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第三章
メレット迷宮3
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シグルド達が迷宮に入って二日目。
これまで何度も魔物の襲撃に遭いながらも着実に歩を進めていたシグルド達。しかし、迷宮の奥へと歩を進めて行くにつれて迷宮の本当の姿が現れてくる。
――本当にくそったれだ。
何度目かの行き止まりに舌打ちをし、元来た道を引き返す。
「いい加減にして欲しいぞ……これで何度目だ?」
「たぶん七度目だと思うぞ。それにこればかりは仕方がないさ……魔物ならば俺の力で何とかできるが、流石に地形を変えることなんてできないからな」
「むぅ……分かっている」
ムスッとした顔でシグルドの言葉に反応する。
光明のルーンは道を示すためのものではなく、ただ光を放つだけのルーンだ。こうなるのも仕方がないのだが、何度も行き止まりに遭遇すると舌打ちの一つでもしたくなるものだ。
それに、次に起こる出来事が予想できるため、更に嫌気が差してしまう。
沼の中から大量の触手が飛び出してくる。グネグネとうねる触手は粘着性が強いのか、沼に生息する魚が数匹引っ付いている。
それらが全てミーシャへと殺到する。――が、
後ろに待機していたシグルドが瞬時に間合い詰め、それら全てを切り刻んだ。
水面から魔物の叫び声が聞こえ、水面が大きく波立つ。触手を切り落とされた魔物が、体の一部がなくなった痛みに耐えかねているのだろう。
シグルドがミーシャを守るために前に出て、剣を構える。ミーシャもシグルドの後ろで腕を組み、水面上を睨み付けた。
しばらく波立っていた水面は、ほんの少し静かになると次の瞬間に一部が盛り上がり、魔物――魔物達が姿を現わす。
「――なっ!?」
ここで初めてミーシャの表情が崩れる。死人や食屍鬼を直視しても表情を崩さなかったミーシャが、だ。
「「「「「ゲロゲロゲロゲロ!!」」」」」
魔物の正体は毒蛙。それも数匹というレベルではない。沼から出てくる所を見るとまだまだいるかもしれない。
「ヒイィィィ!?」
悲鳴を上げるミーシャに興奮したように毒蛙が一斉に襲いかかる。
「ミーシャ!!」
「言われなくとも分かっている!! 絶対に、ぜえぇぇっったいに私に近づけるなよ!!」
シグルドがミーシャを抱えると同時に、顔を青ざめるミーシャが首に腕を回し、念を押すように叫ぶ。
どうやらミーシャは蛙が苦手らしい。案外可愛い所があるじゃないかと心のメモ帳の苦手欄に刻んでおくと迫ってくる毒蛙の群れを迎え撃った。
「こんなっ――こんな場所早く出てやる!!」
「おい、ミーシャそんなに先にいくな」
毒蛙の群れの襲撃を蹴散らした後……ミーシャが体全体で不満を表わしながらシグルドの先を歩く。
蛙が近づく度に悲鳴を上げるミーシャは終始叫びっぱなしだった。それだけでどれだけ苦手なのかが窺い知れよう。
「うるさいっ!! お前が早くこいっ」
「はははっ」
「笑うな!!」
嫌いなものがあるのだと分かったシグルドが、子供のように振る舞っているミーシャを見て笑顔を浮かべてしまう。
ミーシャがそんなシグルドに噛み付くが、自然と頬が緩んでしまうのだから仕方がない。
「――――ッ!! 何でこんな所にアイツらがいるんだよ」
「そりゃあいるだろ。 こういう場所はアイツらの好みそうな場所だ」
毒蛙だけでなく蛙系の魔物全てはこう言った湿気の多く、暗い場所は好みだろう。沼地だけでなく、他には街の下水道を住処にしていたりする。
あの長く捕らえれば離さない舌で街の住民を引きずり込み、食料にしていることもある魔物だ。何度か討伐を依頼されたこともシグルドはあった。
「くそっ……見ること何てもうないと思ってたのに」
「何だ、前にも鉢合わせしたことがあるのか?」
「――鉢合わせだと? そんなものじゃないぞ」
シグルドが尋ねるとミーシャが睨み付けてくる。どうやらもっと酷い目に遭ったようだ。
「まだ私が魔術を習う前に父上に村の視察に着いていったことがあったんだ。 その時に、な……一人になった所をあの蛙に襲われた」
「それは…………災難だったな」
当時を思い出しながらミーシャは語る。
あの時は本当に死を覚悟した。今でも安易に村の外へと行くのではなかったと後悔しているぐらいだ。
背中に何かが張り付いたと思ったら、とてつもない力で引っ張られた。そして、振り返れば、自分を丸呑みしようとしている表面がヌメヌメしている気色の悪い生物。子供がトラウマを抱えるには十分だ。
あの時、ミーシャの姿が見えないと探しに来てくれたアネットがいなければ、完全に蛙に飲み込まれていたに違いない。
そして、帰ったら帰ったで、無断で外に出たミーシャに怒りが頂点に達したマリアに別のトラウマを刻まれることになるのだがそれは割愛しておこう。
「アイツらは虫系の魔物を喰ってくれるから一部では人気が「知らねぇし、認めねぇ!!」そこまでかよ」
虫系の魔物が人間に被害を与えた際に、その魔物を蛙系の魔物がいる場所に誘導すると人間よりもその魔物を優先して襲いかかったという噂があった。
しかし、実際に襲われたミーシャに取ってはそんなもので評価が覆るはずもなく、全否定するミーシャ。
「とにかくっ!! 私はあの気色の悪く神が想像したことを後悔している誰からも求められない醜い生物が嫌いなんだよ」
「……そうか」
魔物が近寄ってくることを考慮して小声で叫ぶミーシャ。かなり器用なことをしている。
「そらっ……早く行くぞ。 あの場所から少しでも離れたいんだ」
「だから、そんなに離れて歩くなって……ただでさえ、霧が濃くなっているんだ」
進もうと足を速めるミーシャにシグルドが待ったを掛ける。
ミーシャの気持ちも分からなくもないが、迷宮を進むにつれて霧が濃くなってきているのだ。入り口付近でも十メートル先は見えないぐらいの濃霧だったものが、今では五メートル先が見えるかどうかだ。離れるのは得策ではない。
魔物はどうにかできるシグルドでも現象などのどうしようもないものは相手にできないのだ。
前へと進むミーシャを止めるために、肩に手を置こうとするが、それはできなかった。
ミーシャが拒絶したのではない。そこにいたはずのミーシャの姿がかき消えたのだ。
「――ッ!!」
違った。かき消えたのではない。沼地から伸びた触手がミーシャの足に巻き付いている。
そこから先は一瞬だった。沼の表面を滑るように引き摺られるミーシャが霧の向こうへと消えていく。急いで手を伸ばすが、間に合わない。濃い霧が二人を引き離してしまう。
「ミーシャ!!」
大声で叫ぶが勿論返事は帰ってこない。
最初はあの蛙かと思ったが違う。あの蛙なら沼の底へと引きずり込もうとするはずだ。なのにアレは沼を越えて霧の向こうへとミーシャを連れ去った。
焦った思考が頭を埋め尽くす。
「■■■■」
唸り声を耳にしたシグルドは足を止める。明らかに空気が変わった。
周りを見れば、いつの間にかシグルドの周辺には大量の魔物が出現していておりを逃がさぬように取り囲んでいる。
「テメエら……」
一体何処に隠れていたのか……まるでシグルドを排除するために出現し始めた魔物達。
「後からぞろぞろと……よく出てくるな」
シグルドの言葉通り、深い霧の向こうからぞろぞろと食屍鬼や毒蛙、大沼蛇が姿を現わし、剣を構えたシグルドを獲物として狙いを定めていた。
「■■■■■■■■!!」
雄叫びが襲いかかる合図がとなり、空気を振るわせシグルドに殺到した。
これまで何度も魔物の襲撃に遭いながらも着実に歩を進めていたシグルド達。しかし、迷宮の奥へと歩を進めて行くにつれて迷宮の本当の姿が現れてくる。
――本当にくそったれだ。
何度目かの行き止まりに舌打ちをし、元来た道を引き返す。
「いい加減にして欲しいぞ……これで何度目だ?」
「たぶん七度目だと思うぞ。それにこればかりは仕方がないさ……魔物ならば俺の力で何とかできるが、流石に地形を変えることなんてできないからな」
「むぅ……分かっている」
ムスッとした顔でシグルドの言葉に反応する。
光明のルーンは道を示すためのものではなく、ただ光を放つだけのルーンだ。こうなるのも仕方がないのだが、何度も行き止まりに遭遇すると舌打ちの一つでもしたくなるものだ。
それに、次に起こる出来事が予想できるため、更に嫌気が差してしまう。
沼の中から大量の触手が飛び出してくる。グネグネとうねる触手は粘着性が強いのか、沼に生息する魚が数匹引っ付いている。
それらが全てミーシャへと殺到する。――が、
後ろに待機していたシグルドが瞬時に間合い詰め、それら全てを切り刻んだ。
水面から魔物の叫び声が聞こえ、水面が大きく波立つ。触手を切り落とされた魔物が、体の一部がなくなった痛みに耐えかねているのだろう。
シグルドがミーシャを守るために前に出て、剣を構える。ミーシャもシグルドの後ろで腕を組み、水面上を睨み付けた。
しばらく波立っていた水面は、ほんの少し静かになると次の瞬間に一部が盛り上がり、魔物――魔物達が姿を現わす。
「――なっ!?」
ここで初めてミーシャの表情が崩れる。死人や食屍鬼を直視しても表情を崩さなかったミーシャが、だ。
「「「「「ゲロゲロゲロゲロ!!」」」」」
魔物の正体は毒蛙。それも数匹というレベルではない。沼から出てくる所を見るとまだまだいるかもしれない。
「ヒイィィィ!?」
悲鳴を上げるミーシャに興奮したように毒蛙が一斉に襲いかかる。
「ミーシャ!!」
「言われなくとも分かっている!! 絶対に、ぜえぇぇっったいに私に近づけるなよ!!」
シグルドがミーシャを抱えると同時に、顔を青ざめるミーシャが首に腕を回し、念を押すように叫ぶ。
どうやらミーシャは蛙が苦手らしい。案外可愛い所があるじゃないかと心のメモ帳の苦手欄に刻んでおくと迫ってくる毒蛙の群れを迎え撃った。
「こんなっ――こんな場所早く出てやる!!」
「おい、ミーシャそんなに先にいくな」
毒蛙の群れの襲撃を蹴散らした後……ミーシャが体全体で不満を表わしながらシグルドの先を歩く。
蛙が近づく度に悲鳴を上げるミーシャは終始叫びっぱなしだった。それだけでどれだけ苦手なのかが窺い知れよう。
「うるさいっ!! お前が早くこいっ」
「はははっ」
「笑うな!!」
嫌いなものがあるのだと分かったシグルドが、子供のように振る舞っているミーシャを見て笑顔を浮かべてしまう。
ミーシャがそんなシグルドに噛み付くが、自然と頬が緩んでしまうのだから仕方がない。
「――――ッ!! 何でこんな所にアイツらがいるんだよ」
「そりゃあいるだろ。 こういう場所はアイツらの好みそうな場所だ」
毒蛙だけでなく蛙系の魔物全てはこう言った湿気の多く、暗い場所は好みだろう。沼地だけでなく、他には街の下水道を住処にしていたりする。
あの長く捕らえれば離さない舌で街の住民を引きずり込み、食料にしていることもある魔物だ。何度か討伐を依頼されたこともシグルドはあった。
「くそっ……見ること何てもうないと思ってたのに」
「何だ、前にも鉢合わせしたことがあるのか?」
「――鉢合わせだと? そんなものじゃないぞ」
シグルドが尋ねるとミーシャが睨み付けてくる。どうやらもっと酷い目に遭ったようだ。
「まだ私が魔術を習う前に父上に村の視察に着いていったことがあったんだ。 その時に、な……一人になった所をあの蛙に襲われた」
「それは…………災難だったな」
当時を思い出しながらミーシャは語る。
あの時は本当に死を覚悟した。今でも安易に村の外へと行くのではなかったと後悔しているぐらいだ。
背中に何かが張り付いたと思ったら、とてつもない力で引っ張られた。そして、振り返れば、自分を丸呑みしようとしている表面がヌメヌメしている気色の悪い生物。子供がトラウマを抱えるには十分だ。
あの時、ミーシャの姿が見えないと探しに来てくれたアネットがいなければ、完全に蛙に飲み込まれていたに違いない。
そして、帰ったら帰ったで、無断で外に出たミーシャに怒りが頂点に達したマリアに別のトラウマを刻まれることになるのだがそれは割愛しておこう。
「アイツらは虫系の魔物を喰ってくれるから一部では人気が「知らねぇし、認めねぇ!!」そこまでかよ」
虫系の魔物が人間に被害を与えた際に、その魔物を蛙系の魔物がいる場所に誘導すると人間よりもその魔物を優先して襲いかかったという噂があった。
しかし、実際に襲われたミーシャに取ってはそんなもので評価が覆るはずもなく、全否定するミーシャ。
「とにかくっ!! 私はあの気色の悪く神が想像したことを後悔している誰からも求められない醜い生物が嫌いなんだよ」
「……そうか」
魔物が近寄ってくることを考慮して小声で叫ぶミーシャ。かなり器用なことをしている。
「そらっ……早く行くぞ。 あの場所から少しでも離れたいんだ」
「だから、そんなに離れて歩くなって……ただでさえ、霧が濃くなっているんだ」
進もうと足を速めるミーシャにシグルドが待ったを掛ける。
ミーシャの気持ちも分からなくもないが、迷宮を進むにつれて霧が濃くなってきているのだ。入り口付近でも十メートル先は見えないぐらいの濃霧だったものが、今では五メートル先が見えるかどうかだ。離れるのは得策ではない。
魔物はどうにかできるシグルドでも現象などのどうしようもないものは相手にできないのだ。
前へと進むミーシャを止めるために、肩に手を置こうとするが、それはできなかった。
ミーシャが拒絶したのではない。そこにいたはずのミーシャの姿がかき消えたのだ。
「――ッ!!」
違った。かき消えたのではない。沼地から伸びた触手がミーシャの足に巻き付いている。
そこから先は一瞬だった。沼の表面を滑るように引き摺られるミーシャが霧の向こうへと消えていく。急いで手を伸ばすが、間に合わない。濃い霧が二人を引き離してしまう。
「ミーシャ!!」
大声で叫ぶが勿論返事は帰ってこない。
最初はあの蛙かと思ったが違う。あの蛙なら沼の底へと引きずり込もうとするはずだ。なのにアレは沼を越えて霧の向こうへとミーシャを連れ去った。
焦った思考が頭を埋め尽くす。
「■■■■」
唸り声を耳にしたシグルドは足を止める。明らかに空気が変わった。
周りを見れば、いつの間にかシグルドの周辺には大量の魔物が出現していておりを逃がさぬように取り囲んでいる。
「テメエら……」
一体何処に隠れていたのか……まるでシグルドを排除するために出現し始めた魔物達。
「後からぞろぞろと……よく出てくるな」
シグルドの言葉通り、深い霧の向こうからぞろぞろと食屍鬼や毒蛙、大沼蛇が姿を現わし、剣を構えたシグルドを獲物として狙いを定めていた。
「■■■■■■■■!!」
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