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第35話 睡眠・グ~
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「大丈夫だったか?怪我はないか?」
「ありませんよ?見てましたよね?」
「あぁ、心配で。男の客が来たらと思うといても経ってもいられないんだ」
「仕事なんですからお客様は女性だけではないですよ。侯爵様は執務もあるのに毎日のように屋敷を空けていいんですか?」
「リサのいない屋敷に居たくないんだ」
いつぞや覚悟を決めて告白をした日からレンダールの様子がおかしい。
リサはレンタル業が本格的にオープンとなったがまだもう1つ。これまでイクル子爵家が回収して再利用できるようにした品をレンタルするために洗浄であったり修理をしているのでまだ侯爵家には戻っていなかった。
だが、レンダールの余りの変わりように日々の食事に問題があるのでは?と料理長に問い合わせた。
「いつもと同じですけど?なにかありましたか?」
と返事が来た。
使用人は毒味をしているけれど、誰一人体調不良は出ていない。
おかしくなったのはレンダールだけなのだ。
――いったい侯爵様はどうしちゃったんだろう――
疑問に思うのは他にもある。
「夜会に行かないか?皆に自慢したいんだ」
「自慢?事業も全然結果が出てないのに?」
「私の結果は出ている。問題ない」
――これは自分には先見の明があるって自慢?――
事業が上手くいくと信じてくれているのはありがたいけれど、あまりにも先走り過ぎな気がするのだ。
夜会に行くと返事はしていないのに、イクル子爵家にはレンダールが仕立て屋に連絡をしたようでお針子たちがリサを採寸に来たり。
以前に侯爵家で講師が来ていた頃にも普段使いの服を仕立ててもらったので、サイズがそこまで変わっているとも思えない。
「侯爵様、もしかすると疲れすぎなのでは?ずっとイクル家のために動いてくださってましたし」
「リサに心配してもらえるなんて。床に臥したらずっと付き添って貰えるならいつでも過労で倒れよう」
――それ、違うんじゃない?――
何よりリサは忙しいので見舞いには行くが付き添いはする気がない。
個人的には当面、床に伏している人間の相手はしたくないと思っている。
「さて、昼食でも食べながら午後の受け入れ準備をしないと」
「昼食?良ければレストランに行かないか?」
「え?嫌ですよ。作ってきたのに無駄になります。それにレンタル奥様なんですから必要以上に一緒にいる必要はないんですよ?」
「全然足りないんだ。リサ不足だから補給しなければならないんだ」
「私が不足してる?ハッ!!」
リサは閃いた。レンダールは健全な青年、いや性年でもある。
時期だけを見れば結婚をしてまだ1年も経っておらず、通常なら奥様と毎晩お子様作りに励んでいてもいいのだ。
――そっか。俗にいう ”溜まってる” 状態なのね――
こんな事もあろうかと!!
一応念入りに洗浄はしたが、引き取りで手に入れたラブちゃんの友人、ダっちゃんとワイちゃんなら在庫がある。
――ただなぁ。中古なんだよなぁ――
中古でも買っていく人はいた。つまり需要はあるのだ。
それをレンダールが気に入ってくれるかどうか。
ダッちゃんは胸も大きな我儘ボディー。ワイちゃんは出来るだけ現実を再現したノーマルボディ。
しかし、雇い主でもある夫の期待に応えてこそレンタル奥様。
不便を感じさせてはならない。
――両手に花って言葉もあるし、2体を寝台で添い寝させてあげよう――
「侯爵様」
「なんだい。リサ」
「今夜なんですけど…楽しみにしててくださいね。朝までファイト!」
「えっ…そ、そんな突然…いや。妻の要望に応えるのが夫の務めだ。果てるまで燃え尽きよう」
言質を取ったリサ。
仕事終わりにカモク侯爵家にちょっとお邪魔してセットオン。
「一仕事終えたって感じ。今日のお風呂上がりのオレンジジュース、一気で行けそう♡」
翌朝、カモク侯爵家に立ち寄ったリサは玄関までをショートカットするために庭を歩いていてトンデモナイものを見つけてしまった。
「どうしてダッちゃんとワイちゃん…アーティスティックスイミングしてるの?」
水面からセクシーな両足を突き出した2体がスケキヨっていたのだった。
「熱い夜だったのね。こんなところで睡眠・グ~」
「ありませんよ?見てましたよね?」
「あぁ、心配で。男の客が来たらと思うといても経ってもいられないんだ」
「仕事なんですからお客様は女性だけではないですよ。侯爵様は執務もあるのに毎日のように屋敷を空けていいんですか?」
「リサのいない屋敷に居たくないんだ」
いつぞや覚悟を決めて告白をした日からレンダールの様子がおかしい。
リサはレンタル業が本格的にオープンとなったがまだもう1つ。これまでイクル子爵家が回収して再利用できるようにした品をレンタルするために洗浄であったり修理をしているのでまだ侯爵家には戻っていなかった。
だが、レンダールの余りの変わりように日々の食事に問題があるのでは?と料理長に問い合わせた。
「いつもと同じですけど?なにかありましたか?」
と返事が来た。
使用人は毒味をしているけれど、誰一人体調不良は出ていない。
おかしくなったのはレンダールだけなのだ。
――いったい侯爵様はどうしちゃったんだろう――
疑問に思うのは他にもある。
「夜会に行かないか?皆に自慢したいんだ」
「自慢?事業も全然結果が出てないのに?」
「私の結果は出ている。問題ない」
――これは自分には先見の明があるって自慢?――
事業が上手くいくと信じてくれているのはありがたいけれど、あまりにも先走り過ぎな気がするのだ。
夜会に行くと返事はしていないのに、イクル子爵家にはレンダールが仕立て屋に連絡をしたようでお針子たちがリサを採寸に来たり。
以前に侯爵家で講師が来ていた頃にも普段使いの服を仕立ててもらったので、サイズがそこまで変わっているとも思えない。
「侯爵様、もしかすると疲れすぎなのでは?ずっとイクル家のために動いてくださってましたし」
「リサに心配してもらえるなんて。床に臥したらずっと付き添って貰えるならいつでも過労で倒れよう」
――それ、違うんじゃない?――
何よりリサは忙しいので見舞いには行くが付き添いはする気がない。
個人的には当面、床に伏している人間の相手はしたくないと思っている。
「さて、昼食でも食べながら午後の受け入れ準備をしないと」
「昼食?良ければレストランに行かないか?」
「え?嫌ですよ。作ってきたのに無駄になります。それにレンタル奥様なんですから必要以上に一緒にいる必要はないんですよ?」
「全然足りないんだ。リサ不足だから補給しなければならないんだ」
「私が不足してる?ハッ!!」
リサは閃いた。レンダールは健全な青年、いや性年でもある。
時期だけを見れば結婚をしてまだ1年も経っておらず、通常なら奥様と毎晩お子様作りに励んでいてもいいのだ。
――そっか。俗にいう ”溜まってる” 状態なのね――
こんな事もあろうかと!!
一応念入りに洗浄はしたが、引き取りで手に入れたラブちゃんの友人、ダっちゃんとワイちゃんなら在庫がある。
――ただなぁ。中古なんだよなぁ――
中古でも買っていく人はいた。つまり需要はあるのだ。
それをレンダールが気に入ってくれるかどうか。
ダッちゃんは胸も大きな我儘ボディー。ワイちゃんは出来るだけ現実を再現したノーマルボディ。
しかし、雇い主でもある夫の期待に応えてこそレンタル奥様。
不便を感じさせてはならない。
――両手に花って言葉もあるし、2体を寝台で添い寝させてあげよう――
「侯爵様」
「なんだい。リサ」
「今夜なんですけど…楽しみにしててくださいね。朝までファイト!」
「えっ…そ、そんな突然…いや。妻の要望に応えるのが夫の務めだ。果てるまで燃え尽きよう」
言質を取ったリサ。
仕事終わりにカモク侯爵家にちょっとお邪魔してセットオン。
「一仕事終えたって感じ。今日のお風呂上がりのオレンジジュース、一気で行けそう♡」
翌朝、カモク侯爵家に立ち寄ったリサは玄関までをショートカットするために庭を歩いていてトンデモナイものを見つけてしまった。
「どうしてダッちゃんとワイちゃん…アーティスティックスイミングしてるの?」
水面からセクシーな両足を突き出した2体がスケキヨっていたのだった。
「熱い夜だったのね。こんなところで睡眠・グ~」
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