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3.祝日のお祭り

3-006

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「リーナさんが殴り飛ばす・・・・・・・・・ねぇ。まさか、・・・・・・・・・いや、しかし・・・・・・・・・。だが、あの人なら・・・・・・・・・。」


  サーシャさんは、運び込まれた人物に心当たりがあるのか、ずっと、小声で、何かを呟き続けている。

  それよりも、医療センターに運び込まれている、ってことは、僕にとって危険な人物が、かなり近くにまで接近している、ってことだよね。
  運ばれているということは、少なくとも今はたぶん、その人物は、自由に動ける状態ではないんだろう、と思う。

  つまり、逃げるなら今の内・・・・・・・・・


「すまない、フィル君。恐らくだが、運び込まれてくるのはフィツェアだ。先王の末妹で、ソルトやラスタリアとよく似た性格をしている、とても残念な方だ。だが、まだ学園にも通えない歳だから、希望はある。仲良くしてやってくれ。」


  まだにも通えない歳って・・・・・・・・・確か、ベイルマート王国で学園って言ったら、ニケやナギが通っている英雄学園のことだよ、ね?
  英雄学園は、幼年部からあるらしいけど、幼年部は各期の定員が15人だけなこともあって、通える人が殆どいないため、「学園に通う」と言うと、各期の定員が75人の基礎教育部からのことを意味すらしい。
  基礎教育学校は、9歳から通う学校だから、・・・・・・・・・つまり、フィツェアさんは、想像以上に若い、というか、幼い方だった。

  仲良く・・・・・・・・・できるかなぁ?

  んー、すぐには難しいかもしれないけど、そのうち仲良くなれるように、一応、頑張ろうかな。

  というか、先王の末妹を殴り飛ばすって、・・・・・・・・・本当に何でもありなんだなぁ、リーナさん。
  本当にやりたい放題だなぁ。
  まぁ、止めれる人もいないんだろうけど。

  でもって、そのフィツェアさんは、お父さんやラスタリアさん系の方なのか。
  いや、だからこそ、そんな、不用心な言動をしてしまったのかもしれない。


  と、それはさておき、先王・・・・・・・・・つまり、僕の祖父に当たる人に、そんな幼い妹さんがいる、ということだよね。
  ってことは、つまり、僕の曾祖父母はかなり元気に暮らしている、ということだよね。

  会ったことも無いし、話も聞いたことがほとんどないけど、いったい、どんな人たちなんだろう?
  僕の知っていることといえば、曾祖父の名前がオルヴァージ=ハインリム・ヴァン・ベイルマートであることとその人のお母さんがエルフ族だから長命だ、っていうことだけ。

  いつか会ってみたいなぁ、って思う反面、どんな人たちか分からくて、ちょっと怖いなぁ、って感じる。

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