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カエルになった行商人
7.物知りなドラゴン
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預かり屋さんのヒミツを知って以来、ポポとフェンネルは急速に仲良くなっていきました。もともと闇の国の人間と、闇の国と親しみ深いドラゴンです。それに、居場所がないという点でも二人は同じだったので、ポポは何だかフェンネルを放っておけなかったのです。
一方のフェンネルは、新しいお友達ができて大はしゃぎでした。ポポはメイプルやシロップが知らない世界の話も出来るので、仕事の合間に会いに来てくれる彼のことがすぐに大好きになりました。だから、ポポがカエルの姿になってしまって困っている事を知ると、すぐにどうにかしてあげたくなったのです。そこで、フェンネルはおでこの一本角を光らせながら言いました。
「ボク、もしかしたらポポの役に立てるかもしれないよ」
「どういうことだい?」
「あのね、この角はね、ドラゴンたちが利用する心の図書館につながっているの。ボクのご先祖さま達の記憶が本になってたくさん保管されていて、その血筋のドラゴンなら調べ物ができるんだ。色んな知識がつまっているから、もしかしたらイタズラ妖精の呪いについてもどこかに書いてあるかも?」
「そりゃすごい。さすがはドラゴンさまだ」
ポポが拝むようにそう言うと、フェンネルは照れながら言いました。
「あ、でも、絶対に見つかるとは限らないよ。それに、すっごく時間がかかるかもしれない。それでもよかったら、ボクも調べてみるよ」
「ああ、ああ、ありがたいよ。優しいね、君は」
ポポはそう言って、フェンネルにほほえみかけました。
その日以降、二人の仲はさらに深まり、ポポはフェンネルのお世話を率先してやるようになりました。
もちろん、調べ物がどうなるか気になっていたからという理由もありましたが、実を言うとその期待も半信半疑といったところでした。
ポポはどちらでもよかったのです。ただ、フェンネルが優しさを自分に向けてくれたことが嬉しくて、お世話をしたくなっただけだったのです。
しかしもちろん、フェンネルは一生懸命調べ物をしました。まだまだ子どものドラゴンですが、角の力は一人前で、その上、フェンネルのご先祖さまの集めた記録は豊富だったのです。
「便利なものだね」
ある日、いつものようにフェンネルの調べ物の報告を聞いて、ポポは言いました。
「オイラもそんな角が欲しかったよ。ドラゴンってのは、みんな、その心の図書館ってのを利用できるのかい?」
すると、フェンネルは首をかしげながら答えました。
「えっとね、半分はその通りだけど、半分は違うよ」
「ほう、それまたどういうことかな?」
「ボクが使っている図書館は、ボクのご先祖さまの使っていた図書館なの。ボクの生みの親や、そのまた親、そのさらに親って具合に、記憶が元になっている資料をためていて、それらを読めるのは子孫だけって決まっているんだって。だから、ボクと全く同じ図書館をつかっているドラゴンがいるとしたら、ボクと同じ親から生まれたドラゴンだと思う」
「ふうむ、オイラには想像もつかない世界だなぁ。つまりは、フェンネルのお父さんだかお母さんだかが使っていた図書館なんだね」
「たぶん、そういうこと」
ちなみに、ドラゴンには性別というものがないそうです。大人になったらたった一人で卵を生み落とすと言われています。そう聞くと、全員がお母さんなのかと思いがちですが、時にはお父さんのように力強く子どもたちを導いたりもするので、両方の性別があるとも言われています。
フェンネルもまた男の子のような部分と、女の子のような部分があるドラゴンでした。いずれにせよ、とても優しく、これまでポポがイメージしていた恐れうやまうべきドラゴンのイメージとはかけ離れていました。
「オイラ、ドラゴンってのはもっとおっかないのかと思っていたよ」
「ポポは闇の国で育ったんだよね? ドラゴンは見たことないの?」
「いいや、ドラゴンはよく見たよ。とっても身近な存在だった。有名なのは闇の国の女王さまのパートナーであらせられるタラゴンさまだね」
タラゴンは火の国の王さまでもあります。
火の国の王家は歴史的に良好な関係にある闇の国の君主と結びつきが強く、タラゴンもまたそうでした。特に闇の国の女王さまとタラゴンの相性の良さはよく語られており、両国のよりよい未来のためにあらゆる政策を進めていました。
しかし、だからこそ、女王とタラゴンの光の国での評価の悪さについてもポポは知っていました。闇の国と火の国のよりよい未来のための政策の一部が、光の国の未来を脅かすとして警戒されていたからです。そのため、闇の女王に力を貸すタラゴンもまた、光の国の人々のなかには悪魔のように思う人もいました。
「ポポにはパートナーはいなかったの?」
フェンネルの問いに、ポポは苦笑しながら答えました。
「ドラゴンってのは、とにかく誇り高い種族だからね。オイラみたいな庶民と付き合ってくれるパートナーなんていないよ。闇の国でドラゴンとパートナーになっているのは、王家の血筋のお方々くらいだろうね」
「そうなんだ。知らなかった。せっかくだから、図書館にメモしておこう」
無邪気にそう言うと、フェンネルは角を光らせました。自分が見て、聞いて、知った思い出をこうやって記録することもまた、ドラゴンにとって大事なお勉強であり、後世のためのお仕事でもあるのだそうです。
角を光らせるフェンネルの姿に、ポポは感心しながら言いました。
「しっかり者のいい子だね、君は」
すると、フェンネルはうれしそうに翼をゆらしました。
一方のフェンネルは、新しいお友達ができて大はしゃぎでした。ポポはメイプルやシロップが知らない世界の話も出来るので、仕事の合間に会いに来てくれる彼のことがすぐに大好きになりました。だから、ポポがカエルの姿になってしまって困っている事を知ると、すぐにどうにかしてあげたくなったのです。そこで、フェンネルはおでこの一本角を光らせながら言いました。
「ボク、もしかしたらポポの役に立てるかもしれないよ」
「どういうことだい?」
「あのね、この角はね、ドラゴンたちが利用する心の図書館につながっているの。ボクのご先祖さま達の記憶が本になってたくさん保管されていて、その血筋のドラゴンなら調べ物ができるんだ。色んな知識がつまっているから、もしかしたらイタズラ妖精の呪いについてもどこかに書いてあるかも?」
「そりゃすごい。さすがはドラゴンさまだ」
ポポが拝むようにそう言うと、フェンネルは照れながら言いました。
「あ、でも、絶対に見つかるとは限らないよ。それに、すっごく時間がかかるかもしれない。それでもよかったら、ボクも調べてみるよ」
「ああ、ああ、ありがたいよ。優しいね、君は」
ポポはそう言って、フェンネルにほほえみかけました。
その日以降、二人の仲はさらに深まり、ポポはフェンネルのお世話を率先してやるようになりました。
もちろん、調べ物がどうなるか気になっていたからという理由もありましたが、実を言うとその期待も半信半疑といったところでした。
ポポはどちらでもよかったのです。ただ、フェンネルが優しさを自分に向けてくれたことが嬉しくて、お世話をしたくなっただけだったのです。
しかしもちろん、フェンネルは一生懸命調べ物をしました。まだまだ子どものドラゴンですが、角の力は一人前で、その上、フェンネルのご先祖さまの集めた記録は豊富だったのです。
「便利なものだね」
ある日、いつものようにフェンネルの調べ物の報告を聞いて、ポポは言いました。
「オイラもそんな角が欲しかったよ。ドラゴンってのは、みんな、その心の図書館ってのを利用できるのかい?」
すると、フェンネルは首をかしげながら答えました。
「えっとね、半分はその通りだけど、半分は違うよ」
「ほう、それまたどういうことかな?」
「ボクが使っている図書館は、ボクのご先祖さまの使っていた図書館なの。ボクの生みの親や、そのまた親、そのさらに親って具合に、記憶が元になっている資料をためていて、それらを読めるのは子孫だけって決まっているんだって。だから、ボクと全く同じ図書館をつかっているドラゴンがいるとしたら、ボクと同じ親から生まれたドラゴンだと思う」
「ふうむ、オイラには想像もつかない世界だなぁ。つまりは、フェンネルのお父さんだかお母さんだかが使っていた図書館なんだね」
「たぶん、そういうこと」
ちなみに、ドラゴンには性別というものがないそうです。大人になったらたった一人で卵を生み落とすと言われています。そう聞くと、全員がお母さんなのかと思いがちですが、時にはお父さんのように力強く子どもたちを導いたりもするので、両方の性別があるとも言われています。
フェンネルもまた男の子のような部分と、女の子のような部分があるドラゴンでした。いずれにせよ、とても優しく、これまでポポがイメージしていた恐れうやまうべきドラゴンのイメージとはかけ離れていました。
「オイラ、ドラゴンってのはもっとおっかないのかと思っていたよ」
「ポポは闇の国で育ったんだよね? ドラゴンは見たことないの?」
「いいや、ドラゴンはよく見たよ。とっても身近な存在だった。有名なのは闇の国の女王さまのパートナーであらせられるタラゴンさまだね」
タラゴンは火の国の王さまでもあります。
火の国の王家は歴史的に良好な関係にある闇の国の君主と結びつきが強く、タラゴンもまたそうでした。特に闇の国の女王さまとタラゴンの相性の良さはよく語られており、両国のよりよい未来のためにあらゆる政策を進めていました。
しかし、だからこそ、女王とタラゴンの光の国での評価の悪さについてもポポは知っていました。闇の国と火の国のよりよい未来のための政策の一部が、光の国の未来を脅かすとして警戒されていたからです。そのため、闇の女王に力を貸すタラゴンもまた、光の国の人々のなかには悪魔のように思う人もいました。
「ポポにはパートナーはいなかったの?」
フェンネルの問いに、ポポは苦笑しながら答えました。
「ドラゴンってのは、とにかく誇り高い種族だからね。オイラみたいな庶民と付き合ってくれるパートナーなんていないよ。闇の国でドラゴンとパートナーになっているのは、王家の血筋のお方々くらいだろうね」
「そうなんだ。知らなかった。せっかくだから、図書館にメモしておこう」
無邪気にそう言うと、フェンネルは角を光らせました。自分が見て、聞いて、知った思い出をこうやって記録することもまた、ドラゴンにとって大事なお勉強であり、後世のためのお仕事でもあるのだそうです。
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すると、フェンネルはうれしそうに翼をゆらしました。
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