ヒロインだと言われたって知るか!

ふにゃー

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第2章 乙女ゲームの矯正力は強いのか

ギルドの強制指名依頼!行って来ます!

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  コーデリア様とは、あの日を境に仲良くして頂いてるんだけど……

  自分の囁きに乗って、冒険者ギルドに登録し、召喚陣を利用し、真っ白で可愛いタミアを召喚し、亜空間小屋を利用出来る様になった。

  そのタミア以外に、騎獣のジャンボピヨリンも召喚したんだけど、白だよ、白!

  「白ピヨ来た~!」と言って、喜んでた。

  タミアとピヨリンの可愛さに、ご令嬢方、悶えてたけど、2体召喚出来るのは、それだけコーデリアの魔力量が多いんだよ。

  1体召喚するのも難しいご令嬢も居るからさ。

  で、勿論?イルラもチャレンジしてて……

  彼女も魔術師コース選ぶだけあって、魔力量は多いんだろう。2体で。

  飛行型の騎獣で、バトルホークを召喚してた。

  もう1体はペット兼用の騎獣で、大型の猫。

  と言っても、ライオン、虎ではなく、地球で言う山猫?のボブキャットの様な尖った耳の長毛種で、少し癖がある真っ白な体躯。

  足を揃えて座ると、とっても綺麗な猫で、フェレースという魔獣なんだってー。

  侯爵家が自慢する、賢く美麗な猫になっちゃったらしい。

  それだからじゃないと思うけど、部屋じゃなく、裏庭に出した小屋で、イルラ暮らしてるらしい。

  入れるのは 、幼少期からの専用侍女だけだって。

  「もう、快適よ~!」とご機嫌です。

  そう王都住みの者は通いが多いそうで、コーデリアも、イルラも、王都の屋敷から通ってるの。馬車で。

  その為、登下校時の校門前の馬車列凄いんだよ。

  まあ、王族の馬車が来たら、皆譲るらしいけど。

  あ、そうそう、自分に臀を蹴られた殿下だけど、挙動不審なんだよね。

  まさか、その方面に目覚めたとか言わないでよ。

  絶対、怒って呼び出されると思ってたから、別に良いんだけど……



  割と呑気に、学園で勉強し、図書館で本を借りて読んでも居たんだ。

  特に、勉強になったのは、独学だった魔法陣とか。

  図書室と言うよりは、大きな塔型の図書館で、内縁、外縁全部書庫で、日に焼けると困るので窓無し。

  中央部に螺旋階段があって、処々にソファや1人用の勉強机、中合わせのカウンタータイプの座席とか……

  この図書館の所蔵数は分からないけど、さすがに全部は読めないな。

  手にすれば、ローディングして、後日読めるなんて魔法があったとしても、取り込みたくないな。

  絶対、頭痛くなるよ。

  それなら、塔ごとコピーして、小屋の中に……と思ったけど、違う意味でダメだ。

  きっと魔力が枯渇する。

  いくら魔力量が多いと言っても、花畑を開いた時の魔力吸収を思えば、体が震えるよ。



  そんなある日ー
  魔法の実習で、連携プレーや指示出しを学ぶのに、専科合同だったんだ。

  その時に、学園の教員が血相を変えて飛び込んできた。

  「ドーリッシュ!ライラ・ドーリッシュは居るか?!」

  「はい!」と挙手すれば……

  「冒険者ギルドから、緊急指名依頼が出た!」

  そう言われ、道具を片付け始めた。

  教員が、担当教官に説明しているんだけど、自分に言えよ。

  今の場所がグラウンドだったので、その場で召喚獣を出して飛ぶ許可を貰った。

  で、「ブレンダ!来て!」と呼べば……

  騎獣の鞍を着けた姿で現れたんだけど、
  生徒が「フレスベルグだわ…」と口にしてる者も居た。

  
  制服のまま、飛び立った自分を、どう思ったのかは知らないけど、王都のギルド裏に降りたら……

  「お前、格好良いな!」と冒険者連中に小突かれた。

  小屋の中のログハウスで着替え、話を聞けば……

  王都より南西50キロの方向より、ワイバーンが50体の群れで飛んで来てるらしい。

  その話で、一斉に、自分に視線が飛んだ。

  というのも、飛行型の騎獣を持ってるのは、自分しか居ないらしい。

  ので、当然、作戦は……

  「地面に叩き落としてくれ」だよねえ。

  場所は、王都に近付く前にって事で、自分は早速、ブレンダに乗って、飛び立った。

  んだけど……

  また、魔法学園の真上を飛ぶ羽目になったんだ。

  ちなみに、報酬は固定の討伐報酬以外は、ワイバーンの素材は山分けって話だった。


  戦わせろって言う素振りのレイトルも召喚し、地面より攻撃、イベルダは首にしがみつき、参戦した。

  なんて好戦的な召喚獣達だ。と思いながら、上空で、ワイバーン相手に、雷魔法を、自分もブレンダもぶっぱなして、叩き落として行ったんだけど……

  地上に落ちたワイバーンに、広範囲の氷魔法を行使したレイトル。

  亜龍のワイバーンなので、寒さに弱いの。

  悲壮で、緊張しながら他のパーティが着いた頃には、大方片付いてた。

  ちょうど運悪く、Aランク冒険者達、護衛依頼や遠征依頼に行っていて、Bランク冒険者パーティ3つと自分が呼ばれてたんだ。

  残すところ10体あまりが上空に居り、フレスベルグのブレンダに煽られて、殺りあっていたの。

  ブレンダ恐い。

  自分は地上に降りて、レイトルが狩ったワイバーンを、インベントリに収納していってたんだ。

  でないと、レイトルが魔石を探しながら食べちゃうもん!

  ワイバーンの飛翔の革で、マントが欲しいなって思ってたので、「なるべく燃やさないで~!」と叫びながら、走り回ってた自分。

  他にも、「レイトル!魔石食べるのは後~!」とか叫んでた。



  50体ものAランクの魔物だというワイバーンを、あっさり、2時間もしない内に撃退したんだけど……

  大半が、自分のインベントリの中で、討伐報酬も要らないって辞退するパーティも居たくらいだったんだ。

  結果としては、ギルドが受け取らせたんだけど、ワイバーン本体は、山分けじゃなく、切り取り次第って事になって……

  30体ものワイバーンが、自分の取り分に。

  まあ、皆は、ヴァインタミアまでが頑張ってたのを見てたので、「召喚獣達3体分の働きもあるだろ」って。

  その後は、ワイバーンの肉、皮を売ってくれ!だって。


  ワイバーン討伐がなったって話が、王都中に広がり始めてる時には、冒険者ギルドだけでなく、商業ギルドも来ていて……

  「申し訳ないですけど、レイトルが魔石を食べちゃったのは出せません」

  そう言って謝ったのは、出さなくても許して貰えたんだけど、3分の1の10体だよ。

  それでも、商業ギルドと取り合いしてた冒険者ギルド。

  卸す商会は一緒な様な気はするんだけどね。

  それに、自分の他のパーティさんの分、買い取ってあげなよ。ねえ。

  一応、1体200万コル、白金貨なら2枚、大金貨なら20枚、金貨なら200枚となり、20体分だから……

  4000万……

  召喚陣使用が8回出来る……って、あの方法じゃもう無理。

  遭遇して契約なら出来るだろうけど、召喚陣の使用するには、魔力量が足りない。

  で、自分、待ってる間に、インベントリ内のワイバーンを解体し、魔石をあげてたんだ。

  バリバリボリボリと音を立てて、魔石を食べるデュラハンギャロップに、裏方のギルド職員、顔色が悪かった。

  そういえば先日、レイトルに乗って、死神の様な大きな薬師の鎌を持ってたら、失神した人が居たなあと思い出した。

  確か、初級ダンジョンに向かう道中だったかな?

  
  ギルドから解放された後、10体分のワイバーンの肉、ラノベでしてた様に、唐揚げにしてみようって事で、市場の方に向かえば……

  肉屋で、「ワイバーンの肉は手に入ったか?!」と聞いてる貴族の使用人のお仕着せを着た者が数人詰めかけていた。

  情報早いなあ。と思いながら、スパイス屋に向かえば、自分の前でぺこりとお辞儀した、何処かの貴族の使用人。

  と思ってたら、手紙を渡され、去らないって事は読めと。

  手紙を開いて、噴き出さなかった事を褒めて欲しい。

  「ライラの事だから、ワイバーンいっぱい狩ったでしょ。売ってちょうだい。コーデリア」

  「どのくらい?1体丸々でも良いよ」と言えば、頭を下げた後、「では、1体で」と言われた。

  店と店の間で、アイテムボックスをくっ付ける様にして、受け渡したんだけど……

  ワイバーンの解体、半分残してて良かったよ。

  ただ、1体で金貨200枚、200万コルを知ってたって、さすが侯爵家、情報早いね。

  その後、イルラのブルックナー家の者も、こっそりやってきて、1体丸々で、買い取って行った。

  一応、双方の家の者には、「内密で」と釘をさしておいた。

  スパイス屋の後は、商業ギルドが教えてくれた、ワイバーンのマントを作る事が出来る装備品屋へ。

  割と、我が家に近い場所にある様で……

  夕方ではあるけど、顔を出せば、
「あら、ライラちゃん」と呼ぶ間柄の、おばさんと呼んだら怒られるお姉さん。

  「ワイバーンのマント作るなら、ここに頼めって」

  言われたんですけど。という前に、肩をガシッと掴まれた。

  「話は、もうここまで回って来てるわ!」

  製作代金は要らないから、残りの皮をちょうだいと頼まれた。

  どのくらい要るのかと思えば、片翼で作れるそうだ。

  1体分出せば、切れ味が良いので多分ミスリルのナイフだと思うもので、大雑把に、半分に切って、戻して来た。

  ワイバーンの裏地次第だけど、製作代金はそれ程掛からないとの事。

  裏地には、自分でミスリルワームの糸で、魔術陣を刺繍して、魔法付与したいんで。と言えば、絶句してた。

  大きさから、5個か6個は刺繍出来ると思うんだけどね。

  布は、先日から母が織ってくれているスパイダーシルクなんだけど、通常の蜘蛛のではなく、上位のアラクネのなんだ。

  蜘蛛の上に女性がくっ付いてる魔物ではなく、亜人の1種。

  ギルドの荷物配達依頼で行った先に居た。

  というか、依頼者ともいうかな。

  恐れられたり、差別する者が居たりするので、定期的に、食料配達を依頼してるんだってー。

  だけど、ほら、食料以外に欲しい物だってあるじゃない。

  それを代わりに買って持って行く報酬に、アラクネが紡ぐ糸が欲しいって頼んだんだ。

  大体、1ヶ月に1回の割合で、足を運んでたんだ。

  かなり山奥なんで、日帰りは大変だったんだけど、今はブレンダも居るんでね。


  お姉さんに、ワイバーンのマント製作を依頼し、家に戻ったんだけど……

  出来上がるのが楽しみ~!

  自分で作るって事も出来たけど、今は無理だ。

  だって、作ってる時間がないもん。




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