仮 参

淀川 乱歩

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其の九 淫獄転生 其の参 稚児愛玩 其の児獸子

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 ……更に、実は、そんな生物の感覚の物質化は、本来は言語化や視覚化の困難な情報の伝達や数値化、其の記録、つまり加工や調理の、職人芸の要点極意(ノウハウ)の伝授用に開発された技術だったのでした。
 ……そして、其れは、淫魔族の子供達への性愛技(テクニック)の教育に活用され、最高級の指や舌の愛撫術の伝授から、やがて人間族の子供達の性的調教に応用されたのです。
 ……やがて、そんな感覚の物質化は、淫魔族の遊郭都市に絶頂導師(アクメスト)と云う性的快感を物質化する、性技の達人達の職人集団(ギルド)を誕生させたのでした。

 ……処で、そんな悦楽精通膏(ふでおろし)を愛用していたのが、秋津茜国の北方山岳地帯に有る天狗族の、暗魔耶麻(くらまやま)山臥龍院(がりょういん)龍瀧寺に住む、天狗達だったのです。
 ……臥龍寺とは、山中深く垂直に切り立った岩山の中腹の壁面に開いた、龍の顎(あぎと)と呼ばれている鍾乳洞の開口部の奥に、其の名の通り、洞窟の中に長々と伸びた建物の、異様に細長い寺の事でした。
 ……其の、別名を投げ込み寺と呼ばれている臥龍院は、全ての部屋と渡り廊下が高床式の住居で、無数の柱で空中に支えられた建物の下の岩肌を、温水が小川の様に流れ、やがて人間族の建築家フランク・ロイド・ライトの落水荘か獅子魚(マーライオン)の様に、龍の顎から温水の瀧が勢い良く流れ落ちていたのです。
 ……そして、そんな温水は、洞窟の奥の天然温泉の岩風呂からの流れで、洞窟内にはそんな露天の岩風呂が大小幾つも有り、また、高床式の建物を、下から床暖房の様に温めていたのでした。

 ……実は、洞窟内に高床式で建てられた臥龍院の建物は、全て、全く腐食し無い龍骨樹の材木で造られており、其処で山伏姿の天狗や烏天狗達が暮らしていて、其の天狗達が寺の中で使役していたのが、人間族の裸身の少年達だったのです。
 ……天狗達は、そんな常に全裸姿(フリチン)で飼われている人間族の少年達を、枕稚児(ゆたんぽ)と呼び、寝床の布団の上で抱(だ)き枕の様に、全裸の少年達を背後から抱き抱(かか)えて休んだのでした。

 ……処で、そんな枕稚児達は、天狗達の使い魔の烏天狗達(からすてんぐ)が下山して、里の商店で買い物を済(す)ませたついでに、稚児屋で愛玩用の、特に容姿の美しい、或(あるい)は可愛らしい人間族の少年や男児達を予(あらかじ)め下見しておいて、良さ気な子がいると手付金を払って取り置きしておいたのです。
 ……そして、其の日の深夜に、修験道の行者姿で背中に白い羽を生やした天狗達と、行者姿で背中に黒い羽を生やした下僕の烏天狗達とが、稚児屋の前に舞い降り、取り置きしておいた檻の中の、全裸姿の子供達を買い取ったのでした。
 ……そして、そんな買い取られた全裸の子供達は、烏天狗達が背後から抱き抱えて、空中を運んで行ったのですが、子供達は其の高さと速さとに怯えて失禁し、やがて失神したのです。

 ……やがて、天狗と烏天狗達は、断崖絶壁の龍の顎から、次々と臥龍院へと帰還し、鍾乳洞奥深くに開けた大空洞に建てられた、天狗達が大講堂と呼ぶ大きな広い建物の中で、新入りの人間族の男児や少年達を臥龍院の稚児に迎える、酒宴が始まったのでした。
 ……人魚族(マーメイド)の少女達が、蝋に涙を混ぜて作ると云う、水中でも灯(とも)せる紅い蝋燭(ロウソク)の、無数の燭台(しょくだい)の紅い炎の中で、天狗と烏天狗達は板床の上に胡坐(あぐら)を構(か)いて座り、全裸の人間族の先輩稚児達が、忙しく歩き回って天狗達の盃(さかずき)にお酌(しゃく)をし、酔った天狗達に幼い男性器を弄(まさぐ)られては悪戯されて、可愛らしい声を上げて身悶えていたのです。

 ……やがて、臥龍院の大講堂の床に、大きな円座で、胡坐を構いて酒盛りをしていた天狗達の、中央の丸い空間に、先程里の稚児屋から買って来た、新入りの男児や少年達が全裸姿で、先輩の全裸の稚児達に連れられて入って来たのでした。
 ……頭を部屋の中央に向けて、円形に、仰向(あおむ)けに全裸で寝かされた新入りの人間族の男児や少年達は、左右から先輩稚児達に両足を、大きくVの字に開かされて、上げさせられ、丸見えにされた股間の幼い肛門(アヌス)に、生きている張形(はりかた)を挿入されて、肛門性感を開発され始めたのです。
 ……其れは、男根蟲や張形蟲と呼ばれる菊巾着(ヒー・デイジー)の仲間で、透明な巨大芋虫の様な姿の生きている性具(ディルドゥ)で、子供達の肛門に其の冷たい先端(あたま)を触れさせると、淫らに蠢いて子供達の体内に潜り込み始めたのでした。
 ……冷たい蟲に、幼い肛門を犯された人間族の全裸姿の子供達は、肛門を蟲に犯される淫らな快感に、股間の幼い陰茎(ペニス)を固く勃起(ぼっき)させて身悶え、喘ぎ始めたのです。
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