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騎士団長
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依頼を受けた翌日。
私は知り合いの令嬢たちとお茶会をするという名目で家を抜け出て、赤いフードの冒険者スタイルで合流地点へと向かっていた。
指定された場所は、問題の洞窟の前。
王国騎士団長アルレアーー昨日、私の家のパーティーで会った、あの金髪の青年と一緒だと聞いて、私は少しだけ依頼を受けるのを躊躇した。
万が一でも、正体がバレるようなことは避けたかったからだ。
だが、かなりの腕だと噂されているアルレアが冒険者ギルドに援護要請を出すという事態は、ただ事でないことも確か。
もしアルレアが変異モンスターを倒せず、興奮したモンスターが城下町の方に来たりすれば被害が出る。
そのため、結局手を貸すことに決めたのだった。
もうすぐで目的地だ。洞窟が見えてくる。それと同時にアルレアの姿も見えた。
わたしは早足で駆け寄る。
「君が赤フードだね。ギルドの中で最強クラスの冒険者を、とお願いしたのだが、思ったよりも小柄で驚いた」
赤フード、というのは私の通り名のようになっている。
本名を名乗ればバレてしまいそうだし、偽名を使いこなせるかも微妙だったので、名前を聞かれた時にいつもはぐらかしていたら、いつの間にかそう呼ばれていた。
「体格は関係ない。仕事はこなす。それで問題ないはず」
私は低い声を無理矢理出し、短く言葉を切って話す。
「もちろんだ。君を侮ったように聞こえたのなら謝る。今のは、ただの感想だよ」
努力の甲斐もあり、私がキリナ・エルバルクだということはバレていないようだ。
一安心した私はさっきから疑問に思っていたことを聞いてみる。
「……なんで護衛の一人もいないの。王国騎士団長なのに」
「ああ、それは僕が彼らに待機を命じたからだよ。この先に待つ変異モンスターから部下を守りつつ、戦えるという保証はないから」
「なるほど……」
アルレアは暗に部下が足を引っ張ると言っている。
だがその判断は、彼なりの優しさなのかもしれない。
その証拠に彼はとても苦い顔をしていた。
「本当なら一緒に戦いたいんだけどね」
周囲よりも強いがゆえに、孤独。
アルレアはそういう人間のようだった。
「だけど、今回は頼もしい仲間がいる。赤フードの伝説はよく耳にしているよ。遠方に出向いて、巨大な闇のドラゴンを相手にしたこともあるとか」
「そんなこともあったけど、あのくらいなら、たぶんあなたでも倒せるはず」
「僕よりも強いことが前提の発言だね」
そう言われて、ずいぶんと失礼な言い方をしてしまったことに気づいた。
「ご、ごめん……」
「いいさ。その力、期待しているよ」
そうして、私とアルレアは洞窟の入口に立つ。
「そう言えば……」
アルレアは洞窟に一歩足を踏み入れると、こちらを振り返って微笑んだ。
「赤フードは女の子だったんだね」
その言葉で、私は謝ったときに動揺して、普通の声で話してしまったことに気づいた。
私は知り合いの令嬢たちとお茶会をするという名目で家を抜け出て、赤いフードの冒険者スタイルで合流地点へと向かっていた。
指定された場所は、問題の洞窟の前。
王国騎士団長アルレアーー昨日、私の家のパーティーで会った、あの金髪の青年と一緒だと聞いて、私は少しだけ依頼を受けるのを躊躇した。
万が一でも、正体がバレるようなことは避けたかったからだ。
だが、かなりの腕だと噂されているアルレアが冒険者ギルドに援護要請を出すという事態は、ただ事でないことも確か。
もしアルレアが変異モンスターを倒せず、興奮したモンスターが城下町の方に来たりすれば被害が出る。
そのため、結局手を貸すことに決めたのだった。
もうすぐで目的地だ。洞窟が見えてくる。それと同時にアルレアの姿も見えた。
わたしは早足で駆け寄る。
「君が赤フードだね。ギルドの中で最強クラスの冒険者を、とお願いしたのだが、思ったよりも小柄で驚いた」
赤フード、というのは私の通り名のようになっている。
本名を名乗ればバレてしまいそうだし、偽名を使いこなせるかも微妙だったので、名前を聞かれた時にいつもはぐらかしていたら、いつの間にかそう呼ばれていた。
「体格は関係ない。仕事はこなす。それで問題ないはず」
私は低い声を無理矢理出し、短く言葉を切って話す。
「もちろんだ。君を侮ったように聞こえたのなら謝る。今のは、ただの感想だよ」
努力の甲斐もあり、私がキリナ・エルバルクだということはバレていないようだ。
一安心した私はさっきから疑問に思っていたことを聞いてみる。
「……なんで護衛の一人もいないの。王国騎士団長なのに」
「ああ、それは僕が彼らに待機を命じたからだよ。この先に待つ変異モンスターから部下を守りつつ、戦えるという保証はないから」
「なるほど……」
アルレアは暗に部下が足を引っ張ると言っている。
だがその判断は、彼なりの優しさなのかもしれない。
その証拠に彼はとても苦い顔をしていた。
「本当なら一緒に戦いたいんだけどね」
周囲よりも強いがゆえに、孤独。
アルレアはそういう人間のようだった。
「だけど、今回は頼もしい仲間がいる。赤フードの伝説はよく耳にしているよ。遠方に出向いて、巨大な闇のドラゴンを相手にしたこともあるとか」
「そんなこともあったけど、あのくらいなら、たぶんあなたでも倒せるはず」
「僕よりも強いことが前提の発言だね」
そう言われて、ずいぶんと失礼な言い方をしてしまったことに気づいた。
「ご、ごめん……」
「いいさ。その力、期待しているよ」
そうして、私とアルレアは洞窟の入口に立つ。
「そう言えば……」
アルレアは洞窟に一歩足を踏み入れると、こちらを振り返って微笑んだ。
「赤フードは女の子だったんだね」
その言葉で、私は謝ったときに動揺して、普通の声で話してしまったことに気づいた。
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