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第13話 両手で受け取る離縁書
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息を切らして駆けて帰宅をすると怒号が響く屋敷…う~んカオスぅ。
(おぉ~怒ってる。怒ってるぅ♡)
これは一気に10枚くらい離縁書を発行してくれるかしら?期待で胸がドッキドキ。
逸る気持ちを押さえて呼んでいると言うのなら馳せ参じましょう。
ノックの後、「入れ」と聞こえたのでガチャリと扉を開けてみれば期待を裏切らない怒りっぷり。
「何処に行ってたんだ!」
「市井ですが?」
「私に何も言わずにか」
「以前は何処何処に出掛けると言えばそんな報告は不要と言われた記憶が御座いますし、私は伯爵様が何処で、誰と、何をするために会いに行くのか。聞いたことも御座いませんが?」
そう言うと「うっ」何故か胸を押さえてブレン伯爵は黙ってしまったんですけど、胸や背中が痛む時は医師に診てもらったほうがいいですよ~と心で忠告してみる。
「怒らないであげてよ。奥様だって忙しいのよ?」
リオーナさんが援護射撃をしてくれる。
やっぱり女主人の座っていう究極の賄賂を贈ると私への当たりが違うわね。
「お前は黙っていろ」
「どうしてぇ?リューが怒ると奥様、泣いちゃうかもだしぃ」
「黙れと言っている。それに何でお前はまだここに居るんだ!」
「なんでって。私はリューといつも一緒だし?」
(よく言った!もっと言ってやって!)
リオーナさんには申し訳ないけど、心の声で大声援を送ってみる。
ごめんね?聞こえる声じゃなくて。
「退け!」
「きゃぁっ!」
あらあら。
真実の愛のお相手をそんな乱暴に。
女の子を突き飛ばすなんて男の風上にも置けないクズね。
もっと大事にガラス細工を扱うようにしなきゃ嫌われちゃうよ?
(ブレン伯爵がリオーナさんに嫌われようが次は直ぐ見つかるでしょうけどね)
ハッキリ言って目の前のブレン伯爵は私から見ればただの「イキったオッサン」にしか見えない。
よくいるじゃない?
飲食店とかで店員さんには至極強気な物言いをする人。
見た目と実年齢23歳でも中身は15歳な私には残念な人にしか思えないのよね。
本当になんでこんな男に一発張り手でもカマしてやらなかったのか。
飛んでしまった記憶時代の自分に喝を入れてやりたい気分だわ。
(そんな事より、出すもの出してくれないかな)
大いなる期待をしていると…。
バンっ!!
「ビビアン。何度言ったら判る。離縁状は遊びで出しているんじゃない。君の行いを見直して欲しいから面倒でも都度出しているんだ」
(はいはい!ありがとうございますぅ♡)
「あまりにも目に余るようなら私も考えを改めねばならないぞ?他人の我慢の限界を知りたいのか?」
(貴方の限界なんかどうでもいいです。はよ!それください!)
「正直に言うんだ。何処に行っていた。会っていた男は誰だ」
「男?」
世の中の半分は男だけど?
もしかしてジョシュアさんに弟子入りしたことが気に食わない?
でも、自分の知らない物事は誰かに師事する事で学べるんじゃないの?
男性の師匠がダメだと言うのならこの世のほとんどは否定をされてしまうわよ?
だって王宮の御用学者に女性はいないし…
「何を期待されているか存じ上げませんが、後ろめたい事は何もしておりません」
「なら正直に言えるはずだろう?」
「会っていたのが男性と決めつけて問う。そこに疑問を覚えます。何を邪推されているのです?出かけた先は落ち穂事業に関係する場。いい加減赤字を叩き出しているのです。収支の変動がないこの時期に販路拡大、商品開発改良に動くのは当たり前だと考えますが」
「御託は良い。いいか?私の目を盗んで好き勝手をする事は許さん」
「許す、許さないの話をするのなら落ち穂事業は辞めます。もっと他に実入りのある事業を手掛けたいと思いますわ」
「そんな事を言ってるんじゃない。いいか?君は伯爵夫人なんだ。私の妻なんだぞ」
(はいはい。今はね。もうすぐ交代だけど)
どうでもいいから机に叩きつけた書類をくださいな。
じぃぃっと離縁書を見つめると何故か「フフン」と鼻で笑ったブレン伯爵は書類を鷲掴みにして突きつけてきた。
(あ~もう。皴になっちゃったじゃない)
「この離縁状が効力を発揮しない事を願え。毎日これを見て自身で反省をしろ」
(いえいえ。もう頂けるだけで効力発揮!ありがとうございますぅ)
畏れ多いと両手で受け取れば満面の笑みを浮かべるブレン伯爵。
でも安心して?殊勝な顔をして受け取る私だけど、心ではその笑み以上に破顔してるから。
(おぉ~怒ってる。怒ってるぅ♡)
これは一気に10枚くらい離縁書を発行してくれるかしら?期待で胸がドッキドキ。
逸る気持ちを押さえて呼んでいると言うのなら馳せ参じましょう。
ノックの後、「入れ」と聞こえたのでガチャリと扉を開けてみれば期待を裏切らない怒りっぷり。
「何処に行ってたんだ!」
「市井ですが?」
「私に何も言わずにか」
「以前は何処何処に出掛けると言えばそんな報告は不要と言われた記憶が御座いますし、私は伯爵様が何処で、誰と、何をするために会いに行くのか。聞いたことも御座いませんが?」
そう言うと「うっ」何故か胸を押さえてブレン伯爵は黙ってしまったんですけど、胸や背中が痛む時は医師に診てもらったほうがいいですよ~と心で忠告してみる。
「怒らないであげてよ。奥様だって忙しいのよ?」
リオーナさんが援護射撃をしてくれる。
やっぱり女主人の座っていう究極の賄賂を贈ると私への当たりが違うわね。
「お前は黙っていろ」
「どうしてぇ?リューが怒ると奥様、泣いちゃうかもだしぃ」
「黙れと言っている。それに何でお前はまだここに居るんだ!」
「なんでって。私はリューといつも一緒だし?」
(よく言った!もっと言ってやって!)
リオーナさんには申し訳ないけど、心の声で大声援を送ってみる。
ごめんね?聞こえる声じゃなくて。
「退け!」
「きゃぁっ!」
あらあら。
真実の愛のお相手をそんな乱暴に。
女の子を突き飛ばすなんて男の風上にも置けないクズね。
もっと大事にガラス細工を扱うようにしなきゃ嫌われちゃうよ?
(ブレン伯爵がリオーナさんに嫌われようが次は直ぐ見つかるでしょうけどね)
ハッキリ言って目の前のブレン伯爵は私から見ればただの「イキったオッサン」にしか見えない。
よくいるじゃない?
飲食店とかで店員さんには至極強気な物言いをする人。
見た目と実年齢23歳でも中身は15歳な私には残念な人にしか思えないのよね。
本当になんでこんな男に一発張り手でもカマしてやらなかったのか。
飛んでしまった記憶時代の自分に喝を入れてやりたい気分だわ。
(そんな事より、出すもの出してくれないかな)
大いなる期待をしていると…。
バンっ!!
「ビビアン。何度言ったら判る。離縁状は遊びで出しているんじゃない。君の行いを見直して欲しいから面倒でも都度出しているんだ」
(はいはい!ありがとうございますぅ♡)
「あまりにも目に余るようなら私も考えを改めねばならないぞ?他人の我慢の限界を知りたいのか?」
(貴方の限界なんかどうでもいいです。はよ!それください!)
「正直に言うんだ。何処に行っていた。会っていた男は誰だ」
「男?」
世の中の半分は男だけど?
もしかしてジョシュアさんに弟子入りしたことが気に食わない?
でも、自分の知らない物事は誰かに師事する事で学べるんじゃないの?
男性の師匠がダメだと言うのならこの世のほとんどは否定をされてしまうわよ?
だって王宮の御用学者に女性はいないし…
「何を期待されているか存じ上げませんが、後ろめたい事は何もしておりません」
「なら正直に言えるはずだろう?」
「会っていたのが男性と決めつけて問う。そこに疑問を覚えます。何を邪推されているのです?出かけた先は落ち穂事業に関係する場。いい加減赤字を叩き出しているのです。収支の変動がないこの時期に販路拡大、商品開発改良に動くのは当たり前だと考えますが」
「御託は良い。いいか?私の目を盗んで好き勝手をする事は許さん」
「許す、許さないの話をするのなら落ち穂事業は辞めます。もっと他に実入りのある事業を手掛けたいと思いますわ」
「そんな事を言ってるんじゃない。いいか?君は伯爵夫人なんだ。私の妻なんだぞ」
(はいはい。今はね。もうすぐ交代だけど)
どうでもいいから机に叩きつけた書類をくださいな。
じぃぃっと離縁書を見つめると何故か「フフン」と鼻で笑ったブレン伯爵は書類を鷲掴みにして突きつけてきた。
(あ~もう。皴になっちゃったじゃない)
「この離縁状が効力を発揮しない事を願え。毎日これを見て自身で反省をしろ」
(いえいえ。もう頂けるだけで効力発揮!ありがとうございますぅ)
畏れ多いと両手で受け取れば満面の笑みを浮かべるブレン伯爵。
でも安心して?殊勝な顔をして受け取る私だけど、心ではその笑み以上に破顔してるから。
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