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第二夜 閨教育(実技)の先生が遅れるそうなので、幼なじみと先に始めます
本編 ※R18
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「こんな細い体で女抱けんの?」
「ひどい⋯、何でそんな事言うの」
実家の爵位は侯爵位、年齢は18歳でもうすぐ学園を卒業する。上に兄が一人、父親同士が友人、母親同士は学園時代からの親友、これが俺ザックと幼なじみリアムの簡単な自己紹介だ。
これだけ何もかも似ている俺達は、当たり前のように幼い頃から一緒にいた。
「なあ、リアム、さすがに閨教育まで一緒は気まずいと思わないか?」
「うん、だけど、一緒にするのは座学だけだって聞いたよ」
「そうなんだけどさ⋯、座学だけでも何かなぁ」
「そんなに気になる?じゃあ別々にしてもらおうか?」
「⋯いやいい、先生に何度も来てもらうのも悪いし」
「そう?じゃあ、明日ザックんちまで行くから」
「ああ、分かった」
もうすぐ卒業する学園の帰り道、幼なじみのリアムと明日受ける閨教育の話をしながら帰ってきた。
リアムは俺と閨教育を受けるのを全然気にしてなさそうだけど、もしも、もしもだぞ、座学だけで俺のあそこが反応して、それをリアムに気付かれでもしたら、俺は恥ずかしくて死ねる気がする。
「はぁ⋯、リアムもうすぐ来るかな」
気は重いがここまで来たら仕方がない。
「お邪魔しまぁす。あっ、ザックおはよう」
「ああ、おはよう、リアム」
「ザック、なんか元気ないね。大丈夫?」
「⋯逆に朝から元気過ぎて困ってんだけど」
「は?」
「何でもない、じゃあ、部屋まで案内するよ」
「うん、ありがとう、ザック」
リアムを今日の為に用意された二階の部屋へ案内した。
部屋に入ると、椅子とテーブルのセットが二つ置かれ、目の前には先生用の立派な椅子が一つ置かれていた。
「先生来るの、もうすぐだな」
「うん、どんな事教えてくれるのかな。ねぇザック、予習とかした?」
「よ、予習!?閨のか!?」
「そんなに驚かなくていいでしょ。僕、何も知らないから、ザックはどうかなって、ちょっと気になっただけだよ」
「リアムは何も知らないのか⋯?」
「うん。だめ?」
「いや、だめじゃないけど⋯」
リアムと二人でそわそわしながら先生が来るのを待っていると、部屋の扉を叩く音がした。
いよいよか、そう思っていると、部屋に入って来たのは、うちの執事だった。
「あれ?どうした?」
「ザック様、リアム様、申し訳ありません。手違いがあって、今日は座学ではなくて、実技教育があるそうです」
「じ、実技!!??」
「ええ」
「今日!?」
「はい、そうです」
「そ、それはいくらなんでも⋯、それに、リアムも一緒だぞ」
「はい、今急いで実技用のお部屋を二つ用意させておりますので、ご心配には及びません」
「そ、そうか、分かった」
「それでは、準備が整うまで、座学の資料に目を通されてください」
執事は持っていた紙の束をオレに渡すと慌ただしく、部屋から出て行った。
正直、急に実技をすると言われても、はいそうですかとはいかなかったが、今日の為に動いてくれている皆の事を考えると、首を縦に振るしかなかった。
「リアム、さっきから何も喋らないけど、大丈夫か?」
一人で勝手に決めてしまって申し訳ないなと思いながら、気になってリアムを見ると、リアムは震えながら今にも泣きそうになっていた。
「ザ、ザックどうしよう。急に実技だなんて、僕できないよ」
「大丈夫だ、リアム。先生と言っても、実技は閨係専門のプロが来るだろうから、分からなくてもちゃんと教えてくれるさ」
俺は半分自分自身に言い聞かせるように、不安そうにしているリアムに説明した。
それでもリアムは震えながら泣きそうな顔で、俺の目を見つめてきた。
「リアム⋯」
泣きそうになっているリアムを見ていたら、何だか腹の奥がずくんと滾ってきた。
何だこれ⋯?
コンコン
今まで感じた事のない感覚に戸惑っていると、また扉を叩く音がした。
俺とリアムは分かりやすく肩をびくりとさせ、緊張して強ばった顔を扉に向けた。
でも入って来たのは閨係の先生ではなくて、またさっきと同じ執事だった。
「どうした?先生が来たのか?」
喉がくっついて喋り辛かったが、俺はなるべく冷静に執事に尋ねた。
「申し訳ありません。実技教育の方も少々遅れるそうです」
「そ、そうか、分かった」
「着かれましたらご案内します。失礼します」
扉を閉めて出て行く執事を、リアムと二人で呆然と見送った。
「じゃ、じゃあさ、リアム、この資料を一緒に見ようか」
俺は気まずい空気に耐えきれず、震えるリアムに声を掛けた。
「うん⋯、分かった」
明らかに元気がなくなったリアムは、虚ろな目で俺を見て、小さな声で返事をした。
「ええっと、まずは、相手の女性の目を見つめる、か。よし、リアム、やってみるか」
「⋯うん」
俺はリアムの肩に手を置いて、リアムの目を見つめた。
あれ、リアムの目ってこんな綺麗な薄紫色だったか?ああ、リアムのお母さんに似てるのか。
「それから、口付けをする、か⋯。えっ!?く、口付け!?これはちょっと無理だよな?リアム」
目の前のリアムに確かめると、リアムの薄紫色の瞳がゆらゆらと揺れた。
「ぐすっ、ザックぅ、僕、自信ないよ。だから、口付けの練習したい。ザックは僕となんて嫌?」
ずくっ
とうとう泣き出してしまったリアムを見て、また腹の奥が滾ってきた。
「いや、じゃない」
俺は迷いもなく返事をして、リアムの肩を掴む手にぐっと力を入れた。
恐る恐る、二人の顔が近付いた。
ふわっ
えっ⋯?何だこの柔らかいのものは。
俺は驚く程柔らかいものに唇で触れながら、そっと目を開けた。
⋯っ!?
俺の目に飛び込んできたのは、髪の色と同じ薄茶の長いまつ毛を震わせながら必死に目を閉じ、唇をぷるぷると突き出すリアムだった。
リアムの唇、なんて柔らかいんだ⋯。
俺は手に持っていた閨教育の資料を握り締め、ぐっとリアムの肩を押して離れた。
「リアム、どうだ?自信はついたか?」
リアムは瞳を潤まながら顔を左右に何度も振った。
「まだ、だめ、くすん、ザック、もっとして」
ずくん
うっ、何てこと言うんだ、リアム。
「じゃ、じゃあ、次いくぞ」
「う、うん」
「ええっと、口付けの次は⋯、えっ?」
「ザック、どうしたの?」
「リアム⋯、次は、胸の尖りを優しく指で捏ね回す、になってる」
「胸の尖りを?こね回す?誰が、誰のを?」
「えっと、この場合、俺がリアムのを捏ね回す事になるな」
「そ、そうなの?わ、分かった」
リアムはふるふると震えながら、両手でシャツを捲り上げ、涙目で俺を見てきた。
ずっくん
リアムとは昔から湯浴みも一緒にして、裸ももう何度も見ているのに、何で今日はこんなに心を掻き乱されるんだ。
「いいよ、ザック、してみて」
ごくっ
俺はリアムの真っ白な肌の上で主張する、薄桃色のぷっくりとした胸の尖りに手を伸ばし、親指と人差し指できゅっと摘んだ。
「ひゃん」
リアムが何とも言えない可愛い声を出した。
「リアム、可愛い⋯」
「やだぁ、ザック、そんな事言わないで」
「本当だよ、今日のリアムは、可愛くて、何か、いやらしいよ」
「あぁっ、ザック、そんな事言えって書いてあるの?あんっ⋯はぁん⋯」
「うん、書いてある、書いてある」
「あぁん、もう、やめよう、ザック。お願い」
「はぁはぁ、リアム、でもまだ続きがあるから、やっておいた方がいいぞ」
「⋯まだ、ある、の?」
俺はまだ終わらないと知って驚くリアムに、資料の続きを読んで聞かせた。
「次は、下穿きの中に手を入れて、蜜が溢れている場所を、優しく撫でる、か。よし、やるぞ」
「ええっ!?」
「リアムは心配性だから、最後までやっておいた方がいいと思うぞ」
「あっ、そっか、ごめん、ザック、ありがとう」
ここまできたら、俺はもう可愛く反応するリアムに触れるのを止められなかった。
ずくっと腹の奥を滾らせながら、何とかリアムを丸め込み、戸惑うリアムを引き寄せた。
「手をいれるぞ」
「う、うん」
俺はリアムのズボンと下穿きの紐を緩めると、そっと中に手を差し入れた。
「やぁっ!そこ、だめぇ、汚いからぁ、ザック、やめてぇ」
俺が可愛く兆し始めているリアムの昂りを優しく握ると、リアムは堪ず俺を押しのけようとした。
「ああ、だめだよリアム、ちゃんと覚えて。蜜が溢れている所を触るからね」
俺はリアムの昂りの先端に手を滑らせ、先走りで濡れている鈴口をぬるぬると親指で擦った。
「あぁっ!ザック、そこ、やぁっ、なんかくる」
「リアム、俺の手で受け止めてやる」
「ああぁっ!ザックぅ、きちゃうぅ!」
リアムの体がびくんと大きく跳ねて、俺の手の中に精が放たれたのが分かった。
「リアム、上手にいけたね」
小刻みに震えて涙目になっているリアムの顔を覗き込むと、リアムが何か言いたそうにしている。
「リアム、どうした?もしかして嫌だったか?」
リアムは顔を左右に何度も振り、俺の言ったことを否定して、瞳を揺らしながら口を開いた。
「僕、これと同じ事、今から閨係の女性にするんでしょ?ザックがしたみたいに上手くできるか自信ない⋯」
俺の中で何かが弾けた。
リアムが女性を抱く?
だめだ!
そんな事想像しただけでおかしくなりそうだ。
俺はやっと、リアムを見ると何故腹の奥が滾ってくるのか、その理由に気付いた。
「こんな細い体で女抱けんの?」
「ひどい⋯、何でそんな事言うの」
「リアム、女性を抱く心配なんてしなくていいよ。今日は俺がリアムの閨係をするから」
「えっ?ザックが閨係?」
「そうだよ。だからリアムはただ俺に身を任せておけばいいんだ」
「でも、それじゃあ、僕、何もできないままだよ」
「それでいい、リアムは何もできなくていい」
「ザック、それどういう意味?」
「俺、リアムを見ると腹の奥が、こう、ぐわあって熱くなるんだ」
「えっ!?ザック、大丈夫?」
俺はリアムの薄紫色の瞳をじっと見つめた。
「リアム、好きだ」
「へっ⋯?」
「今気付いたばっかりだけど、リアムも信じられないかもしれないけど、でも本当にリアムが好きなんだ」
「本当⋯?」
「ああ、本当だ。リアム、この資料の最後に書いてある所を読むぞ」
「う、うん」
「閨事の時は、あなたの愛する人に愛情をたっぷり注ぎましょう。それだけで、お互い気持ち良くなる事ができます。技術ではありません、ただ愛すればいいのです。愛とは、そう例えば、あなたの目の前の人に、あなたは口付けをしたいと思いますか?もしあなたがしたいと思ったなら、それはその人を愛しているという事です」
「えっ、あっ⋯」
「どう?俺はリアムと口付けがしたいよ。リアムは、俺としたい?」
リアムは瞳を潤ませ、俺をじっと見た。
瞳が揺れて、悩んでいるのが分かる。
俺もじっとリアムの瞳を見つめ返した。
「し、た、い。僕もザックと口付けがしたい」
「リアム!」
俺はリアムを引き寄せ、力いっぱい抱き締めた。
そして柔らかなリアムの唇に吸い付いた。
下手くそな、勢いだけのぎこちない口付けに、リアムは一生懸命応えてくれた。
「はぁはぁ、リアム、好きだ。このままリアムを抱きたいけど、男性は受ける方の負担が大きいから、今日は気持ちいい事だけしよう、リアム」
「はぁはぁ、もう僕、気持ちいいよ。これ以上気持ちいいのがあるの?」
「リアム、そんな可愛い事言うと止まれないよ」
俺は上着を脱いで床に敷き、リアムをそっと仰向けに寝かせ、リアムのシャツの前を開いた。
「リアム、さっきの復習だよ」
俺がリアムの両方の胸の尖りを指でこねると、リアムは堪らず体を仰け反らせた。
俺は片手で尖りをこねながら、自分とリアムのスボンと下穿きを剥ぎ取った。
「リアム、いくよ」
俺はリアムの太ももを割り開き、間に滑り込むと、リアムの可愛い昂りと自分の滾った昂りを合わせた。
「やぁっ、ザック、これ、恥ずかしいよぉ」
「リアム、我慢して。気持ち良くするから」
俺は二人の昂りを一緒に両手で包み込み、腰を前後に揺らした。
「あっ、あぁっ、やぁ、あん、はぁん」
「リアム、リアム、好き、気持ちいい?リアム」
「うん、ザック、僕、気持ちいいよぉ、あぁっ」
体を上気させ、俺の下で乱れるリアムの姿を見ていると、たまらなく愛しさが込み上げてきた。
俺は昂りを握る手に力を込め、腰を激しく前後に振った。
「あぁっ、あああぁぁぁっ」
「くっっ、うっ、くっ」
手の平の中で二人の昂りがびくんと痙攣しながら精を放ち、それがリアムの腹の上に勢いよく迸った。
俺ははぁはぁと肩で息をしながら、リアムの上に倒れ込んだ。
「リアム、好きだよ」
「ザック、僕も好き」
俺達は床の上で抱き合いながら、お互いの唇を何度も何度も味わうように食んだ。
「リアム、今度は、ちゃんと最後までしよう」
「うん、ザック、最後までして」
ああ、幸せだ。
好きな人と触れ合っているだけでこんなに幸せだなんて知らなかった。
これが愛か。
リアムと触れ合った余韻に浸っていると、廊下をバタバタと走る足音が急にしたかと思ったら、扉が勢いよく開け放たれた。
「遅れてごめんなさいね!って⋯、あらまあ、今日は男性の閨指導だったのかしら?」
入り口に立っていたのは、いかにもその道の達人という感じの、無駄に色気を撒き散らした30代位の女性だった。
俺とリアムは驚き過ぎて声も出せずに、上体だけ起こして固まったまま女性を見た。
「ええっと、どちらが閨係?」
女性から聞かれ、俺はおずおずと手を上げた。
「あなた、私もここまで来るのに馬車代やら、お化粧代やら、避妊薬代も、結構お金が掛かってるのよ。だから、あなたがいただく分の半分を私が貰う権利があると思うの。そうでしょ?」
「あっ、いや、全額どうぞ」
「えっ、いいの?」
「はい」
「そう、じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ」
閨教育(実技)の先生はそう言って、軽い足取りで部屋を出て行った。
「すごい先生だったね、ザック」
「ああ、俺、あの先生には勃つ気がしないよ」
「「ふっ、ふふっ、あはははは」」
俺はリアムの唇にチュッと音を立てて口付けをして、腕の中にリアムを閉じ込めた。
あの後、慌ててやって来た執事に謝られたが、お陰で俺は、気付かないままだったかもしれない愛しい人を見つける事ができた。
「リアム、好きだよ」
「僕も好き、ザック」
ぎこちない口付けが自然にできるようになったら、リアム、君に愛してると言おう。
終わり
「ひどい⋯、何でそんな事言うの」
実家の爵位は侯爵位、年齢は18歳でもうすぐ学園を卒業する。上に兄が一人、父親同士が友人、母親同士は学園時代からの親友、これが俺ザックと幼なじみリアムの簡単な自己紹介だ。
これだけ何もかも似ている俺達は、当たり前のように幼い頃から一緒にいた。
「なあ、リアム、さすがに閨教育まで一緒は気まずいと思わないか?」
「うん、だけど、一緒にするのは座学だけだって聞いたよ」
「そうなんだけどさ⋯、座学だけでも何かなぁ」
「そんなに気になる?じゃあ別々にしてもらおうか?」
「⋯いやいい、先生に何度も来てもらうのも悪いし」
「そう?じゃあ、明日ザックんちまで行くから」
「ああ、分かった」
もうすぐ卒業する学園の帰り道、幼なじみのリアムと明日受ける閨教育の話をしながら帰ってきた。
リアムは俺と閨教育を受けるのを全然気にしてなさそうだけど、もしも、もしもだぞ、座学だけで俺のあそこが反応して、それをリアムに気付かれでもしたら、俺は恥ずかしくて死ねる気がする。
「はぁ⋯、リアムもうすぐ来るかな」
気は重いがここまで来たら仕方がない。
「お邪魔しまぁす。あっ、ザックおはよう」
「ああ、おはよう、リアム」
「ザック、なんか元気ないね。大丈夫?」
「⋯逆に朝から元気過ぎて困ってんだけど」
「は?」
「何でもない、じゃあ、部屋まで案内するよ」
「うん、ありがとう、ザック」
リアムを今日の為に用意された二階の部屋へ案内した。
部屋に入ると、椅子とテーブルのセットが二つ置かれ、目の前には先生用の立派な椅子が一つ置かれていた。
「先生来るの、もうすぐだな」
「うん、どんな事教えてくれるのかな。ねぇザック、予習とかした?」
「よ、予習!?閨のか!?」
「そんなに驚かなくていいでしょ。僕、何も知らないから、ザックはどうかなって、ちょっと気になっただけだよ」
「リアムは何も知らないのか⋯?」
「うん。だめ?」
「いや、だめじゃないけど⋯」
リアムと二人でそわそわしながら先生が来るのを待っていると、部屋の扉を叩く音がした。
いよいよか、そう思っていると、部屋に入って来たのは、うちの執事だった。
「あれ?どうした?」
「ザック様、リアム様、申し訳ありません。手違いがあって、今日は座学ではなくて、実技教育があるそうです」
「じ、実技!!??」
「ええ」
「今日!?」
「はい、そうです」
「そ、それはいくらなんでも⋯、それに、リアムも一緒だぞ」
「はい、今急いで実技用のお部屋を二つ用意させておりますので、ご心配には及びません」
「そ、そうか、分かった」
「それでは、準備が整うまで、座学の資料に目を通されてください」
執事は持っていた紙の束をオレに渡すと慌ただしく、部屋から出て行った。
正直、急に実技をすると言われても、はいそうですかとはいかなかったが、今日の為に動いてくれている皆の事を考えると、首を縦に振るしかなかった。
「リアム、さっきから何も喋らないけど、大丈夫か?」
一人で勝手に決めてしまって申し訳ないなと思いながら、気になってリアムを見ると、リアムは震えながら今にも泣きそうになっていた。
「ザ、ザックどうしよう。急に実技だなんて、僕できないよ」
「大丈夫だ、リアム。先生と言っても、実技は閨係専門のプロが来るだろうから、分からなくてもちゃんと教えてくれるさ」
俺は半分自分自身に言い聞かせるように、不安そうにしているリアムに説明した。
それでもリアムは震えながら泣きそうな顔で、俺の目を見つめてきた。
「リアム⋯」
泣きそうになっているリアムを見ていたら、何だか腹の奥がずくんと滾ってきた。
何だこれ⋯?
コンコン
今まで感じた事のない感覚に戸惑っていると、また扉を叩く音がした。
俺とリアムは分かりやすく肩をびくりとさせ、緊張して強ばった顔を扉に向けた。
でも入って来たのは閨係の先生ではなくて、またさっきと同じ執事だった。
「どうした?先生が来たのか?」
喉がくっついて喋り辛かったが、俺はなるべく冷静に執事に尋ねた。
「申し訳ありません。実技教育の方も少々遅れるそうです」
「そ、そうか、分かった」
「着かれましたらご案内します。失礼します」
扉を閉めて出て行く執事を、リアムと二人で呆然と見送った。
「じゃ、じゃあさ、リアム、この資料を一緒に見ようか」
俺は気まずい空気に耐えきれず、震えるリアムに声を掛けた。
「うん⋯、分かった」
明らかに元気がなくなったリアムは、虚ろな目で俺を見て、小さな声で返事をした。
「ええっと、まずは、相手の女性の目を見つめる、か。よし、リアム、やってみるか」
「⋯うん」
俺はリアムの肩に手を置いて、リアムの目を見つめた。
あれ、リアムの目ってこんな綺麗な薄紫色だったか?ああ、リアムのお母さんに似てるのか。
「それから、口付けをする、か⋯。えっ!?く、口付け!?これはちょっと無理だよな?リアム」
目の前のリアムに確かめると、リアムの薄紫色の瞳がゆらゆらと揺れた。
「ぐすっ、ザックぅ、僕、自信ないよ。だから、口付けの練習したい。ザックは僕となんて嫌?」
ずくっ
とうとう泣き出してしまったリアムを見て、また腹の奥が滾ってきた。
「いや、じゃない」
俺は迷いもなく返事をして、リアムの肩を掴む手にぐっと力を入れた。
恐る恐る、二人の顔が近付いた。
ふわっ
えっ⋯?何だこの柔らかいのものは。
俺は驚く程柔らかいものに唇で触れながら、そっと目を開けた。
⋯っ!?
俺の目に飛び込んできたのは、髪の色と同じ薄茶の長いまつ毛を震わせながら必死に目を閉じ、唇をぷるぷると突き出すリアムだった。
リアムの唇、なんて柔らかいんだ⋯。
俺は手に持っていた閨教育の資料を握り締め、ぐっとリアムの肩を押して離れた。
「リアム、どうだ?自信はついたか?」
リアムは瞳を潤まながら顔を左右に何度も振った。
「まだ、だめ、くすん、ザック、もっとして」
ずくん
うっ、何てこと言うんだ、リアム。
「じゃ、じゃあ、次いくぞ」
「う、うん」
「ええっと、口付けの次は⋯、えっ?」
「ザック、どうしたの?」
「リアム⋯、次は、胸の尖りを優しく指で捏ね回す、になってる」
「胸の尖りを?こね回す?誰が、誰のを?」
「えっと、この場合、俺がリアムのを捏ね回す事になるな」
「そ、そうなの?わ、分かった」
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ずっくん
リアムとは昔から湯浴みも一緒にして、裸ももう何度も見ているのに、何で今日はこんなに心を掻き乱されるんだ。
「いいよ、ザック、してみて」
ごくっ
俺はリアムの真っ白な肌の上で主張する、薄桃色のぷっくりとした胸の尖りに手を伸ばし、親指と人差し指できゅっと摘んだ。
「ひゃん」
リアムが何とも言えない可愛い声を出した。
「リアム、可愛い⋯」
「やだぁ、ザック、そんな事言わないで」
「本当だよ、今日のリアムは、可愛くて、何か、いやらしいよ」
「あぁっ、ザック、そんな事言えって書いてあるの?あんっ⋯はぁん⋯」
「うん、書いてある、書いてある」
「あぁん、もう、やめよう、ザック。お願い」
「はぁはぁ、リアム、でもまだ続きがあるから、やっておいた方がいいぞ」
「⋯まだ、ある、の?」
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「次は、下穿きの中に手を入れて、蜜が溢れている場所を、優しく撫でる、か。よし、やるぞ」
「ええっ!?」
「リアムは心配性だから、最後までやっておいた方がいいと思うぞ」
「あっ、そっか、ごめん、ザック、ありがとう」
ここまできたら、俺はもう可愛く反応するリアムに触れるのを止められなかった。
ずくっと腹の奥を滾らせながら、何とかリアムを丸め込み、戸惑うリアムを引き寄せた。
「手をいれるぞ」
「う、うん」
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俺が可愛く兆し始めているリアムの昂りを優しく握ると、リアムは堪ず俺を押しのけようとした。
「ああ、だめだよリアム、ちゃんと覚えて。蜜が溢れている所を触るからね」
俺はリアムの昂りの先端に手を滑らせ、先走りで濡れている鈴口をぬるぬると親指で擦った。
「あぁっ!ザック、そこ、やぁっ、なんかくる」
「リアム、俺の手で受け止めてやる」
「ああぁっ!ザックぅ、きちゃうぅ!」
リアムの体がびくんと大きく跳ねて、俺の手の中に精が放たれたのが分かった。
「リアム、上手にいけたね」
小刻みに震えて涙目になっているリアムの顔を覗き込むと、リアムが何か言いたそうにしている。
「リアム、どうした?もしかして嫌だったか?」
リアムは顔を左右に何度も振り、俺の言ったことを否定して、瞳を揺らしながら口を開いた。
「僕、これと同じ事、今から閨係の女性にするんでしょ?ザックがしたみたいに上手くできるか自信ない⋯」
俺の中で何かが弾けた。
リアムが女性を抱く?
だめだ!
そんな事想像しただけでおかしくなりそうだ。
俺はやっと、リアムを見ると何故腹の奥が滾ってくるのか、その理由に気付いた。
「こんな細い体で女抱けんの?」
「ひどい⋯、何でそんな事言うの」
「リアム、女性を抱く心配なんてしなくていいよ。今日は俺がリアムの閨係をするから」
「えっ?ザックが閨係?」
「そうだよ。だからリアムはただ俺に身を任せておけばいいんだ」
「でも、それじゃあ、僕、何もできないままだよ」
「それでいい、リアムは何もできなくていい」
「ザック、それどういう意味?」
「俺、リアムを見ると腹の奥が、こう、ぐわあって熱くなるんだ」
「えっ!?ザック、大丈夫?」
俺はリアムの薄紫色の瞳をじっと見つめた。
「リアム、好きだ」
「へっ⋯?」
「今気付いたばっかりだけど、リアムも信じられないかもしれないけど、でも本当にリアムが好きなんだ」
「本当⋯?」
「ああ、本当だ。リアム、この資料の最後に書いてある所を読むぞ」
「う、うん」
「閨事の時は、あなたの愛する人に愛情をたっぷり注ぎましょう。それだけで、お互い気持ち良くなる事ができます。技術ではありません、ただ愛すればいいのです。愛とは、そう例えば、あなたの目の前の人に、あなたは口付けをしたいと思いますか?もしあなたがしたいと思ったなら、それはその人を愛しているという事です」
「えっ、あっ⋯」
「どう?俺はリアムと口付けがしたいよ。リアムは、俺としたい?」
リアムは瞳を潤ませ、俺をじっと見た。
瞳が揺れて、悩んでいるのが分かる。
俺もじっとリアムの瞳を見つめ返した。
「し、た、い。僕もザックと口付けがしたい」
「リアム!」
俺はリアムを引き寄せ、力いっぱい抱き締めた。
そして柔らかなリアムの唇に吸い付いた。
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「はぁはぁ、もう僕、気持ちいいよ。これ以上気持ちいいのがあるの?」
「リアム、そんな可愛い事言うと止まれないよ」
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「リアム、さっきの復習だよ」
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「リアム、いくよ」
俺はリアムの太ももを割り開き、間に滑り込むと、リアムの可愛い昂りと自分の滾った昂りを合わせた。
「やぁっ、ザック、これ、恥ずかしいよぉ」
「リアム、我慢して。気持ち良くするから」
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「あっ、あぁっ、やぁ、あん、はぁん」
「リアム、リアム、好き、気持ちいい?リアム」
「うん、ザック、僕、気持ちいいよぉ、あぁっ」
体を上気させ、俺の下で乱れるリアムの姿を見ていると、たまらなく愛しさが込み上げてきた。
俺は昂りを握る手に力を込め、腰を激しく前後に振った。
「あぁっ、あああぁぁぁっ」
「くっっ、うっ、くっ」
手の平の中で二人の昂りがびくんと痙攣しながら精を放ち、それがリアムの腹の上に勢いよく迸った。
俺ははぁはぁと肩で息をしながら、リアムの上に倒れ込んだ。
「リアム、好きだよ」
「ザック、僕も好き」
俺達は床の上で抱き合いながら、お互いの唇を何度も何度も味わうように食んだ。
「リアム、今度は、ちゃんと最後までしよう」
「うん、ザック、最後までして」
ああ、幸せだ。
好きな人と触れ合っているだけでこんなに幸せだなんて知らなかった。
これが愛か。
リアムと触れ合った余韻に浸っていると、廊下をバタバタと走る足音が急にしたかと思ったら、扉が勢いよく開け放たれた。
「遅れてごめんなさいね!って⋯、あらまあ、今日は男性の閨指導だったのかしら?」
入り口に立っていたのは、いかにもその道の達人という感じの、無駄に色気を撒き散らした30代位の女性だった。
俺とリアムは驚き過ぎて声も出せずに、上体だけ起こして固まったまま女性を見た。
「ええっと、どちらが閨係?」
女性から聞かれ、俺はおずおずと手を上げた。
「あなた、私もここまで来るのに馬車代やら、お化粧代やら、避妊薬代も、結構お金が掛かってるのよ。だから、あなたがいただく分の半分を私が貰う権利があると思うの。そうでしょ?」
「あっ、いや、全額どうぞ」
「えっ、いいの?」
「はい」
「そう、じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ」
閨教育(実技)の先生はそう言って、軽い足取りで部屋を出て行った。
「すごい先生だったね、ザック」
「ああ、俺、あの先生には勃つ気がしないよ」
「「ふっ、ふふっ、あはははは」」
俺はリアムの唇にチュッと音を立てて口付けをして、腕の中にリアムを閉じ込めた。
あの後、慌ててやって来た執事に謝られたが、お陰で俺は、気付かないままだったかもしれない愛しい人を見つける事ができた。
「リアム、好きだよ」
「僕も好き、ザック」
ぎこちない口付けが自然にできるようになったら、リアム、君に愛してると言おう。
終わり
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でも、実はこれには訳がある。
知らないのは、アイルだけ………。
さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪
不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!
ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。
その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。
しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。
何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。
聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)
美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
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お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。
お話を追加いたしました。
30歳まで独身だったので男と結婚することになった
あかべこ
BL
※未完
4年前、酒の席で学生時代からの友人のオリヴァーと「30歳まで独身だったら結婚するか?」と持ちかけた冒険者のエドウィン。そして4年後のオリヴァーの誕生日、エドウィンはその約束の履行を求められてしまう。
キラキラしくて頭いいイケメン貴族×ちょっと薄暗い過去持ち平凡冒険者
出戻り王子が幸せになるまで
あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
初恋の相手と政略結婚した主人公セフィラだが、相手には愛人ながら本命がいたことを知る。追及した結果、離縁されることになり、母国に出戻ることに。けれど、バツイチになったせいか父王に厄介払いされ、後宮から追い出されてしまう。王都の下町で暮らし始めるが、ふと訪れた先の母校で幼馴染であるフレンシスと再会。事情を話すと、突然求婚される。
一途な幼馴染×強がり出戻り王子のお話です。
※他サイトにも掲載しております。
雫
ゆい
BL
涙が落ちる。
涙は彼に届くことはない。
彼を想うことは、これでやめよう。
何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。
僕は、その場から音を立てずに立ち去った。
僕はアシェル=オルスト。
侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。
彼には、他に愛する人がいた。
世界観は、【夜空と暁と】と同じです。
アルサス達がでます。
【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。
2025.4.28 ムーンライトノベルに投稿しました。
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