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第四章
朝の騒動
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【三日月の下の猫】の部屋の一室。
シグルドからの報告を部屋で待ち続けていたミーシャだったが、やることがない訳ではなかった。万が一の時のために魔術の結界も罠も張り終わり、ガンドライドに買いに行かせたルーン石の補充を行った。王国よりも質が落ちており、数も少ないが、それでもないよりはマシと一つ一つ丁寧に魔力を注いでいった。全ての作業が終った訳ではないが、気付いた頃には下着姿のガンドライドが横で寝ており、街の明かりも少なくなっていた。
そんな時間帯になってもシグルドが帰ってくる様子はない。作業も一段落し、寝台へと体を投げ出すが、そこからミーシャの記憶は途絶えている。睡魔に打ち勝てずに寝てしまったのだ。
そうして目覚めたのが、翌日の太陽が昇る頃。
いつの間に寝てしまったのか、シグルドは帰ってきたのかとあたふたしてみれば、分かったのはいつの間にか自分の隣にガンドライドが寝ていることだけ。
悩むのが馬鹿らしくなったミーシャは中身が少女の美女を自分の寝台から蹴り落とし、嘆く声を無視して風呂場へと直行。(中から鍵を閉めるのを忘れてはいけない)
サッパリとしたミーシャを迎えたのは涙目のガンドライドだ。何があったかなんて言うまでもない。というか言いたくもない。あんなヒステリックな悲鳴に近い叫び声を朝から聞くことになるなんて最悪だ。
風呂から上がるとミーシャはガンドライドに近づかないように厳命した後、昨日途中で切り上げたルーン石に魔力を込める作業を下着姿のまま取りかかる。それと同時に迷宮であの理性のなかったガンドライドに取り込まれた時のことを思い出す。
全身の血が沸騰したように体が熱くなったと思えば、影を退散させた。そして、少女の魂の色を見えた後からというもの、約十メートルまでの他人の魂というものが目に見えるようになった。
窓から外に目を向ければ、そこから見える街の人々の魂。それが魂と分かったのは直感とはまた別の何か。赤ん坊の頃から人が言葉を聞いて覚えるのと同じく、何処かで覚えていたものを思い出したような感覚に近い。
人間によって色が違い、青もいれば、白もいる。同じような色はあるが、それは決して同じではなくよく見れば微細な色の濃さが違っていた。
目頭を抑え、息を吐く。
別に目が疲れた訳ではない。今まで見えなかったものが突然見えるようになって気味が悪いだけだ。
「(死にかけたから新しい力に目覚めましたってか……)」
馬鹿なことを考えながら、目を開けると先程とは違い、ただの街の光景しかなく、魂は消えていた。一体この力が何なのか分からないが、痛みを感じる訳でもなく疲労も感じない。むしろそれがしっくりきており、力の切り替えもできていた。
「お姉様っ」
「やめろ、手元が狂う」
ルーン石に魔力を込めながら考え込むミーシャの耳に甘ったるい声が聞こえたかと思うと首に人肌の温かな感触を感じる。ガンドライドが後ろから抱き締めてきたのだと分かるのに時間はいらず、冷たくあしらうが止めるつもりはないらしい。
ルーン石の魔力込めが終ったらお仕置きと心に誓っていると今度は頭にちょっとした重量の柔らかな感触を感じる。
「…………」
何故だろう。その感触に無性に苛つく自分がいた。
掴んでいたルーン石を握りしめ、頭の上に乗っかる果実を持つガンドライドを睨み付ける。この女、中身が自分よりも幼い癖に持ってるものは持ってるのだ。
言葉にしてみればボンッキュッボンッ――対してミーシャはツルーン、ペターンだ。ミーシャも年頃の女の子。自分の体の成長が気になり出す年齢だ。まぁ、出ている人のものを羨ましくは思ったりしたし、自分も将来はああなるんだと信じている。
信じてはいる――――が、成長期にもなってあまり大きくならない身長と体の一部分。それとは対照的に中身が幼い癖に立派なものを持っているガンドライド。
「(――――いや、私だっていつかはこんな風になれる)」
苛立ちを治めるように息を吐く。
――そう。自分は成長期がちょっと遅いだけ。周りの奴らは少し胸が出ていたけど気にしない。…………気にしていない。
「ふふ――――本当にお姉様って小さくて可愛いな」
ガンドライドのその発言はミーシャのありのままのことを伝えている。同年代よりも少し小さな背丈、クリッとした瞳に絹のように美しい肌。そして何処までも透き通っている白い髪。妖精達が手がけたドレスを着れば小さな人形が歩いているようで誰もが可愛らしいと思うだろう。
ミーシャだって過去にそんなことを言われたことがなかった訳ではない。どこぞの貴族がミーシャの容姿を褒めるのにそんなことを言っていたのを思い出す。それ以降、その男は見かけなかったが……。
ともかく何時もならば、褒め言葉とも捉えるのだが、今回は違った。
「…………何が」
「お姉様?」
ルーン石に魔力を込める動作を止めて、細かに震えだしたミーシャにガンドライドが首を傾げる。その表情からして自分が虎の尾を踏んだことに気付いていない。
「……何が………………何が小さいだぁ!!」
「ふえぇ!?」
寝具の弾みを利用して押さえつけられたバネを一気に解放するように勢いよく立ち上がる。頭にのし掛かった二つの果実を押しのけると寝具から落ちたガンドライドへと飛び掛かる。
「お、おおおおお姉様!? ま、まさかお姉様から来てくれるなんてっ」
「んな訳あるかーい!! この無駄肉お化けがっ」
寝具と寝具の間に落ちる形になったガンドライドへと跨がり、たわわに実った果実へと直接攻撃。全ての恨みを込めての一撃をどう受け取ったのかガンドライドが頬を赤らめ、嬉しそうな表情をする。それを即効に否定すると二つの果実を下から掴みかかった。
「何だこの肉は!? 貴様それで戦いになると思っているのか!? 削げ、今すぐに削いでしまえ!! そんなものあったって空気抵抗の邪魔になるし、肩が凝るだけだって母様は言ってたし、別に悔しくはねえんだよ!! 別に悔しくないけど削いでしまえ。それとも私がやってやろうか!!」
「アッ……ンンッ……お姉様ァッ」
目は血走り、自分でも何を言っているか分からないことを口走る。今自分が何をしているかも正しく認識していないかも知れない。ちょっとした狂戦士状態になったミーシャ。
部屋に狂戦士となったミーシャの叫びとガンドライドの甘い声が響く。
ここが魔術で防音した部屋で良かった。でなければ、下の階にいる者達にもこの騒動が聞こえていたに違いない。
「大体何で貴様成長してるんだ!? 魂が幼女だったんなら幼女でいろよ。急に成長してるんじゃねえ!!」
取り込まれた時に見た少女姿であれば、自分の方が勝っていた。そう浮かんだ言葉を口走る。そもそも成長していることを恨めしいと思っている時点でそれに憧れているのを認めているようなものだが、今ミーシャにまともな判断ができなかった。
「お姉様っ!! 激しいのがお好みなら私はっ」
「違うわっ!! 私は異性愛者だ!!」
幼女が女性に襲いかかっている状況だけ見れば誰もがそれは違うだろと口を揃えるだろう。互いに肩で息をしているが、それは別々の理由――しかし、それは他人には分からないこと。分かるのは、この二人は年の離れた同性愛者ということだけだ。
「ふー……ふー……」
「はぁ……はぁ……」
そして、それはこの男もそうだった。
「…………」
「へ?――――ってお前いつからそこに!?」
「ついさっきだ」
そう答えたのは手元に新しく買い揃えた装備を手にしたシグルドだ。いつの間にか横で見下ろすように立っているシグルドに目を見開き、一気に思考が冷めていく。
乱れた髪、荒い呼吸、そして――――互いに下着姿。
察しの良い者なら何があったか予想は付くだろう。
「…………」
何も言わずに九十度回転したシグルドが荷物も置かずに部屋の扉へと足を進める。何があったか口にしようとしたミーシャも上手く現状を言い表せる言葉が見つからずにあたふたしており、ただ遠くなる背中を見詰めるだけだ。
そうしている間にも扉へと辿り着いたシグルドが部屋の外を出て扉をゆっくり閉めていく。
最後に目線だけ二人へと向けると一言。
「……ごゆっくり」
「ちがーーーーう!!」
「お姉様ァ!!」
しっかりと扉が閉じられた部屋でミーシャの叫びが響いた。
シグルドからの報告を部屋で待ち続けていたミーシャだったが、やることがない訳ではなかった。万が一の時のために魔術の結界も罠も張り終わり、ガンドライドに買いに行かせたルーン石の補充を行った。王国よりも質が落ちており、数も少ないが、それでもないよりはマシと一つ一つ丁寧に魔力を注いでいった。全ての作業が終った訳ではないが、気付いた頃には下着姿のガンドライドが横で寝ており、街の明かりも少なくなっていた。
そんな時間帯になってもシグルドが帰ってくる様子はない。作業も一段落し、寝台へと体を投げ出すが、そこからミーシャの記憶は途絶えている。睡魔に打ち勝てずに寝てしまったのだ。
そうして目覚めたのが、翌日の太陽が昇る頃。
いつの間に寝てしまったのか、シグルドは帰ってきたのかとあたふたしてみれば、分かったのはいつの間にか自分の隣にガンドライドが寝ていることだけ。
悩むのが馬鹿らしくなったミーシャは中身が少女の美女を自分の寝台から蹴り落とし、嘆く声を無視して風呂場へと直行。(中から鍵を閉めるのを忘れてはいけない)
サッパリとしたミーシャを迎えたのは涙目のガンドライドだ。何があったかなんて言うまでもない。というか言いたくもない。あんなヒステリックな悲鳴に近い叫び声を朝から聞くことになるなんて最悪だ。
風呂から上がるとミーシャはガンドライドに近づかないように厳命した後、昨日途中で切り上げたルーン石に魔力を込める作業を下着姿のまま取りかかる。それと同時に迷宮であの理性のなかったガンドライドに取り込まれた時のことを思い出す。
全身の血が沸騰したように体が熱くなったと思えば、影を退散させた。そして、少女の魂の色を見えた後からというもの、約十メートルまでの他人の魂というものが目に見えるようになった。
窓から外に目を向ければ、そこから見える街の人々の魂。それが魂と分かったのは直感とはまた別の何か。赤ん坊の頃から人が言葉を聞いて覚えるのと同じく、何処かで覚えていたものを思い出したような感覚に近い。
人間によって色が違い、青もいれば、白もいる。同じような色はあるが、それは決して同じではなくよく見れば微細な色の濃さが違っていた。
目頭を抑え、息を吐く。
別に目が疲れた訳ではない。今まで見えなかったものが突然見えるようになって気味が悪いだけだ。
「(死にかけたから新しい力に目覚めましたってか……)」
馬鹿なことを考えながら、目を開けると先程とは違い、ただの街の光景しかなく、魂は消えていた。一体この力が何なのか分からないが、痛みを感じる訳でもなく疲労も感じない。むしろそれがしっくりきており、力の切り替えもできていた。
「お姉様っ」
「やめろ、手元が狂う」
ルーン石に魔力を込めながら考え込むミーシャの耳に甘ったるい声が聞こえたかと思うと首に人肌の温かな感触を感じる。ガンドライドが後ろから抱き締めてきたのだと分かるのに時間はいらず、冷たくあしらうが止めるつもりはないらしい。
ルーン石の魔力込めが終ったらお仕置きと心に誓っていると今度は頭にちょっとした重量の柔らかな感触を感じる。
「…………」
何故だろう。その感触に無性に苛つく自分がいた。
掴んでいたルーン石を握りしめ、頭の上に乗っかる果実を持つガンドライドを睨み付ける。この女、中身が自分よりも幼い癖に持ってるものは持ってるのだ。
言葉にしてみればボンッキュッボンッ――対してミーシャはツルーン、ペターンだ。ミーシャも年頃の女の子。自分の体の成長が気になり出す年齢だ。まぁ、出ている人のものを羨ましくは思ったりしたし、自分も将来はああなるんだと信じている。
信じてはいる――――が、成長期にもなってあまり大きくならない身長と体の一部分。それとは対照的に中身が幼い癖に立派なものを持っているガンドライド。
「(――――いや、私だっていつかはこんな風になれる)」
苛立ちを治めるように息を吐く。
――そう。自分は成長期がちょっと遅いだけ。周りの奴らは少し胸が出ていたけど気にしない。…………気にしていない。
「ふふ――――本当にお姉様って小さくて可愛いな」
ガンドライドのその発言はミーシャのありのままのことを伝えている。同年代よりも少し小さな背丈、クリッとした瞳に絹のように美しい肌。そして何処までも透き通っている白い髪。妖精達が手がけたドレスを着れば小さな人形が歩いているようで誰もが可愛らしいと思うだろう。
ミーシャだって過去にそんなことを言われたことがなかった訳ではない。どこぞの貴族がミーシャの容姿を褒めるのにそんなことを言っていたのを思い出す。それ以降、その男は見かけなかったが……。
ともかく何時もならば、褒め言葉とも捉えるのだが、今回は違った。
「…………何が」
「お姉様?」
ルーン石に魔力を込める動作を止めて、細かに震えだしたミーシャにガンドライドが首を傾げる。その表情からして自分が虎の尾を踏んだことに気付いていない。
「……何が………………何が小さいだぁ!!」
「ふえぇ!?」
寝具の弾みを利用して押さえつけられたバネを一気に解放するように勢いよく立ち上がる。頭にのし掛かった二つの果実を押しのけると寝具から落ちたガンドライドへと飛び掛かる。
「お、おおおおお姉様!? ま、まさかお姉様から来てくれるなんてっ」
「んな訳あるかーい!! この無駄肉お化けがっ」
寝具と寝具の間に落ちる形になったガンドライドへと跨がり、たわわに実った果実へと直接攻撃。全ての恨みを込めての一撃をどう受け取ったのかガンドライドが頬を赤らめ、嬉しそうな表情をする。それを即効に否定すると二つの果実を下から掴みかかった。
「何だこの肉は!? 貴様それで戦いになると思っているのか!? 削げ、今すぐに削いでしまえ!! そんなものあったって空気抵抗の邪魔になるし、肩が凝るだけだって母様は言ってたし、別に悔しくはねえんだよ!! 別に悔しくないけど削いでしまえ。それとも私がやってやろうか!!」
「アッ……ンンッ……お姉様ァッ」
目は血走り、自分でも何を言っているか分からないことを口走る。今自分が何をしているかも正しく認識していないかも知れない。ちょっとした狂戦士状態になったミーシャ。
部屋に狂戦士となったミーシャの叫びとガンドライドの甘い声が響く。
ここが魔術で防音した部屋で良かった。でなければ、下の階にいる者達にもこの騒動が聞こえていたに違いない。
「大体何で貴様成長してるんだ!? 魂が幼女だったんなら幼女でいろよ。急に成長してるんじゃねえ!!」
取り込まれた時に見た少女姿であれば、自分の方が勝っていた。そう浮かんだ言葉を口走る。そもそも成長していることを恨めしいと思っている時点でそれに憧れているのを認めているようなものだが、今ミーシャにまともな判断ができなかった。
「お姉様っ!! 激しいのがお好みなら私はっ」
「違うわっ!! 私は異性愛者だ!!」
幼女が女性に襲いかかっている状況だけ見れば誰もがそれは違うだろと口を揃えるだろう。互いに肩で息をしているが、それは別々の理由――しかし、それは他人には分からないこと。分かるのは、この二人は年の離れた同性愛者ということだけだ。
「ふー……ふー……」
「はぁ……はぁ……」
そして、それはこの男もそうだった。
「…………」
「へ?――――ってお前いつからそこに!?」
「ついさっきだ」
そう答えたのは手元に新しく買い揃えた装備を手にしたシグルドだ。いつの間にか横で見下ろすように立っているシグルドに目を見開き、一気に思考が冷めていく。
乱れた髪、荒い呼吸、そして――――互いに下着姿。
察しの良い者なら何があったか予想は付くだろう。
「…………」
何も言わずに九十度回転したシグルドが荷物も置かずに部屋の扉へと足を進める。何があったか口にしようとしたミーシャも上手く現状を言い表せる言葉が見つからずにあたふたしており、ただ遠くなる背中を見詰めるだけだ。
そうしている間にも扉へと辿り着いたシグルドが部屋の外を出て扉をゆっくり閉めていく。
最後に目線だけ二人へと向けると一言。
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