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コレット、芋虫になる
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「痛ってぇ…なんだぁ??」
不意の衝撃に転げてしまったジークハルトだが、酔っ払っていても辺境で騎士をしていた事もあって咄嗟に体勢を立て直した。
転んだ衝撃で手にしていたランプはガラスが割れて使い物にならなくなった。
頼りになるのは月あかりのみ。
ジークハルトは目を凝らして衝撃の原因を突き止めたが、同時に首を傾げた。
確かに今、かなりの量を飲酒してはいるが酩酊状態ではない。
酔っ払っていても人の気配がすれば、追い剥ぎや強盗の可能性もあるため誰かが近づいてくれば気配を感じるはずだが、気配は衝撃があるまで全くなかった。
今もまた草むらに誰かが息を潜めているかと言えば否。
気配は感じない。
キョロキョロと周りを何度も見回し衝撃の原因である物体に近寄った。
「嘘だろ…」
右側を下にして横たわる女性は川にでも飛び込んだのかと思うくらいぐっしょりと服も髪も濡れている。しかし倒れている状態から見てやって来たと思われる方向には土が濡れた形跡はなかった。
飛び掛かったにしてもここまで濡れている気配を感じないのはあり得ない。
ピクリとも動かない女性をジークハルトは少し考えたが、抱き起した。
「おい、大丈夫か」
「‥‥ぅぅ…」
「生きてはいるようだが‥‥しかし一体…」
もう一度当たりを見回すも人の気配も動物の気配も感じない。
強いて言えば、手綱を引いてきた馬の鼻息が聞こえるくらいである。
「参ったな」
ここに女性をそのままにしておくことは出来ないし、診察をさせようにも医療院は馬で飛ばしても今日の当直がいるかどうかもわからない。
医療院と言っても医者は皇帝など立場のある人間を見るのは侍医だが、ジークハルトのような騎士と言っても平民を診察するのは所謂「床屋」である。
昼間は客の髪や髭を切ったり剃ったりで、流行病の時は当番医がいるがそうでない時はいない事の方が多い。何より医者に診てもらうには金が必要だが、さっき酒場で払ってしまい手持ちが乏しい。
「連れて帰るしかないか」
頬を軽く叩いて呼び掛けても返事がない。ジークハルトはコレットを背中に背負うと手綱を掴んでまた歩き始めた。
借りた部屋が1階で良かったかも知れない。2階なら程よく酒も入っているためうっかりすると2人で転落をしてしまうところだったと独り言ちてジークハルトは部屋の鍵を差し込んだ。
「あー」
コレットを背負ったまま部屋の中を見たジークハルトは「ま、いいか」とぐっしょり濡れたままのコレットを寝台に寝かせた。シーツはおそらく1週間前には交換したはずだし枕は気が付けばどこかに飛んでいるから臭いもないだろうとコレットの首に手を入れ頭部を浮かせて枕を差し込むように入れる。
「使ってない布…布…」
洗面所のタオルハンガーにかかっているタオルはいつ変えたか覚えていない。
却下である。
湯殿にあるタオルは1枚しかなく、この後ジークハルトが使用するため却下だ。
仕方なく、ジークハルトは使っていないワイシャツを使ってコレットの髪や手から水を吸い取るようにそっとあてた。
「あ、外套着てるのか。だから濡れ…え?雨なんか降ってたかな?」
飲んでいる最中に土砂降りでもあったかと考えたが、道は濡れていなかった。
やはり川にでも落ちたのだろうともう一度コレットの上半身を抱きかかえ、外套を脱がした。
外套ほどは濡れてはいなかったが形の良い2つの小高い双璧に視線が集まる。
「いかん、いかん。何を考えてるんだ。俺は」
見た事もないようなデザインのワンピースは擦り切れている部分も多く、ワイシャツに水を吸わせるためにあてるが、繕って当て布をしている部分が多い事にも気が付いた。
「今時、ここまで衣類を着るやつは…いやこれ、着るって言うより着潰す?凄いな‥」
帝都の第三騎士団は主に市井を警備しているが、比較的低所得者層が住まう地域でもコレットが着ているワンピースほど着こんだ服を身に纏っている者はいなかった。
風邪を引くと可哀想だと思ったが、流石に裸にして着替えさせようにも暫く洗っていない普段着を着せるよりはとジークハルトは芋虫のように掛布でコレットをグルグル巻きにした。
その後、湯殿で濡れた体と汗、幾ばくかの酔いを流すと簡易水栓から直接水を喉に流し込み、タオル一枚を腰に巻いて湯で火照った体を窓を開けて冷ました。
「イケねぇ。風が入ると寒いかな」
芋虫のようになったコレットはスース―と寝息を立てているのを見て、ジークハルトはその隣に寝転がった。男の1人暮らしである。食事用のテーブルに椅子は2脚あってもソファーなど気の利いたものはない。
横になるのは寝台以外には土足で歩く床しかなかったのだ。
明け方、どんなに酔い潰れて帰ってきても夜明けとともにジークハルトは目が覚める。
隣に人の気配を感じ、ドキっとしたが直ぐに昨夜の事を思い出した。
そっと寝台を降りてうがいをした後は、木刀を持って外に出る。
隣の奥さんが育てているプランターからミントの葉を千切り口に入れて歯磨き代りである。
「ぺっ…これ・・・ミントじゃねぇな。ヨモギか?」
朝の鍛錬を終え、湯殿で汗を流し出てくると芋虫が蠢いていた。
シーツがはだけてはいけないと数カ所結んでしまっていたので抜け出せないコレットが藻掻いていたのだ。
「わっ!待て待て。すまない。今結び目を解くから」
「・・・・」
声をかけると動きが止まり、今度はモゾモゾと丸くなっていく。
結び目を解いてジークハルトはタオルの下が危険な状態である事を察知し「少し待て」と声をかけると急いで下着を穿き、ボトムスも着用したが暑いので上半身は裸のままである。
「出てきていいぞ。飯食うか?簡単な物しか作れないが」
ジークハルトはキッチンに向かい、コレットに声をかけ乍ら野菜を毟りだした。
竈ではあるが、鉄製の蓋も付いていて消し炭と鍛錬中に適当に集めた落ち葉を火かき棒で寄せるとマッチで火をつけた。
「パンは昨日のやつだが、オーブンで温めてやるからな~♪」
即興で言葉を歌のように発しながらフライパンに卵を割っていく。
コレットはジークハルトの背中を見て、部屋の中を見渡した。
ジークハルトの事を知らないのは当然だが、馬に踏まれるか弾き飛ばされて死んだと思っていただけに、手のひらを握り、開き、頬を抓り痛みを感じた事の方が恐怖だった。
「出来たぞ~。今日は黄身が潰れなかったぞ。いい日になりそうだ」
「・・・・」
「どうした?服はもうほとんど乾いてるだろ?何もしやしねぇよ。飯だ飯」
「・・・・」
ジークハルトは食卓から手招きをするが、コレットはジークハルトを見るだけで動けなかった。
コレットはジークハルトの話す言葉が解るようで解らないのだ。
仕立て屋の女将から他国の商人とも取引が出来るようにと数か国語の簡単な会話は学んだが、新興国のベルトニール帝国の言葉に似てはいるものの、半分も聞き取れない。
ふむ。と考えたジークハルトは立ち上がり寝台まで歩くとコレットに手を差し出した。
空いている手でパンを齧る真似をすると、その仕草を見ていたコレットはペコリと頭を下げて寝台から足を下ろした。
「チョーっと待った!!」
ジークハルトの声にビクリとコレットの肩が震えた。
不意の衝撃に転げてしまったジークハルトだが、酔っ払っていても辺境で騎士をしていた事もあって咄嗟に体勢を立て直した。
転んだ衝撃で手にしていたランプはガラスが割れて使い物にならなくなった。
頼りになるのは月あかりのみ。
ジークハルトは目を凝らして衝撃の原因を突き止めたが、同時に首を傾げた。
確かに今、かなりの量を飲酒してはいるが酩酊状態ではない。
酔っ払っていても人の気配がすれば、追い剥ぎや強盗の可能性もあるため誰かが近づいてくれば気配を感じるはずだが、気配は衝撃があるまで全くなかった。
今もまた草むらに誰かが息を潜めているかと言えば否。
気配は感じない。
キョロキョロと周りを何度も見回し衝撃の原因である物体に近寄った。
「嘘だろ…」
右側を下にして横たわる女性は川にでも飛び込んだのかと思うくらいぐっしょりと服も髪も濡れている。しかし倒れている状態から見てやって来たと思われる方向には土が濡れた形跡はなかった。
飛び掛かったにしてもここまで濡れている気配を感じないのはあり得ない。
ピクリとも動かない女性をジークハルトは少し考えたが、抱き起した。
「おい、大丈夫か」
「‥‥ぅぅ…」
「生きてはいるようだが‥‥しかし一体…」
もう一度当たりを見回すも人の気配も動物の気配も感じない。
強いて言えば、手綱を引いてきた馬の鼻息が聞こえるくらいである。
「参ったな」
ここに女性をそのままにしておくことは出来ないし、診察をさせようにも医療院は馬で飛ばしても今日の当直がいるかどうかもわからない。
医療院と言っても医者は皇帝など立場のある人間を見るのは侍医だが、ジークハルトのような騎士と言っても平民を診察するのは所謂「床屋」である。
昼間は客の髪や髭を切ったり剃ったりで、流行病の時は当番医がいるがそうでない時はいない事の方が多い。何より医者に診てもらうには金が必要だが、さっき酒場で払ってしまい手持ちが乏しい。
「連れて帰るしかないか」
頬を軽く叩いて呼び掛けても返事がない。ジークハルトはコレットを背中に背負うと手綱を掴んでまた歩き始めた。
借りた部屋が1階で良かったかも知れない。2階なら程よく酒も入っているためうっかりすると2人で転落をしてしまうところだったと独り言ちてジークハルトは部屋の鍵を差し込んだ。
「あー」
コレットを背負ったまま部屋の中を見たジークハルトは「ま、いいか」とぐっしょり濡れたままのコレットを寝台に寝かせた。シーツはおそらく1週間前には交換したはずだし枕は気が付けばどこかに飛んでいるから臭いもないだろうとコレットの首に手を入れ頭部を浮かせて枕を差し込むように入れる。
「使ってない布…布…」
洗面所のタオルハンガーにかかっているタオルはいつ変えたか覚えていない。
却下である。
湯殿にあるタオルは1枚しかなく、この後ジークハルトが使用するため却下だ。
仕方なく、ジークハルトは使っていないワイシャツを使ってコレットの髪や手から水を吸い取るようにそっとあてた。
「あ、外套着てるのか。だから濡れ…え?雨なんか降ってたかな?」
飲んでいる最中に土砂降りでもあったかと考えたが、道は濡れていなかった。
やはり川にでも落ちたのだろうともう一度コレットの上半身を抱きかかえ、外套を脱がした。
外套ほどは濡れてはいなかったが形の良い2つの小高い双璧に視線が集まる。
「いかん、いかん。何を考えてるんだ。俺は」
見た事もないようなデザインのワンピースは擦り切れている部分も多く、ワイシャツに水を吸わせるためにあてるが、繕って当て布をしている部分が多い事にも気が付いた。
「今時、ここまで衣類を着るやつは…いやこれ、着るって言うより着潰す?凄いな‥」
帝都の第三騎士団は主に市井を警備しているが、比較的低所得者層が住まう地域でもコレットが着ているワンピースほど着こんだ服を身に纏っている者はいなかった。
風邪を引くと可哀想だと思ったが、流石に裸にして着替えさせようにも暫く洗っていない普段着を着せるよりはとジークハルトは芋虫のように掛布でコレットをグルグル巻きにした。
その後、湯殿で濡れた体と汗、幾ばくかの酔いを流すと簡易水栓から直接水を喉に流し込み、タオル一枚を腰に巻いて湯で火照った体を窓を開けて冷ました。
「イケねぇ。風が入ると寒いかな」
芋虫のようになったコレットはスース―と寝息を立てているのを見て、ジークハルトはその隣に寝転がった。男の1人暮らしである。食事用のテーブルに椅子は2脚あってもソファーなど気の利いたものはない。
横になるのは寝台以外には土足で歩く床しかなかったのだ。
明け方、どんなに酔い潰れて帰ってきても夜明けとともにジークハルトは目が覚める。
隣に人の気配を感じ、ドキっとしたが直ぐに昨夜の事を思い出した。
そっと寝台を降りてうがいをした後は、木刀を持って外に出る。
隣の奥さんが育てているプランターからミントの葉を千切り口に入れて歯磨き代りである。
「ぺっ…これ・・・ミントじゃねぇな。ヨモギか?」
朝の鍛錬を終え、湯殿で汗を流し出てくると芋虫が蠢いていた。
シーツがはだけてはいけないと数カ所結んでしまっていたので抜け出せないコレットが藻掻いていたのだ。
「わっ!待て待て。すまない。今結び目を解くから」
「・・・・」
声をかけると動きが止まり、今度はモゾモゾと丸くなっていく。
結び目を解いてジークハルトはタオルの下が危険な状態である事を察知し「少し待て」と声をかけると急いで下着を穿き、ボトムスも着用したが暑いので上半身は裸のままである。
「出てきていいぞ。飯食うか?簡単な物しか作れないが」
ジークハルトはキッチンに向かい、コレットに声をかけ乍ら野菜を毟りだした。
竈ではあるが、鉄製の蓋も付いていて消し炭と鍛錬中に適当に集めた落ち葉を火かき棒で寄せるとマッチで火をつけた。
「パンは昨日のやつだが、オーブンで温めてやるからな~♪」
即興で言葉を歌のように発しながらフライパンに卵を割っていく。
コレットはジークハルトの背中を見て、部屋の中を見渡した。
ジークハルトの事を知らないのは当然だが、馬に踏まれるか弾き飛ばされて死んだと思っていただけに、手のひらを握り、開き、頬を抓り痛みを感じた事の方が恐怖だった。
「出来たぞ~。今日は黄身が潰れなかったぞ。いい日になりそうだ」
「・・・・」
「どうした?服はもうほとんど乾いてるだろ?何もしやしねぇよ。飯だ飯」
「・・・・」
ジークハルトは食卓から手招きをするが、コレットはジークハルトを見るだけで動けなかった。
コレットはジークハルトの話す言葉が解るようで解らないのだ。
仕立て屋の女将から他国の商人とも取引が出来るようにと数か国語の簡単な会話は学んだが、新興国のベルトニール帝国の言葉に似てはいるものの、半分も聞き取れない。
ふむ。と考えたジークハルトは立ち上がり寝台まで歩くとコレットに手を差し出した。
空いている手でパンを齧る真似をすると、その仕草を見ていたコレットはペコリと頭を下げて寝台から足を下ろした。
「チョーっと待った!!」
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