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大きなペンフレンド
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巨大な成長しすぎたグリズリーのようなシンザン。
これでも15歳だそうです。
「10歳くらいからグングン背が伸びてな。朝起きたらパジャマの袖が取れなかった事もあるんだ」
「まぁ、そんなに?」
「だから今はだいぶん良くなったけど2年前なんか成長痛っていうのか、関節が痛いって唸ってたよ」
「というか、あんた達兄弟って大きくなりすぎよ」
「そりゃすまんな。だがどうしようもないからな」
確かに体重はドカンと増えたらダイエットなども出来ますが、伸びていく身長を止めるのは難しいですね。
シンザンは噴水のわきにあるベンチに寝かせようと思いましたが余りの巨漢ですのですべてが規格外。
体も半分は飛び出してますし、足も地面に膝を折らねばなりません。
座らせようとしましたが、そのままベンチが後ろにひっくり返りそうになったので仕方なく木陰のある芝生で寝かせています。
クリスティナは帽子を脱いでゆっくりと風をシンザンに送っていますね。
「うぅぅっ…」
「起きたか?ホントに困ったやつだな」
「えっ?えぇぇぇっ?ケイ姉ちゃん??」
「あんた、起きたんだから飴買ってきなさいよ」
「飴?なんで?」
「何でって…あんたがわたくしの可愛いクリスティナの飴をダメにしたでしょう!」
えっ?っとクリスティナの方を向くシンザン。
クリスティナと目が合うと、また真っ赤になって下を向きます。
「大丈夫ですか?」
近寄ろうとするクリスティナを手で制して止めています。
「でも、顔が真っ赤…お医者様に行った方がいいわ」
その様子を見てエドワードは腹を抱えて大笑いしています。
「クリスティナ。この子はシンザンって言うの。あっちで馬鹿笑いしてるのはシンザンの兄でエドワード。わたくしの母方の従兄弟なの」
「そうでしたか。こんにちはシンザン様、クリスティナと言います」
ブッ‥‥
今度はシンザン、鼻を押さえていますが、指の間から鼻血がボトボトと落ちます。
「たっ大変!シンザン様、これをお使いくださいまし」
慌ててポケットから差し出すハンカチにフルフルと首をふるシンザンですが、クリスティナに鼻を押さえている手に手を添えられるとまた固まってしまいます。
「やっと不肖の弟にも春が来たって感じ?」
「やっとかぁ…いやでもわかりやすいって凄いわねぇ」
「なんかさ、パシューンって音聞こえなかった?」
「聞こえた、聞こえた。わたくし空耳かと思ったけどあれって」
「きっとそうだ(よ)!」
<<恋に落ちる音!!>>
その後は遠慮の塊になったシンザンですが、顔の赤さと鼻血でなんとクリスティナの膝枕で横なる事に。
心臓が止まるんじゃないですかね。
☆~☆~☆~☆
「あれ?お嬢ちゃん、今度は彼氏とかい?」
「いっいいえ…この方はお義姉様の…」
「悪いか?手ぇだすなよ」
「えっ??」
「オヤジ、さっき作った飴、もう一回作ってくれよ」
「高くつくぜぇ‥‥口止め料込みで300万だ」
「アホか、300ベリルだろ!ほら!千ベリル!」
「い、いいんですわ。わたくし出します」
「ほいっ。今度は葉っぱ付だぜ。ほいよ。おつりの700万ベリルだ」
シンザンは真っ赤になりながらもクリスティナの手を握り歩き出します。
「あ、あの。シンザン様、ありがとうございます」
「いいんだ。わ、悪かったな。手は何ともないか?」
「手?」
ふと飴を持っている手と繋がれた手を見るクリスティナ。
思わず、男性と手を繋いでいるという事に、ボンっと顔が赤くなってしまいます。
「あの…手が…」
「やっぱり痛かったか?医者に行くか?」
「いえ、その‥‥男性と手を繋ぐのはお父様とお兄様以外は初めて・・・で・・・」
「えっ?‥‥ってうわっ!ご、ごめん!違うんだ、その…手が当たって…怪我でもしてないかと」
「大丈夫ですわ。飴はダメでしたけど…」
「そっか…だ、大丈夫だったら…いいんだ」
☆~☆~☆~☆
「そうか‥‥王立女学院にいくのか。お嬢様なんだな」
「ちっ違いますわ」
「あのさ‥‥えーっと…あの…」
「なんですの?」
「ケっケイ姉ちゃん、元気かな?」
「えぇ…だってそこで座っておられますよ?」
「だっだよな。アハハ」
パっと放した手でしたが、人混みから抜けるのに無意識なのかまた手を取るシンザン。
そのまま芝生に戻ってきましたが、テンパっているのかつないだ手を離していませんね。
「シンザン様はどこに行かれますの?学園?」
「俺?俺は‥‥学園には行かないよ。次男だからな。16になったら傭兵団に入って辺境を守るんだ」
「そうですの…」
「どうした?やっぱ変?」
「いえ、辺境の守りは重要ですし、凄いと思いますわ」
「あのさ‥‥俺、字は下手なんだけど手紙書いていいかな」
「えぇ勿論!わたくしもお返事書きますわ」
ちょっとだけ甘酸っぱいですねぇ。
この後は、また夜通し走りケイティの領に着いた後、3日過ごしてとんぼ返りです。
だけど、屋敷に帰って4日後ケイティが手紙を持ってきましたよ。
うっかり者のシンザン。住所が判らずケイティに送ったようですね。
内容が気になるのは父、兄2人。
ですが、妻と婚約者にガッチリガードされたクリスティナの嬉しそうな様子にモヤモヤしながらも温かく見守ります。
これでも15歳だそうです。
「10歳くらいからグングン背が伸びてな。朝起きたらパジャマの袖が取れなかった事もあるんだ」
「まぁ、そんなに?」
「だから今はだいぶん良くなったけど2年前なんか成長痛っていうのか、関節が痛いって唸ってたよ」
「というか、あんた達兄弟って大きくなりすぎよ」
「そりゃすまんな。だがどうしようもないからな」
確かに体重はドカンと増えたらダイエットなども出来ますが、伸びていく身長を止めるのは難しいですね。
シンザンは噴水のわきにあるベンチに寝かせようと思いましたが余りの巨漢ですのですべてが規格外。
体も半分は飛び出してますし、足も地面に膝を折らねばなりません。
座らせようとしましたが、そのままベンチが後ろにひっくり返りそうになったので仕方なく木陰のある芝生で寝かせています。
クリスティナは帽子を脱いでゆっくりと風をシンザンに送っていますね。
「うぅぅっ…」
「起きたか?ホントに困ったやつだな」
「えっ?えぇぇぇっ?ケイ姉ちゃん??」
「あんた、起きたんだから飴買ってきなさいよ」
「飴?なんで?」
「何でって…あんたがわたくしの可愛いクリスティナの飴をダメにしたでしょう!」
えっ?っとクリスティナの方を向くシンザン。
クリスティナと目が合うと、また真っ赤になって下を向きます。
「大丈夫ですか?」
近寄ろうとするクリスティナを手で制して止めています。
「でも、顔が真っ赤…お医者様に行った方がいいわ」
その様子を見てエドワードは腹を抱えて大笑いしています。
「クリスティナ。この子はシンザンって言うの。あっちで馬鹿笑いしてるのはシンザンの兄でエドワード。わたくしの母方の従兄弟なの」
「そうでしたか。こんにちはシンザン様、クリスティナと言います」
ブッ‥‥
今度はシンザン、鼻を押さえていますが、指の間から鼻血がボトボトと落ちます。
「たっ大変!シンザン様、これをお使いくださいまし」
慌ててポケットから差し出すハンカチにフルフルと首をふるシンザンですが、クリスティナに鼻を押さえている手に手を添えられるとまた固まってしまいます。
「やっと不肖の弟にも春が来たって感じ?」
「やっとかぁ…いやでもわかりやすいって凄いわねぇ」
「なんかさ、パシューンって音聞こえなかった?」
「聞こえた、聞こえた。わたくし空耳かと思ったけどあれって」
「きっとそうだ(よ)!」
<<恋に落ちる音!!>>
その後は遠慮の塊になったシンザンですが、顔の赤さと鼻血でなんとクリスティナの膝枕で横なる事に。
心臓が止まるんじゃないですかね。
☆~☆~☆~☆
「あれ?お嬢ちゃん、今度は彼氏とかい?」
「いっいいえ…この方はお義姉様の…」
「悪いか?手ぇだすなよ」
「えっ??」
「オヤジ、さっき作った飴、もう一回作ってくれよ」
「高くつくぜぇ‥‥口止め料込みで300万だ」
「アホか、300ベリルだろ!ほら!千ベリル!」
「い、いいんですわ。わたくし出します」
「ほいっ。今度は葉っぱ付だぜ。ほいよ。おつりの700万ベリルだ」
シンザンは真っ赤になりながらもクリスティナの手を握り歩き出します。
「あ、あの。シンザン様、ありがとうございます」
「いいんだ。わ、悪かったな。手は何ともないか?」
「手?」
ふと飴を持っている手と繋がれた手を見るクリスティナ。
思わず、男性と手を繋いでいるという事に、ボンっと顔が赤くなってしまいます。
「あの…手が…」
「やっぱり痛かったか?医者に行くか?」
「いえ、その‥‥男性と手を繋ぐのはお父様とお兄様以外は初めて・・・で・・・」
「えっ?‥‥ってうわっ!ご、ごめん!違うんだ、その…手が当たって…怪我でもしてないかと」
「大丈夫ですわ。飴はダメでしたけど…」
「そっか…だ、大丈夫だったら…いいんだ」
☆~☆~☆~☆
「そうか‥‥王立女学院にいくのか。お嬢様なんだな」
「ちっ違いますわ」
「あのさ‥‥えーっと…あの…」
「なんですの?」
「ケっケイ姉ちゃん、元気かな?」
「えぇ…だってそこで座っておられますよ?」
「だっだよな。アハハ」
パっと放した手でしたが、人混みから抜けるのに無意識なのかまた手を取るシンザン。
そのまま芝生に戻ってきましたが、テンパっているのかつないだ手を離していませんね。
「シンザン様はどこに行かれますの?学園?」
「俺?俺は‥‥学園には行かないよ。次男だからな。16になったら傭兵団に入って辺境を守るんだ」
「そうですの…」
「どうした?やっぱ変?」
「いえ、辺境の守りは重要ですし、凄いと思いますわ」
「あのさ‥‥俺、字は下手なんだけど手紙書いていいかな」
「えぇ勿論!わたくしもお返事書きますわ」
ちょっとだけ甘酸っぱいですねぇ。
この後は、また夜通し走りケイティの領に着いた後、3日過ごしてとんぼ返りです。
だけど、屋敷に帰って4日後ケイティが手紙を持ってきましたよ。
うっかり者のシンザン。住所が判らずケイティに送ったようですね。
内容が気になるのは父、兄2人。
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