54 / 124
第四章
朝の騒動
しおりを挟む
【三日月の下の猫】の部屋の一室。
シグルドからの報告を部屋で待ち続けていたミーシャだったが、やることがない訳ではなかった。万が一の時のために魔術の結界も罠も張り終わり、ガンドライドに買いに行かせたルーン石の補充を行った。王国よりも質が落ちており、数も少ないが、それでもないよりはマシと一つ一つ丁寧に魔力を注いでいった。全ての作業が終った訳ではないが、気付いた頃には下着姿のガンドライドが横で寝ており、街の明かりも少なくなっていた。
そんな時間帯になってもシグルドが帰ってくる様子はない。作業も一段落し、寝台へと体を投げ出すが、そこからミーシャの記憶は途絶えている。睡魔に打ち勝てずに寝てしまったのだ。
そうして目覚めたのが、翌日の太陽が昇る頃。
いつの間に寝てしまったのか、シグルドは帰ってきたのかとあたふたしてみれば、分かったのはいつの間にか自分の隣にガンドライドが寝ていることだけ。
悩むのが馬鹿らしくなったミーシャは中身が少女の美女を自分の寝台から蹴り落とし、嘆く声を無視して風呂場へと直行。(中から鍵を閉めるのを忘れてはいけない)
サッパリとしたミーシャを迎えたのは涙目のガンドライドだ。何があったかなんて言うまでもない。というか言いたくもない。あんなヒステリックな悲鳴に近い叫び声を朝から聞くことになるなんて最悪だ。
風呂から上がるとミーシャはガンドライドに近づかないように厳命した後、昨日途中で切り上げたルーン石に魔力を込める作業を下着姿のまま取りかかる。それと同時に迷宮であの理性のなかったガンドライドに取り込まれた時のことを思い出す。
全身の血が沸騰したように体が熱くなったと思えば、影を退散させた。そして、少女の魂の色を見えた後からというもの、約十メートルまでの他人の魂というものが目に見えるようになった。
窓から外に目を向ければ、そこから見える街の人々の魂。それが魂と分かったのは直感とはまた別の何か。赤ん坊の頃から人が言葉を聞いて覚えるのと同じく、何処かで覚えていたものを思い出したような感覚に近い。
人間によって色が違い、青もいれば、白もいる。同じような色はあるが、それは決して同じではなくよく見れば微細な色の濃さが違っていた。
目頭を抑え、息を吐く。
別に目が疲れた訳ではない。今まで見えなかったものが突然見えるようになって気味が悪いだけだ。
「(死にかけたから新しい力に目覚めましたってか……)」
馬鹿なことを考えながら、目を開けると先程とは違い、ただの街の光景しかなく、魂は消えていた。一体この力が何なのか分からないが、痛みを感じる訳でもなく疲労も感じない。むしろそれがしっくりきており、力の切り替えもできていた。
「お姉様っ」
「やめろ、手元が狂う」
ルーン石に魔力を込めながら考え込むミーシャの耳に甘ったるい声が聞こえたかと思うと首に人肌の温かな感触を感じる。ガンドライドが後ろから抱き締めてきたのだと分かるのに時間はいらず、冷たくあしらうが止めるつもりはないらしい。
ルーン石の魔力込めが終ったらお仕置きと心に誓っていると今度は頭にちょっとした重量の柔らかな感触を感じる。
「…………」
何故だろう。その感触に無性に苛つく自分がいた。
掴んでいたルーン石を握りしめ、頭の上に乗っかる果実を持つガンドライドを睨み付ける。この女、中身が自分よりも幼い癖に持ってるものは持ってるのだ。
言葉にしてみればボンッキュッボンッ――対してミーシャはツルーン、ペターンだ。ミーシャも年頃の女の子。自分の体の成長が気になり出す年齢だ。まぁ、出ている人のものを羨ましくは思ったりしたし、自分も将来はああなるんだと信じている。
信じてはいる――――が、成長期にもなってあまり大きくならない身長と体の一部分。それとは対照的に中身が幼い癖に立派なものを持っているガンドライド。
「(――――いや、私だっていつかはこんな風になれる)」
苛立ちを治めるように息を吐く。
――そう。自分は成長期がちょっと遅いだけ。周りの奴らは少し胸が出ていたけど気にしない。…………気にしていない。
「ふふ――――本当にお姉様って小さくて可愛いな」
ガンドライドのその発言はミーシャのありのままのことを伝えている。同年代よりも少し小さな背丈、クリッとした瞳に絹のように美しい肌。そして何処までも透き通っている白い髪。妖精達が手がけたドレスを着れば小さな人形が歩いているようで誰もが可愛らしいと思うだろう。
ミーシャだって過去にそんなことを言われたことがなかった訳ではない。どこぞの貴族がミーシャの容姿を褒めるのにそんなことを言っていたのを思い出す。それ以降、その男は見かけなかったが……。
ともかく何時もならば、褒め言葉とも捉えるのだが、今回は違った。
「…………何が」
「お姉様?」
ルーン石に魔力を込める動作を止めて、細かに震えだしたミーシャにガンドライドが首を傾げる。その表情からして自分が虎の尾を踏んだことに気付いていない。
「……何が………………何が小さいだぁ!!」
「ふえぇ!?」
寝具の弾みを利用して押さえつけられたバネを一気に解放するように勢いよく立ち上がる。頭にのし掛かった二つの果実を押しのけると寝具から落ちたガンドライドへと飛び掛かる。
「お、おおおおお姉様!? ま、まさかお姉様から来てくれるなんてっ」
「んな訳あるかーい!! この無駄肉お化けがっ」
寝具と寝具の間に落ちる形になったガンドライドへと跨がり、たわわに実った果実へと直接攻撃。全ての恨みを込めての一撃をどう受け取ったのかガンドライドが頬を赤らめ、嬉しそうな表情をする。それを即効に否定すると二つの果実を下から掴みかかった。
「何だこの肉は!? 貴様それで戦いになると思っているのか!? 削げ、今すぐに削いでしまえ!! そんなものあったって空気抵抗の邪魔になるし、肩が凝るだけだって母様は言ってたし、別に悔しくはねえんだよ!! 別に悔しくないけど削いでしまえ。それとも私がやってやろうか!!」
「アッ……ンンッ……お姉様ァッ」
目は血走り、自分でも何を言っているか分からないことを口走る。今自分が何をしているかも正しく認識していないかも知れない。ちょっとした狂戦士状態になったミーシャ。
部屋に狂戦士となったミーシャの叫びとガンドライドの甘い声が響く。
ここが魔術で防音した部屋で良かった。でなければ、下の階にいる者達にもこの騒動が聞こえていたに違いない。
「大体何で貴様成長してるんだ!? 魂が幼女だったんなら幼女でいろよ。急に成長してるんじゃねえ!!」
取り込まれた時に見た少女姿であれば、自分の方が勝っていた。そう浮かんだ言葉を口走る。そもそも成長していることを恨めしいと思っている時点でそれに憧れているのを認めているようなものだが、今ミーシャにまともな判断ができなかった。
「お姉様っ!! 激しいのがお好みなら私はっ」
「違うわっ!! 私は異性愛者だ!!」
幼女が女性に襲いかかっている状況だけ見れば誰もがそれは違うだろと口を揃えるだろう。互いに肩で息をしているが、それは別々の理由――しかし、それは他人には分からないこと。分かるのは、この二人は年の離れた同性愛者ということだけだ。
「ふー……ふー……」
「はぁ……はぁ……」
そして、それはこの男もそうだった。
「…………」
「へ?――――ってお前いつからそこに!?」
「ついさっきだ」
そう答えたのは手元に新しく買い揃えた装備を手にしたシグルドだ。いつの間にか横で見下ろすように立っているシグルドに目を見開き、一気に思考が冷めていく。
乱れた髪、荒い呼吸、そして――――互いに下着姿。
察しの良い者なら何があったか予想は付くだろう。
「…………」
何も言わずに九十度回転したシグルドが荷物も置かずに部屋の扉へと足を進める。何があったか口にしようとしたミーシャも上手く現状を言い表せる言葉が見つからずにあたふたしており、ただ遠くなる背中を見詰めるだけだ。
そうしている間にも扉へと辿り着いたシグルドが部屋の外を出て扉をゆっくり閉めていく。
最後に目線だけ二人へと向けると一言。
「……ごゆっくり」
「ちがーーーーう!!」
「お姉様ァ!!」
しっかりと扉が閉じられた部屋でミーシャの叫びが響いた。
シグルドからの報告を部屋で待ち続けていたミーシャだったが、やることがない訳ではなかった。万が一の時のために魔術の結界も罠も張り終わり、ガンドライドに買いに行かせたルーン石の補充を行った。王国よりも質が落ちており、数も少ないが、それでもないよりはマシと一つ一つ丁寧に魔力を注いでいった。全ての作業が終った訳ではないが、気付いた頃には下着姿のガンドライドが横で寝ており、街の明かりも少なくなっていた。
そんな時間帯になってもシグルドが帰ってくる様子はない。作業も一段落し、寝台へと体を投げ出すが、そこからミーシャの記憶は途絶えている。睡魔に打ち勝てずに寝てしまったのだ。
そうして目覚めたのが、翌日の太陽が昇る頃。
いつの間に寝てしまったのか、シグルドは帰ってきたのかとあたふたしてみれば、分かったのはいつの間にか自分の隣にガンドライドが寝ていることだけ。
悩むのが馬鹿らしくなったミーシャは中身が少女の美女を自分の寝台から蹴り落とし、嘆く声を無視して風呂場へと直行。(中から鍵を閉めるのを忘れてはいけない)
サッパリとしたミーシャを迎えたのは涙目のガンドライドだ。何があったかなんて言うまでもない。というか言いたくもない。あんなヒステリックな悲鳴に近い叫び声を朝から聞くことになるなんて最悪だ。
風呂から上がるとミーシャはガンドライドに近づかないように厳命した後、昨日途中で切り上げたルーン石に魔力を込める作業を下着姿のまま取りかかる。それと同時に迷宮であの理性のなかったガンドライドに取り込まれた時のことを思い出す。
全身の血が沸騰したように体が熱くなったと思えば、影を退散させた。そして、少女の魂の色を見えた後からというもの、約十メートルまでの他人の魂というものが目に見えるようになった。
窓から外に目を向ければ、そこから見える街の人々の魂。それが魂と分かったのは直感とはまた別の何か。赤ん坊の頃から人が言葉を聞いて覚えるのと同じく、何処かで覚えていたものを思い出したような感覚に近い。
人間によって色が違い、青もいれば、白もいる。同じような色はあるが、それは決して同じではなくよく見れば微細な色の濃さが違っていた。
目頭を抑え、息を吐く。
別に目が疲れた訳ではない。今まで見えなかったものが突然見えるようになって気味が悪いだけだ。
「(死にかけたから新しい力に目覚めましたってか……)」
馬鹿なことを考えながら、目を開けると先程とは違い、ただの街の光景しかなく、魂は消えていた。一体この力が何なのか分からないが、痛みを感じる訳でもなく疲労も感じない。むしろそれがしっくりきており、力の切り替えもできていた。
「お姉様っ」
「やめろ、手元が狂う」
ルーン石に魔力を込めながら考え込むミーシャの耳に甘ったるい声が聞こえたかと思うと首に人肌の温かな感触を感じる。ガンドライドが後ろから抱き締めてきたのだと分かるのに時間はいらず、冷たくあしらうが止めるつもりはないらしい。
ルーン石の魔力込めが終ったらお仕置きと心に誓っていると今度は頭にちょっとした重量の柔らかな感触を感じる。
「…………」
何故だろう。その感触に無性に苛つく自分がいた。
掴んでいたルーン石を握りしめ、頭の上に乗っかる果実を持つガンドライドを睨み付ける。この女、中身が自分よりも幼い癖に持ってるものは持ってるのだ。
言葉にしてみればボンッキュッボンッ――対してミーシャはツルーン、ペターンだ。ミーシャも年頃の女の子。自分の体の成長が気になり出す年齢だ。まぁ、出ている人のものを羨ましくは思ったりしたし、自分も将来はああなるんだと信じている。
信じてはいる――――が、成長期にもなってあまり大きくならない身長と体の一部分。それとは対照的に中身が幼い癖に立派なものを持っているガンドライド。
「(――――いや、私だっていつかはこんな風になれる)」
苛立ちを治めるように息を吐く。
――そう。自分は成長期がちょっと遅いだけ。周りの奴らは少し胸が出ていたけど気にしない。…………気にしていない。
「ふふ――――本当にお姉様って小さくて可愛いな」
ガンドライドのその発言はミーシャのありのままのことを伝えている。同年代よりも少し小さな背丈、クリッとした瞳に絹のように美しい肌。そして何処までも透き通っている白い髪。妖精達が手がけたドレスを着れば小さな人形が歩いているようで誰もが可愛らしいと思うだろう。
ミーシャだって過去にそんなことを言われたことがなかった訳ではない。どこぞの貴族がミーシャの容姿を褒めるのにそんなことを言っていたのを思い出す。それ以降、その男は見かけなかったが……。
ともかく何時もならば、褒め言葉とも捉えるのだが、今回は違った。
「…………何が」
「お姉様?」
ルーン石に魔力を込める動作を止めて、細かに震えだしたミーシャにガンドライドが首を傾げる。その表情からして自分が虎の尾を踏んだことに気付いていない。
「……何が………………何が小さいだぁ!!」
「ふえぇ!?」
寝具の弾みを利用して押さえつけられたバネを一気に解放するように勢いよく立ち上がる。頭にのし掛かった二つの果実を押しのけると寝具から落ちたガンドライドへと飛び掛かる。
「お、おおおおお姉様!? ま、まさかお姉様から来てくれるなんてっ」
「んな訳あるかーい!! この無駄肉お化けがっ」
寝具と寝具の間に落ちる形になったガンドライドへと跨がり、たわわに実った果実へと直接攻撃。全ての恨みを込めての一撃をどう受け取ったのかガンドライドが頬を赤らめ、嬉しそうな表情をする。それを即効に否定すると二つの果実を下から掴みかかった。
「何だこの肉は!? 貴様それで戦いになると思っているのか!? 削げ、今すぐに削いでしまえ!! そんなものあったって空気抵抗の邪魔になるし、肩が凝るだけだって母様は言ってたし、別に悔しくはねえんだよ!! 別に悔しくないけど削いでしまえ。それとも私がやってやろうか!!」
「アッ……ンンッ……お姉様ァッ」
目は血走り、自分でも何を言っているか分からないことを口走る。今自分が何をしているかも正しく認識していないかも知れない。ちょっとした狂戦士状態になったミーシャ。
部屋に狂戦士となったミーシャの叫びとガンドライドの甘い声が響く。
ここが魔術で防音した部屋で良かった。でなければ、下の階にいる者達にもこの騒動が聞こえていたに違いない。
「大体何で貴様成長してるんだ!? 魂が幼女だったんなら幼女でいろよ。急に成長してるんじゃねえ!!」
取り込まれた時に見た少女姿であれば、自分の方が勝っていた。そう浮かんだ言葉を口走る。そもそも成長していることを恨めしいと思っている時点でそれに憧れているのを認めているようなものだが、今ミーシャにまともな判断ができなかった。
「お姉様っ!! 激しいのがお好みなら私はっ」
「違うわっ!! 私は異性愛者だ!!」
幼女が女性に襲いかかっている状況だけ見れば誰もがそれは違うだろと口を揃えるだろう。互いに肩で息をしているが、それは別々の理由――しかし、それは他人には分からないこと。分かるのは、この二人は年の離れた同性愛者ということだけだ。
「ふー……ふー……」
「はぁ……はぁ……」
そして、それはこの男もそうだった。
「…………」
「へ?――――ってお前いつからそこに!?」
「ついさっきだ」
そう答えたのは手元に新しく買い揃えた装備を手にしたシグルドだ。いつの間にか横で見下ろすように立っているシグルドに目を見開き、一気に思考が冷めていく。
乱れた髪、荒い呼吸、そして――――互いに下着姿。
察しの良い者なら何があったか予想は付くだろう。
「…………」
何も言わずに九十度回転したシグルドが荷物も置かずに部屋の扉へと足を進める。何があったか口にしようとしたミーシャも上手く現状を言い表せる言葉が見つからずにあたふたしており、ただ遠くなる背中を見詰めるだけだ。
そうしている間にも扉へと辿り着いたシグルドが部屋の外を出て扉をゆっくり閉めていく。
最後に目線だけ二人へと向けると一言。
「……ごゆっくり」
「ちがーーーーう!!」
「お姉様ァ!!」
しっかりと扉が閉じられた部屋でミーシャの叫びが響いた。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
後悔などありません。あなたのことは愛していないので。
あかぎ
恋愛
「お前とは婚約破棄する」
婚約者の突然の宣言に、レイラは言葉を失った。
理由は見知らぬ女ジェシカへのいじめ。
証拠と称される手紙も差し出されたが、筆跡は明らかに自分のものではない。
初対面の相手に嫉妬して傷つけただなど、理不尽にもほどがある。
だが、トールは疑いを信じ込み、ジェシカと共にレイラを糾弾する。
静かに溜息をついたレイラは、彼の目を見据えて言った。
「私、あなたのことなんて全然好きじゃないの」
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる