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1回目の人生
心臓の鼓動
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懐かしい庭園。半年も経てば季節も違い、様相は変わっているが手入れをされた花々が笑って迎えてくれているような錯覚を覚えてしまうほどに目も、香りも存分楽しみながら回廊を歩いていく。
ヴィオレッタが半年ぶりに登城したと聞いて、侍女や従者だけでなく次官などもわざわざ用事を作ってすれ違っていく。見知った顔が多かったのは前半だけ。
レオンのいる棟に近づいていくと、初見になる者が増えていく。
それでも「ごきげんよう」と軽く会釈をすると頬を染めて頭を下げてくる。
レオンの指定した東棟までは目と鼻の先であるが、一旦はここで係の者を待たねばならない。
茶会の席にも利用できそうな庭園にせり出した一角に設けられた場。
椅子に座ると係の者がやってくる。
「コルストレイ侯爵令嬢様。本日の案内担当。リュシエと申します」
「はい。本日はお願いいたします」
「殿下からは14時の約束だと伺っておりますがお間違い御座いませんか」
「間違い御座いません。東棟3階の貴賓室でと伺っております」
「はい。間違い御座いませんね。すみません。取り敢えずは決まりですので」
「ふふっ…かなり上手になられましたね」
長く王宮には教育やら、レオンの公務の手伝いに登城をしていたのである。
見習いでおどおどしていたリュシェも10年ですっかり一人前になった。
それほどに年月が流れているのである。
1人庭園を見ながら座って待っていると後ろから名を呼ぶ声がする。
走っているのだろうか。カツカツと音が早い。
「ヴィオレッタ」
「カイゼル様。お仕事はどうされましたの?」
「片付けてきた。一緒に行く」
「よろしいんですの?」
「構わない。相手は野生の猿だからな。危険しかない。それにこれも返そうと思ってるし」
そう言って横抱きにした厚さのある書類ケースから一振りの短剣を取り出す。
戦闘用や暗器ではないので柄の部分に宝飾品が埋め込まれ飾るにしても仰々しい造りの短剣。
側近となる者に王となる王太子が授ける剣である。
「王子になった時に返そうかと思ったが、通行証になるんでね。だがもう用済みだ」
「そんなものを通行証や用済みなどと…不敬ですよ。…決められたのですか?」
「決めた。僕のいる場所は君の隣だ。引っ越し手配も済んだし父も母も承諾した」
その言葉に思わずいつもの温度のない声に弾みがついてしまい、心が乱れた。
ヴィオレッタには今までになかった事である。
カイゼルは向かいの椅子を引くと隣に置き腰を下ろした。
レオンからの【命令書】が届くと開かずとも侯爵は腹を括った。
それまで何十通も届いた手紙で読まなくても内容はすぐに判る。
それまでの手紙に書かれていたのは
【ジェシーへの講師の依頼】と【側妃になる者として早く公務をしてほしい】というものだった。
レオンはまだ諦めていないのである。ジェシーを手放す事も共に平民となり市井で暮らす事もレオンの中には選択肢として存在をしない。
今更手放したところで王太子への復帰は見込めないのだが何とかなるという楽観姿勢である。
冷遇される立場になっても、ヴィオレッタはレオンの支えになってくれて喜んで【真実の愛】を側妃として支えて行く人間なのだと信じて疑わない。
早くしなければジェシーも困るし自分も困る。側妃になるのに早く困りごとはなんとかせねばお互いに困るだろうと言うのが一貫してのレオンの考えだ。
一度だけ何通目かに書かれたその言葉にヴィオレッタは【わたくしは何も困りませんが】と呟いた。
返事を寄越さないのは、【親】の介入があり、困っているのはお互い様だなと書かれており、何通目かの手紙では【つい、ヴィオレッタが来ない事に苛立って君の責任にしようとしたことは謝る】と書かれていた。
コルストレイ侯爵家はこの国を出て、帝国へ移住する事を決めた。
手紙が届き、数日のうちに保留していた広い侯爵領を分割し隣領の爵位持ちに売り払う手続きや親族への譲渡を一気に進める。
それまでの資産も各国に広く支店を持ち本店が帝国にある銀行へ移し替えた。
限られた時間であったが、元々婚約がなかった事になった段階から多少は動いていたためスムーズすぎるほどに事が進んだのはレオンがトリガーを引くのを待っていたかのようだった。
カイゼルは直ぐに両親に廃嫡をして家から出して欲しいと頼んだ。
父のドレヴァンツ公爵はかなり難色を示したが王家の態度もどうかと思う所もある上に、第二王子派の動きも活発になって来た事から、カイゼルの申し出を受諾した。
【何のために第二王子派を押えて来たのか】
実際、表立ってはいないが第二王子派を押える事で数人の友人は鬼籍に入った。
多くの者が奔走してやっと落着きを見せ一丸となったかと思ったところでレオンが何もかもをひっくり返した。せめてその【真実の愛】の相手がヴィオレッタに劣るにしても高位貴族の令嬢であればまだ良かった。
何なら庶民の間で【義賊】として崇められている裕福な商人の娘でも良かったのだ。
ぐうの根は出なくても【まぁ、それなら】と思わせられればいいのだが、いかんせん連れてきた娘が酷かった。
ドレヴァンツ公爵も見切りをつけたのである。
第二王子派を圧伏していたのである。レオンが返り咲く事はまずない今、抗ったところで意味はない。息子のカイゼルとて同じ。側近候補として名前が売れ過ぎたカイゼルを表立って推す貴族はいない。
宰相への道は完全に立たれ、事務次官補佐が頭打ちだろうと考える。
ならば、帝国に放った方が余程後悔のない人生を送るだろうとカイゼルの手を放した。
「では弟のフォーザス様が?まさか…家を捨てるおつもりですの?!」
「あぁ、公爵家はフォーザスが継ぐ」
「よろしいんですの?帝国では一兵卒扱いかも知れませんのに」
「一兵卒上等だ。ヴィオレッタの隣に居られるんだ。それ以外は不要だ」
求婚以来毎日囁かれる愛の言葉は少しづつヴィオレッタを「人」に近づけた。
力強く自分を真っ直ぐに見つめるカイゼルの瞳に自分が映っている。
「ヴィオレッタ。愛している。君は僕の全てだ」
思わず頬が、耳が熱くなるのを感じる。風に乗ったカイゼルの少し汗ばんだ男の香り。
ヴィオレッタはそのムンとする香りが体温と共に吸い込まれ体の一部になった気がした。
トクンと心臓の音が聞こえたような気がする。
カイゼルを見ると目じりを下げて優しく見つめている。
「やっと頬を染める事が出来た。可愛いな」
そう言いながら風に靡いて口元に寄ったヴィオレッタの髪を指でそっと寄せる。
唇と頬に微かに触れるその感触にさらに心臓の音が五月蠅くなる。
「なっ‥‥何を仰いますの。こんな所で…こんな…時に…」
「こんな時でもどんな時でも関係ない。遠慮はしない事にした」
そう言ってヴィオレッタの手を取り、握りしめる。
痛い程の力だが、不思議と心地よい。頬の熱さと同じくらいカイゼルの手も熱かった。
何気に男らしい輪郭の両端に付いている耳が赤くなっている。
「ふふっ…」
「どうした?」
「カイゼル様、お耳が赤ぅ御座います」
「えっ、あっ…これは…その…気にするな。今日は暑い」
手で仰ぐ仕草にクスクスと笑っていると、案内係であるリュシエの声が聞こえる。
席を立ち、カイゼルはヴィオレッタに優しく言った。
「今夜、父と母と共に屋敷に行く。渡したい物がある」
「楽しみにしております」
「行こうか」
「はい」
リュシエに先導をされて東棟に入っていく。
特殊な造りである東棟は1階から3階まで直接登る直線の長い階段がある。中間に1つ踊り場はあるが登り切れば振り返ってはいけないと注意をされる。
あまりの高さに眩暈を起こしてしまうのだ。
この東棟にレオンが押し込められたのは襲撃対策である。
3階にいる以上外から壁をよじ登らない限り行く道はこの階段しかない。段数は47段。
転がり落ちれば途中の踊り場に墜ちても無事では済まないだろう。
カイゼルに手を引かれ、手摺に掴まりゆっくりと上った。その先でこの国と決別するために。
ヴィオレッタが半年ぶりに登城したと聞いて、侍女や従者だけでなく次官などもわざわざ用事を作ってすれ違っていく。見知った顔が多かったのは前半だけ。
レオンのいる棟に近づいていくと、初見になる者が増えていく。
それでも「ごきげんよう」と軽く会釈をすると頬を染めて頭を下げてくる。
レオンの指定した東棟までは目と鼻の先であるが、一旦はここで係の者を待たねばならない。
茶会の席にも利用できそうな庭園にせり出した一角に設けられた場。
椅子に座ると係の者がやってくる。
「コルストレイ侯爵令嬢様。本日の案内担当。リュシエと申します」
「はい。本日はお願いいたします」
「殿下からは14時の約束だと伺っておりますがお間違い御座いませんか」
「間違い御座いません。東棟3階の貴賓室でと伺っております」
「はい。間違い御座いませんね。すみません。取り敢えずは決まりですので」
「ふふっ…かなり上手になられましたね」
長く王宮には教育やら、レオンの公務の手伝いに登城をしていたのである。
見習いでおどおどしていたリュシェも10年ですっかり一人前になった。
それほどに年月が流れているのである。
1人庭園を見ながら座って待っていると後ろから名を呼ぶ声がする。
走っているのだろうか。カツカツと音が早い。
「ヴィオレッタ」
「カイゼル様。お仕事はどうされましたの?」
「片付けてきた。一緒に行く」
「よろしいんですの?」
「構わない。相手は野生の猿だからな。危険しかない。それにこれも返そうと思ってるし」
そう言って横抱きにした厚さのある書類ケースから一振りの短剣を取り出す。
戦闘用や暗器ではないので柄の部分に宝飾品が埋め込まれ飾るにしても仰々しい造りの短剣。
側近となる者に王となる王太子が授ける剣である。
「王子になった時に返そうかと思ったが、通行証になるんでね。だがもう用済みだ」
「そんなものを通行証や用済みなどと…不敬ですよ。…決められたのですか?」
「決めた。僕のいる場所は君の隣だ。引っ越し手配も済んだし父も母も承諾した」
その言葉に思わずいつもの温度のない声に弾みがついてしまい、心が乱れた。
ヴィオレッタには今までになかった事である。
カイゼルは向かいの椅子を引くと隣に置き腰を下ろした。
レオンからの【命令書】が届くと開かずとも侯爵は腹を括った。
それまで何十通も届いた手紙で読まなくても内容はすぐに判る。
それまでの手紙に書かれていたのは
【ジェシーへの講師の依頼】と【側妃になる者として早く公務をしてほしい】というものだった。
レオンはまだ諦めていないのである。ジェシーを手放す事も共に平民となり市井で暮らす事もレオンの中には選択肢として存在をしない。
今更手放したところで王太子への復帰は見込めないのだが何とかなるという楽観姿勢である。
冷遇される立場になっても、ヴィオレッタはレオンの支えになってくれて喜んで【真実の愛】を側妃として支えて行く人間なのだと信じて疑わない。
早くしなければジェシーも困るし自分も困る。側妃になるのに早く困りごとはなんとかせねばお互いに困るだろうと言うのが一貫してのレオンの考えだ。
一度だけ何通目かに書かれたその言葉にヴィオレッタは【わたくしは何も困りませんが】と呟いた。
返事を寄越さないのは、【親】の介入があり、困っているのはお互い様だなと書かれており、何通目かの手紙では【つい、ヴィオレッタが来ない事に苛立って君の責任にしようとしたことは謝る】と書かれていた。
コルストレイ侯爵家はこの国を出て、帝国へ移住する事を決めた。
手紙が届き、数日のうちに保留していた広い侯爵領を分割し隣領の爵位持ちに売り払う手続きや親族への譲渡を一気に進める。
それまでの資産も各国に広く支店を持ち本店が帝国にある銀行へ移し替えた。
限られた時間であったが、元々婚約がなかった事になった段階から多少は動いていたためスムーズすぎるほどに事が進んだのはレオンがトリガーを引くのを待っていたかのようだった。
カイゼルは直ぐに両親に廃嫡をして家から出して欲しいと頼んだ。
父のドレヴァンツ公爵はかなり難色を示したが王家の態度もどうかと思う所もある上に、第二王子派の動きも活発になって来た事から、カイゼルの申し出を受諾した。
【何のために第二王子派を押えて来たのか】
実際、表立ってはいないが第二王子派を押える事で数人の友人は鬼籍に入った。
多くの者が奔走してやっと落着きを見せ一丸となったかと思ったところでレオンが何もかもをひっくり返した。せめてその【真実の愛】の相手がヴィオレッタに劣るにしても高位貴族の令嬢であればまだ良かった。
何なら庶民の間で【義賊】として崇められている裕福な商人の娘でも良かったのだ。
ぐうの根は出なくても【まぁ、それなら】と思わせられればいいのだが、いかんせん連れてきた娘が酷かった。
ドレヴァンツ公爵も見切りをつけたのである。
第二王子派を圧伏していたのである。レオンが返り咲く事はまずない今、抗ったところで意味はない。息子のカイゼルとて同じ。側近候補として名前が売れ過ぎたカイゼルを表立って推す貴族はいない。
宰相への道は完全に立たれ、事務次官補佐が頭打ちだろうと考える。
ならば、帝国に放った方が余程後悔のない人生を送るだろうとカイゼルの手を放した。
「では弟のフォーザス様が?まさか…家を捨てるおつもりですの?!」
「あぁ、公爵家はフォーザスが継ぐ」
「よろしいんですの?帝国では一兵卒扱いかも知れませんのに」
「一兵卒上等だ。ヴィオレッタの隣に居られるんだ。それ以外は不要だ」
求婚以来毎日囁かれる愛の言葉は少しづつヴィオレッタを「人」に近づけた。
力強く自分を真っ直ぐに見つめるカイゼルの瞳に自分が映っている。
「ヴィオレッタ。愛している。君は僕の全てだ」
思わず頬が、耳が熱くなるのを感じる。風に乗ったカイゼルの少し汗ばんだ男の香り。
ヴィオレッタはそのムンとする香りが体温と共に吸い込まれ体の一部になった気がした。
トクンと心臓の音が聞こえたような気がする。
カイゼルを見ると目じりを下げて優しく見つめている。
「やっと頬を染める事が出来た。可愛いな」
そう言いながら風に靡いて口元に寄ったヴィオレッタの髪を指でそっと寄せる。
唇と頬に微かに触れるその感触にさらに心臓の音が五月蠅くなる。
「なっ‥‥何を仰いますの。こんな所で…こんな…時に…」
「こんな時でもどんな時でも関係ない。遠慮はしない事にした」
そう言ってヴィオレッタの手を取り、握りしめる。
痛い程の力だが、不思議と心地よい。頬の熱さと同じくらいカイゼルの手も熱かった。
何気に男らしい輪郭の両端に付いている耳が赤くなっている。
「ふふっ…」
「どうした?」
「カイゼル様、お耳が赤ぅ御座います」
「えっ、あっ…これは…その…気にするな。今日は暑い」
手で仰ぐ仕草にクスクスと笑っていると、案内係であるリュシエの声が聞こえる。
席を立ち、カイゼルはヴィオレッタに優しく言った。
「今夜、父と母と共に屋敷に行く。渡したい物がある」
「楽しみにしております」
「行こうか」
「はい」
リュシエに先導をされて東棟に入っていく。
特殊な造りである東棟は1階から3階まで直接登る直線の長い階段がある。中間に1つ踊り場はあるが登り切れば振り返ってはいけないと注意をされる。
あまりの高さに眩暈を起こしてしまうのだ。
この東棟にレオンが押し込められたのは襲撃対策である。
3階にいる以上外から壁をよじ登らない限り行く道はこの階段しかない。段数は47段。
転がり落ちれば途中の踊り場に墜ちても無事では済まないだろう。
カイゼルに手を引かれ、手摺に掴まりゆっくりと上った。その先でこの国と決別するために。
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