閨係の恋~高貴な方の閨係に選ばれた僕は、愛する人と幸せになります~

まんまる

文字の大きさ
2 / 20
第一夜 王太子殿下の閨係に選ばれた豪商男爵家令息、下賜された公爵に溺愛される

おまけ 策士の勝負

しおりを挟む
「兄様!勝負して!」
「はいはい、じゃんけんに勝ったらココと一緒に寝ていいぞ、ルーク」


ここひと月、ルークは毎日私にじゃんけんを挑んでくる。


「いくぞ、じゃんけんポン」
「うああぁぁ!また負けたぁ!」
「ふっ、今日も残念だったな」
「明日こそ勝つ!」

ルークは勝ったらココと一緒に寝ると意気込んでいるが、まだ一度も実現していない。

何故なら、ルークはパーしか出さないからだ。
ふっ、まだまだ幼い子供だな。



「兄様!勝負だ!」
「はいはい、じゃんけんポン」
「やったああぁぁ!」
「⋯⋯はっ?」

私がルークに負けただと?

「ココぉ!一緒に寝よう!」
「待て待て!ルーク、どうしてパーじゃないんだ?⋯まさか、ルーク、わざとか⋯」
「ふふん、兄様、僕が何も考えずに毎日パーを出していたと思う?」
「お、お前⋯」

こいつ⋯、とんだ策士だ。
まだ5歳だというのに、頭の回転といい、執念深さといい、末恐ろしいな⋯。

まあ、ルークが跡を継ぐ我が公爵家も安泰という事だな。


「ココ、僕、寒いからぎゅってして寝てね」
「はい、ルーク様、どうぞ」

私が敗戦の余韻に浸っていると、ココが両手を広げて今にもルークを抱き締めようとしている。

「なっ!?ま、待て!ルーク、今は夏だぞ!」
「はぁ⋯、兄様、僕は寒いの。それに諦めの悪い男は嫌われるよ」
「な、な、諦めが悪いのはどっちだぁ!!」

「ライアン様?どうされたのですか?ライアン様がルーク様に僕と寝るように言われたんですよね?」
「はあっ!?誰がそんな事言った?」
「えっ?ルーク様ですよ」
「はっ!?」

私が唖然としてルークを見ると、ルークはココに見えないように私の方に顔を向け、してやったりの顔でほくそ笑んでいた。


ま、負けた。こいつ、本物の策士だ。


私がわなわなと震えていると、ココが心配して私に近付いてきた。

「ライアン様、大丈夫ですか?」
「ココ⋯、私も寒い」

私が思わず口を滑らせると、ルークが鬼の形相で私に体当たりしてきた。

ドン!

「兄様、往生際が悪いぞ!」

ドン!

「ココは私の伴侶だ!」

ドン!ドン!ドン!ドン!

「ふ、二人とも、やめてください!」

「「ココ⋯」」

「じゃあ、三人で一緒に寝ましょうか」



結局、ルークを真ん中にして、川の字で寝る事になった。

やれやれと思ってルークを見ると、目はつぶってはいるが、何だか嬉しそうに口元をほころばせている。

眠っていると天使のようだな。

ふとココを見ると、ココもルークを見て微笑んでいる。

「ふふっ、可愛いですね」
「ああ、そうだな」

自然とココと顔が近付いて、唇が触れた。
ルークをはさんでココの唇を食んでいたら、舌を味わいたくなって、舌を絡めた。

すると、私とココの顔の真下でルークがぱちりと目を開けた。

「何してるの?兄様、ココが苦しそうだよ。やっぱり夜にココをいじめてたんだね」

「ルーク!?起きてたのか!?」

ココが真っ赤になって私から離れた。

するとすかさずルークがココに抱きついた。
私が慌てて止めようとすると、ルークはくるりとこちらを向いて、今度は私に抱きついてきた。

「ココ、兄様、あったかい、むにゃ⋯。ココ、兄様、大好き、むにゃむにゃ⋯」

「「可愛い」」

「ふっ」
「ふふっ」

二人でルークを眺めていたら、小さな手が私の手に触れてきて、きゅっと握ってきた。

「兄様、ココと幸せになって、むにゃ⋯」


ふっ、可愛い策士には敵わないな。

ルークの為にも、ココと幸せにならないとな。

    
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄をしようとしたら、パパになりました

ミクリ21
BL
婚約破棄をしようとしたら、パパになった話です。

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)

ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。 僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。 隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。 僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。 でも、実はこれには訳がある。 知らないのは、アイルだけ………。 さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪

不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!

ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。 その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。 しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。 何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。 聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。 お話を追加いたしました。

30歳まで独身だったので男と結婚することになった

あかべこ
BL
※未完 4年前、酒の席で学生時代からの友人のオリヴァーと「30歳まで独身だったら結婚するか?」と持ちかけた冒険者のエドウィン。そして4年後のオリヴァーの誕生日、エドウィンはその約束の履行を求められてしまう。 キラキラしくて頭いいイケメン貴族×ちょっと薄暗い過去持ち平凡冒険者

別れの夜に

大島Q太
BL
不義理な恋人を待つことに疲れた青年が、その恋人との別れを決意する。しかし、その別れは思わぬ方向へ。

出戻り王子が幸せになるまで

あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
初恋の相手と政略結婚した主人公セフィラだが、相手には愛人ながら本命がいたことを知る。追及した結果、離縁されることになり、母国に出戻ることに。けれど、バツイチになったせいか父王に厄介払いされ、後宮から追い出されてしまう。王都の下町で暮らし始めるが、ふと訪れた先の母校で幼馴染であるフレンシスと再会。事情を話すと、突然求婚される。 一途な幼馴染×強がり出戻り王子のお話です。 ※他サイトにも掲載しております。

ゆい
BL
涙が落ちる。 涙は彼に届くことはない。 彼を想うことは、これでやめよう。 何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。 僕は、その場から音を立てずに立ち去った。 僕はアシェル=オルスト。 侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。 彼には、他に愛する人がいた。 世界観は、【夜空と暁と】と同じです。 アルサス達がでます。 【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。 2025.4.28 ムーンライトノベルに投稿しました。

処理中です...