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第24話 あなた馬鹿よね~おばかさんよね~
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レンダールから届いたリストにある1か所目にやってきたリサと従業員2人は門を通り、奥に入って感嘆の声をあげた。
「うぉぉ~凄いですね。門を入ってすぐは庭だと思ってましたが…奥は更地にしてたんですね」
「そうね。何にもないってこんなに広く見えるのね」
「いやいや、リサちゃん。実際に広いから!」
「そうだったわ。侯爵家だもんね。本宅も…門から玄関まで歩いて30分よ?」
「しかも石で舗装された道を早歩きですよね。実質小1時間ってことですかね」
「おトイレ我慢して家まで帰ってまだ玄関まで1時間…拷問だわ」
「リサちゃん。例えがリアルだよ。間違いはないけどな」
王都のど真ん中には王城があるが、ここは王城もかなりはっきり見える位置。
商店街は東側にあるし、北側の平民の住まう区画からは通りの数で言えば2本。利便性は抜群だった。
四方を道で囲まれているので正門とは別にもう1か所。屋敷があった頃は食材などの搬入門だったと思われる荷馬車も通れる門がある。
「良い感じね。保管場所なんだから家屋も建設しなきゃだけど、どれくらいとれるかしら」
「そうですねぇ。1スペースをどれくらいにするかですけど、5㎡なら…余裕で500は取れるんじゃないでしょうか」
「500?!そんなに…」
「でも大型の荷物を保管しときたいとなると、がっちり壁で区画するより衝立みたいな感じにした方がいいかも?ですよ。前に回収したグランドピアノって結構幅取りますんでね」
「じゃぁ…建物を並列させるようにして広さを分けたらどうです?大きさごとに違う場所に保管するより便利は良いと思うんですよ。棟だけ違うけど出向くのはここだけで済むってんなら使う側も利用しやすいんじゃないでしょうか」
「でもさ。まだ1か所目だ。他も見て色々決めないとな」
「それもそうね」
1か所目からかなり良い立地だが、結論を出すのは早すぎる。
リサたちは2か所目に向かったのだった。
★~★
その日は初日でテンションが上がってしまった事もあり、5か所を回ったリサはイクル子爵家に戻る途中カモク侯爵家の近くを通りかかった。
「ちょっと寄って行くから先に帰ってて」
「でももう日も暮れるぜ?リサちゃんだけじゃ危険だよ」
「大丈夫よ。遅くなるようだったら送って行ってもらうし」
「侯爵さんに送って貰うんだったら安心だな」
2人の従業員と別れ、角を曲がればカモク侯爵家の高くて大きな塀に沿った道に出る。
てくてくと歩いていると後ろから不意に腕を掴まれてしまった。
「んっ?!誰?」
「リサ。久しぶりだな」
「ショー!?なんでここに?」
ショーの後ろに1人いたので仲間かと思ったが、そのまま通り過ぎて行ったのでショーは1人でこの場所に居たらしく、リサを見つけて追いかけてきたのだった。
「聞いたぞ。侯爵夫人になったらしいじゃないか」
「そうだったっけ??あ、あぁ、そうそう!なったのよ」
「は?俺を馬鹿にしてるのか?」
「まさか。バカにしてるんじゃなく、ちゃんと馬鹿だと思ってるわ」
「な、なんだと!」
リサとしてはショーに用はないし、さっさと立ち去ろうとするのだがショーは掴んだ手を離してくれない。ブンブンと手を振って振り払おうとしていたのだが、ショーは余計に力を入れて握って来た。
「なぁ、金、融通してくれよ。あるんだろ?使える金」
「ある訳ないでしょう?あったとしてもなんで貴方に?意味判らないんだけど」
「元婚約者のよしみって奴だよ。なぁ?ここじゃなんだから屋敷に入れてくれよ」
「は?何言ってるの?入れるわけないでしょう?」
「昼間だって大きな門潜ってたじゃないか。アレ、空き屋敷だろ?お宝とか置いてるのか?俺が旦那に内緒で売りさばけるルート、紹介してやろうか」
「しなくていいわ。売る予定なんかないもの。離してくれないなら叫ぶわよ?いいの?」
侯爵家の正門も近い場所なので話し声は風下になっているので聞こえなくても叫ばれてしまうと不味いと思ったのかショーはやっと手を離してくれた。
「チッ。今日の所は顔見せって事だ。また来る」
「もう来なくていいわよ!」
本当にリサが叫んでしまうとショーもバツが悪いのか、立ち去って行ったがその様子を偶然他家の馬車に乗り通り過ぎて行ったレンダールに見られていたとはリサも気がつかなかった。
「うぉぉ~凄いですね。門を入ってすぐは庭だと思ってましたが…奥は更地にしてたんですね」
「そうね。何にもないってこんなに広く見えるのね」
「いやいや、リサちゃん。実際に広いから!」
「そうだったわ。侯爵家だもんね。本宅も…門から玄関まで歩いて30分よ?」
「しかも石で舗装された道を早歩きですよね。実質小1時間ってことですかね」
「おトイレ我慢して家まで帰ってまだ玄関まで1時間…拷問だわ」
「リサちゃん。例えがリアルだよ。間違いはないけどな」
王都のど真ん中には王城があるが、ここは王城もかなりはっきり見える位置。
商店街は東側にあるし、北側の平民の住まう区画からは通りの数で言えば2本。利便性は抜群だった。
四方を道で囲まれているので正門とは別にもう1か所。屋敷があった頃は食材などの搬入門だったと思われる荷馬車も通れる門がある。
「良い感じね。保管場所なんだから家屋も建設しなきゃだけど、どれくらいとれるかしら」
「そうですねぇ。1スペースをどれくらいにするかですけど、5㎡なら…余裕で500は取れるんじゃないでしょうか」
「500?!そんなに…」
「でも大型の荷物を保管しときたいとなると、がっちり壁で区画するより衝立みたいな感じにした方がいいかも?ですよ。前に回収したグランドピアノって結構幅取りますんでね」
「じゃぁ…建物を並列させるようにして広さを分けたらどうです?大きさごとに違う場所に保管するより便利は良いと思うんですよ。棟だけ違うけど出向くのはここだけで済むってんなら使う側も利用しやすいんじゃないでしょうか」
「でもさ。まだ1か所目だ。他も見て色々決めないとな」
「それもそうね」
1か所目からかなり良い立地だが、結論を出すのは早すぎる。
リサたちは2か所目に向かったのだった。
★~★
その日は初日でテンションが上がってしまった事もあり、5か所を回ったリサはイクル子爵家に戻る途中カモク侯爵家の近くを通りかかった。
「ちょっと寄って行くから先に帰ってて」
「でももう日も暮れるぜ?リサちゃんだけじゃ危険だよ」
「大丈夫よ。遅くなるようだったら送って行ってもらうし」
「侯爵さんに送って貰うんだったら安心だな」
2人の従業員と別れ、角を曲がればカモク侯爵家の高くて大きな塀に沿った道に出る。
てくてくと歩いていると後ろから不意に腕を掴まれてしまった。
「んっ?!誰?」
「リサ。久しぶりだな」
「ショー!?なんでここに?」
ショーの後ろに1人いたので仲間かと思ったが、そのまま通り過ぎて行ったのでショーは1人でこの場所に居たらしく、リサを見つけて追いかけてきたのだった。
「聞いたぞ。侯爵夫人になったらしいじゃないか」
「そうだったっけ??あ、あぁ、そうそう!なったのよ」
「は?俺を馬鹿にしてるのか?」
「まさか。バカにしてるんじゃなく、ちゃんと馬鹿だと思ってるわ」
「な、なんだと!」
リサとしてはショーに用はないし、さっさと立ち去ろうとするのだがショーは掴んだ手を離してくれない。ブンブンと手を振って振り払おうとしていたのだが、ショーは余計に力を入れて握って来た。
「なぁ、金、融通してくれよ。あるんだろ?使える金」
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「は?何言ってるの?入れるわけないでしょう?」
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「しなくていいわ。売る予定なんかないもの。離してくれないなら叫ぶわよ?いいの?」
侯爵家の正門も近い場所なので話し声は風下になっているので聞こえなくても叫ばれてしまうと不味いと思ったのかショーはやっと手を離してくれた。
「チッ。今日の所は顔見せって事だ。また来る」
「もう来なくていいわよ!」
本当にリサが叫んでしまうとショーもバツが悪いのか、立ち去って行ったがその様子を偶然他家の馬車に乗り通り過ぎて行ったレンダールに見られていたとはリサも気がつかなかった。
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