ヒロインだと言われたって知るか!

ふにゃー

文字の大きさ
64 / 79
第4章 学園卒業しました!同時に結婚しました

王宮に訪れるのも3度目

しおりを挟む



  3日の休暇と言え、蜜月になるのに、それを中止にされ、不機嫌なヴィルジーク様。

  依頼内容は王宮にて。との事って……

  それって、はい、yes以外の選択肢ないじゃないですか!

  自分も眉間に皺になるよ!

  「俺も一緒に行く」というヴィルジーク様。

  「うん。行っておいで。私もまだ隠居した訳じゃないから」

  ギルバート様も、後押ししてくれた。

  ので……

  ヴィルジーク様の準備が済み次第、王都に向かう事に。

  使者より先に行くと、痛い腹を探られかねないので、転移陣は使わず、辺境伯軍所有の召喚獣のワイバーンに乗って行く事に。

  レイトル達がヤキモチ妬きませんように。


  王都に向け、ワイバーンに、ヴィルジーク様と経ったのは、使者が来た次の日の朝。

  昨日あれから、ヴィルジーク様が準備を始めれば、意外と早く終わったけど、夕刻だったの。

  それで1泊してから出たんだけど……

  蜜月をお預け状態だけに、ヴィルジーク様には抱き潰された~!

  まあ、ヒールを掛ければ良いんだけどね。

  それで、初めてワイバーンに乗ったんだけど……

  討伐はしてるので、大きさは把握してたけど、何か大きくない?

  もしかして、辺境伯領軍の餌、上級ダンジョンで出る魔物肉?

  魔素たっぷりだから、大きくなったのかな?

  そんな事を考えながら、背中にある籠の中に乗り込めば……

  籠に拡張魔法が掛かってるのか、意外と広くて、詰め込めば10人くらい乗れそうだけど……

  重量の負荷に、さすがのワイバーンも無理かな?

  あ、軽量魔法って、生物はダメだった。

  となると、多くて8名が限度かなあ。

  まあ、今はワイバーンの運行者とヴィルジーク様と自分だけっていう3名だけ。

  飛行時間は、ワイバーンの休憩も入れて、約8時間。

  ほぼ1日掛かってるけど、早い方なんだよ。

  だって、馬車でなら2週間、レイトルでなら6日。

  使者が馬車で帰ったのか、早馬なのかは分からないけど、早馬ならレイトルと同程度で着くかな?

  と言うのも、早馬って用意されてる馬を乗り継いで行く仕様になってるんでね。


  籠の中、何もする事ないので、ヴィルジーク様が構って来るので、運行者さんが涙目になってた。

  今度から、こういう事あるなら、イベルダをクッション代わりに連れ出しておこう。

  癒しとして。

  まあ、途中で、お昼とトイレ休憩で、ワイバーンを下ろしたので、ベッタリではなかったんだけどね。

  ただ、その場所が……

  以前、学園の遠征実習の帰りに、お粗末な盗賊が出た地域だったので、あれ?と違和感を覚えた。

  だって、村みたいな場所で、寂れてるんだろうと思ったのに、意外と、賑わってた。

  「あの後、王太子殿下に報告して、横領罪を摘発したんだ。それで、ここは王家の直轄地になったんだ」

  不思議そうな顔をしてたのであろう自分に、ヴィルジーク様が教えてくれた。

  「その時、ワイバーンを下ろして休憩出来る様にお願いした」

  自分、ワイバーンを召喚しての運航を提案はしたけど、後の事は放り投げたもんね。

  召喚の事も、王都までの経路とか諸々……

  王太子殿下を味方に付けてなければ、賛成しては頂けなかった可能性もあっただろうから。

  というか、あの時、手を汚してでも生きようと盗賊になろうとしてた方々が、今、幸せに生きれる様になって良かったよ。


  その後、王都に向けて飛び立ったんだけど、ワクツという名の町から王都はそれ程掛からなかった!

  ただ、王都に着いた時間が、日暮れだったので、王宮に向かうのは明日の予定。

  だったので、お疲れでしょうって事で、湯浴みさせて貰ってたら……

  非公式で会っておきたいと、王太子殿下から連絡が入った!

  明日にも王宮に行くけど、それは帝国からの依頼だけに、正式に謁見の間で、国王陛下の前で行われるそうです。

  なので、表の入り口ではなく、使用人が使用する裏門を使うそうだ。

  ただ、焦らずに済んだのは、食後の9時前後、日がとっぷりと暮れた頃だったの。

  
  通用門から、コソコソと入るのって、悪い事してるみたい。

  そう思いながら、ヴィルジーク様の後ろを歩けば、場所を知っているからか、王宮内広いと思うのに、迷う事なくスタスタ。

  以前、王太子殿下の執務室には、婆ちゃんと来たけど、入口が違うと歩く通路も違うから、頭がこんがらがった。

  でも、ヴィルジーク様が止まって、ノックした場所は、見覚えがある!

  了承の声が掛かり、両脇の兵が扉を開けてくれた。

  「済まないな」と申し訳ない顔の王太子殿下。

  「結婚したばかりだと言うのに」

  「本当ですよ。帝国は何考えてるんですか!」

  憤慨してると声をあげたヴィルジーク様。

  「勇者が中々出ないので、剣を移動させる事には了承したんだよ」

  王太子殿下が言うのは、勇者の剣が出た前後、帝国側の魔の森に魔王城が、前回と寸分たがわない場所に現れたそうです。

  剣が我が国で現れたので、勇者が現れるのを待ってるのに、早くも1年。

  帝国と言え疲弊するし、帝国の北東のジョワニア王国がその隙を狙う可能性が。

  それで、勇者の剣を移動させて欲しいには、国としては同意出来るけど……

  何で、自分?

  見付けた自分が勇者だとでも?

  一応、出た時に試したけど、抜けなかったよ!

  「勇者の剣を、帝国に届けてくれるか?」

  さっきから、不服顔のヴィルジーク様が、更に怖い顔になったー!

  「なら、新婚旅行がてら、俺も一緒に届けてやる」

  ブスっとしながら、ヴィルジーク様が口にしたんだけど、王太子殿下、閃いた模様。

  「いい手だよ!」って。




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

処理中です...