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第五夜 薔薇の香りに誘われて~閨係に間違えられた僕は、美麗殿下に見初められる~
本編
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「こんな所にいらしたのですか。急いでください。殿下がお待ちです」
「えっ?はっ?な、何っ!?」
僕は子爵家の次男で、今年20歳になった。
今日は父が営む商会から配達を頼まれ、王城に石鹸を届けに来た。
父に教わった通り、使用人や商人が使う裏口から王城に入った所で、何故か慌てふためいている侍従らしき男性から腕を掴まれた。
「急いでください!」
「はっ!?そんなに急ぎなんですか?」
こんなに大きな王城なのに、石鹸の一つや二つ、探せばどこかにあるだろうに⋯。
「すみません、僕、頼まれただけで、そんなに切羽詰まってるとは知らなかったんです」
「あなたが約束の時間にいらっしゃらないから、こちらは大変だったんですよ。あなたも貴族の方でしょうから、私もあまり言うと不敬になりますが、湯浴み係の者が、どれだけ待たされていると思ってらっしゃいますか?」
「す、すみません⋯」
そんな事言われても、僕には関係ないよ!
そんなに慌てるくらいなら、早めに発注すればよかっただろ!
「着きました。ここが湯殿です。後は湯浴み係と世話係の言う通りにしてください。では、私はここで失礼します」
「は、はぁ⋯」
僕は、そろりそろりと湯殿に入って行った。
「あのぉ、どなたか、いらっしゃいますかぁ?」
ガシッ
「うわあっ!」
僕はまた、いきなり腕を掴まれた。
「急いでください!」
「あっ、す、すいません、注文の品は、この袋に入ってます!」
湯浴み係と思われる若いの女性は、僕が持っている大きな袋にちらりと目を遣り、僕に袋を持たせたまま、縛ってあった紐を素早く緩めて、中身を確かめた。
「まあ!これは、今流行りの薔薇の香りのする石鹸ではありませんか!この石鹸、なかなか手に入らないんですよ!はぁ、いい香り」
「あっ、そうなんですか?」
僕は手伝いを頼まれただけで、詳しい事は何も聞かされていない。
「もしかして、わざわざご自分で用意されたんですか?」
「わざわざと言うか、僕は持って行くように頼まれただけなんで」
「まあ、あなたのお家の方は、あなたがしっかりお務めを果たす為に、ちゃんと考えてくださったんですね。お家の方に感謝しないと」
湯浴み係(多分)の女性は、そう言って涙ぐんだ。
何がどうなってるんだろう?
どうも、さっきから話が噛み合わないような気がする。
そんな事を考えていたら、女性が腕まくりをして、僕にじりじりと近付いてきた。
「な、何するんですか!?うわあぁっ!」
僕はいきなり身ぐるみを剥がされ、一糸まとわぬ姿にされたかと思ったら、たった今自分で持ってきた石鹸で、頭のてっぺんから足の爪先まで、ごしごしと磨かれた。
僕は何もできずにされるがままになっていると、あっという間に薄い夜着を一枚羽織らされた。
チリーン
湯浴み係の女性が、湯殿の入り口にぶら下がっている大きな呼び鈴を鳴らすと、今度は世話係(?)の女性がすーっと近付いてきた。
「殿下がお待ちです。ささっ、こちらへ」
「へっ?殿下?」
そう言えば、王城の裏口で侍従に捕まった時、そんな事を言ってたような気がする⋯。
「ちょ、ちょっと待ってください!今から何があるんですか?」
「何って⋯、私の口からは詳しい事は言えませんが、あれでございますよ。あなたは殿下がなさる通りにすれば大丈夫ですよ」
一体これから何があるのだろう。
王城の中なんて、とこをどう進めば出口に辿り着けるのかも分からない僕は、世話係の女性に案内されるがままついて行くしかなかった。
「こちらでございます」
世話係と思しき女性は、屈強な騎士が守っている、頑丈そうな扉の前で止まった。
「さあ、中へどうぞ。じきに殿下もお見えになります」
世話係の女性は、にこやかな表情をしながら、なかなかの力で僕の背中を押してきた。
「や、やっぱり何かおかしいです!何か勘違いされてるんじゃないですか?!」
僕が抵抗するように大声を上げると、世話係と騎士が、目を合わせてこくんと頷いた。
嫌な予感がする⋯。
「失礼します」
「うわあぁぁっ!や、やめてくださいっ!」
僕は屈強な騎士に軽々と持ち上げられ、開かれた扉の中に強引に入れられてしまった。
部屋の中は誰もいないみたいで、静まり返った部屋に一人放ったらかしにされて、さすがに心細くなってきた。
それに⋯、本当は部屋に入った時から気付いていて、見て見ぬふりをしてたアレが嫌でも目に入ってくる。見たくなくても、あれだけ主張されたら見ない訳にはいかない。
僕は部屋の真ん中で存在を主張する、大きなベッドに目を遣った。
「大きいベッド、何に使うのかな⋯」
僕は一人言を呟きながら、すーすー風通しのいい自分の格好を上から眺めた。
そして又ベッドを見る。
そして自分の姿を見る。
ベッド、夜着、ベッド、夜着⋯。
殿下、僕、殿下、僕⋯。
まさか⋯、いやいや、ちょっとなよっちぃけど、僕はこれでも大人の男だ。
いやいや、ないない⋯、ないよね⋯?
ガチャっ
「ひぃぃぃっ!」
一人で有り得ない事を考えていたら、突然扉が開いて、僕は悲鳴を上げて跳び上がった。
「ああ、すまない、驚かせてしまったね」
「ええぇぇっ!?で、殿下!?」
僕の目の前に現れたのは、サラサラの眩い金色の髪が肩に掛かり、透き通るような青い瞳には穏やかな人柄が滲み出ている、国一番の人気者の王弟殿下だった。
「で、殿下!?どうしてこんな所に!?あっ、いけないっ!殿下の許しを得ずに勝手に口を開いてしまい、申し訳ありません!」
「君、名前は?」
「な、名乗る程の者ではございません!」
「ははっ、君、面白いね」
「滅相もございません!」
「君⋯、何かいい香りがするね」
「とんでもないです!」
「くくっ、とんでもないって、君、本当に面白いね。何か⋯、そうだ、薔薇の香りだ。君から薔薇の香りがするよ。不思議な子だね」
「ぼ、僕、子供ではなくて、立派な大人です!」
「ああ、確かに立派な大人のようだね」
僕は殿下の前でいっぱいいっぱいになりながら、殿下の視線が僕の体に注がれているのにようやく気が付いた。
「あっ、これは⋯」
下着も着けず、薄い夜着を一枚羽織っただけの僕は、あまりの恥ずかしさに、胸と股の間をもじもじと両方の腕で隠した。
「君、隠すと余計にそそられるって知らない?」
「へっ?」
「私は王位継承に関わりたくなくて、25になった今でも、婚約者どころか恋人も作らないできた。そんな私が哀れだと思われたのか、兄上から勝手に閨係をあてがわれて腹が立っていたんだ。でも君みたいな可愛い子を探してくれてたなんて、兄上のお節介に感謝しないといけないね」
「あのぉ、殿下、それはどういう意味ですか?」
「ふっ、今から君を抱くって意味だよ」
「ふえっ?えぇ!?ええぇぇーー!!??」
僕はただ、父に頼まれて王城に石鹸を届けに来ただけなのに、国民の憧れの的、麗しの王弟殿下に捕まってしまったようだ。
何がどうなってこうなったのか、いくら考えても答えは出ないけど、殿下の腕の中は温かくて、殿下の口付けは僕の体を熱くする、という事はよく分かった。
「まだ君の名前を聞いていなかったね」
「はい、僕の名前はロゼットです」
「ロゼ⋯、君自身が薔薇だったんだね」
「僕が生まれた時、ほっぺたが薔薇のように赤かったそうです」
「うん、良い名だ。ロゼ、もう離してやれないけど、いいかい?」
そう言って、王弟殿下は僕を抱き上げて、大きなベッドに連れて行ってくれた。
一方、その頃の侍従と湯浴み係と世話係と、本物の閨係は⋯。
「「「えっ!?あなたが閨係ですか!?」」」
「はい、父からそう聞いて来ました。えっ!?約束の時間はとっくに過ぎてる?19:00と午後9時を間違えてたみたいです⋯」
「「「じゃあ、あれは、一体、誰⋯???」」」
終わり
「えっ?はっ?な、何っ!?」
僕は子爵家の次男で、今年20歳になった。
今日は父が営む商会から配達を頼まれ、王城に石鹸を届けに来た。
父に教わった通り、使用人や商人が使う裏口から王城に入った所で、何故か慌てふためいている侍従らしき男性から腕を掴まれた。
「急いでください!」
「はっ!?そんなに急ぎなんですか?」
こんなに大きな王城なのに、石鹸の一つや二つ、探せばどこかにあるだろうに⋯。
「すみません、僕、頼まれただけで、そんなに切羽詰まってるとは知らなかったんです」
「あなたが約束の時間にいらっしゃらないから、こちらは大変だったんですよ。あなたも貴族の方でしょうから、私もあまり言うと不敬になりますが、湯浴み係の者が、どれだけ待たされていると思ってらっしゃいますか?」
「す、すみません⋯」
そんな事言われても、僕には関係ないよ!
そんなに慌てるくらいなら、早めに発注すればよかっただろ!
「着きました。ここが湯殿です。後は湯浴み係と世話係の言う通りにしてください。では、私はここで失礼します」
「は、はぁ⋯」
僕は、そろりそろりと湯殿に入って行った。
「あのぉ、どなたか、いらっしゃいますかぁ?」
ガシッ
「うわあっ!」
僕はまた、いきなり腕を掴まれた。
「急いでください!」
「あっ、す、すいません、注文の品は、この袋に入ってます!」
湯浴み係と思われる若いの女性は、僕が持っている大きな袋にちらりと目を遣り、僕に袋を持たせたまま、縛ってあった紐を素早く緩めて、中身を確かめた。
「まあ!これは、今流行りの薔薇の香りのする石鹸ではありませんか!この石鹸、なかなか手に入らないんですよ!はぁ、いい香り」
「あっ、そうなんですか?」
僕は手伝いを頼まれただけで、詳しい事は何も聞かされていない。
「もしかして、わざわざご自分で用意されたんですか?」
「わざわざと言うか、僕は持って行くように頼まれただけなんで」
「まあ、あなたのお家の方は、あなたがしっかりお務めを果たす為に、ちゃんと考えてくださったんですね。お家の方に感謝しないと」
湯浴み係(多分)の女性は、そう言って涙ぐんだ。
何がどうなってるんだろう?
どうも、さっきから話が噛み合わないような気がする。
そんな事を考えていたら、女性が腕まくりをして、僕にじりじりと近付いてきた。
「な、何するんですか!?うわあぁっ!」
僕はいきなり身ぐるみを剥がされ、一糸まとわぬ姿にされたかと思ったら、たった今自分で持ってきた石鹸で、頭のてっぺんから足の爪先まで、ごしごしと磨かれた。
僕は何もできずにされるがままになっていると、あっという間に薄い夜着を一枚羽織らされた。
チリーン
湯浴み係の女性が、湯殿の入り口にぶら下がっている大きな呼び鈴を鳴らすと、今度は世話係(?)の女性がすーっと近付いてきた。
「殿下がお待ちです。ささっ、こちらへ」
「へっ?殿下?」
そう言えば、王城の裏口で侍従に捕まった時、そんな事を言ってたような気がする⋯。
「ちょ、ちょっと待ってください!今から何があるんですか?」
「何って⋯、私の口からは詳しい事は言えませんが、あれでございますよ。あなたは殿下がなさる通りにすれば大丈夫ですよ」
一体これから何があるのだろう。
王城の中なんて、とこをどう進めば出口に辿り着けるのかも分からない僕は、世話係の女性に案内されるがままついて行くしかなかった。
「こちらでございます」
世話係と思しき女性は、屈強な騎士が守っている、頑丈そうな扉の前で止まった。
「さあ、中へどうぞ。じきに殿下もお見えになります」
世話係の女性は、にこやかな表情をしながら、なかなかの力で僕の背中を押してきた。
「や、やっぱり何かおかしいです!何か勘違いされてるんじゃないですか?!」
僕が抵抗するように大声を上げると、世話係と騎士が、目を合わせてこくんと頷いた。
嫌な予感がする⋯。
「失礼します」
「うわあぁぁっ!や、やめてくださいっ!」
僕は屈強な騎士に軽々と持ち上げられ、開かれた扉の中に強引に入れられてしまった。
部屋の中は誰もいないみたいで、静まり返った部屋に一人放ったらかしにされて、さすがに心細くなってきた。
それに⋯、本当は部屋に入った時から気付いていて、見て見ぬふりをしてたアレが嫌でも目に入ってくる。見たくなくても、あれだけ主張されたら見ない訳にはいかない。
僕は部屋の真ん中で存在を主張する、大きなベッドに目を遣った。
「大きいベッド、何に使うのかな⋯」
僕は一人言を呟きながら、すーすー風通しのいい自分の格好を上から眺めた。
そして又ベッドを見る。
そして自分の姿を見る。
ベッド、夜着、ベッド、夜着⋯。
殿下、僕、殿下、僕⋯。
まさか⋯、いやいや、ちょっとなよっちぃけど、僕はこれでも大人の男だ。
いやいや、ないない⋯、ないよね⋯?
ガチャっ
「ひぃぃぃっ!」
一人で有り得ない事を考えていたら、突然扉が開いて、僕は悲鳴を上げて跳び上がった。
「ああ、すまない、驚かせてしまったね」
「ええぇぇっ!?で、殿下!?」
僕の目の前に現れたのは、サラサラの眩い金色の髪が肩に掛かり、透き通るような青い瞳には穏やかな人柄が滲み出ている、国一番の人気者の王弟殿下だった。
「で、殿下!?どうしてこんな所に!?あっ、いけないっ!殿下の許しを得ずに勝手に口を開いてしまい、申し訳ありません!」
「君、名前は?」
「な、名乗る程の者ではございません!」
「ははっ、君、面白いね」
「滅相もございません!」
「君⋯、何かいい香りがするね」
「とんでもないです!」
「くくっ、とんでもないって、君、本当に面白いね。何か⋯、そうだ、薔薇の香りだ。君から薔薇の香りがするよ。不思議な子だね」
「ぼ、僕、子供ではなくて、立派な大人です!」
「ああ、確かに立派な大人のようだね」
僕は殿下の前でいっぱいいっぱいになりながら、殿下の視線が僕の体に注がれているのにようやく気が付いた。
「あっ、これは⋯」
下着も着けず、薄い夜着を一枚羽織っただけの僕は、あまりの恥ずかしさに、胸と股の間をもじもじと両方の腕で隠した。
「君、隠すと余計にそそられるって知らない?」
「へっ?」
「私は王位継承に関わりたくなくて、25になった今でも、婚約者どころか恋人も作らないできた。そんな私が哀れだと思われたのか、兄上から勝手に閨係をあてがわれて腹が立っていたんだ。でも君みたいな可愛い子を探してくれてたなんて、兄上のお節介に感謝しないといけないね」
「あのぉ、殿下、それはどういう意味ですか?」
「ふっ、今から君を抱くって意味だよ」
「ふえっ?えぇ!?ええぇぇーー!!??」
僕はただ、父に頼まれて王城に石鹸を届けに来ただけなのに、国民の憧れの的、麗しの王弟殿下に捕まってしまったようだ。
何がどうなってこうなったのか、いくら考えても答えは出ないけど、殿下の腕の中は温かくて、殿下の口付けは僕の体を熱くする、という事はよく分かった。
「まだ君の名前を聞いていなかったね」
「はい、僕の名前はロゼットです」
「ロゼ⋯、君自身が薔薇だったんだね」
「僕が生まれた時、ほっぺたが薔薇のように赤かったそうです」
「うん、良い名だ。ロゼ、もう離してやれないけど、いいかい?」
そう言って、王弟殿下は僕を抱き上げて、大きなベッドに連れて行ってくれた。
一方、その頃の侍従と湯浴み係と世話係と、本物の閨係は⋯。
「「「えっ!?あなたが閨係ですか!?」」」
「はい、父からそう聞いて来ました。えっ!?約束の時間はとっくに過ぎてる?19:00と午後9時を間違えてたみたいです⋯」
「「「じゃあ、あれは、一体、誰⋯???」」」
終わり
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