愛する事はないと言ったのに

マイユニ

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初体験*

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 初めて足を踏み入れたラブホテルの部屋は普通だった。もっとギラギラしているのかと思っていたけど、実際はそうでもないんだと知る。

「シャワー浴びてもいいですか?」

「一緒に浴びる?」

 一緒に?そういうものなの?

「すみません、こういうの初めてでよくわからないんですけど、一緒に浴びるものなんですか?」

「いや?一緒にじゃなくてもいいよ」

「なるほど。じゃあひとりでもいいですか?」

「いいよ。ごゆっくり」

 何故か笑われた。おかしなことを言っただろうか。

 全身を入念に洗い、浴室を出た。さて、服は着たほうがいいのか……?あっ、このバスローブを羽織ろうか。パンツはどうせ脱ぐし、いいか。来ていた服を持って出ると、彼が浴室へ向かった。手持ち無沙汰になってしまい、とりあえずベッドに寝転んだ。初めてだということは伝えないといけないよな。今更になって、初めてで大丈夫かと不安になってくる。彼は経験豊富そうに見えたし、こんな僕で満足してもらえるんだろうか。悶々としていると、扉が開く音がして起き上がった。現れたバスローブ姿の彼からは色気がだだ漏れている。

 ベッドに腰を下ろした彼の手が僕の唇に触れた。ふにふにと触られてどうすればいいか分からず固まっていると「初めて?」と聞かれた。

「初めてです。大丈夫でしょうか?」

「全然大丈夫。無理だと思ったら遠慮なく言って」

「分かりました」

「キスも初めてだったりする?」

「はい、初めてです」

「俺でいいの?」

「いいです。大切にしてたとかじゃないし」

「ふーん、そっか」

 顔が近づいて目を閉じた。なるほど、キスってこんな感じか。唇って柔らかいんだな。あれ、まだ終わらない。長くない?どうしよう、息が……。ようやく離されて思いっきり息を吐いた。次はめちゃくちゃ吸い込んだらいいのか?

「息しようね?」

「い……息……する……ですか?」

「はい、もう1回」

「あっ、待って……息が……」

 整える間もなくまた唇を塞がれた。えーい、もう息がかかってもいいや。何度も角度を変えて口づけられて、少しずつ慣れてきた。唇を舐められ、驚いて少し開いたその隙間から舌が侵入してきた。ちょ……なにこれ……。必死に舌を絡めているとバスローブを脱がされた。彼の手が僕の頬に触れ徐々に下へ下りていく。乳首に触れられて、ビクリと肩を震わせた。何ともいえないこそばゆさが襲う。唇を離した彼と目が合った。

「かわいい」

 おでこに口づけられて顔が熱くなる。リップサービスだと分かっていても恥ずかしい。彼の手は休むことなく僕の乳首を弄り続け、だんだんと気持ちよくなって吐息を漏らした。勃ってきているのを感じるし、中が疼きだしてきた。

「あの……」

「ん?」

「下も……」

「触って欲しい?」

 こんなお願いをするなんてはしたないだろうか。不安に思って目を伏せながら頷くと「こっち?それともこっち?」とペニスとお尻を交互に指さした。「こっち」とおしりの方を示すと「いいよ」と優しく言ってくれた。
 
「自分でしたことはある?」

「はい。指を挿れたことはあります」

「そうか。俺の上に座れる?」

「はい」

 彼の上に跨がるようにして座ると「挿れるよ?」と言われて頷いた。

「あっ……」

 自分では届かない奥の方まで彼の指が入ってくる。未知の感覚に身を委ねた。

「あぁッ……あっあっ、ヤダ……まって……」

 触り方のせいなのか、感じたことのない快感が全身を貫いておかしくなりそうだ。まってって言ってるのにやめてくれない。ああ、本当におかしくなっちゃう。

「あっ……やっ、おかしくなる……」

 反対の手が僕のペニスを扱き出した。

「やぁっ……両方ダメぇ……」

「ほんとかわいいね」

「あぁッ……」

 盛大に射精して彼の手を汚してしまった。

「ごめんなさ……」

「全然いいよ?このまましてたらナカでもイケそうだね」

「へ?ちょ……イッたばっかり」

「うんうん、そうだねぇ」

「だったら……やっ……あっ……あぁッ――んッ」

 唇を塞がれて口づけを交わしながら後ろを刺激され続けた。押し寄せる快感が強すぎてだんだん体に力が入らなくなり唇を離して彼の体にしがみついた。

「ヤダ……もう……あっん……やめてぇ……」

 あっ、何かくる。まって……まって……何か変。

「何か……くる……ああっっ――」

 強い快感が体を貫いて体がビクビクする。何だこれは?

「おぉ、上手にナカイキできたね」

 ナカイキ……。ナカだけでイッてしまったってこと?ずっとイッてる感じがして、なかなかおさまらない。荒い息を吐きながら体を震わせていると彼のものが当っているのを感じた。

「すごい、締め付け。ヤバそう」

「あの……」

「ん?」

「挿れますか?」

「もうちょっと解してからでもいいよ?」

「でも、僕ばっかり……」

 自分ばかり気持ちよくなってしまって申し訳なくなってくる。

「じゃあ、一旦指抜くね。これ脱ぎたいし」

「はい」

 指を引き抜かれて、彼から距離を取った。バスローブと下着を脱ぎ捨てた彼の下半身に目がいった。大きい。そそり勃つペニスをマジマジと見てしまう。

「めちゃくちゃ見るね」

「ごめんなさい。すごい大きいなと思って。これ挿れるんですよね?」

「そうだね」

「入るんですかね?」

「入らなかった事はないけど」

 今更ながら怖気づいてきた。そうは言われてもこんな大きいもの入る気がしない。

「大丈夫そう?やめておく?」

 やめる?でも、経験すると決めたし。少しグラついたけれど、意を決した。

「いえ、大丈夫です」

「名前聞いてもいい?」

聡真そうまです」

「俺は史弥ふみや。聡真くん、痛かったらちゃんと言ってね」

「はい、史弥さん」

 ゴクリと生唾を飲み込んだ。いよいよだ。彼のペニスが僕の中に入ってくる。後ろからの方が負担が少ないと言われて四つん這いの体勢になる。ゴムを付けた彼が僕の腰を持った。当たってる。彼の先端が僕の穴に。

「挿れるよ?」

「んんっ……」

 ゆっくりと彼が僕の中に入ってきた。やっぱりすごい。感じたことのない圧迫感が僕を襲う。

「痛くない?」

「ぜんぜ……大丈夫。もう入りましたか?」

「いや、まだ全部入ってない」

「え!?」

 うそでしょ?まだ奥まで入ってくるの!?

「もうちょっと」

「んうっ……」

 さらにズブズブと彼が僕の中に入ってきた。

「入ったよ」

「あ……すご……」

 もっと痛いのかと思っていたけれど、全然そんな事はなかった。圧迫感は半端ないが。

「やっぱキツイな」

「大丈夫……ですか?」

「大丈夫。超気持ちいい」

 彼も気持ちよくなってくれている。その事が嬉しかった。ゆっくりとピストンされたり、浅いところを擦られたりしていくうちにだんだんと快感が広がるようになっていった。その快感に抗う事なく感じて、声を上げた。体勢を変えて色んな角度から責められて、矯声をあげることしかできない。

「あっあっ、ふみやさん……イク……イッちゃう」

「一緒にイこうか」

「ふぁぁっ」

 激しく突かれながら自身のペニスを扱かれて頭の中が真っ白になりイッてしまった。混濁する意識の中、彼が射精するのは感じることができた。ゆっくりと優しく口づけられて、もっともっとと強請るように舌を絡ませる。イッたばかりなのに、もっとしてほしくなる。

「史弥さん」

「どうしたの?」

「もう1回して欲しいって思ったんですけど、ダメですか?」

「ダメじゃないけど、大丈夫?」

「平気です。だから……」

「いいよ。聡真くんが満足するまで抱いてあげる」

「ありがとうございます」

 その後、ヘロヘロになるまで抱いてもらい、気づいたら朝になっていた。起き上がると彼はいなくてホテル代と書かれたメモと現金が置かれていた。

 ホテルを出て夜とは打って変わって静かな朝の街を歩く。ここは昼夜逆転しているみたいで不思議な感じだ。少し気怠くて、タクシーに乗り込んだ。多めに現金を置いてくれていたのはタクシー代も含まれていたのかもしれない。もう二度と会うことはない初めての人。彼のように優しく抱いてくれるような人と結婚したい。そんな事を思いながら過ぎゆく景色をぼんやりと眺めていた。
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