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第10話 契約じゃないのよ、レンタルは
リサたちが入室してくるが立ち上がりもせず、それどころか「はぁ」溜息を吐いた。
――は?どういうこと?失礼過ぎない?――
「君か。金に目がくらんでスティルに取り入った女は」
「旦那様!違うと申し上げたでしょう!リサ様は先代様からの頼みに応えてくださったのですよ!」
「どうでもいい。父上と母上の頼みだ。1度の婚姻歴があれば納得をするのなら甘んじて受け入れよう。しかし、あくまでも君を受け入れたのは先代だ。現侯爵は私。私に受け入れられたと勘違いをするなよ」
「旦那様!!なんという言い草。リサ様、申し訳ございません」
スティルは申し訳なさそうにリサに詫びる。ベリー兄姉妹も口出しをしていいのか判らず困り顔になってしまった。
レンダールは足を組みかえてさらにリサをビシッと指さした。
――指さし?信じられない!これが偉い人のする事なの?――
リサだって親には「人を指さしてはいけない」と教えられているし、それは平民の従業員たちも同じ。レンダールの行動が信じられなかったが、さらにあり得ない言葉が飛んできた。
「君は有期契約の妻だ。頃合いを見て離縁する。せいぜいつかの間の侯爵夫人を満喫する事だ。何時までも甘い汁が吸えると思うなよ?侯爵家からいずれ切り離す人間なんだから大人しく過ごせ。約束した金は恵んでやる」
リサは我慢が出来なくなり、ツカツカとレンダールの目の前に歩いていくと…。
ぺちっ!!
「っっっ?!」
レンダールの組んだ足の上になっている膝を叩きリサは言い放った。
「足を組んで座ると骨盤が歪むのよ!腰が痛いと皆を困らせる気!?」
スティルを始めベリー兄姉妹は思った。
<< 怒るの、そこ?! >>
いや、いいのだ。
腰痛持ちの主を持つと確かに大変なのでリサの注意は非常にありがたいのだが思うのだ。
<< 怒りの沸点をそこに持って行く? >>
リサは大真面目。
腰痛を軽んじてはならない。本人も家族も大変なのだ。
それに結婚の話についてレンダールが乗り気でない事はスティルから聞いていたし、義務だと言われても嫌なものは嫌だと突っ張る人だっていてもおかしくない。
お金という甘い汁目当てであるのは否定できないのでレンダールに指摘をされたって怒る必要もない。レンダールは事実を述べただけだ。
――これって、願ったり叶ったりじゃない?――
そう思うのだが、スティルは我慢ならないようでレンダールに説教を始めてしまった。
「旦那様!それって契約結婚ですよね?そんなものが世間に知れたら大変な事になります。代々続いて来た侯爵家に泥を塗るおつもりですか!何より!こんな旦那様でも良いと覚悟を決めてくださったリサ様に失礼でしょうがっ!」
「スティル。言いたい事は解る」
「解るのなら!当主としての態度と言うものがあるでしょうに!」
「そんなに怒るな。また血圧が――」
「私の血圧なんぞ、取るに足りません!いいですか?いい年をして何時までも駄々を捏ね――」
「あのぅ。スティル様。よろしいでしょうか?」
「はい?」
レンダールに向かって唾を飛ばし、説教をしていたスティルの言葉を遮ってリサは話しかけた。
「申し訳ございません。お話の途中なのですけど…宜しいかしら」
「は、はい。どうぞ。リサ様」
リサは「ありがとう」とスティルに笑顔で礼を言うとレンダールに1つの案を提案した。
「侯爵様、融資は代金!私を妻としてレンタルしてください。レンタル奥様です!」
「レ、レンタル奥様だと?!」
「はい。契約で離縁ありきの結婚って侯爵家にとっても良くないんですよね。でも私の家はお金が必要なんですッ!」
グッと顔を近づけて「困ってるので」と付け加える。
「レンタルは良いですよ。借りているだけなので離縁だの切り離しだの必要ないんです。ほら手間が1つ省けましたね?」
「あ、あぁ」
「融資を代金とすれば金で買ったとか言われません。レンタルなので借りる代金です。借り物はいずれ返さなきゃいけないので返却時は原状回復が基本。契約妻で破瓜を破ってしまうと回復出来ませんのでレンタル奥様がお勧めです」
「そんなもの…かな」
「そうですとも!その上で3年ほど経って結婚云々を言われても ”あるぇ?届出してなかったっけ?” とすっ呆ければどうでしょう。レンタルなので返却すれば関係も終わりです。離縁でバツも付きませんよ?侯爵夫人にするための教育も不要!なんてお得!必要であれば期間延長すればいいんですし、なんなら以後は必要な時だけレンタルも出来るんですから。ね?如何でしょう」
「あ、あぁ…それで構わんが…」
「話の判る侯爵様で良かったわ。じゃ、早速出て行ってくださいます?」
リサは廊下への扉を手で指示した。
キツネにつままれたような顔をしてレンダールはリサの言葉に従い部屋を出て行った。
――は?どういうこと?失礼過ぎない?――
「君か。金に目がくらんでスティルに取り入った女は」
「旦那様!違うと申し上げたでしょう!リサ様は先代様からの頼みに応えてくださったのですよ!」
「どうでもいい。父上と母上の頼みだ。1度の婚姻歴があれば納得をするのなら甘んじて受け入れよう。しかし、あくまでも君を受け入れたのは先代だ。現侯爵は私。私に受け入れられたと勘違いをするなよ」
「旦那様!!なんという言い草。リサ様、申し訳ございません」
スティルは申し訳なさそうにリサに詫びる。ベリー兄姉妹も口出しをしていいのか判らず困り顔になってしまった。
レンダールは足を組みかえてさらにリサをビシッと指さした。
――指さし?信じられない!これが偉い人のする事なの?――
リサだって親には「人を指さしてはいけない」と教えられているし、それは平民の従業員たちも同じ。レンダールの行動が信じられなかったが、さらにあり得ない言葉が飛んできた。
「君は有期契約の妻だ。頃合いを見て離縁する。せいぜいつかの間の侯爵夫人を満喫する事だ。何時までも甘い汁が吸えると思うなよ?侯爵家からいずれ切り離す人間なんだから大人しく過ごせ。約束した金は恵んでやる」
リサは我慢が出来なくなり、ツカツカとレンダールの目の前に歩いていくと…。
ぺちっ!!
「っっっ?!」
レンダールの組んだ足の上になっている膝を叩きリサは言い放った。
「足を組んで座ると骨盤が歪むのよ!腰が痛いと皆を困らせる気!?」
スティルを始めベリー兄姉妹は思った。
<< 怒るの、そこ?! >>
いや、いいのだ。
腰痛持ちの主を持つと確かに大変なのでリサの注意は非常にありがたいのだが思うのだ。
<< 怒りの沸点をそこに持って行く? >>
リサは大真面目。
腰痛を軽んじてはならない。本人も家族も大変なのだ。
それに結婚の話についてレンダールが乗り気でない事はスティルから聞いていたし、義務だと言われても嫌なものは嫌だと突っ張る人だっていてもおかしくない。
お金という甘い汁目当てであるのは否定できないのでレンダールに指摘をされたって怒る必要もない。レンダールは事実を述べただけだ。
――これって、願ったり叶ったりじゃない?――
そう思うのだが、スティルは我慢ならないようでレンダールに説教を始めてしまった。
「旦那様!それって契約結婚ですよね?そんなものが世間に知れたら大変な事になります。代々続いて来た侯爵家に泥を塗るおつもりですか!何より!こんな旦那様でも良いと覚悟を決めてくださったリサ様に失礼でしょうがっ!」
「スティル。言いたい事は解る」
「解るのなら!当主としての態度と言うものがあるでしょうに!」
「そんなに怒るな。また血圧が――」
「私の血圧なんぞ、取るに足りません!いいですか?いい年をして何時までも駄々を捏ね――」
「あのぅ。スティル様。よろしいでしょうか?」
「はい?」
レンダールに向かって唾を飛ばし、説教をしていたスティルの言葉を遮ってリサは話しかけた。
「申し訳ございません。お話の途中なのですけど…宜しいかしら」
「は、はい。どうぞ。リサ様」
リサは「ありがとう」とスティルに笑顔で礼を言うとレンダールに1つの案を提案した。
「侯爵様、融資は代金!私を妻としてレンタルしてください。レンタル奥様です!」
「レ、レンタル奥様だと?!」
「はい。契約で離縁ありきの結婚って侯爵家にとっても良くないんですよね。でも私の家はお金が必要なんですッ!」
グッと顔を近づけて「困ってるので」と付け加える。
「レンタルは良いですよ。借りているだけなので離縁だの切り離しだの必要ないんです。ほら手間が1つ省けましたね?」
「あ、あぁ」
「融資を代金とすれば金で買ったとか言われません。レンタルなので借りる代金です。借り物はいずれ返さなきゃいけないので返却時は原状回復が基本。契約妻で破瓜を破ってしまうと回復出来ませんのでレンタル奥様がお勧めです」
「そんなもの…かな」
「そうですとも!その上で3年ほど経って結婚云々を言われても ”あるぇ?届出してなかったっけ?” とすっ呆ければどうでしょう。レンタルなので返却すれば関係も終わりです。離縁でバツも付きませんよ?侯爵夫人にするための教育も不要!なんてお得!必要であれば期間延長すればいいんですし、なんなら以後は必要な時だけレンタルも出来るんですから。ね?如何でしょう」
「あ、あぁ…それで構わんが…」
「話の判る侯爵様で良かったわ。じゃ、早速出て行ってくださいます?」
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