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散策と銘打って似非迷子作戦 ~監視を眠らせ、狩りまくれ~
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日も暮れてくると初夏だとは言っても少し寒いですわね。
思えば辺境の地ですから、気候もカテンウォルや帝都とは違いますわね。
テント張用に持ってきたシーツを1枚多めに使いますわ。
まだこの時間だと交代の時間ではないのですが、
確実に交代するまでは動けませんわね。
散策に行くとは伝えてたものの、野宿するとまでは言ってないので
交代要員は別邸の方に来ているかも知れません。
そうすると、訓練された監視の方たちは1日、2日じゃ
眠くはならないでしょうねぇ・・。
ですが!わたくし!胸中成竹の精神で挑んでおりますのよ!
本当は使用用途が違うのは承知の上ですわ。
じゃじゃーん♪ 阿片芥子の禁断精製 ~♪
え?あら?嫌ですわ。育ててはいませんわよ?
ですが、散策をしていた時にヤバい方の芥子を見つけてしまいましたの。
芥子から阿片を取り、精製してモルヒネを作ったのですわ。
何に使うつもりだったのかって??
ギルドを経由して医療機関に提供しようと思いましてねぇ。
帝都では貧しい人ほど危険な仕事をして日当を稼ぎますのよ。
煙突掃除だとか、ガラス拭きだとか。
高所から墜落、転落する方も多くてモルヒネで眠らせておいて
処置をしたりしてましたの。
今日はその粉末を持参しましたのよ。
焚火をするのは、屋外で動物から身を守るためではございませんのよ?
火を起こすと空気に温度差が出来ますので小さくても空気の流れ。
つまり小さな気流が起きるわけです。
その気流に乗せて、監視者さんのところまでこの粉末を飛ばしますの。
若干調整は必要ですが、その程度なら風魔法の初級編ですわ。
さて・・時間も23時。いつもなら交代をする時間ですわ。
寝たふりをして様子を伺いますわ。
気配を消している感じはしませんわね・・近づく者もいないようですわ。
どうやら、交代の方はまだ到着をしていないか交代をしないのか。
ダメ元で賭けてみましょう。
「ふぅぅぅ~」
わたくしは、小さく息を焚火に吹きかけます。
炎が少し揺れます。弱い風に揺らされている感じですね。
粉末にしたヤバいヤツを、水魔法で囲い、その上を包むように風魔法をかけます。
例えるなら、梅干しをご飯で包んで、その上に海苔を巻く感じですわ。
1つ目・・・・2つ目・・・・3つ目・・・・
ほぼ同時に効果が出てくれないと困るので監視者さんのところまで
それぞれを火が起こした小さな気流を使って漂わせます。
(もうちょっと・・左かな・・・)
微調整も大変ですわね。ですが、監視している方は気配を感じさせないように
出来るだけ動かずにいてくれるので纏わりつかせるのは簡単だわ。
(よし・・イケる!)
わたくしは、右手で細い木の枝を指に互い違いになるように握り、
左手で、パチンと指を鳴らすのと同時に枝を折りましたわ。
指を鳴らすとミスト状になった水に粉末が溶けて軽めの霧のように
降り注ぐのですわ。
パチン!(ポキン)
「飽和水蒸気圧解放!」
まだ動けませんわ。ちゃんと確認をしないとね・・・。
3分・・・・5分・・・試しに寝返りをしてみましょう。ゴロン・・。
動きはありませんわね。
監視者がついてから一番強い魔力で探ってみましょう。
あ、通常よりは微力ですわよ?おまじない程度からお賽銭を入れてガラガラ程度の
差だと思ってくださいませね。
「いい夢見ろよ~♪」
どうやら、完全に寝てはいないけれど、うつらうつらな感じのようですわ。
これなら、このシーツに20分ほどで消えるわたくしの気配を
移り香のように残しておいて、ゆっくり遠ざかれば良さそうですわ。
「ここにいるよぉ~♪」
シーツに擬態魔法を緩くかけて、低く屈んでゆっくりと離れましょう。
あれは焚火の火かな?っと思う距離まで離れる事が出来ましたわ。
さて、ここからはお楽しみターイム!
夜行性の動物や魔獣を狩りまくるわよ!
「8時ちょうどのぉ~あずさ2号ぉぉ」
おぉぉ~流石、兄弟のパワーは違うわね!ビシバシ狩れるわ!
ほらあそこに、ブラックオークまでいるじゃないの!
ぬぉぉ!グレープフォックスもあんなところに!
しかもトリックマウスを狙ってるんだわ!
これは・・どれか1つを狙うと2つは逃げちゃうわね・・
ならばとっておきの・・
「メンタンピンドラドラ三色同順一盃口 てやぁぁ!」
水魔法で槍を形成しながら、3方面に風魔法で分裂させて展開させる
わたくしのとっておき!
ふぅ~・・・久しぶりの魔法はやっぱ、いいわぁ~
一気に収納魔法で蓄えたから1か月はお肉に困らないわ。
っと・・そこにクライゴウト発見!
できれば・・生け捕りにしたいわ。ミルクが欲しいのよ!
ですが、クライゴウトは警戒心が強くて逃げ足が速い!
ならば・・・秘策を展開しましょう!
「スパイダーネットワーク」
上空に蜘蛛の巣状になった束縛魔法でガバっとかぶせる方法ですわよ!
バサッ
イケたか??・・・そぉーっと近づく・・・いる!いるわ!やった!
そうやって明け方まで狩り続ける事7時間。いい加減に疲れましたわ。
収納魔法の収納庫もパンパンに近い状態。食べきれるかしら?
何よりもクライゴウトを生け捕りに出来たわたくし・・・失念しておりましたわ。
「ヤバッ!そろそろ戻らないと!」
モルヒネで眠りに誘導したと言っても、さすがに7時間を超えたら
間違いなく起きていますわ!
わたくしは、来た道を風魔法をつかって全力疾走!!
***********************************************
そのころ・・・野宿をするために焚火やシーツDEテントを張った付近では・・
「奥様がいない!」
「なんだと!お前たち、まさか寝ていたんじゃないだろうな!」
「(まずい・・)いえっ!寝ておりませんッ!」
「シーツはもう冷え切っている!焚火は・・・燻っているな」
「付近の捜索は第二班!半径1キロ圏内を第1班で捜索しろ!」
「了解!」
あっちゃぁ・・・マズいわ。
大捜索が始まってしまいましたわ・・・
思えば辺境の地ですから、気候もカテンウォルや帝都とは違いますわね。
テント張用に持ってきたシーツを1枚多めに使いますわ。
まだこの時間だと交代の時間ではないのですが、
確実に交代するまでは動けませんわね。
散策に行くとは伝えてたものの、野宿するとまでは言ってないので
交代要員は別邸の方に来ているかも知れません。
そうすると、訓練された監視の方たちは1日、2日じゃ
眠くはならないでしょうねぇ・・。
ですが!わたくし!胸中成竹の精神で挑んでおりますのよ!
本当は使用用途が違うのは承知の上ですわ。
じゃじゃーん♪ 阿片芥子の禁断精製 ~♪
え?あら?嫌ですわ。育ててはいませんわよ?
ですが、散策をしていた時にヤバい方の芥子を見つけてしまいましたの。
芥子から阿片を取り、精製してモルヒネを作ったのですわ。
何に使うつもりだったのかって??
ギルドを経由して医療機関に提供しようと思いましてねぇ。
帝都では貧しい人ほど危険な仕事をして日当を稼ぎますのよ。
煙突掃除だとか、ガラス拭きだとか。
高所から墜落、転落する方も多くてモルヒネで眠らせておいて
処置をしたりしてましたの。
今日はその粉末を持参しましたのよ。
焚火をするのは、屋外で動物から身を守るためではございませんのよ?
火を起こすと空気に温度差が出来ますので小さくても空気の流れ。
つまり小さな気流が起きるわけです。
その気流に乗せて、監視者さんのところまでこの粉末を飛ばしますの。
若干調整は必要ですが、その程度なら風魔法の初級編ですわ。
さて・・時間も23時。いつもなら交代をする時間ですわ。
寝たふりをして様子を伺いますわ。
気配を消している感じはしませんわね・・近づく者もいないようですわ。
どうやら、交代の方はまだ到着をしていないか交代をしないのか。
ダメ元で賭けてみましょう。
「ふぅぅぅ~」
わたくしは、小さく息を焚火に吹きかけます。
炎が少し揺れます。弱い風に揺らされている感じですね。
粉末にしたヤバいヤツを、水魔法で囲い、その上を包むように風魔法をかけます。
例えるなら、梅干しをご飯で包んで、その上に海苔を巻く感じですわ。
1つ目・・・・2つ目・・・・3つ目・・・・
ほぼ同時に効果が出てくれないと困るので監視者さんのところまで
それぞれを火が起こした小さな気流を使って漂わせます。
(もうちょっと・・左かな・・・)
微調整も大変ですわね。ですが、監視している方は気配を感じさせないように
出来るだけ動かずにいてくれるので纏わりつかせるのは簡単だわ。
(よし・・イケる!)
わたくしは、右手で細い木の枝を指に互い違いになるように握り、
左手で、パチンと指を鳴らすのと同時に枝を折りましたわ。
指を鳴らすとミスト状になった水に粉末が溶けて軽めの霧のように
降り注ぐのですわ。
パチン!(ポキン)
「飽和水蒸気圧解放!」
まだ動けませんわ。ちゃんと確認をしないとね・・・。
3分・・・・5分・・・試しに寝返りをしてみましょう。ゴロン・・。
動きはありませんわね。
監視者がついてから一番強い魔力で探ってみましょう。
あ、通常よりは微力ですわよ?おまじない程度からお賽銭を入れてガラガラ程度の
差だと思ってくださいませね。
「いい夢見ろよ~♪」
どうやら、完全に寝てはいないけれど、うつらうつらな感じのようですわ。
これなら、このシーツに20分ほどで消えるわたくしの気配を
移り香のように残しておいて、ゆっくり遠ざかれば良さそうですわ。
「ここにいるよぉ~♪」
シーツに擬態魔法を緩くかけて、低く屈んでゆっくりと離れましょう。
あれは焚火の火かな?っと思う距離まで離れる事が出来ましたわ。
さて、ここからはお楽しみターイム!
夜行性の動物や魔獣を狩りまくるわよ!
「8時ちょうどのぉ~あずさ2号ぉぉ」
おぉぉ~流石、兄弟のパワーは違うわね!ビシバシ狩れるわ!
ほらあそこに、ブラックオークまでいるじゃないの!
ぬぉぉ!グレープフォックスもあんなところに!
しかもトリックマウスを狙ってるんだわ!
これは・・どれか1つを狙うと2つは逃げちゃうわね・・
ならばとっておきの・・
「メンタンピンドラドラ三色同順一盃口 てやぁぁ!」
水魔法で槍を形成しながら、3方面に風魔法で分裂させて展開させる
わたくしのとっておき!
ふぅ~・・・久しぶりの魔法はやっぱ、いいわぁ~
一気に収納魔法で蓄えたから1か月はお肉に困らないわ。
っと・・そこにクライゴウト発見!
できれば・・生け捕りにしたいわ。ミルクが欲しいのよ!
ですが、クライゴウトは警戒心が強くて逃げ足が速い!
ならば・・・秘策を展開しましょう!
「スパイダーネットワーク」
上空に蜘蛛の巣状になった束縛魔法でガバっとかぶせる方法ですわよ!
バサッ
イケたか??・・・そぉーっと近づく・・・いる!いるわ!やった!
そうやって明け方まで狩り続ける事7時間。いい加減に疲れましたわ。
収納魔法の収納庫もパンパンに近い状態。食べきれるかしら?
何よりもクライゴウトを生け捕りに出来たわたくし・・・失念しておりましたわ。
「ヤバッ!そろそろ戻らないと!」
モルヒネで眠りに誘導したと言っても、さすがに7時間を超えたら
間違いなく起きていますわ!
わたくしは、来た道を風魔法をつかって全力疾走!!
***********************************************
そのころ・・・野宿をするために焚火やシーツDEテントを張った付近では・・
「奥様がいない!」
「なんだと!お前たち、まさか寝ていたんじゃないだろうな!」
「(まずい・・)いえっ!寝ておりませんッ!」
「シーツはもう冷え切っている!焚火は・・・燻っているな」
「付近の捜索は第二班!半径1キロ圏内を第1班で捜索しろ!」
「了解!」
あっちゃぁ・・・マズいわ。
大捜索が始まってしまいましたわ・・・
応援ありがとうございます!
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