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3.祝日のお祭り
3-005
しおりを挟むサーシャさんが帰ってくるのを部屋で大人しく待っていると、廊下の方が少しだけ騒がしくなってきた。
違和感に気が付いたので、ちょっと、ナギに確認してきてもらう。
僕の予想通りなら、かなり大きな(?)問題になっているはずだ。
ナギが、下の階に降りていくのを気配で感じ取るのと同時に、部屋へ帰ってきているサーシャさんの気配も察知する。
「あれ、もしかして、来客か?いや、そんな話は聞いていないんだが。・・・・・・・・・部屋で大人しく待ってくれているみたいだな。まあ、彼奴らは来れんだろうし、それに、・・・・・・・・・まあ、来ているのは問題児たちではなさそうだな。」
どうやら、ナギとは完全に入れ違いになったらしく、来客の見当がつかないみたい。
それよりも、問題児たち・・・・・・・・・ねえ。
出禁組以外にもいるってことなのかな?
確かに、お父さんたちはサーシャさんのお見舞に来ることが出来ないだろうけどさ。
「ん?あ、あれ?フィル君だったのか。成程。だから、来客の通知が無かったのか。来てくれてありがとう、フィル君。」
そう言いながら部屋に入ってきたサーシャさんの顔色は、少し悪いように感じる。
仕方のないことだとはいえ、元気が無さそうな雰囲気に、少し心配になってくる。
「あはは。ねぇ、フィル君。どうやら僕のお腹にはね、今、フィル君の、弟か、妹がいるらしいんだ。」
僕の心配を感じ取ったのか、サーシャさんが無理矢理笑って、空元気を見せてくる。
どうしよう、来るタイミング間違えちゃったなぁ。・・・・・・・・・なんて考えていると、ナギが戻ってきた。
「大変です。フィルシールド殿・・・・・・・・・あっ、師匠。お身体の方は大丈夫ですか?」
何か重要なことを伝えようとしていたのでは?と、思うほどに焦り気味でな様子で帰ってきたはずのナギは、明らかに不調そうな顔色をしたサーシャさんが視界に入ったようで、サーシャさんに声をかけてしまったみたいだ。
今、明らかに、やってしまった!って顔してたし、完全にやらかしだったか。
「あぁ、そうか。ナギも来ていたのだな。僕は、大丈夫だ。それより、何かあったのか?」
「あっ、そうでした。フィルシールド殿下に婚約を申し込みたい、と城に言いに来た者がいたらしいのです。ですが、その人物を姉様が殴り飛ばしたそうで、先程、ここに運び込まれたそうです。」
えぇー、まだ婚約とかの話が来てるの?
というか、城に言いに来た人もだけど、リーナさんが殴り飛ばした・・・・・・・・・ねぇ。
リーナさんは基本、身内や知人以外にはかなり優しく接しているらしいので、その人はリーナさんの知人か、逆鱗に触れるような言動を取ったかのどちらかだよね。
と、それはさておき、そんな人物が今、近くにいるのかぁ。
それはちょっと、怖いなぁ。
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