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3.祝日のお祭り

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「あの方。・・・ユグラシア公爵は、元々はそんなに優秀な人物だったのですか?私が物心ついた頃には既に、叔父上曰く、口だけ星人、でしたが。当の本人である、ユグラシア公爵の口癖も「安心しなさい。死にそうだと思っても死なないように調整してるから。私にかかれば、他者ひとの生死のギリギリを見極めることなんて簡単なことなんだから。」でしたし。」


  なるほど。
  つまり、ユグラシア公爵は、お父さんやラスタリアさんの系譜の方、ってことですか。


  なるほど、なるほど


・・・・・嫌なんですけど、そんな義母。


「?・・・確かにお義母さんは、何かをする時は、絶対に手伝ってくれないけど、アドバイスが欲しい時には必ずくれるよ?欲しい時に欲しいアドバイスを聞く前にくれる。常に的確、テレパシー意思疎通。」


  リーナさんがさっき言ってた能力の悪用って、もしかして、そういうこと?
  観察力、洞察力、考察力が優れているから、テレパシーレベレで相手の状態や状況、考えてることが分かるってこと、だよね。

  お母さんは他者の精神に干渉できるスキルを使って思考を読み取りをしてたから防ぎようがあったけど、ユグラシア公爵の場合は、己の能力で相手の感情を見抜くことをしていそうだから、もしかしなくても、防ぐことが出来ない!?

  い、いや、もし仮にそれが事実だったとして、その場合でも、流石にユグラシア公爵自身が知らないこと、知り得ないことに関する情報であれば、安全、だよね?


「ハァー。スキルを使わずとも、視線や表情、筋肉や臓器の動き、呼吸や脈の変動、その他癖や格好、体格などから、精神状態や疲労状態、知識、記憶、言葉の真偽を見抜く。そんな技術を持っていながら・・・・・いながら、彼女は、・・・」


  そう言って、リーナさんは項垂れてしまった。

  あんなに落ち込んでいるリーナさんは、初めて見るし、実際に珍しいのだろう。
  セルシェーダさんとクレアさんが目を見開いて驚いている。
  セルシェーダさんは昔、リーナさんの弟子だったらしいし、クレアさんもさっきの言葉を考えると、リーナさんとの付き合いがそこそこ長そうな気がする。
  そんな二人ですら驚く、ということはおそらく、とてつもなく珍しい光景であることに間違いないはず。


  項垂れるということは、たぶん、後悔しているってことだよね。
  少なくともリーナさんとユグラシア公爵が非常に親しい間柄で、ユグラシア公爵が変貌を遂げた(?)時代も、きっと見届けて来たはず。


  あの、鬼の如く恐ろしく、躾と教育に厳しいリーナさんを作り上げた張本人。

  ユグラシア公爵は、きっと手強い相手なんだろうな。
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