おしとやかな令嬢だと思われていますが、実は王国内で私だけ無限にスキルを取得できるので、裏では最強冒険者として暗躍しています。

月海水

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全力

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 魔獣バルゴ。

 ベルドロール家の当主、バルゴ・ベルドロールの執念の末に生み出された巨大な怪物。

 その存在に、終止符を打つ時が来た。

「これで終わりにするわよ、バルゴ」

「ココデモマタ……邪魔をシヨウト言うノカ……赤フードォォォ!!!」

 私は城を背に、空中でバルゴと対峙する。

 地上では、タルクとアルレアが魔法鎧兵を次々に撃破していた。

 あの様子ならベルドロールの私兵たちは王城に入れる前に全滅するだろう。

 残された最後の脅威は目の前の怪物だけだ。

 そして、それを討伐することができるのは、私しかいない。

 私はアルレアから託された黄金剣を強く握り、ビッグに突撃の合図を出す。

「ここまで来るまで、ずいぶん長かった。でも、全て終わり!! 最強の赤フードの冒険者がいるこの町で反乱を起こそうとしたのが間違いだったのよ」

 私は高速で正面から突っ込んでいくビッグの背に片手でしがみつきながら、黄金剣を振り上げる。

「私の全力を浴びる存在なんてそういないわーー誇りながら食らって消えなさい」

 全身体能力の向上。加えて攻撃系スキルを全発動する。

 これほどの一撃は今まで放ったことがない。

 私の強化スキルの一部を受けたビッグは超高速になり、バルゴの目の前に躍り出た。

「ハッ!!」

 私は全力で剣を振る。

 黄金剣の輝く剣筋がバルゴの胸部を大きく切り裂いた。

 同時に数々のスキルによる追加効果が発生し、その傷口は燃え上がり、毒に汚染され、治癒を封じる。

 敏捷性が最大まで上がった私の斬り返しが、さらにバルゴの身体を切り裂いた。

『暗黒裂傷』によって傷口はさらに広がり、その傷口が別スキルによって大爆発を起こす。

 私は高速で無数の斬撃を繰り出し、様々なスキルがバルゴの身体に傷をつける。

 最後に、私はバルゴのその巨体を大きく袈裟斬りにした。

「グ、ァァァァァァッ!!!!!!」

 城下町全体に響き渡るほどのバルゴの叫び声。

 そして、その醜い巨体は仰向けに地面へと倒れ込んだ。
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