たとえ運命じゃなくても、僕は

mimi

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また、平穏な毎日が戻ってきた。

だいきとりさちゃんにも、かいさんのことをすべて話した。
二人とも、心から安堵したような表情を浮かべていた。

「ひなた!ほんとによくやったな。
運命に打ち勝ったじゃん」

りさちゃんも目を潤ませて言う。

「ひなたくん……本当によく頑張ったよ」

その言葉に、胸がじんわりと温かくなる。

これからは、
とわさんとの時間も、
ピアノと向き合う時間も、
どちらも大切にしていこう。

そう、心に決めた。



そして、月日は流れ――三月。

とわさんと、数えきれないほどの楽しい日々を過ごした。

今日は卒業式。
とわさんとは、大学で会えなくなってしまう。
それが、少しだけ寂しかった。

とわさんは、SNSに投稿したピアノ演奏が話題となり、
本格的に演奏活動を始めることになった。

かいさんは、海外の音楽大学院へ進学するため、
日本を離れるという。

物理的な距離が生まれることに、
正直、少しだけ胸をなで下ろした。

卒業式の終盤。
首席として、とわさんが代表でピアノ演奏を披露する。

しかも、それは――
とわさんが作曲した、初めて聴く曲だった。

期待と緊張で、胸が高鳴る。

「首席の、高谷とわです」

静かな声が、会場に響く。

「私が作曲した曲を演奏します。
タイトルは――
『たとえ運命の人じゃなくても』」

その瞬間、分かった。
これは、僕たちの物語だ。

穏やかで、優しい旋律から始まり、
嵐のような激しさを経て、
また、静かで温かなフレーズへと帰っていく。

――神曲だった。

この曲に込められた想いが、
僕だけでなく、だいきやりさちゃんにも伝わっているのが分かった。

演奏の途中、
ふと、とわさんと目が合った。

その瞳は、迷いのない、強い光を宿していた。

あぁ――

僕は、これから先、
自分の選択を後悔することはない。

だって、
これは運命じゃなく、
僕自身が選び取った未来。

心から選んだ、
最愛の人と生きていくのだから。
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