仮 参

其の九 淫獄転生 其の参 稚児愛玩 其の獸餐

　……そして、そんな吸卵蟲の透明な風船の様な袋体（からだ）の中では、全裸の乳児が裸身を丸めて育てられていたのです。
　……やがて、吸卵蟲の袋体の中で、淡く仄かに光る其の乳児は、僅か数時間で急速に少女に成長し、蟲が破裂すると、全裸の肉式神（くーろん）の少女が目を覚ましたのでした。

　……処で、月の大夜宴では、宴会の他に、魔術や錬金術、仙術や陰陽道の研究発表を行う、超自然学会もまた開催されていたのです。

　……月の転移門は、樹状構造的に親時空間の周囲に子時空間を生み出し、更に子時空間の周囲に孫時空間を、次々と自動的に生み出して、多階層位相時空間を連続的に発生させて、無限に平行世界を、曼荼羅の様に生じさせていたのでした。
　……そして、そんな曼荼羅時空間達（フラクタル・ワールド）を自在に移動する装置が、転移門（ノヴァーリス）だったのです。
　……例えば、人間（ひと）が、マテリアル体・エーテル体・アストラル体の三体一位で構成されている様に、実は月もまた、三体一位で構成されており、物質（マテリアル体）の肉体では認識出来無い二つの月に、全ての真実は隠されていたのでした。