騙されて奴隷にされてたおっさん、即買いしたらチートすぎてヤバい!

厨二病・末期

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エルフの過去

07話 殺戮のキノコ狩り

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 カエン様の仕事は闇薬師だ。この里で調合した薬を人間の国へ渡って、こっそり売ってくる。その稼いだお金で生活をしている。

 人間の国には色々なものが売っているみたい。私もそのうち連れて行って貰うつもり。大婆様は、稼いだお金で便利な魔道具なんかも買ってくる。

 魔道具は魔石で動くの。魔石は魔物の核で、体内にある石みたいな物なんだって。魔道具を壊さないように分解して、中を開いてその構造を眺めるのが楽しい。複雑な魔法陣が組み込まれていて辞書を片手に一つ一つ読み解いていくと、簡単なものなら私でも作れそうな気がしてくる。

 今度何か作ってみようかな。前世、夏休みの宿題で、ラジオを作った事があるんだよね。成り立ちがわかれば出来そうだ。

 私が今まで生活していた空き家には、ほとんど物がなかったから、色々なものが手に入る大婆様の家は、とても快適だった。

 破れた服を繕いたくても、針や糸さえ無かったからね、私の格好はずっと浮浪児みたいなスタイルだった。今は、余った布なんかを貰って服を手直ししているから、前より随分マシな筈だ。

 それと、ピカロの服を作ったりもしている。こっちは完全な趣味。前世、家庭科の授業で人形の服作りに挑戦した事があったんだ。割と手先は器用な方なの。自分の作った服を可愛いピカロに着せるのは、純粋に楽しかった。

 他の精霊に見せびらかしに行ってる姿がとても微笑ましい。うーん、布がもっと欲しいね、ピカロはマフィアのドンみたいな服が好きみたい。

 「おい!もっとこう、クールでダークネスな服を作ってくれよ!!」

 えぇ、ダークネスな服ってどんな服だよ!

 こんな感じでピカロは注文が多いけど、夜になると私の元に戻って来て一緒に就寝するようになった。私の作ったパジャマを着るピカロは本当に可愛いのだ。

 彼との距離は少しづつ近づいている。でも相変わらず精霊魔法は使えないままだけど。だって、ちっとも協力してくれないからね。

 大婆さまには、ピカロとの契約は解除しろって言われてるんだけど。すやすや眠るこの寝顔が見れなくなるのは寂しいと思ってしまう自分がいる。

 親の欲目なのか??他の精霊達なんかよりも、ピカロは1番可愛いかった。中身はさておき。黙ってさえいればピカイチで可憐なの。


*****************


  「エリン。薬の注文が入ったから、キノコ狩りに行くよ。準備しな。今日は結界の外に出るからね。」

 「わかりました!大婆さま。」

 エルフの里は、世界樹の結界に守られているから、私みたいな子供でも生きていける。結界の外は強い魔物が出るからとても危険だ。もしこの里から追い出されたら、子供の私は間違いなく死んでしまう。ここはそんな所だ。

 魔物避けの煙玉や軽食のサンドイッチを袋に詰めて、私は背に大きな籠を背負った。

 大婆さまは黒のゴスロリ服に黒いヴェール、厚底ブーツに、黒の日傘を差している。これがいつものスタイルだ。

 「ホレ、アンタのナイフと皮手袋だよ。これでキノコを採取するんだ。頼んだよ!」

 「わかりました!わぁ、やった銀のナイフだ。小ぶりなのに、結構重いんだなぁ。」

 私はウキウキと鼻歌混じりにそれを腰ベルト付け、呑気にピクニック気分で出かけた。だって空は蒼くて、小川のせせらぎはサラサラと、小鳥はちゅんちゅん鳴くのよ?

 この穏やかな自然のBGMに浮かれてたの。仕方ないでしょ、だって今まで里から出た事無かったし。小枝を振りながら、冒険者気取りだった。

 ーーー洞窟に着くまでは。

 薄暗くジメジメとした洞窟に着くと、大婆様は私を近くの木の茂みに隠し、魔物避けの香を焚いた。

 「死にたくなきゃここから動くんじゃ無いよ。分かったね!」

 そう言って、大婆さまは洞窟の奥に入って行った。谷から吹く生ぬるい風がすえた臭い匂いを運んでくる。

 え?これキノコ狩りだよね?何すんの??
 なんか思ってたのと、違うんですけど??

 大婆さまが洞窟に入った瞬間、ぽっかりと開いた暗い洞穴の中から、断末魔の大合唱かと思うような雄叫びが聞こえて来る。

 『グギャァァァーッ!!オオオォーーッ!!』

 え!?なに??何が起こっているの?私は訳もわからず恐怖から、ギュッと革の手袋を握りしめた。

 洞窟の入り口を凝視していると、そこからデカい生き物がドシンドシンと巨体を揺らしながら飛び出して来た。何だ、あれは。二足歩行の猪か??ゲームとかで見たことあるぞ。

 そいつが私の目の前まで迫って来た。私の隠れる茂みまであと数センチ。湿度の高いじっとりとした息がかかる。私は、怖くて一歩もそこから動けなかった。



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