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04.a forest of bookshelves
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濃い飴色の書棚が林立し天に向かってのびている。ジャンルごとに配置された本はここがかつて城だった頃の蔵書をそのまま残し、さらに最近の本も追加されていっているらしい。
向かって右手が書架。薄暗い中に魔法の灯りが浮かぶほうへマリアさんが去っていく。僕はいつものように地下へ続く階段に向かいかけるが、シエルを背負い直すとマリアさんと反対方向に歩いていった。
大きな扉の向こう、日の当たる方へ。
扉ひとつ隔てると背の高い本棚の代わりに新聞や雑誌を入れる棚が、両脇についたてを取り付けた勉強机の代わりに開放的なローテーブルがおかれていた。学生の休憩スペースとして設けられた場所は大きな窓で太陽の光を存分に取り入れ、テラスに出れば飲食も許されていた。
「気持ちいい場所ですねえ!」
「そーだなー。でも僕らはこっち」
学校関係者なら自由に使えるというのはやっぱり建前で、テラスや光溢れる場所は特別科の子どもたちが独占している。僕は休憩スペースの隅っこ、普通科の子どもたちが使う日陰のソファにシエルを下ろした。
「このくらいの日差しでもいい?」
「はいっ。これなら明日には治ります」
「ならよし。僕はちょっと地下に行くから、ここで大人しくしておいで」
「はいっ!」
手をぴしっと挙げたお返事は大変よろしい。一抹の不安を見なかった事にして、僕は本来の目的地を見やった。
地下の閉架に行くには来た道を引き返さないといけない。ただ行く手には普通科の子どもたちの姿があり、顔見知りの子はどうやら僕とシエルに気づいたらしい。
「キースさんこんにちはー」
「うわ、キース兄がカノジョ連れ込んでるってマジだったんだぁ」
「ハイハイこんにちは。カノジョじゃないし静かにしようね」
真面目くさって注意するものの彼らはシエルに興味津々である。がっちりした体つきの少年はシエルと目が合ったとたん真っ赤になって背の高い少女の背中に隠れるし、そばかすのある最年少の少女は真っ先にシエルの隣に陣取ってそっと金髪に触れる。
背の高い少女が少年の手を振り払い、ふと眉を寄せた。
「こらトビー。それこっち持ってきちゃダメなやつでしょ」
「いいじゃんアネット、ちょっとくらい。こっちのほうがレポート進みそうだもん」
トビーと呼ばれた少年の手には年期の入った薄い書物がある。表題が印刷ではなく手書きで表紙や本文用紙もかなり日焼けしている。歴史の講義でよく使われる写本のひとつだ。
ちょっと扱いに気を付けないと――声をかけようとしたが、細く硬い靴音がそれを遮った。
子どもたちが露骨に顔をしかめる。
たっぷり布を使った特注の制服をこれ見よがしに翻し、特別科の女子生徒が数人こちらに近づいてくる。先頭に立つのはシエルと同じくらい輝く金髪を縦ロールにしたご令嬢。レースをあしらった扇子で口許を隠すしぐさも堂に入っている。
「そこのお前。今すぐここから立ち去りなさい」
毅然というか傲慢。子爵だか公爵だかの令嬢でしかも第一王子の婚約者。物語の悪役令嬢そのものな少女に睨まれ、トビーは口を尖らせつつも後ずさる。かれを庇うように立ち塞がる……というかトビーに盾にされて前に出ざるを得ないのは長身の少女アネットだ。
「なに? 庶民がここにいちゃいけないの?」
「場所を弁えなさいと言っているのです」
長身の少女と悪役令嬢が火花を散らす。令嬢の後ろにいる少女たちは「ルクレツィア様の命令が聞けないの?」なんて嘲笑するが、それも悪役令嬢のひと睨みで沈黙する。
言わんとすることはだいたい分かる。あんまり関わりたくないんだけど大人だしね、しょうがないね。僕はおそるおそる片手をあげて二人の少女の間に割って入った。
「古い本だからね、日の光に弱いんだよ。皆がずっと読めるように大事にしてほしいんだ」
ルクレツィア嬢はふいとそっぽを向きつつ一歩下がる。普通科の子ども達はまだ引っ込みがつかないようで、トビーはきつく眉をよせて膨れっ面になった。かれが持つ本の題名は『雨露をください』。それは、
「……それは兄が病気の妹を看病し、看取るまでを綴った日記なのです。だいじにしてください」
そう声をあげたのは僕ではなくシエルだった。
さっきまで子どもたちの言い争いを不思議そうに見上げていたのに、シエルは服の裾を握りしめてうつむいている。天使は人の魂を導くというから、もしかしたらこの優しすぎる天使は病死した妹を見守っていたのかもしれない。
しんと沈黙が落ちた。
普通科の子どもたちにも故郷の家族にも、かれらが簡単に里帰りできるような金銭の余裕はない。中には薬代を払えないせいで本の作者のように看取るしかできなかった子もいるだろう。
アネットがトビーの背中を軽く叩くと、トビーはもごもごと謝罪を呟いて踵を返す。そうしてアネットもルクレツィア嬢に頭を下げた。
「あたしも変な言いがかりつけた。ごめんなさい」
「気にしておりませんわ」
悪役令嬢は扇子で口許を隠し、僕とシエルを交互に見比べた。
「その娘、お前の伴侶ですの?」
「ええー……広義の身内、です」
「伴侶ですのね」
ルクレツィア嬢はため息をつき、シエルを上から下まで値踏みするように見る。髪の美しさなら貴族令嬢にひけを取らないが、ひらひらふわふわしたオーダーメイド制服と比べるとシエルの服はなんというかシンプル過ぎる気もする。
「みすぼらしい格好でうろつかれては学校の品位に関わります。せいぜい不自由させないことですね」
令嬢は畳んだ扇子の先で僕を指した。ははあ、と畏まろうとした僕の背筋は中途半端に曲がったところで止まる。
じわりと冷たい汗がにじんだ。
「着替えとか靴、寝床とか」
呆然と呟く。
シエルが着ているのは簡素なワンピース。足元には学校の備品のスリッパ。気楽な独り暮らしだった僕の部屋には寝床も収納スペースも何もかも一人分しかない。
「……ありませんの?」
「忘レテマシタ」
「甲斐性なし」
「ないわー」
ルクレツィア嬢からストレートな正論パンチ、アネットから率直すぎる言葉のナイフを受けて膝から崩れ落ちた。シエルと最年少の女子生徒が訳も分からないなりに背中をさすってくれるからうっかり涙ぐんでしまう。
さっきまで火花を散らしていた女子ふたりは急に結託してヒソヒソと話し合い始めた。
「ひとまず今日と明日の分ですわね」
「あたし、午後から講義なくてヒマなんですけど」
「ええ。出歩かせては傷に障るでしょうし、寸法を図ってから出掛けなさい」
「仰せのままに、姫殿下」
アネットが胸に手を当てて一礼する。その芝居がかった仕草に思わずといったふうにルクレツィア嬢が吹き出した。年相応の屈託ない笑顔につられて笑うのは普通科の子どもたちだけで、対照的に取り巻き令嬢たちの視線が険しくなる。
「ルクレツィア様、庶民など放っておいてはいかが?」
取り巻き筆頭の少女は不機嫌を隠そうともしない。仲の良い子が自分の気に入らない奴と仲良くしているのが気に入らないといえば子どもらしいけれど、身分だとか経済力だとかがそれをこじらせている。
ルクレツィア嬢はそんな彼女に小首を傾げてみせた。
「わたくしはいずれ王妃となる身、民は等しくわたくしの子となるのです。ちょっとした予行演習ですわ」
「ですが……」
「ルクレツィアさんは皆さんのお母さんになるのですか?」
たじろいだ取り巻き筆頭はシエルの空気読めない質問で完全に言葉を失った。
子どもたちの視線がルクレツィア嬢に集中する。最年少の少女がくもりなきまなこで「ママ?」なんて口走った瞬間、アネットが吹き出した。
「やば、ウケる、確かに口やかましいお節介なオカンだわ……」
「こ、こらっ! あなたも変なことを言わないでくださいまし!」
「変ではありません。皆の事をいろいろ考えてくれる、素敵なお母さんなのです」
「うう……」
ルクレツィア嬢はつんとそっぽを向いて顔の前で扇子を広げるが、扇子だけでは赤らんだ頬や耳を隠せていなかった。
――ルクレツィア様を庶民なんかに近づけたなんて知られたらお父様に叱られる……
――でも照れてらっしゃるルクレツィア様、なんか、
――ええ、愛らしいですわ。これが『推せる』というものかしら……!
取り巻き嬢たちに変な性癖が花開いた気がする、じゃない、この若さで身分問わず人々の心を掴むなんてさすが王妃になる人は違うなあ。
向かって右手が書架。薄暗い中に魔法の灯りが浮かぶほうへマリアさんが去っていく。僕はいつものように地下へ続く階段に向かいかけるが、シエルを背負い直すとマリアさんと反対方向に歩いていった。
大きな扉の向こう、日の当たる方へ。
扉ひとつ隔てると背の高い本棚の代わりに新聞や雑誌を入れる棚が、両脇についたてを取り付けた勉強机の代わりに開放的なローテーブルがおかれていた。学生の休憩スペースとして設けられた場所は大きな窓で太陽の光を存分に取り入れ、テラスに出れば飲食も許されていた。
「気持ちいい場所ですねえ!」
「そーだなー。でも僕らはこっち」
学校関係者なら自由に使えるというのはやっぱり建前で、テラスや光溢れる場所は特別科の子どもたちが独占している。僕は休憩スペースの隅っこ、普通科の子どもたちが使う日陰のソファにシエルを下ろした。
「このくらいの日差しでもいい?」
「はいっ。これなら明日には治ります」
「ならよし。僕はちょっと地下に行くから、ここで大人しくしておいで」
「はいっ!」
手をぴしっと挙げたお返事は大変よろしい。一抹の不安を見なかった事にして、僕は本来の目的地を見やった。
地下の閉架に行くには来た道を引き返さないといけない。ただ行く手には普通科の子どもたちの姿があり、顔見知りの子はどうやら僕とシエルに気づいたらしい。
「キースさんこんにちはー」
「うわ、キース兄がカノジョ連れ込んでるってマジだったんだぁ」
「ハイハイこんにちは。カノジョじゃないし静かにしようね」
真面目くさって注意するものの彼らはシエルに興味津々である。がっちりした体つきの少年はシエルと目が合ったとたん真っ赤になって背の高い少女の背中に隠れるし、そばかすのある最年少の少女は真っ先にシエルの隣に陣取ってそっと金髪に触れる。
背の高い少女が少年の手を振り払い、ふと眉を寄せた。
「こらトビー。それこっち持ってきちゃダメなやつでしょ」
「いいじゃんアネット、ちょっとくらい。こっちのほうがレポート進みそうだもん」
トビーと呼ばれた少年の手には年期の入った薄い書物がある。表題が印刷ではなく手書きで表紙や本文用紙もかなり日焼けしている。歴史の講義でよく使われる写本のひとつだ。
ちょっと扱いに気を付けないと――声をかけようとしたが、細く硬い靴音がそれを遮った。
子どもたちが露骨に顔をしかめる。
たっぷり布を使った特注の制服をこれ見よがしに翻し、特別科の女子生徒が数人こちらに近づいてくる。先頭に立つのはシエルと同じくらい輝く金髪を縦ロールにしたご令嬢。レースをあしらった扇子で口許を隠すしぐさも堂に入っている。
「そこのお前。今すぐここから立ち去りなさい」
毅然というか傲慢。子爵だか公爵だかの令嬢でしかも第一王子の婚約者。物語の悪役令嬢そのものな少女に睨まれ、トビーは口を尖らせつつも後ずさる。かれを庇うように立ち塞がる……というかトビーに盾にされて前に出ざるを得ないのは長身の少女アネットだ。
「なに? 庶民がここにいちゃいけないの?」
「場所を弁えなさいと言っているのです」
長身の少女と悪役令嬢が火花を散らす。令嬢の後ろにいる少女たちは「ルクレツィア様の命令が聞けないの?」なんて嘲笑するが、それも悪役令嬢のひと睨みで沈黙する。
言わんとすることはだいたい分かる。あんまり関わりたくないんだけど大人だしね、しょうがないね。僕はおそるおそる片手をあげて二人の少女の間に割って入った。
「古い本だからね、日の光に弱いんだよ。皆がずっと読めるように大事にしてほしいんだ」
ルクレツィア嬢はふいとそっぽを向きつつ一歩下がる。普通科の子ども達はまだ引っ込みがつかないようで、トビーはきつく眉をよせて膨れっ面になった。かれが持つ本の題名は『雨露をください』。それは、
「……それは兄が病気の妹を看病し、看取るまでを綴った日記なのです。だいじにしてください」
そう声をあげたのは僕ではなくシエルだった。
さっきまで子どもたちの言い争いを不思議そうに見上げていたのに、シエルは服の裾を握りしめてうつむいている。天使は人の魂を導くというから、もしかしたらこの優しすぎる天使は病死した妹を見守っていたのかもしれない。
しんと沈黙が落ちた。
普通科の子どもたちにも故郷の家族にも、かれらが簡単に里帰りできるような金銭の余裕はない。中には薬代を払えないせいで本の作者のように看取るしかできなかった子もいるだろう。
アネットがトビーの背中を軽く叩くと、トビーはもごもごと謝罪を呟いて踵を返す。そうしてアネットもルクレツィア嬢に頭を下げた。
「あたしも変な言いがかりつけた。ごめんなさい」
「気にしておりませんわ」
悪役令嬢は扇子で口許を隠し、僕とシエルを交互に見比べた。
「その娘、お前の伴侶ですの?」
「ええー……広義の身内、です」
「伴侶ですのね」
ルクレツィア嬢はため息をつき、シエルを上から下まで値踏みするように見る。髪の美しさなら貴族令嬢にひけを取らないが、ひらひらふわふわしたオーダーメイド制服と比べるとシエルの服はなんというかシンプル過ぎる気もする。
「みすぼらしい格好でうろつかれては学校の品位に関わります。せいぜい不自由させないことですね」
令嬢は畳んだ扇子の先で僕を指した。ははあ、と畏まろうとした僕の背筋は中途半端に曲がったところで止まる。
じわりと冷たい汗がにじんだ。
「着替えとか靴、寝床とか」
呆然と呟く。
シエルが着ているのは簡素なワンピース。足元には学校の備品のスリッパ。気楽な独り暮らしだった僕の部屋には寝床も収納スペースも何もかも一人分しかない。
「……ありませんの?」
「忘レテマシタ」
「甲斐性なし」
「ないわー」
ルクレツィア嬢からストレートな正論パンチ、アネットから率直すぎる言葉のナイフを受けて膝から崩れ落ちた。シエルと最年少の女子生徒が訳も分からないなりに背中をさすってくれるからうっかり涙ぐんでしまう。
さっきまで火花を散らしていた女子ふたりは急に結託してヒソヒソと話し合い始めた。
「ひとまず今日と明日の分ですわね」
「あたし、午後から講義なくてヒマなんですけど」
「ええ。出歩かせては傷に障るでしょうし、寸法を図ってから出掛けなさい」
「仰せのままに、姫殿下」
アネットが胸に手を当てて一礼する。その芝居がかった仕草に思わずといったふうにルクレツィア嬢が吹き出した。年相応の屈託ない笑顔につられて笑うのは普通科の子どもたちだけで、対照的に取り巻き令嬢たちの視線が険しくなる。
「ルクレツィア様、庶民など放っておいてはいかが?」
取り巻き筆頭の少女は不機嫌を隠そうともしない。仲の良い子が自分の気に入らない奴と仲良くしているのが気に入らないといえば子どもらしいけれど、身分だとか経済力だとかがそれをこじらせている。
ルクレツィア嬢はそんな彼女に小首を傾げてみせた。
「わたくしはいずれ王妃となる身、民は等しくわたくしの子となるのです。ちょっとした予行演習ですわ」
「ですが……」
「ルクレツィアさんは皆さんのお母さんになるのですか?」
たじろいだ取り巻き筆頭はシエルの空気読めない質問で完全に言葉を失った。
子どもたちの視線がルクレツィア嬢に集中する。最年少の少女がくもりなきまなこで「ママ?」なんて口走った瞬間、アネットが吹き出した。
「やば、ウケる、確かに口やかましいお節介なオカンだわ……」
「こ、こらっ! あなたも変なことを言わないでくださいまし!」
「変ではありません。皆の事をいろいろ考えてくれる、素敵なお母さんなのです」
「うう……」
ルクレツィア嬢はつんとそっぽを向いて顔の前で扇子を広げるが、扇子だけでは赤らんだ頬や耳を隠せていなかった。
――ルクレツィア様を庶民なんかに近づけたなんて知られたらお父様に叱られる……
――でも照れてらっしゃるルクレツィア様、なんか、
――ええ、愛らしいですわ。これが『推せる』というものかしら……!
取り巻き嬢たちに変な性癖が花開いた気がする、じゃない、この若さで身分問わず人々の心を掴むなんてさすが王妃になる人は違うなあ。
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