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閣下とお昼ご飯
クラリス・タッド・ルテシアは豪華な昼食の後、戦場に向かうのである。
非常にややこしいのだが、【戦場】に【洗浄】に向かうのである。
幾つもあるゴミ。もしもその中に重要な機密になるようなものが含まれていればそのまま廃棄とする事は出来ない。なのでご本人に昼食時、確認作業は完了している。
以下はその確認作業の様子である。
閣下に連れられて、いや、御者のお勧めだと正直に言おう。
フォーの店にやってきた閣下とクラリス。
「閣下、あのお部屋の事なのですけれども」
「無粋だなぁ。取り敢えず何を食べる?」
「え…っと‥ではこの今日のおすすめランチを」
給仕がやってきてオーダーする。そこまでは至って普通である。そこまでは!
「ところで、この店は配達なんかやってたりするのかな?」
「当店では範囲は御座いますが配達も可能です」
「ここで頼んでいけば後で届けてもらえるかな?」
【お待ちください!!宰相閣下!】
きょとんとしてエリックが首を傾げる。その先を言わせてはならない。
デリバリーは【禁止】されているのである。
それをよくもまぁ、あそこまでと注文した痕跡に呆れたのである。
そう、クラリスは真面目なのである。
「どうした?ルテシア君」
「ライトウィングへの配達は禁止されております」
「あ、そうだったね…でも夜中にお腹空かない?」
「空きません。あ、早めにランチお願いいたします」
給仕をこの場から去らせることも忘れてはいけないのだ。
「閣下、午後から本格的に掃除をしたいのですが捨ててはいけないものや、見られては困るものはございますか」
「ないよ」
即答である。秒殺、いや瞬殺とも言える回答は満点回答なのだが、ふと思う。
――なら!どうしてあんな状態になっているの!――
「えぇっと…それはもうポイポイと全部廃棄してもよろしいと?」
「大丈夫だよ。一度見た書類はもう頭に入ってるし、その書類はダブルシュレッダーにしてクッション代わりに日替わりでしてたんだ」
――クッション代わりに?いえ、その前に してたんだ とは?――
「そのクッション代わりの品はどちらに?」
「第二と第三執務室で使ってたんだけどゴミ袋って勢いよく座ると破れるでしょ?で新しいのを重ねてたんだけど、座ったら逆立ちするくらいまで体を傾けないと机に届かなくてね」
「それで…その後は…」
「そのままだけど?」
首を可愛くコテンとしてもちっとも可愛くありませんよ?
子犬のような目で見て、今にも「クゥン」て声を出しても可愛くないですよ?
「申し訳ございません。では今の執務室にに移られたのは?」
「手狭だからね」
――手狭?手狭?いや、ゴミで埋もれて物理的に狭くなったって事ですよね?――
「あ、そうそう。これを渡しておかないとね」
そう言って出してきたのは、金箔でコーティングされた鍵と、形はよく似ている鍵。
「はいどうぞ」と手渡してくるが何処の鍵?
「あの、これは…」
「あ、そうだよね。ごめんごめん。このままだとばらけて困るよね。えーっと…」
ゴソゴソと上着の裾ポケットや胸ポケット、そして内側のポケットを探りだすエリック。
しきりに「おかしいな。この前見つけたのにな」と言いながらゴソゴソ手を動かしている。
「あの、何をお探しなのです?ペンならありますが…」
「あっ!あった!これ。必要だよね?」
そう言って満面の笑みでズボンの尻ポケットから出してきたのは
【バッグクロージャー】
よく食パンの袋などに付いているアレである。
これを何に使えと?と目が点になっているクラリスの手にエリックはしっかり握らせる。
「あの、これは何に…」
「おっと、ごめん、これだけじゃ使えないよね。これもセットだ!」
そう言って財布の中から出してきたのは
【ラッピングタイ】
よく小さな菓子なんかの袋の口を縛っている針金が入ってクルクルするやつである。
だが、この2つを使ってどうしろというのかクラリスにはさっぱりわからない。
「この針金のやつを鍵に通して、バッグクロージャ―で纏めておけば嵩張らないよね」
いや‥‥バッグクロージャーってグニグニするので落とす危険性が高いと思うのだがエリックは得意そうに針金をつけて、それをバッグクロージャーで纏める。しかし…
チャリーン
鍵の重さでぐにゃりと曲がり落ちてしまう。当たり前である。
頭を抱えるクラリス。本日3度目である。
【お待ちください!!宰相閣下!】
どうしたの?と言う顔でクラリスを見ているエリックに悪気は一切ない。
むしろ、こうした方が使いやすいし便利!っと間違いなく思っている。
「閣下、鍵はあとでわたくしが持参した留め具とカラビナで保管を致します」
「そうなの?ルテシア君なんか凄いね」
「いえ、それよりもお聞きしたい事が御座います」
「何だい?デザートはチョコケーキがいいかって事?」
「違います。この鍵は何処の鍵でございます?」
「あ、あぁそれね」
右手に金箔コーティングした鍵、左手ににたような鍵をもつエリックはどや顔で言い放つ。
「こっち(右)は陛下の寝室、こっち(左)は陛下の執務室の鍵だよ」
クラリスの右耳から左耳に風が吹き抜けていく。視点は定まっていない。
そして本日4回目である。
【お待ちください!!宰相閣下!】
「どうした?」
「そんな大事な物を勝手に持ち出したりして!おまけにまとめておく方法がコレですか!」
思わず指に力が入ってしまうが、指さしているのは先ほどの2点の品である。
「だって、部屋に置いとくと探さないといけないだろう?」
――なら片付けろ!――
そう思った時、注文していたランチが運ばれてくる。
クラリスの瞳にエリックの【あっ!】という表情が目に入る。
先手を打たねばならない。
「閣下!フォーは食べ物!鍵を纏める道具ではありませんっ!」
「えっ?使っちゃダメか?」
クラリスは鼻から吸わせることを本気で考えてしまった。
非常にややこしいのだが、【戦場】に【洗浄】に向かうのである。
幾つもあるゴミ。もしもその中に重要な機密になるようなものが含まれていればそのまま廃棄とする事は出来ない。なのでご本人に昼食時、確認作業は完了している。
以下はその確認作業の様子である。
閣下に連れられて、いや、御者のお勧めだと正直に言おう。
フォーの店にやってきた閣下とクラリス。
「閣下、あのお部屋の事なのですけれども」
「無粋だなぁ。取り敢えず何を食べる?」
「え…っと‥ではこの今日のおすすめランチを」
給仕がやってきてオーダーする。そこまでは至って普通である。そこまでは!
「ところで、この店は配達なんかやってたりするのかな?」
「当店では範囲は御座いますが配達も可能です」
「ここで頼んでいけば後で届けてもらえるかな?」
【お待ちください!!宰相閣下!】
きょとんとしてエリックが首を傾げる。その先を言わせてはならない。
デリバリーは【禁止】されているのである。
それをよくもまぁ、あそこまでと注文した痕跡に呆れたのである。
そう、クラリスは真面目なのである。
「どうした?ルテシア君」
「ライトウィングへの配達は禁止されております」
「あ、そうだったね…でも夜中にお腹空かない?」
「空きません。あ、早めにランチお願いいたします」
給仕をこの場から去らせることも忘れてはいけないのだ。
「閣下、午後から本格的に掃除をしたいのですが捨ててはいけないものや、見られては困るものはございますか」
「ないよ」
即答である。秒殺、いや瞬殺とも言える回答は満点回答なのだが、ふと思う。
――なら!どうしてあんな状態になっているの!――
「えぇっと…それはもうポイポイと全部廃棄してもよろしいと?」
「大丈夫だよ。一度見た書類はもう頭に入ってるし、その書類はダブルシュレッダーにしてクッション代わりに日替わりでしてたんだ」
――クッション代わりに?いえ、その前に してたんだ とは?――
「そのクッション代わりの品はどちらに?」
「第二と第三執務室で使ってたんだけどゴミ袋って勢いよく座ると破れるでしょ?で新しいのを重ねてたんだけど、座ったら逆立ちするくらいまで体を傾けないと机に届かなくてね」
「それで…その後は…」
「そのままだけど?」
首を可愛くコテンとしてもちっとも可愛くありませんよ?
子犬のような目で見て、今にも「クゥン」て声を出しても可愛くないですよ?
「申し訳ございません。では今の執務室にに移られたのは?」
「手狭だからね」
――手狭?手狭?いや、ゴミで埋もれて物理的に狭くなったって事ですよね?――
「あ、そうそう。これを渡しておかないとね」
そう言って出してきたのは、金箔でコーティングされた鍵と、形はよく似ている鍵。
「はいどうぞ」と手渡してくるが何処の鍵?
「あの、これは…」
「あ、そうだよね。ごめんごめん。このままだとばらけて困るよね。えーっと…」
ゴソゴソと上着の裾ポケットや胸ポケット、そして内側のポケットを探りだすエリック。
しきりに「おかしいな。この前見つけたのにな」と言いながらゴソゴソ手を動かしている。
「あの、何をお探しなのです?ペンならありますが…」
「あっ!あった!これ。必要だよね?」
そう言って満面の笑みでズボンの尻ポケットから出してきたのは
【バッグクロージャー】
よく食パンの袋などに付いているアレである。
これを何に使えと?と目が点になっているクラリスの手にエリックはしっかり握らせる。
「あの、これは何に…」
「おっと、ごめん、これだけじゃ使えないよね。これもセットだ!」
そう言って財布の中から出してきたのは
【ラッピングタイ】
よく小さな菓子なんかの袋の口を縛っている針金が入ってクルクルするやつである。
だが、この2つを使ってどうしろというのかクラリスにはさっぱりわからない。
「この針金のやつを鍵に通して、バッグクロージャ―で纏めておけば嵩張らないよね」
いや‥‥バッグクロージャーってグニグニするので落とす危険性が高いと思うのだがエリックは得意そうに針金をつけて、それをバッグクロージャーで纏める。しかし…
チャリーン
鍵の重さでぐにゃりと曲がり落ちてしまう。当たり前である。
頭を抱えるクラリス。本日3度目である。
【お待ちください!!宰相閣下!】
どうしたの?と言う顔でクラリスを見ているエリックに悪気は一切ない。
むしろ、こうした方が使いやすいし便利!っと間違いなく思っている。
「閣下、鍵はあとでわたくしが持参した留め具とカラビナで保管を致します」
「そうなの?ルテシア君なんか凄いね」
「いえ、それよりもお聞きしたい事が御座います」
「何だい?デザートはチョコケーキがいいかって事?」
「違います。この鍵は何処の鍵でございます?」
「あ、あぁそれね」
右手に金箔コーティングした鍵、左手ににたような鍵をもつエリックはどや顔で言い放つ。
「こっち(右)は陛下の寝室、こっち(左)は陛下の執務室の鍵だよ」
クラリスの右耳から左耳に風が吹き抜けていく。視点は定まっていない。
そして本日4回目である。
【お待ちください!!宰相閣下!】
「どうした?」
「そんな大事な物を勝手に持ち出したりして!おまけにまとめておく方法がコレですか!」
思わず指に力が入ってしまうが、指さしているのは先ほどの2点の品である。
「だって、部屋に置いとくと探さないといけないだろう?」
――なら片付けろ!――
そう思った時、注文していたランチが運ばれてくる。
クラリスの瞳にエリックの【あっ!】という表情が目に入る。
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