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8.甘やかしたい、いじめたい
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カルーアミルクだって? そんなものを僕のミルクティーと勘違いするなんて――やっぱり凪のことを外に出すのはもうやめたほうがいいのだろうか。
「あんなふてぶてしいDomがいる会社は辞めさせた方がいいかもしれない」そんなふうに思う自分と「彼の指摘は正しい。あのような善良な後輩がいる職場なら安心だろう」と冷静になる自分がせめぎあっていた。
凪を部屋のベッドに横たえ、スーツを脱がせる。赤い顔の凪からは酒の匂いがして不快なのに、それが僕の性欲を掻き立てる。目を瞑って時折僕の名前を呼ぶ声は普段の彼から想像できないほどゆるみきっていた。
――凪。こんな可愛い姿を他のDomに見せたっていうのか? あの津嶋って奴がこの声を聞いた――許せない……。
これまで僕は一線を越えないようにという誓いだけは守ってきた。しかし、凪はこのままだといつ他の男に股を開くかわからないじゃないか? そんな考えが頭をよぎる。あの男も、もしかしたら僕からの電話を受けていなかったら、今頃凪をホテルに連れ込んで好き勝手していたかもしれない。
「くそ――」
いら立ちに頭を抱える僕のことなど知りもせず、凪は両手を伸ばしてきた。
「ん~、煌星キスしたい。気持ちよくして……」
凪が他の男のものになる。このままじゃ凪は僕から離れて、あの男にひざまずくかもしれない。あの男に、凪が? 犬のようにあの男に甘えてねだるというのか? ありえない。絶対許さない――。
「凪、好きなだけキスしてあげる。だけど今日は僕、嫌なことがあったんだ」
「どうしたの? またいじめられた?」
どうやら凪は子どもの頃の記憶と現在を混同しているようだ。
「――うん。だから慰めてよ、凪。俺の、舐められる?」
僕はボトムスをくつろげた。ベッドに仰向けになった凪の顔を跨いで膝立ちになり、怒りと欲望で猛り立った物を凪の頬に押し当てる。すると彼は甘えた口調で尋ねてくる。
「舐めたら、褒めてくれる?」
「ああ。たくさん褒める。褒めてキスして、いっぱい気持ちよくしてあげる」
僕のものを見つめ、凪はピンク色の唇をほころばせた。
「俺……できるよ」
そう言って凪は僕の目を見たまま赤い舌先でペロリと先端を舐めた。
「変な味」
しかし言葉に反して凪は小さな口をいっぱいに開き、美味そうに僕のものをしゃぶった。一生懸命な姿を見て僕はたまらない気持ちになる。酔いと催眠で意識のない状態の彼にこんなことをさせるなんて――。
これまで、僕は徹底して凪を気持ちよくさせることしかしてこなかった。なのに自分の欲を吐き出すために催眠を使ってこんなことをするなんて間違ってる。
「凪……」
凪が自分のものに口を付けているというだけでどうしてこうも興奮するんだろう。自分の宝物に、自分の一番汚れた物を押し付けて気持ちよくなっている。だめだと思えば思うほど、狂ったような快感に僕は夢中になっていく。
「上手だよ凪。えらいね、苦しい?」
凪は僕のものを傷つけぬよう、ごく小さく首を横に振った。僕は凪の唇からペニスを引き抜いた。
彼の頭を撫でて言う。
「ありがとう、もういいよ。Good boy、凪」
「はぁ……はぁ……」
「いい子。凪はこんなにいい子なのに、ごめんね――」
「……煌星、どうしたの? 痛かった?」
「なんでもないよ」
僕はよだれまみれの彼の唇を自分の服の袖で拭い、キスした。今度は自分が気持ちよくなる番だとわかって凪は嬉しそうに目を瞑った。
凪の好きなついばむようなキス。そして、次第に深く口付けていく。彼の唇の周りまで赤くなるくらいキスしてやると、そのうち我慢できず凪は僕の手を取って自分の下腹部を押し付けてきた。
「凪、待てできないの?」
「うん……もう、できな――……」
スラックスの前が窮屈そうで、僕はファスナーを下ろしてやる。下着は少し先走りでシミになっていた。
「濡れてる。いやらしいね、凪は」
「ごめんなさい――」
「いいよ。僕はやらしい凪が好きだから。舐めて欲しい?」
凪は何度も頷く。僕は彼のものをファスナーの隙間から露出させた。一見真面目そうなサラリーマンなのに、いやらしくペニスを勃起させている凪の姿を見てぞくぞくした。
「凪、Say」
「舐めてください。お願いします」
僕は凪のものを口に含んだ。
「ん……ああっ」
凪は甘えた声で恥ずかしげもなく喘いだ。快楽を得るため夢中な凪のことが僕は好きだ。はしたなくて、可愛くて、どうしようもなく可哀想で――。
「気持ちいい、煌星もっとぉ……」
「やらしいサラリーマンだね、凪。こんな姿、さっきの後輩くんに見られたらどうするの?」
「後輩……?」
「うん。津嶋さんだっけ? 彼Domだって。凪、よそであんなに酔っ払っちゃだめでしょう。津嶋さんが凪のこんな姿見たらどうするの? 津嶋さん、凪のこと好きになっちゃうかもしれないね」
僕は凪のペニスを手で擦りながら問い詰めた。
「ほら? こんなふうに、ちょっと擦るだけで腰突き出してくねらせてる変態だってバレちゃったらどうするの?」
「ぅう……だめ。そんなの……っ」
「本当は僕じゃなくて津嶋とプレイしてみたかったんじゃないの?」
「ちがう。煌星じゃないと……あぅっ」
ペニスの先端を手の平で撫でる。そのまま達してしまいそうな様子だったが、必死で耐えながら彼が言う。
「煌星、お願い……手じゃなくて口でして……」
「え? なんで浮気するような人の言うことを聞かなきゃいけないの?」
可愛い――気持ちよくて震えてる凪も、嫌がるふりして期待してる凪も可愛い。涙目になってる凪をもっと泣かせたい――。
「ああ……こうせぇ……。浮気なんてしてな……い」
「本当? じゃあ、確かめるよ?」
「な、なにを……?」
「あんなふてぶてしいDomがいる会社は辞めさせた方がいいかもしれない」そんなふうに思う自分と「彼の指摘は正しい。あのような善良な後輩がいる職場なら安心だろう」と冷静になる自分がせめぎあっていた。
凪を部屋のベッドに横たえ、スーツを脱がせる。赤い顔の凪からは酒の匂いがして不快なのに、それが僕の性欲を掻き立てる。目を瞑って時折僕の名前を呼ぶ声は普段の彼から想像できないほどゆるみきっていた。
――凪。こんな可愛い姿を他のDomに見せたっていうのか? あの津嶋って奴がこの声を聞いた――許せない……。
これまで僕は一線を越えないようにという誓いだけは守ってきた。しかし、凪はこのままだといつ他の男に股を開くかわからないじゃないか? そんな考えが頭をよぎる。あの男も、もしかしたら僕からの電話を受けていなかったら、今頃凪をホテルに連れ込んで好き勝手していたかもしれない。
「くそ――」
いら立ちに頭を抱える僕のことなど知りもせず、凪は両手を伸ばしてきた。
「ん~、煌星キスしたい。気持ちよくして……」
凪が他の男のものになる。このままじゃ凪は僕から離れて、あの男にひざまずくかもしれない。あの男に、凪が? 犬のようにあの男に甘えてねだるというのか? ありえない。絶対許さない――。
「凪、好きなだけキスしてあげる。だけど今日は僕、嫌なことがあったんだ」
「どうしたの? またいじめられた?」
どうやら凪は子どもの頃の記憶と現在を混同しているようだ。
「――うん。だから慰めてよ、凪。俺の、舐められる?」
僕はボトムスをくつろげた。ベッドに仰向けになった凪の顔を跨いで膝立ちになり、怒りと欲望で猛り立った物を凪の頬に押し当てる。すると彼は甘えた口調で尋ねてくる。
「舐めたら、褒めてくれる?」
「ああ。たくさん褒める。褒めてキスして、いっぱい気持ちよくしてあげる」
僕のものを見つめ、凪はピンク色の唇をほころばせた。
「俺……できるよ」
そう言って凪は僕の目を見たまま赤い舌先でペロリと先端を舐めた。
「変な味」
しかし言葉に反して凪は小さな口をいっぱいに開き、美味そうに僕のものをしゃぶった。一生懸命な姿を見て僕はたまらない気持ちになる。酔いと催眠で意識のない状態の彼にこんなことをさせるなんて――。
これまで、僕は徹底して凪を気持ちよくさせることしかしてこなかった。なのに自分の欲を吐き出すために催眠を使ってこんなことをするなんて間違ってる。
「凪……」
凪が自分のものに口を付けているというだけでどうしてこうも興奮するんだろう。自分の宝物に、自分の一番汚れた物を押し付けて気持ちよくなっている。だめだと思えば思うほど、狂ったような快感に僕は夢中になっていく。
「上手だよ凪。えらいね、苦しい?」
凪は僕のものを傷つけぬよう、ごく小さく首を横に振った。僕は凪の唇からペニスを引き抜いた。
彼の頭を撫でて言う。
「ありがとう、もういいよ。Good boy、凪」
「はぁ……はぁ……」
「いい子。凪はこんなにいい子なのに、ごめんね――」
「……煌星、どうしたの? 痛かった?」
「なんでもないよ」
僕はよだれまみれの彼の唇を自分の服の袖で拭い、キスした。今度は自分が気持ちよくなる番だとわかって凪は嬉しそうに目を瞑った。
凪の好きなついばむようなキス。そして、次第に深く口付けていく。彼の唇の周りまで赤くなるくらいキスしてやると、そのうち我慢できず凪は僕の手を取って自分の下腹部を押し付けてきた。
「凪、待てできないの?」
「うん……もう、できな――……」
スラックスの前が窮屈そうで、僕はファスナーを下ろしてやる。下着は少し先走りでシミになっていた。
「濡れてる。いやらしいね、凪は」
「ごめんなさい――」
「いいよ。僕はやらしい凪が好きだから。舐めて欲しい?」
凪は何度も頷く。僕は彼のものをファスナーの隙間から露出させた。一見真面目そうなサラリーマンなのに、いやらしくペニスを勃起させている凪の姿を見てぞくぞくした。
「凪、Say」
「舐めてください。お願いします」
僕は凪のものを口に含んだ。
「ん……ああっ」
凪は甘えた声で恥ずかしげもなく喘いだ。快楽を得るため夢中な凪のことが僕は好きだ。はしたなくて、可愛くて、どうしようもなく可哀想で――。
「気持ちいい、煌星もっとぉ……」
「やらしいサラリーマンだね、凪。こんな姿、さっきの後輩くんに見られたらどうするの?」
「後輩……?」
「うん。津嶋さんだっけ? 彼Domだって。凪、よそであんなに酔っ払っちゃだめでしょう。津嶋さんが凪のこんな姿見たらどうするの? 津嶋さん、凪のこと好きになっちゃうかもしれないね」
僕は凪のペニスを手で擦りながら問い詰めた。
「ほら? こんなふうに、ちょっと擦るだけで腰突き出してくねらせてる変態だってバレちゃったらどうするの?」
「ぅう……だめ。そんなの……っ」
「本当は僕じゃなくて津嶋とプレイしてみたかったんじゃないの?」
「ちがう。煌星じゃないと……あぅっ」
ペニスの先端を手の平で撫でる。そのまま達してしまいそうな様子だったが、必死で耐えながら彼が言う。
「煌星、お願い……手じゃなくて口でして……」
「え? なんで浮気するような人の言うことを聞かなきゃいけないの?」
可愛い――気持ちよくて震えてる凪も、嫌がるふりして期待してる凪も可愛い。涙目になってる凪をもっと泣かせたい――。
「ああ……こうせぇ……。浮気なんてしてな……い」
「本当? じゃあ、確かめるよ?」
「な、なにを……?」
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