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激情編
21-3
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陽波は改まって、アストの方を見ながら言った。
「アスト、ごめんね。私、アストに甘えすぎてた。そんな私にいきなり突き放されたらムカつくよね。毎日色々やってくれたことにはすごく感謝してるんだよ。でもこのままじゃ私もアストも駄目だと思うから……分かってくれると嬉しい」
さすがに嫌になったかな、と陽波は思った。アストは何の反応もしない。
陽波の都合で世話をさせたりやめさせたりと振り回しているのだ。嫌になっても当然だった。こういう時、同居しているとお互い逃げ場がなくて困る。
「今日は早めに寝るよ。自分でちゃんと起きれるから、その辺は心配しないで欲しい。例え遅刻しかけても、こう、温かく見守ってくれたまえ!」
冗談めかして言っても反応は無しだ。さすがに悲しい。もしかして寝てるんじゃないだろうな、と陽波はアストの肩に触れた。
「陽波にとって、俺って何?」
アストは怒るか悲しむかしているかと思いきや、しっかりした眼差しで陽波を見上げた。そして陽波の腕にそっと触れる。
「何って、魔法少女のサポート役でしょ。私のサポートではなく、ミラクル☆ルチカのサポート。それで、平牧陽波の素敵な同居人」
「真面目に答えてよ」
「真面目だよ。他に何て言えばいいの?」
陽波が問うと、アストは少し言い方を変えた。
「陽波から見て俺はどう?」
「どう? 良い子だと思います」
「じゃなくて、男としてどう?」
「男として……? モテそうだなあ~、とか? 思います」
アストは陽波の言葉を聞いてゆっくり息を吸うとゆっくり吐き出した。
「俺、陽波に頼ってもらいたくて勉強したんだよ。家事のこと、栄養のこととか、疲労回復のツボとか、おすすめの電化製品とか、詐欺の対処法とか」
「雑多だね」
「陽波が俺のこと頼って、それで、俺とずっと一緒にいてくれたらいいなって思って……」
現実的に無理では、と陽波は言いかけたものの空気を読んでやめた。が、結局、
「でも現実的に無理じゃない? アストは私と一緒にいる為に故郷から出て来たわけじゃないでしょうに。気持ちは分かるけど、人間、出会いがあれば別れもあるわけだし」
「陽波は俺と離れたら寂しくないの?」
「そりゃ寂しいけどさ、そんなワガママ言ってられないのはアストの方でしょ?」
「俺、陽波が好きなんだよ。本当に、本当なんだよ」
陽波は唸った。アストが懐いてくれるのは本当に嬉しい、別れるのも辛い。しかしアストにはやるべきことがある。怪物を出して暴れるティグロたちを止め、彼らを連れて故郷に帰らなければならないのだ。
陽波は言葉を選びながら言った。
「ねえアスト、だからさ、目指す場所がおかしくなっているというか」
「前から思ってたけど、陽波は俺のこと男だと思ってないよね?」
「思ってる思ってる」
「マスコットキャラだと思ってない?」
アストの鋭い問いに、陽波はぎくっとした。しかしそれを悟られては怒られそうなので、平静を保ちつつアストの目をまっすぐ見ながら、言った。
「お、思ってないよ~」
「嘘だ」
「ほんとほんと。でもほら、アストがあんなに可愛いふわふわの兎さんだから……ねえ? 可愛がりたくもなるというか。まあ、ね、うん。嫌ならやめるけども」
この際仕方ない。マスコット体のアストを撫でまわすのをやめる。本人が不快だというなら諦めるしかない。かなり未練はあったが陽波は決めた。
「いくら可愛いマスコットとはいえ男の体を撫でまわすのは、セクハラですもんね。やめます。すみませんでした」
「陽波……」
「慰謝料とか請求されても困りますけど、ええと、一応生活費を払っているのでその辺で何とか。いやまあアストご飯あんまり食べないし、お風呂も入らないし全然費用はかかってないんですけど」
「陽波、座って」
「はい」
陽波は素直に正座した。説教をされる覚悟でいたが、不意に肩を強く押されて床に転がってしまう。
「うわ! 暴力反対! せめて言語でお願いします!」
抗議しながら起き上がろうとした体が床に押さえつけられる。アストが上から陽波を見下ろしていた。火が点いたような真剣な眼差しに、陽波は怯んだ。
「陽波」
「ぼ、暴力反対……」
「いい加減気付いてるんじゃないの。俺は陽波が好きなんだよ」
「待った。アスト、これはなんか違う」
「なんかって何」
「じゃれるのは良いにしてもさ、ほら、これじゃ私が不利じゃん」
アストは目を閉じて長く溜め息を零した。長らくの悩みの種を吐き出すかのような重さだった。
「最初の頃に言ったの忘れた? 一緒に住むとか、俺、男だからやめた方がいいって」
「だ、だって、アストはさあ、え? だって、え? ええ?」
陽波は困惑しきっていた。何となく状況は読めてきたが、理解出来ていない。
「……俺って、陽波の中じゃ本当にただのマスコットキャラでしかなかったんだね……かなりショック」
「そんなことないよ~」
「白々しい。別に良いけど。分かんないなら分かるまで教えるだけだし」
アストが顔を近付けようとするので陽波は思わず叫んだ。
「いや待って! 教育に良くない!」
「教育って……陽波何歳だっけ?」
「二十七です」
「俺は二百歳くらいだけど、誰の教育に悪いわけ?」
見慣れたアストの顔だというのに、陽波は気恥ずかしくなっていた。必死で頭を働かせている間にも、アストは手馴れた様子で陽波のパジャマのボタンに手をかけている。
「慣れてない? ねえ、おかしくない? いやおかしくないか?」
「……こっち来てから、したことあるって言ったらどうする?」
「え? 地球に来てからってこと?」
「彼氏と揉めたって話覚えてる?」
陽波はミラクル☆ヒールの話を思い出す。彼女が魔法少女を辞めた原因は、彼氏とアストが何かあったからという……。まさか。陽波は青ざめた。
「アスト、人の彼女に手を出したってこと!? 最悪、最低じゃん! 信じらんない!」
「違う、誤解! 向こうから誘ってきて、俺は嫌だし拒否したよ、でも魔法少女辞めても良いのかって脅されて……。その頃、彼氏と上手くいってなかったらしくて」
「警察案件じゃない? 普通に犯罪だよ?」
憐れにも程がある。泣くに泣けない。地球外の生き物が地球の法律に守られるかというと、微妙だ。
「アストもそこまで苦労するならもう故郷帰った方が良いよ……地球人は野蛮……」
「陽波はいいの?」
「わ、私は~……」
拒否していいのか? すべきか? 陽波は悩んだ。しかし嫌かと言われるとそこまで嫌でもないような、色々間違っているような。ものすごく何かを間違えている気がする。
アストはキュートなお助けマスコットキャラの立ち位置であり、決してこんなアダルト展開を担う存在ではないはずだ。
拒否すべきだと陽波の頭は言っている、しかし拒否する理由が思い浮かばない。理由が無くても良いのだろうか? 陽波は経験が無い故に何もかもが分からなかった。ただ謎に度胸があるだけで。
「陽波、嫌なら本気で抵抗してよ。俺、陽波に嫌われたくないから……」
アストは耳元でそう囁いた。陽波はどうするべきかあれこれ悩んでいる間に、流されに流されて、あっさりと一線を越えてしまったのだった。
「アスト、ごめんね。私、アストに甘えすぎてた。そんな私にいきなり突き放されたらムカつくよね。毎日色々やってくれたことにはすごく感謝してるんだよ。でもこのままじゃ私もアストも駄目だと思うから……分かってくれると嬉しい」
さすがに嫌になったかな、と陽波は思った。アストは何の反応もしない。
陽波の都合で世話をさせたりやめさせたりと振り回しているのだ。嫌になっても当然だった。こういう時、同居しているとお互い逃げ場がなくて困る。
「今日は早めに寝るよ。自分でちゃんと起きれるから、その辺は心配しないで欲しい。例え遅刻しかけても、こう、温かく見守ってくれたまえ!」
冗談めかして言っても反応は無しだ。さすがに悲しい。もしかして寝てるんじゃないだろうな、と陽波はアストの肩に触れた。
「陽波にとって、俺って何?」
アストは怒るか悲しむかしているかと思いきや、しっかりした眼差しで陽波を見上げた。そして陽波の腕にそっと触れる。
「何って、魔法少女のサポート役でしょ。私のサポートではなく、ミラクル☆ルチカのサポート。それで、平牧陽波の素敵な同居人」
「真面目に答えてよ」
「真面目だよ。他に何て言えばいいの?」
陽波が問うと、アストは少し言い方を変えた。
「陽波から見て俺はどう?」
「どう? 良い子だと思います」
「じゃなくて、男としてどう?」
「男として……? モテそうだなあ~、とか? 思います」
アストは陽波の言葉を聞いてゆっくり息を吸うとゆっくり吐き出した。
「俺、陽波に頼ってもらいたくて勉強したんだよ。家事のこと、栄養のこととか、疲労回復のツボとか、おすすめの電化製品とか、詐欺の対処法とか」
「雑多だね」
「陽波が俺のこと頼って、それで、俺とずっと一緒にいてくれたらいいなって思って……」
現実的に無理では、と陽波は言いかけたものの空気を読んでやめた。が、結局、
「でも現実的に無理じゃない? アストは私と一緒にいる為に故郷から出て来たわけじゃないでしょうに。気持ちは分かるけど、人間、出会いがあれば別れもあるわけだし」
「陽波は俺と離れたら寂しくないの?」
「そりゃ寂しいけどさ、そんなワガママ言ってられないのはアストの方でしょ?」
「俺、陽波が好きなんだよ。本当に、本当なんだよ」
陽波は唸った。アストが懐いてくれるのは本当に嬉しい、別れるのも辛い。しかしアストにはやるべきことがある。怪物を出して暴れるティグロたちを止め、彼らを連れて故郷に帰らなければならないのだ。
陽波は言葉を選びながら言った。
「ねえアスト、だからさ、目指す場所がおかしくなっているというか」
「前から思ってたけど、陽波は俺のこと男だと思ってないよね?」
「思ってる思ってる」
「マスコットキャラだと思ってない?」
アストの鋭い問いに、陽波はぎくっとした。しかしそれを悟られては怒られそうなので、平静を保ちつつアストの目をまっすぐ見ながら、言った。
「お、思ってないよ~」
「嘘だ」
「ほんとほんと。でもほら、アストがあんなに可愛いふわふわの兎さんだから……ねえ? 可愛がりたくもなるというか。まあ、ね、うん。嫌ならやめるけども」
この際仕方ない。マスコット体のアストを撫でまわすのをやめる。本人が不快だというなら諦めるしかない。かなり未練はあったが陽波は決めた。
「いくら可愛いマスコットとはいえ男の体を撫でまわすのは、セクハラですもんね。やめます。すみませんでした」
「陽波……」
「慰謝料とか請求されても困りますけど、ええと、一応生活費を払っているのでその辺で何とか。いやまあアストご飯あんまり食べないし、お風呂も入らないし全然費用はかかってないんですけど」
「陽波、座って」
「はい」
陽波は素直に正座した。説教をされる覚悟でいたが、不意に肩を強く押されて床に転がってしまう。
「うわ! 暴力反対! せめて言語でお願いします!」
抗議しながら起き上がろうとした体が床に押さえつけられる。アストが上から陽波を見下ろしていた。火が点いたような真剣な眼差しに、陽波は怯んだ。
「陽波」
「ぼ、暴力反対……」
「いい加減気付いてるんじゃないの。俺は陽波が好きなんだよ」
「待った。アスト、これはなんか違う」
「なんかって何」
「じゃれるのは良いにしてもさ、ほら、これじゃ私が不利じゃん」
アストは目を閉じて長く溜め息を零した。長らくの悩みの種を吐き出すかのような重さだった。
「最初の頃に言ったの忘れた? 一緒に住むとか、俺、男だからやめた方がいいって」
「だ、だって、アストはさあ、え? だって、え? ええ?」
陽波は困惑しきっていた。何となく状況は読めてきたが、理解出来ていない。
「……俺って、陽波の中じゃ本当にただのマスコットキャラでしかなかったんだね……かなりショック」
「そんなことないよ~」
「白々しい。別に良いけど。分かんないなら分かるまで教えるだけだし」
アストが顔を近付けようとするので陽波は思わず叫んだ。
「いや待って! 教育に良くない!」
「教育って……陽波何歳だっけ?」
「二十七です」
「俺は二百歳くらいだけど、誰の教育に悪いわけ?」
見慣れたアストの顔だというのに、陽波は気恥ずかしくなっていた。必死で頭を働かせている間にも、アストは手馴れた様子で陽波のパジャマのボタンに手をかけている。
「慣れてない? ねえ、おかしくない? いやおかしくないか?」
「……こっち来てから、したことあるって言ったらどうする?」
「え? 地球に来てからってこと?」
「彼氏と揉めたって話覚えてる?」
陽波はミラクル☆ヒールの話を思い出す。彼女が魔法少女を辞めた原因は、彼氏とアストが何かあったからという……。まさか。陽波は青ざめた。
「アスト、人の彼女に手を出したってこと!? 最悪、最低じゃん! 信じらんない!」
「違う、誤解! 向こうから誘ってきて、俺は嫌だし拒否したよ、でも魔法少女辞めても良いのかって脅されて……。その頃、彼氏と上手くいってなかったらしくて」
「警察案件じゃない? 普通に犯罪だよ?」
憐れにも程がある。泣くに泣けない。地球外の生き物が地球の法律に守られるかというと、微妙だ。
「アストもそこまで苦労するならもう故郷帰った方が良いよ……地球人は野蛮……」
「陽波はいいの?」
「わ、私は~……」
拒否していいのか? すべきか? 陽波は悩んだ。しかし嫌かと言われるとそこまで嫌でもないような、色々間違っているような。ものすごく何かを間違えている気がする。
アストはキュートなお助けマスコットキャラの立ち位置であり、決してこんなアダルト展開を担う存在ではないはずだ。
拒否すべきだと陽波の頭は言っている、しかし拒否する理由が思い浮かばない。理由が無くても良いのだろうか? 陽波は経験が無い故に何もかもが分からなかった。ただ謎に度胸があるだけで。
「陽波、嫌なら本気で抵抗してよ。俺、陽波に嫌われたくないから……」
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