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第42話 結婚、するって、本当ですか?
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「あ~忘れてたぁ!」
「どうしたんだ?出がけのキスならそれは忘れていたのではなく、まだ日課になってないだけだ!」
――レンタル奥様は行ってらっしゃいのチューなんかしないし――
忘れていたのはそんな事ではない。
先日のイベントで家具などのレンタルを手分けして配送をしているのだが、リサとレンダールが使っていた着ぐるみを見て、興味を示した人がいた。
騎士団の団長だったのだが、不況なのに騎士団への入団を希望する者が少ないのである。
いや不況だからこそ、だろう。
不況になると治安は悪化し悪事に手を染める者も多くなるので騎士になれば負傷するリスクは高くなる。食料や衣料品だけでなく医療品の価格も値上がりが続いているので、万が一を考えると騎士は職業の選択肢から外れてしまうのだ。
特に若年層の騎士離れは顕著。子供たちの人気も昔は憧れで上位の常連だった騎士も今では圏外になっていた。
しかし、騎士と言っても皆が皆剣を持って戦う訳ではない。
鼓笛隊もあれば事務隊もあるし医療隊もある。
身近な存在なんだと知ってもらうには騎士団のイベントにも家族連れに来てほしい。
そんな事を考えていた騎士団長は三男が独立をするので一人暮らしの家具を揃えようとイベントにやってきた。
「僕にも風船ちょうだい!」
「・・・・」
「クマさん、抱っこしてぇ!」
子供たちに囲まれているリスとクマ。
「これだ!」と思った騎士団長はリスとクマの他にウサギだったり犬だったり猫と着ぐるみを作って欲しいと依頼をしてきたのだ。
取り敢えず廃材から作っているので、1体作る金額を提示すると新品を他の商会が作った時に幾らになるのか確かめると言っていたが、モノが無ければ見積もりも取れないので今日、騎士団長の所にリスの着ぐるみを持って行く予定だったのを忘れてしまっていた。
「どうしよう。騎士団長さんの所に行かなきゃいけないのに」
「騎士団長ならいるんじゃないかな」
「え?騎士団長さん、約束してたのにブッチする気だったの?」
「そう言う事ではなく、今回の登城命令の方が急だったからな。今頃時間を遅らせて欲しいと従者が来ているんじゃないかな」
「そうなんだ。入れ違いになっちゃったのね。すっかり忘れてた私が一番悪いんだけど」
「リサは何も悪くないよ。他人の予定を狂わせる王家が悪いんだ」
「くぅぅ。これで廃棄になるだけの布とか紙。加工に回せそうだったのに」
レンタル業は客相手には貸すだけに見えるが、レンダールからの融資と助言に於いて従業員も多く雇っている。
回収する、分別する、洗浄する、修理する、販売する、運ぶ。これだけでも6つの仕事がある。
その他に協力商会として個人で営んでいる小さな工房とも提携し、洗浄1つ取っても布を洗うか紙を洗うか、木材を洗うかなど仕事を細分化して発注しているのだ。
これもレンダールの「技術が有る者に任せるのが一番」と馬は馬方、芸は道によって賢しの考えからきている。
リサのボヤキも心地イイナ♡にこにこ顔のレンダールを乗せた馬車は城の敷地内に入って行った。
★~★
馬車から降りるとレンダールの纏っている空気が一変した。
――あれ?侯爵様ってこんな顔だったっけ?――
リサにも見覚えがあると言えばある。
レンダールとの初見の時、周囲は全て敵とも受け取れる表情に、厳しい視線をレンダールはリサに向けていた。
今ではだらーんと脂下がっているけれど。
「リサ。私の隣から動かないように」
「ここでハシビロコウ?」
「ふふっ。可愛いな。私の隣から動かないのならそれも良いと思ってしまうよ」
――場所限定です。ってか!手!そんなに密着させないで!――
レンダールはリサを体の一部かのように密着させて国王の待つ部屋の扉の前まで歩いた。そこで少しばかり離れるかな?と思ったが、扉が開いても距離感は全く変わらない。
国王陛下に失礼なんじゃないかな?と思ったが、部屋の中を見てリサは「は?はぁぁーっ?」ここ最近で1番の驚きがそこにあった。
――なんでショーがここにいるの?――
レンダールを見ればレンダールも「なんだこれは?」驚いていた。
国王はシシリー王女とショーを見るのも嫌なようで顔を背けっぱなし。馬車が城に到着をして停車をしてもギシギシ馬車は揺れていたと言う。
なんでも帰国の途中で出会った2人。シシリー王女は豪語する。
「真実の愛を見つけた」と。
――ご勝手にって感じなんだけど――
リサは冷めた目を2人に向けた。
ソファを勧められ腰を下ろすと国王の口から開口一番さらに驚くことを告げられた。
「シシリーとこの者と結婚をさせるした」
「☆&$※」
驚きすぎて声が出ないとはこの事だ。
――あれ?でもショーはイリーナともうすぐ結婚じゃ?――
超玉の輿に乗ったショーは個人的にどうでもいい疑問に首をかしげるリサを見て不敵に笑った。
「どうしたんだ?出がけのキスならそれは忘れていたのではなく、まだ日課になってないだけだ!」
――レンタル奥様は行ってらっしゃいのチューなんかしないし――
忘れていたのはそんな事ではない。
先日のイベントで家具などのレンタルを手分けして配送をしているのだが、リサとレンダールが使っていた着ぐるみを見て、興味を示した人がいた。
騎士団の団長だったのだが、不況なのに騎士団への入団を希望する者が少ないのである。
いや不況だからこそ、だろう。
不況になると治安は悪化し悪事に手を染める者も多くなるので騎士になれば負傷するリスクは高くなる。食料や衣料品だけでなく医療品の価格も値上がりが続いているので、万が一を考えると騎士は職業の選択肢から外れてしまうのだ。
特に若年層の騎士離れは顕著。子供たちの人気も昔は憧れで上位の常連だった騎士も今では圏外になっていた。
しかし、騎士と言っても皆が皆剣を持って戦う訳ではない。
鼓笛隊もあれば事務隊もあるし医療隊もある。
身近な存在なんだと知ってもらうには騎士団のイベントにも家族連れに来てほしい。
そんな事を考えていた騎士団長は三男が独立をするので一人暮らしの家具を揃えようとイベントにやってきた。
「僕にも風船ちょうだい!」
「・・・・」
「クマさん、抱っこしてぇ!」
子供たちに囲まれているリスとクマ。
「これだ!」と思った騎士団長はリスとクマの他にウサギだったり犬だったり猫と着ぐるみを作って欲しいと依頼をしてきたのだ。
取り敢えず廃材から作っているので、1体作る金額を提示すると新品を他の商会が作った時に幾らになるのか確かめると言っていたが、モノが無ければ見積もりも取れないので今日、騎士団長の所にリスの着ぐるみを持って行く予定だったのを忘れてしまっていた。
「どうしよう。騎士団長さんの所に行かなきゃいけないのに」
「騎士団長ならいるんじゃないかな」
「え?騎士団長さん、約束してたのにブッチする気だったの?」
「そう言う事ではなく、今回の登城命令の方が急だったからな。今頃時間を遅らせて欲しいと従者が来ているんじゃないかな」
「そうなんだ。入れ違いになっちゃったのね。すっかり忘れてた私が一番悪いんだけど」
「リサは何も悪くないよ。他人の予定を狂わせる王家が悪いんだ」
「くぅぅ。これで廃棄になるだけの布とか紙。加工に回せそうだったのに」
レンタル業は客相手には貸すだけに見えるが、レンダールからの融資と助言に於いて従業員も多く雇っている。
回収する、分別する、洗浄する、修理する、販売する、運ぶ。これだけでも6つの仕事がある。
その他に協力商会として個人で営んでいる小さな工房とも提携し、洗浄1つ取っても布を洗うか紙を洗うか、木材を洗うかなど仕事を細分化して発注しているのだ。
これもレンダールの「技術が有る者に任せるのが一番」と馬は馬方、芸は道によって賢しの考えからきている。
リサのボヤキも心地イイナ♡にこにこ顔のレンダールを乗せた馬車は城の敷地内に入って行った。
★~★
馬車から降りるとレンダールの纏っている空気が一変した。
――あれ?侯爵様ってこんな顔だったっけ?――
リサにも見覚えがあると言えばある。
レンダールとの初見の時、周囲は全て敵とも受け取れる表情に、厳しい視線をレンダールはリサに向けていた。
今ではだらーんと脂下がっているけれど。
「リサ。私の隣から動かないように」
「ここでハシビロコウ?」
「ふふっ。可愛いな。私の隣から動かないのならそれも良いと思ってしまうよ」
――場所限定です。ってか!手!そんなに密着させないで!――
レンダールはリサを体の一部かのように密着させて国王の待つ部屋の扉の前まで歩いた。そこで少しばかり離れるかな?と思ったが、扉が開いても距離感は全く変わらない。
国王陛下に失礼なんじゃないかな?と思ったが、部屋の中を見てリサは「は?はぁぁーっ?」ここ最近で1番の驚きがそこにあった。
――なんでショーがここにいるの?――
レンダールを見ればレンダールも「なんだこれは?」驚いていた。
国王はシシリー王女とショーを見るのも嫌なようで顔を背けっぱなし。馬車が城に到着をして停車をしてもギシギシ馬車は揺れていたと言う。
なんでも帰国の途中で出会った2人。シシリー王女は豪語する。
「真実の愛を見つけた」と。
――ご勝手にって感じなんだけど――
リサは冷めた目を2人に向けた。
ソファを勧められ腰を下ろすと国王の口から開口一番さらに驚くことを告げられた。
「シシリーとこの者と結婚をさせるした」
「☆&$※」
驚きすぎて声が出ないとはこの事だ。
――あれ?でもショーはイリーナともうすぐ結婚じゃ?――
超玉の輿に乗ったショーは個人的にどうでもいい疑問に首をかしげるリサを見て不敵に笑った。
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