閨係の恋~高貴な方の閨係に選ばれた僕は、愛する人と幸せになります~

まんまる

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第五夜 薔薇の香りに誘われて~閨係に間違えられた僕は、美麗殿下に見初められる~

おまけ 薔薇の香りはいけないスイッチ

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閨係に間違われて、殿下の腕の中に捕らえられたあの日の事を、僕は一生忘れないだろう。
殿下はまるで壊れ物を扱うように、僕を優しく抱いてくださった。本当に夢のようだった。


何もかも終わった後に、部屋を訪ねてきた侍従、湯浴み係、世話係の三人から平謝りされた。
ふむふむと一緒に事情を聞いていた殿下の眉が、一瞬ぴくりと動いたかと思ったら、後光が差すようなアルカイックスマイルで、間違いなんて無かったよね、と三人に圧をかけていた。
どうやら今回の間違いは、無かった事にされるみたいだ。


あれからひと月が経ち、僕は陛下の許しを得て、殿下が暮らす離宮で一緒に暮らしている。
離宮で暮らすなんて、僕には分不相応だとは分かっているけど、陛下から弟を頼むとまで言われてしまっては、下位貴族の僕にはどうする事もできなかった。


殿下と暮らすようになってから、僕は驚かされてばかりいる。
殿下は深窓の王子様の印象が強かったけど、実は学者肌で、市井しせいの人々の暮らしを良くする為の便利な物を日々研究されている。


「お疲れ様です、殿下。お茶をお持ちしました」
「ありがとう、ロゼ。ちょうど休憩しようと思ってたんだ。はぁ、ロゼは今日もいい香りだね」
「あ、あのぉ、殿下、これは僕の香りではなく、今流行りの石鹸の香りなんです。⋯がっかりされましたか?」
「がっかり?まさか、だってロゼがこの香りを身にまとっているという事は、私は今日もロゼを抱いていいって事だろう?」
「ぶっ!だ、抱い⋯」
「おや、違うのかい?おかしいな⋯。ロゼの薔薇の香りを嗅ぐと、私の体が反応するんだ。こう、スイッチをパチッと入れたようにね」
「で、殿下!殿下は機械じゃないんですから、どこにもスイッチはないですし、パチッて音も鳴りません!」
「そうかい?あっ、ほら、今パチッて聞こえた」

殿下はそう言って悪戯っぽく笑うと、僕の唇をぺろりと舐めた。

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