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第36話 決して喋ってはいけないのです
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結婚から7か月目。
場所を貸すレンタル開始よりも遅れる事3か月。
レンタル業の本丸と言える事業がスタートした。
「ふぅ~。実際に着てみると結構辛いわ」
今日はオープンでイベントにもなっているのでリサはリス、レンダールはクマの着ぐるみを着用している。
頭部は回収してきた不要紙を貼りつけて型を作った後、廃棄処分するしかない布を色目を合わせ貼り付けた。
体も廃棄処分する布を継ぎ合わせ、重ね合わせて作った。
リスもクマも茶色系なのは廃棄処分する布なので汚れを目立たなくするためには紅茶の煮汁で着色するしかなくて茶色になってしまったのである。
「わー!リスとクマだ!」
子供たちに揉みくちゃにされてしまったが、着ぐるみを着ている間はお喋り厳禁。
嬉しいは両手を挙げて、痛いよ~止めてよ~は泣くふり。全てをゼスチャーで行わねばならないがこれがなかなかの重労働だった。
大きな頭部を抱えてリサとレンダールは休憩中。
さっきまで子供たちに風船を配っていたのである。
買い取り希望や廃棄で捨てられた品をリユースするのだが、今までのイクル子爵家のやり方と違うのは売るの他に貸すが加わった。
並べられた品はどれも新品ではとても手が出ない品ばかり。
相当に古くなるとアンティークや骨董となってしまうので、年代を見極めアンティークや骨董は別のブースに並べられている。
大盛況になっているのは家具のブース。
この時期に持ってきたのは今が学園の卒業シーズンでもあるからである。
学園生は卒業すると家を継ぐ者は実家住まいで変わらないけれど、実家を継げるのは兄弟姉妹が何人いようと1人だけ。兄弟姉妹が3人なら2人、5人なら4人は家から出て自活を始める。
ずっと前はイクル家にも新生活を始めるにあたって家を出て独り暮らしをする子供のために家具を買いに来た貴族もいたし、平民もいた。
結婚などで別世帯となる時も同じ。新品の家具はとても揃える事が出来ないので中古であっても一式揃うので買いに来る人は多かったけれど、ここ数年は大型の店舗に客が完全に流れていた。
「お客さん。この後も来てくれるかしら」
「大丈夫。大盛況だよ」
レンダールは言い切るが本当かな?とリサは不安でならなかった。
価格では間違いなく太刀打ちできなかったし、今回も家具をレンタルなのだが一式揃えるレンタル費用と大型店舗で同じ種類を揃える金額は大型店舗の方が少し安かったのだ。
蓋を開けてみれば整理札を出さないといけない大行列。
「テーブルはどっちにあるかしら。2人用でいいんだけど」
「でしたら、あの黄色い旗の辺りですよ」
「寝台の枠は何処?マットもあるかな」
「御座いますよ。枠は月のマークのある白い旗でマットはその隣です」
片づけをするのと、場所貸しの清掃員にも声を掛け、シフトが休みになっている者には手伝いに来てもらっているが、こんなに大勢の客が来るとはリサも思わなかった。
「どうして?今までと何が違うのかしら」
「種類。それから規模かな」
「種類…そうね。テーブルだけでも300はあるものね」
「後は品質と価格だよ」
レンダールはそう言うが、品質はそれまでと同じだし価格はレンタルだから買うより安いだけだ。
「民衆だって馬鹿じゃない。買ってすぐ、持ちこたえても半年で不具合の出る家具をその度に新品だからと買うよりも、中古で今日支払う価格は新品より少し高くても持ちこたえる家具の方が結局安価で済む上にレンタルだから次に引っ越す時に処分しなくていいと解ったのさ」
レンタルの期間は1年、2年、3年とあって年数が長くなればなるほど割引価格になっている。
レンタル価格の5%を余分に支払えばレンタル期間中に壊れてしまったりすれば交換可能。
レンタル価格の10%を余分に払えば返却時に故意の破損、汚損でなければ修理費用や清掃費用は不要。
初期投資を安くしたいならオプションを付けない。ただ返却時には清掃などの費用がレンタル価格の20%必要になるし、修理不可能な時は50%を出して買い取りという名の処分費を支払う。
今日のイベントで使った着ぐるみやキッズコーナーの遊具などもレンタル可能で実際に品物を見る事が出来るのもレンダールの案。
王都の区画ごとに小さな祭りもあったりするので、万国旗や簡単な楽器、スタッフの法被など早速取り置き料を払ってのレンタル予約も入った。
夕方になる頃には用意した家具類は80%はレンタル契約となり、明日から順番に運んでいく事になった。
場所を貸すレンタル開始よりも遅れる事3か月。
レンタル業の本丸と言える事業がスタートした。
「ふぅ~。実際に着てみると結構辛いわ」
今日はオープンでイベントにもなっているのでリサはリス、レンダールはクマの着ぐるみを着用している。
頭部は回収してきた不要紙を貼りつけて型を作った後、廃棄処分するしかない布を色目を合わせ貼り付けた。
体も廃棄処分する布を継ぎ合わせ、重ね合わせて作った。
リスもクマも茶色系なのは廃棄処分する布なので汚れを目立たなくするためには紅茶の煮汁で着色するしかなくて茶色になってしまったのである。
「わー!リスとクマだ!」
子供たちに揉みくちゃにされてしまったが、着ぐるみを着ている間はお喋り厳禁。
嬉しいは両手を挙げて、痛いよ~止めてよ~は泣くふり。全てをゼスチャーで行わねばならないがこれがなかなかの重労働だった。
大きな頭部を抱えてリサとレンダールは休憩中。
さっきまで子供たちに風船を配っていたのである。
買い取り希望や廃棄で捨てられた品をリユースするのだが、今までのイクル子爵家のやり方と違うのは売るの他に貸すが加わった。
並べられた品はどれも新品ではとても手が出ない品ばかり。
相当に古くなるとアンティークや骨董となってしまうので、年代を見極めアンティークや骨董は別のブースに並べられている。
大盛況になっているのは家具のブース。
この時期に持ってきたのは今が学園の卒業シーズンでもあるからである。
学園生は卒業すると家を継ぐ者は実家住まいで変わらないけれど、実家を継げるのは兄弟姉妹が何人いようと1人だけ。兄弟姉妹が3人なら2人、5人なら4人は家から出て自活を始める。
ずっと前はイクル家にも新生活を始めるにあたって家を出て独り暮らしをする子供のために家具を買いに来た貴族もいたし、平民もいた。
結婚などで別世帯となる時も同じ。新品の家具はとても揃える事が出来ないので中古であっても一式揃うので買いに来る人は多かったけれど、ここ数年は大型の店舗に客が完全に流れていた。
「お客さん。この後も来てくれるかしら」
「大丈夫。大盛況だよ」
レンダールは言い切るが本当かな?とリサは不安でならなかった。
価格では間違いなく太刀打ちできなかったし、今回も家具をレンタルなのだが一式揃えるレンタル費用と大型店舗で同じ種類を揃える金額は大型店舗の方が少し安かったのだ。
蓋を開けてみれば整理札を出さないといけない大行列。
「テーブルはどっちにあるかしら。2人用でいいんだけど」
「でしたら、あの黄色い旗の辺りですよ」
「寝台の枠は何処?マットもあるかな」
「御座いますよ。枠は月のマークのある白い旗でマットはその隣です」
片づけをするのと、場所貸しの清掃員にも声を掛け、シフトが休みになっている者には手伝いに来てもらっているが、こんなに大勢の客が来るとはリサも思わなかった。
「どうして?今までと何が違うのかしら」
「種類。それから規模かな」
「種類…そうね。テーブルだけでも300はあるものね」
「後は品質と価格だよ」
レンダールはそう言うが、品質はそれまでと同じだし価格はレンタルだから買うより安いだけだ。
「民衆だって馬鹿じゃない。買ってすぐ、持ちこたえても半年で不具合の出る家具をその度に新品だからと買うよりも、中古で今日支払う価格は新品より少し高くても持ちこたえる家具の方が結局安価で済む上にレンタルだから次に引っ越す時に処分しなくていいと解ったのさ」
レンタルの期間は1年、2年、3年とあって年数が長くなればなるほど割引価格になっている。
レンタル価格の5%を余分に支払えばレンタル期間中に壊れてしまったりすれば交換可能。
レンタル価格の10%を余分に払えば返却時に故意の破損、汚損でなければ修理費用や清掃費用は不要。
初期投資を安くしたいならオプションを付けない。ただ返却時には清掃などの費用がレンタル価格の20%必要になるし、修理不可能な時は50%を出して買い取りという名の処分費を支払う。
今日のイベントで使った着ぐるみやキッズコーナーの遊具などもレンタル可能で実際に品物を見る事が出来るのもレンダールの案。
王都の区画ごとに小さな祭りもあったりするので、万国旗や簡単な楽器、スタッフの法被など早速取り置き料を払ってのレンタル予約も入った。
夕方になる頃には用意した家具類は80%はレンタル契約となり、明日から順番に運んでいく事になった。
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