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日常編
15 すごく良い人
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夕飯の野菜炒めの残りを突っ込んでチャーハンを作った。陽波は自分の分と、アストの分を少量よそってテーブルに並べる。
「出来上がり~」
「わ。野菜炒めがそのまま入ってる。すごい力技だ」
「食べられればいいんだって」
揃って昼食を取る休日。特に予定もなく、当て所なく過ごす時間も陽波は好きだった。
アストはチャーハンを食べて、笑みを浮かべた。
「思ったより美味しい」
「でしょー? 普通に作ったチャーハンじゃ出せない味っていうかー」
「ところで、陽波の上司ってどういう人?」
話題の急カーブっぷりに陽波は食事の手を止めた。危うくスプーンを落としかけた。
「何で今それを聞く? さては織部に吹き込まれたな?」
「なんか、時間が経つごとに気になっちゃって」
陽波はどう言うべきか悩んだ。結局は誤魔化すことに決める。
「別に、アストが気にすることじゃないよ。それよりチャーハンをもっと食べたまえ」
「気になるよ。その上司の人、陽波のことが好きなんでしょ?」
「織部……あいつ、一回痛い目に遭った方がいい気がする……」
次会ったら覚えてろよ。陽波はどこぞのチンピラのような台詞を心で叫んだ。そして深呼吸をして、冷静になってから言う。
「全部織部の勘違いだから、マジで忘れてくれていいです」
「すごく良い人だって言ってた」
「ん、まあ、本当に良い人だよ。私には勿体ないというか、レベルが違いすぎる。天と地の差だし、月とすっぽんの差だし、あたたか~いとつめた~いの差だよ」
「最後のは初めて聞いたな」
アストは首を傾げる。陽波はチャーハンを口に運ぶ作業に戻った。しかしアストはしつこく話を続けた。
「陽波はどうなの? その人のことは好きなの?」
「ねえ、この話題やめない? 家に帰ってきてまで織部と同じ会話したくない」
「だって……中途半端に聞くと気になるよ」
「一応言っとくけど、付き合うとかはないから。アストは安心してくれていい。私は最近、一人での人生プランを組み始めてるの。結婚とか彼氏とかは “あわよくば”というくらいの希望でしかない」
陽波はチャーハンを食べ終え、アストの使った食器と共に片付けた。
「でも、陽波は」
「アスト。それ以上聞くなら、私の質問にも答えてからにしてください」
陽波はアストの正面に座った。アストは身構えている。
「何? 何でもいいよ」
「アストはどういう子が好みなの?」
「え。そ、れは……」
「初恋はいつ?」
「ええと……」
「デートするならどんなところに行きたい? 何したい?」
アストは黙ってしまった。陽波の勝利である。アストは不慣れなのか何なのか、恋愛系の話題にとにかく弱い。陽波も似たようなものだが。
「出来上がり~」
「わ。野菜炒めがそのまま入ってる。すごい力技だ」
「食べられればいいんだって」
揃って昼食を取る休日。特に予定もなく、当て所なく過ごす時間も陽波は好きだった。
アストはチャーハンを食べて、笑みを浮かべた。
「思ったより美味しい」
「でしょー? 普通に作ったチャーハンじゃ出せない味っていうかー」
「ところで、陽波の上司ってどういう人?」
話題の急カーブっぷりに陽波は食事の手を止めた。危うくスプーンを落としかけた。
「何で今それを聞く? さては織部に吹き込まれたな?」
「なんか、時間が経つごとに気になっちゃって」
陽波はどう言うべきか悩んだ。結局は誤魔化すことに決める。
「別に、アストが気にすることじゃないよ。それよりチャーハンをもっと食べたまえ」
「気になるよ。その上司の人、陽波のことが好きなんでしょ?」
「織部……あいつ、一回痛い目に遭った方がいい気がする……」
次会ったら覚えてろよ。陽波はどこぞのチンピラのような台詞を心で叫んだ。そして深呼吸をして、冷静になってから言う。
「全部織部の勘違いだから、マジで忘れてくれていいです」
「すごく良い人だって言ってた」
「ん、まあ、本当に良い人だよ。私には勿体ないというか、レベルが違いすぎる。天と地の差だし、月とすっぽんの差だし、あたたか~いとつめた~いの差だよ」
「最後のは初めて聞いたな」
アストは首を傾げる。陽波はチャーハンを口に運ぶ作業に戻った。しかしアストはしつこく話を続けた。
「陽波はどうなの? その人のことは好きなの?」
「ねえ、この話題やめない? 家に帰ってきてまで織部と同じ会話したくない」
「だって……中途半端に聞くと気になるよ」
「一応言っとくけど、付き合うとかはないから。アストは安心してくれていい。私は最近、一人での人生プランを組み始めてるの。結婚とか彼氏とかは “あわよくば”というくらいの希望でしかない」
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「でも、陽波は」
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「何? 何でもいいよ」
「アストはどういう子が好みなの?」
「え。そ、れは……」
「初恋はいつ?」
「ええと……」
「デートするならどんなところに行きたい? 何したい?」
アストは黙ってしまった。陽波の勝利である。アストは不慣れなのか何なのか、恋愛系の話題にとにかく弱い。陽波も似たようなものだが。
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