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第07話 セルジュとの再会?!
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「アイリーンさぁん。バザーやってるんですけど行きませんか?」
「バザー?」
「教会でやってるんですけど、大道芸人なんかも来てるんですよ」
アイリーンの側付となった侍女のジェシーは朝の出勤時に配られていたビラをアイリーンに見せた。文字は殆どなく時計の絵が時間を示し、教会風の建物の絵に衣類やパンの絵が描かれている簡単なビラ。
王都とは言え識字率も低く、平民で文字の読み書きが出来るものはほとんどいない。
ジェシーもオルコット侯爵家に奉公に来る前は自分の名前すら書けなかった。
使用人に対しても手厚いのにどうして息子のベルガシュは放蕩三昧なのだろう。
そんな疑問もあったが、断片的に聞こえてくる使用人達の井戸端での話を繋ぎ合わせると、答えの外観が見えてきた。
ベルガシュは14歳のデヴュタントを迎える前までは「マトモ」だったらしい。
何がベルガシュを変えてしまったかと言えば生みの母との再会。
侯爵夫人が「実の母」ではない事は知っていたのだが、どんな理由があって生みの母と生活を共にしていないのかをベルガシュは知らなかった。
反抗期も重なる多感な時期で将来背負うであろう「当主」という重みも現実的に体感する事も増える。
プレッシャーもあったのだろうが、ベルガシュに近づいた生みの母は自身に都合の良い「シナリオ」をベルガシュに伝えてしまった。
『お父様と本当は愛し合っていたのだけれど、貴族に愛など要らぬと・・・引き裂かれ、貴方も取り上げられてしまったの。でもお父様は今でも私の事を愛している。それが彼女には許せないのね。だからお父様にも辛く当たるのよ』
仮面夫婦でもあったオルコット侯爵夫妻。
ベルガシュが言われるがまま生みの母の言葉を信じてしまうのにも侯爵夫妻の言動は後押しとなってしまった。
屋敷の中と外では夫婦の温度差が激しく、夫人は侯爵を「今日はどちらの恋人の元へ?」と朝食で問うし、オルコット侯爵は反論する事もなく何処かに出掛けていく。
父のオルコット侯爵が私財を毎月引き出しているのも知っていたが、何に使っているかまで知らなかったベルガシュ。
『今月は生活費をくれなかったの。きっと・・・彼女に見つかったのね』
ベルガシュは生みの母の言葉に屋敷から金を持ちだし、与えた。
味を占めたのか、生みの母の要求はどんどん膨らんでベルガシュは家宝まで持ち出して渡してしまった。
しかし、14、15歳の少年が明らかに分不相応な金を持ちだしていればバレるもの。現金の類は屋敷には置かなくなり、直ぐに買い取りに出せる品も夫妻の留守中は家令の管理下に置かれた。
そうなるとベルガシュは自身の私財を切り崩し始めた。
いつものようにベルガシュが生みの母親の元に金を届けに行った時、見知らぬ男と生まれたままの姿で絡み合う母の姿、事後の会話で金蔓にされていた事を知ったベルガシュは荒れた。
悪い仲間と付き合うようになり、侯爵夫妻の言葉にも耳を貸さず恋人の家を転々と泊まり歩いて今に至る。
――10年遊んでまだ判らないならもう無理ね――
まだ一度も見る事のない「夫」をアイリーンは可哀想だと思いつつ、「甘えるな」とも思う。
父親が実の父であるのは同じだが、アイリーンは母に捨てられた。
母恋しさに送った手紙に「母の幸せを考えろ」と返事を寄越した母方の祖父母。
それを差し引いてもベルガシュにはアイリーンにはない生活がある。
働かねば生きていけなかったアイリーンと、仕事をせずとも金を無心し遊び歩く事が出来るベルガシュ。生みの母にされた事は同情するが、それを免罪符にするのは違うとアイリーンは思うのだ。
見た事もない夫よりアイリーンの心をギュっと締め付けるのは‥‥。
――はぁ…セルジュ・・・元気かなぁ。食べられてたら・・・――
売られた子ヤギが生きている確率は少ない。
ヤギも羊も若ければそれだけ肉も柔らかく需要がある。
アイリーンはブンブンと首を横に振る。
嫌な事は考えるのを止めよう。
セルジュは何処かで草むしり用に買われたと思いたい。
そう思わなければ息をするのも辛くなる。
ジェシーはどこか空元気のアイリーンを誘う。
「大道芸って面白んですよ」と、ジェシーに誘われるがままに「たまの息抜き、行っておいで」とオルコット侯爵夫妻にも見送られてバザーに向かった。
★~★
「ほら!あれですよ!幾つも球を放り投げて凄いですよね!レモンとか果物でも出来るそうですよ。1番のお勧めは、ほら!あれです!」
ジェシーが指差す先には人間の顔の絵から四方に飛び散る小石のようなものが描かれていた。
「ろくでなし鼻ピーナッツ!!飛んでくるとつい逃げちゃうんですよ!」
「そうね、間違いなく避けるわね」
「笑いの中に瞬発力も要求される芸人と客が一体になる芸なんですよ!」
ジェシーのお勧め。しかし一番人気なだけあって人だかりになっており、遠目でしか見る事が出来ない。近くで観てこその「ろくでなし鼻ピーナッツ」は次回への楽しみに取っておきたいアイリーンだった。
オルコット侯爵家も協賛しているとあって、アイリーンとジェシーには立ち見ではなく観覧席が用意されているブースもある。しかし、バザーの雰囲気は色々と足を運んでみなければ!とジェシーに手を引かれてアイリーンは色々なブースを回った。
その中の1つ。片隅にあり気が付かなければ通り過ぎるような場所のブースでアイリーンは足を止めた。
藁で編んだ茣蓙を引いただけのブースだが、何も売っていないし、見世物になるものも無い。休憩中なのだろうかと無人のブースをやり過ごそうとした時、簡単な布を目隠しに張っただけの「楽屋」から声が聞こえて来た。
「なぁ、芸をしてくれよ。ほら、葉っぱやるから」
「メェ!」
「食わねぇナァ・・・ヤギの癖に好き嫌いするのか?」
「メェ!」
ヒュウゥゥ~風が吹いて目隠しにしていた布がめくれ上がった瞬間、アイリーンは叫んでしまった。
「セルジュ!!」
「メエェェー!!」「はい?」
何故か返事が重なって返ってきたが、アイリーンは一瞬見えたヤギに「間違いない」と確信し、バッと布を捲る。
「間違いない!あぁ!!セルジュ!会いたかった!!」
「え?俺に?」
突然の事に驚く男性。しかしアイリーンは真っ直ぐ&真実一路!
男性と向き合った位置にいるヤギに直進したのだが、男性の持っている葉が目に入ると全身の毛が逆立つほど怒りを覚えた。
「あなた!セルジュになんてものを食べさせようとしているのよ!!」
「え?いや…なんてものと言われても葉っぱだが?」
「そんなの食べさせたら死んじゃうわ!葉っぱ一枚でも死んじゃうのよ!」
男性が手にしていたのは「ハナエダ」と呼ばれる植物。王都では「シキミ」または「シキビ」と呼ばれているがヤギにはハナエダの葉っぱ一枚でも致死量となる危険な植物である。
「そうなのか?俺は葉っぱならなんでもいいと――」
「良い訳ないでしょう!セルジュになんてことするの!」
「メェェーッ!!」
「セルジュぅぅぅ~(がばっ)」
間違いがない。きっとブラッシングも碌にされていないのだろう。フワフワだったセルジュの毛はバサバサ。しかしトレードマークとも言える「耳だけブラック」は見紛う事無くセルジュ。
セルジュとの再会。アイリーンにとっては大海の中で一粒の砂を探すのと同じ。
もう見つからない、もう会えない、そう思っていた再会は神の悪戯か。
「あなたがセルジュを買ったのですか?」
家畜に限らず動物を売り買いするのも商会の商売。
モストク伯爵家は王都までの路銀もなくセルジュを売るしかなかったのだ。
アイリーンに男性を責めるつもりは全く無い。
ただ、セルジュを買ったのであれば売ってくれないだろうか。友達を売り買いするなんてとアイリーンの中の良心が鬩ぎ合うが、セルジュへの惜しみない愛が全てを振り切る。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。買ったんじゃない。拾ったんだ。あんたが飼い主なら戻すよ。変に人馴れしてるし、返事とかするから見世物で日銭が稼げるかと思っただけなんだ」
「拾った‥‥セルジュを拾ったんですか?セルジュを捨てるなんて酷い・・・」
「まぁそうだよな。俺も親の事は酷いなと思ってる」
「あなたの親御さんがセルジュを捨てたんですか?でも拾ったと先程・・・」
どうも話が嚙み合わない。
「その・・・セルジュってのは俺の事?それともそのヤギの名前がセルジュ?」
「このヤギの名前がセルジュです。もしかして同名ですの?」
間違いなく同名なのだが、人間のセルジュはあまり嬉しくはない。飼い犬の名前と同じと言われ、諸手を挙げて喜ぶ者はそうそういない。犬がヤギになっただけで全く喜べない人間のセルジュだった。
「バザー?」
「教会でやってるんですけど、大道芸人なんかも来てるんですよ」
アイリーンの側付となった侍女のジェシーは朝の出勤時に配られていたビラをアイリーンに見せた。文字は殆どなく時計の絵が時間を示し、教会風の建物の絵に衣類やパンの絵が描かれている簡単なビラ。
王都とは言え識字率も低く、平民で文字の読み書きが出来るものはほとんどいない。
ジェシーもオルコット侯爵家に奉公に来る前は自分の名前すら書けなかった。
使用人に対しても手厚いのにどうして息子のベルガシュは放蕩三昧なのだろう。
そんな疑問もあったが、断片的に聞こえてくる使用人達の井戸端での話を繋ぎ合わせると、答えの外観が見えてきた。
ベルガシュは14歳のデヴュタントを迎える前までは「マトモ」だったらしい。
何がベルガシュを変えてしまったかと言えば生みの母との再会。
侯爵夫人が「実の母」ではない事は知っていたのだが、どんな理由があって生みの母と生活を共にしていないのかをベルガシュは知らなかった。
反抗期も重なる多感な時期で将来背負うであろう「当主」という重みも現実的に体感する事も増える。
プレッシャーもあったのだろうが、ベルガシュに近づいた生みの母は自身に都合の良い「シナリオ」をベルガシュに伝えてしまった。
『お父様と本当は愛し合っていたのだけれど、貴族に愛など要らぬと・・・引き裂かれ、貴方も取り上げられてしまったの。でもお父様は今でも私の事を愛している。それが彼女には許せないのね。だからお父様にも辛く当たるのよ』
仮面夫婦でもあったオルコット侯爵夫妻。
ベルガシュが言われるがまま生みの母の言葉を信じてしまうのにも侯爵夫妻の言動は後押しとなってしまった。
屋敷の中と外では夫婦の温度差が激しく、夫人は侯爵を「今日はどちらの恋人の元へ?」と朝食で問うし、オルコット侯爵は反論する事もなく何処かに出掛けていく。
父のオルコット侯爵が私財を毎月引き出しているのも知っていたが、何に使っているかまで知らなかったベルガシュ。
『今月は生活費をくれなかったの。きっと・・・彼女に見つかったのね』
ベルガシュは生みの母の言葉に屋敷から金を持ちだし、与えた。
味を占めたのか、生みの母の要求はどんどん膨らんでベルガシュは家宝まで持ち出して渡してしまった。
しかし、14、15歳の少年が明らかに分不相応な金を持ちだしていればバレるもの。現金の類は屋敷には置かなくなり、直ぐに買い取りに出せる品も夫妻の留守中は家令の管理下に置かれた。
そうなるとベルガシュは自身の私財を切り崩し始めた。
いつものようにベルガシュが生みの母親の元に金を届けに行った時、見知らぬ男と生まれたままの姿で絡み合う母の姿、事後の会話で金蔓にされていた事を知ったベルガシュは荒れた。
悪い仲間と付き合うようになり、侯爵夫妻の言葉にも耳を貸さず恋人の家を転々と泊まり歩いて今に至る。
――10年遊んでまだ判らないならもう無理ね――
まだ一度も見る事のない「夫」をアイリーンは可哀想だと思いつつ、「甘えるな」とも思う。
父親が実の父であるのは同じだが、アイリーンは母に捨てられた。
母恋しさに送った手紙に「母の幸せを考えろ」と返事を寄越した母方の祖父母。
それを差し引いてもベルガシュにはアイリーンにはない生活がある。
働かねば生きていけなかったアイリーンと、仕事をせずとも金を無心し遊び歩く事が出来るベルガシュ。生みの母にされた事は同情するが、それを免罪符にするのは違うとアイリーンは思うのだ。
見た事もない夫よりアイリーンの心をギュっと締め付けるのは‥‥。
――はぁ…セルジュ・・・元気かなぁ。食べられてたら・・・――
売られた子ヤギが生きている確率は少ない。
ヤギも羊も若ければそれだけ肉も柔らかく需要がある。
アイリーンはブンブンと首を横に振る。
嫌な事は考えるのを止めよう。
セルジュは何処かで草むしり用に買われたと思いたい。
そう思わなければ息をするのも辛くなる。
ジェシーはどこか空元気のアイリーンを誘う。
「大道芸って面白んですよ」と、ジェシーに誘われるがままに「たまの息抜き、行っておいで」とオルコット侯爵夫妻にも見送られてバザーに向かった。
★~★
「ほら!あれですよ!幾つも球を放り投げて凄いですよね!レモンとか果物でも出来るそうですよ。1番のお勧めは、ほら!あれです!」
ジェシーが指差す先には人間の顔の絵から四方に飛び散る小石のようなものが描かれていた。
「ろくでなし鼻ピーナッツ!!飛んでくるとつい逃げちゃうんですよ!」
「そうね、間違いなく避けるわね」
「笑いの中に瞬発力も要求される芸人と客が一体になる芸なんですよ!」
ジェシーのお勧め。しかし一番人気なだけあって人だかりになっており、遠目でしか見る事が出来ない。近くで観てこその「ろくでなし鼻ピーナッツ」は次回への楽しみに取っておきたいアイリーンだった。
オルコット侯爵家も協賛しているとあって、アイリーンとジェシーには立ち見ではなく観覧席が用意されているブースもある。しかし、バザーの雰囲気は色々と足を運んでみなければ!とジェシーに手を引かれてアイリーンは色々なブースを回った。
その中の1つ。片隅にあり気が付かなければ通り過ぎるような場所のブースでアイリーンは足を止めた。
藁で編んだ茣蓙を引いただけのブースだが、何も売っていないし、見世物になるものも無い。休憩中なのだろうかと無人のブースをやり過ごそうとした時、簡単な布を目隠しに張っただけの「楽屋」から声が聞こえて来た。
「なぁ、芸をしてくれよ。ほら、葉っぱやるから」
「メェ!」
「食わねぇナァ・・・ヤギの癖に好き嫌いするのか?」
「メェ!」
ヒュウゥゥ~風が吹いて目隠しにしていた布がめくれ上がった瞬間、アイリーンは叫んでしまった。
「セルジュ!!」
「メエェェー!!」「はい?」
何故か返事が重なって返ってきたが、アイリーンは一瞬見えたヤギに「間違いない」と確信し、バッと布を捲る。
「間違いない!あぁ!!セルジュ!会いたかった!!」
「え?俺に?」
突然の事に驚く男性。しかしアイリーンは真っ直ぐ&真実一路!
男性と向き合った位置にいるヤギに直進したのだが、男性の持っている葉が目に入ると全身の毛が逆立つほど怒りを覚えた。
「あなた!セルジュになんてものを食べさせようとしているのよ!!」
「え?いや…なんてものと言われても葉っぱだが?」
「そんなの食べさせたら死んじゃうわ!葉っぱ一枚でも死んじゃうのよ!」
男性が手にしていたのは「ハナエダ」と呼ばれる植物。王都では「シキミ」または「シキビ」と呼ばれているがヤギにはハナエダの葉っぱ一枚でも致死量となる危険な植物である。
「そうなのか?俺は葉っぱならなんでもいいと――」
「良い訳ないでしょう!セルジュになんてことするの!」
「メェェーッ!!」
「セルジュぅぅぅ~(がばっ)」
間違いがない。きっとブラッシングも碌にされていないのだろう。フワフワだったセルジュの毛はバサバサ。しかしトレードマークとも言える「耳だけブラック」は見紛う事無くセルジュ。
セルジュとの再会。アイリーンにとっては大海の中で一粒の砂を探すのと同じ。
もう見つからない、もう会えない、そう思っていた再会は神の悪戯か。
「あなたがセルジュを買ったのですか?」
家畜に限らず動物を売り買いするのも商会の商売。
モストク伯爵家は王都までの路銀もなくセルジュを売るしかなかったのだ。
アイリーンに男性を責めるつもりは全く無い。
ただ、セルジュを買ったのであれば売ってくれないだろうか。友達を売り買いするなんてとアイリーンの中の良心が鬩ぎ合うが、セルジュへの惜しみない愛が全てを振り切る。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。買ったんじゃない。拾ったんだ。あんたが飼い主なら戻すよ。変に人馴れしてるし、返事とかするから見世物で日銭が稼げるかと思っただけなんだ」
「拾った‥‥セルジュを拾ったんですか?セルジュを捨てるなんて酷い・・・」
「まぁそうだよな。俺も親の事は酷いなと思ってる」
「あなたの親御さんがセルジュを捨てたんですか?でも拾ったと先程・・・」
どうも話が嚙み合わない。
「その・・・セルジュってのは俺の事?それともそのヤギの名前がセルジュ?」
「このヤギの名前がセルジュです。もしかして同名ですの?」
間違いなく同名なのだが、人間のセルジュはあまり嬉しくはない。飼い犬の名前と同じと言われ、諸手を挙げて喜ぶ者はそうそういない。犬がヤギになっただけで全く喜べない人間のセルジュだった。
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