リーナかジークが来てくれると話が早くて助かるんだが。今は朝だ、時間も早い。時間タイミング的にどうだろうか・・・・・・・・・。」


 そうなんだ。
  出来れば、ジークさんが良いなぁ。

  リーナさん、怖そうだったから。





—ピコッ!—


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

スキル《気配認識》 を獲得しました。
スキル《危険回避》 を獲得しました。
スキル《気配察知》 を獲得しました。
スキル《危険察知》 を獲得しました。

スキル《鑑定》がレベルアップしました。
スキル《偽装》がレベルアップしました。
スキル《隠蔽》がレベルアップしました。


固有スキル:成長率上昇 が発動しました。

変化したステータスを表示します。

○ステータス

・生命力 : 1200(+45)
・魔力  : 2300(+1790)(+690)
・体力  : 1800(+35)
・攻撃力 : 540
・知力  : 2500(+3300)(+390)
・器用  : 1600(+1450)(+1010)
・耐久力 : 860
・筋力  : 1100

※スキル《偽装》の効果で増加したステータス
 値を( )内に別表記しています。
※スキル《隠蔽》の効果で( )内が表示されて
 いません。

○スキル

(・《鑑定》 レベル 4 )
(・《隠蔽》 レベル 8 )
(・《偽装》 レベル 9 )
(・《気配認識》 レベル 1 )
(・《危険回避》 レベル 1 )
(・《気配察知》 レベル 1 )
(・《危険察知》 レベル 1 )

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



【 扉付近で気配を察知しました。】
【対象はエルフです。】
【悪意・害意はありません。】



  っと、『噂をすれば影がさす』。
  どうやら、使用人さんの内の誰かが来たみたい。
  足音が無いのは流石だよね。

 スキル《気配察知》がなければ、きっと気付かなかったかな?
  これで、スキル《気配察知》は、かなり便利だって分かったよ。
 スキル《気配認識》が、上手くなれば、誰がいるのかや人数なんかもハッキリと分かるようになるみたいだし、使い勝手が良くて、便利だなぁ。


 よーし!
  頑張って、一歳になるまでにはきちんと扱いきれるようになるぞぉ!


_____________________



  ガチャッ!


「失礼します。サーシャ様がお呼びとのことでしたので、急ぎ参りました。」


 扉を開けて部屋へ入ってきたのは・・・・・・・・・ジークさんでした。


「あぁ、ジークか。助かる。これから、フィル君と重要な話をするのだが、メモを取るなりして話の内容を記憶してくれるような人が欲しかったんだ。」


「了解しました。僭越ながら、このジーク、お二方の聞き役兼書記役をさせて戴きます。」


 堅い。
  ジークさん、物凄く堅い。

  そこまで、丁寧な対応しなくてもいいと思うのは、僕だけなのかな?
  きっと、僕だけなんだろうなぁ。
  だって、誰も止めようとしないんだもん。

 ・・・・・・・・・気にした者負けかな?
  もう、諦めるしかないのだろうか。


「それじゃ、フィル君。話を始めてくれ。」


ううッあぁ分かったよあーおえーっとあーあうッ父さんにうーあぅついてのあうぅうーあ話ですが 、うーうッ僕はあーう今のうーうあままではあううーうぅいけないとううあうー思っているうぁーううーッどうにかしたいあうからあうあうあー協力して欲しい。」


  よし、言い切った。後は、意図がどれだけ正しく伝わっているかだけど………。
  相変わらず、『うー』とか『あー』とかしか言えなくて不便だなぁ。


「つまり、 “ソルトの奴が、今のままだと見るに耐えないから、どうにかしたい。だから、協力して欲しい。” と、言うことかい?」


  ちょっと違うけど、まぁ、ニュアンス的には、 “概ね問題無し” 、っと。
  縦に首を振って頷く・・・・・・・・・は、まだ出来ないから、代わりにサーシャさんの手を握って、何も言わない。
  この一週間で、僕が何回か使っている肯定方法。
  これで伝わるはず。


「肯定か。成程ねぇ。・・・・・・・・・一日どころか、数刻しか会ってないのに、既にここまでの反応をされている。ククク、ソルトの奴、泣くことすら許されない状況になったな。」


  黒い!
  サーシャさんの笑みが黒過ぎる!


「素晴らしい!そして、フィルシールド殿下は、何と賢いお方なのでしょうか!この城に勤め始めて早120年。このジーク、感激の涙が止まりません!本当に、素晴らしい!フィルシールド殿下の様な才子さいしは、この世界の長き歴史においても、そう多くはいらっしゃらないことでしょう。僭越ながらこのジーク、殿下の人生を物語る英雄譚ヒーローミースの1ページ目を彩るお手伝いをさせていただきます。」


「うん、僕も協力しよう。アンリエッタを誘い込むのは絶対に不可能だから・・・・・・・・・フフフ、リーナにでも協力してもらうとしようかな。大喜びして参加してくれそうだ。よし、ジーク、リーナに今日中にこの話を通しておいてくれ。」


「了解しました、サーシャ様。この件であれば、リーナも間違いなく喜んで協力してくれることでしょう。」


  なんだか、あっと言う間に話が進んでしまったなぁ。だけどまぁ、この計画が上手く行きそうで良かった。

  それじゃあ、速く作戦内容を纏めて、次の話し合いがスムーズに進むようにしないとね・・・・・・・・・。


  が、頑張るんだ!僕。

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