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56-2 能ある鷹は2

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さて、翌日になりました。ディナさんが大変貌を遂げていました。

「ご主人様より、発達した筋肉を魔力で抑えるよう指示がありましたので。」
今日明日はドーピング用に魔力の結晶も持ち歩くそうだ。ドーピングしつつ、私のボディガードで使う予定だった分の魔力を注げば、1日は持ちそうとのこと。

先にダイニングにいたサタナさんは
「持続的に魔力を使う修練かいな?ここで鍛錬やなんて、ウラン様はドSやのー。」
と苦笑いしていた。
「もしかしたら、これが私への罰であり精進せよと言う意味かもしれません。」
ハッとした顔でディナさん大納得。いや、違うだろ。

遅れて寝室から出てきたジェード君は声を失った。そうだよね、その反応が正しい。

ディナさんは元々私より少し大きいくらいの身長だった。鍛え抜かれた筋肉で引っ張れていた皮膚が正しく年相応な位置に戻ると、それはそれはの美少女だった。
少しタレ目の整った顔。小さくて軽い体なのに出るとこは出てる。
これは、頭が良いけど天然で抜けていて、めっちゃモテモテだけど、主人公一筋。控えめで大人しくて貞淑だけど、主人公を海のような心で支えているあの人そのもの。
こんなとこにいたのか、マリアンヌ。

これの横にいたら、そりゃ私は襲われないわ。

部屋を出る時から演技スタート。サタナさんにもたれるように腕を組む。街を歩くと、私に注がれる視線がほぼ無い事にディナさんは納得した。そして、顔を赤らめながら「演技とは言え、えいこ様とサタナ様のこんな状態なんて見るに耐えられませんっ!」と去っていった。沢山のギャラリーを引き連れて。

すぐにジェード君に後を追わせた。まぁ、何かあれば最悪元の姿に戻れば大体のことは大丈夫でしょう。

「で、二人きりで回りたい言うんたんは何でや?」
「この街にいるであろう人を探しています。白髪で中肉中背、やたら整った顔をしていて結晶を売って生活してるはずです。多分、セレスと名乗っていると思うんですけど、偽名かもしれません。」
「セレス、なぁ。大体のバイヤーの情報は入っとるけど、心当たりはあらへんな。よっしゃ、ぼちぼち行こか。」

私はサタナさんに周りに聞こえないだろう程度の声で話しながら街を回った。まずは昨日周りきれなかった所を案内してもらい説明を受ける。
さすがさすがのサタナさん、蕩とろけるような表情で恋人役を演やってくれる。イケメン耐性レベルが5で良かった!もうすぐ上がりそうだけどね!

ちょっと気になるのが、コレを見て泣いて駆け出すご婦人やら美少年がチラホラいること。ご婦人は想定内。美少年は想定外。

あ、あのゴリマッチョもか!

サタナっ!罪な子っ!
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