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第08話 愛でた事はあっても
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今の気分は?と聞かれれば涙目になってフルフルと首を横に振るのが精一杯。
何故かと言えばファルグレイドの馬車は型式が古すぎて買った当時ですら中古。今となれば骨董品のような馬車で信じられない事に揺れを削減するサスペンションが付いていないのだ。
おまけに馬も元々は競走馬で13年間で無勝だが出走料だけは国内で最高回数を誇る現在18歳の人間の年齢で言えばもう50代を過ぎた馬。
「どうしてそんな馬を?」
「安かったし馬肉になるのは可哀想だろう?」
確かにもう競走馬としては走れないし、種馬とするには大穴狙いの客の為にいたような馬なのでタダ同然。金のないベージェ家ではそんな馬でも畑を耕すのに現役で活躍をしている。
「そうなんですか。では結構馬の数が多いんですね」
「そうだなぁ人間が今、866人なんだけど馬は120頭くらいかな。一番若い馬が今、馬車を引いてる馬だよ」
「え・・・」
――本当に安い馬しか持っていないって事なのね――
「あぁでも安心して欲しい。昨年1頭生まれたのがいるから領内の移動は君専用で使うと良いよ」
「え?ですが一番若い馬は今馬車を引いてると?」
「そうだよ。去年生まれたのはデスホースっていう魔獣馬なんだ」
「まっ魔獣?!そんなの危険でしょう?」
「そう思うだろう?生まれた時から飼っているとそうでもないんだ。実は魔獣馬にはいくつか種類があるんだけどモノセロスとか聞いたことあるだろう?」
ルツィエの中には御伽噺に出てくる魔獣と言うよりは一角獣で聖獣の扱いだった気もする。あまりお伽話は好きではなかったのでもっと読んでいれば良かったと思ったのもつかの間だった。
「モノセロスの肉は美味いんだよ。なんて言うか…柔らかくて桜の木の枝とかで燻製にすると香りも付いてさらに旨くなる。角が生えてるんだけど角は毒を無毒化したりもするんだ。でも出会っても一目散に逃げたりしちゃダメだ」
――確かお伽話でも獰猛だと聞くわね。私、処女じゃないし。でも食べるんだ。そっか、食べるんだ――
「クマやイノシシと一緒だから動く物には襲ってくる。よく処女だったら…とか言われてるけど動物にそんなの判るわけない。出会ったら石像のようになって動かずにやり過ごすんだ」
「そうだったんですね…直ぐにいなくなるのかしら」
「4、5時間でいなくなるよ。だからポーズには注意をしないと下手に手をあげたりしてると最悪だ」
「しっ4、5時間?!」
「そ。で、君専用のデスホースっていうのは尻尾が炎になってるからそこだけ気を付ければ普通の馬と同じだよ。ただね…尻尾が燃え盛ってるから鞍がつけられないんだ。燃えちゃうからね」
――それって私も燃えちゃうんじゃないの?――
それにしてもデスホースと発する時に、どうやら手振りで乗り方を指南しているようだが奇妙な動きが気になる。
「あの‥ハミとかもないってことですよね?」
「つけようと思えばつけられるけど、何でも食べるからハミも食べちゃうんだ。でも背中の鬣の切れ目に角が2本あるからそこを握ればいい。デスホースの性感帯になってるみたいで結構言う事をきくんだ」
聞けば、調教をする際に廃屋となった家屋は数棟火災で焼失したらしい。
成長したデスホースは駆除の対象になっているそうだが、それが山火事の原因にもなっているので本末転倒だろう。
――是非遠慮したいわ…想像するだけで怖すぎる――
領内の移動は徒歩に限る。ルツィエはそっと心に誓った。
「ところで兄に宛てた報告書を拝見いたしました。色々な植物もあるようですわね」
「クレセル、読んでくれてたんだ。そうなんだ!あるにはあるんだけど、食えないし売れないんだよ。これをね~なんとか出来れば特産物になるんだけどどうにもならなくてさ」
――取り敢えずは食べてるんだわ――
ただ、ファルグレイドはとても嬉しそうに話をする。
報告書にあったヘルゴウトも見た目の悪いヤギかと思えばこれも魔獣で驚かせたり、虐めたりすると全身がハリネズミのようにトゲトゲになり、グッサリと突き刺さるという。
「ほら、捕まえようとしてさ、貫通したんだ」
腕まくりをしたファルグレイドの腕は手首から肘にかけて傷だらけ。貫通したというように逆側にも傷跡が残っていた。
「取り敢えず毒もあるから1週間くらい熱出ちゃってさ。その間に畑仕事は出来ないしホント、捕まえる時は注意をしないとなーって思うんだけど、ヘルゴウトの乳で作ったチーズは絶品なんだ」
――もしかして、そうまでする原動力は食欲?――
「安心して。君の食事はまぁ…出来るだけ王都にいる時と同じ物を提供することにするから」
「いえ、皆さんと同じ物で構いませんよ?」
「いやいや…多分無理だよ。クレセルも無理って絶対食べなかったし」
――いったい何を食べているというの?――
恵まれた生活をしていれば飢えとは無縁。ルツィエはそんな感覚の違いをベージェ伯爵領に近づけば近づくほどにルツィエは目の当たりにする事になった。
食べることがどれだけ有難い事なのか。
ベージェ伯爵家は貧乏の中でもキング・オブ・貧乏。
道中、野営をする時ファルグレイドと執事は野草や時に岩をそのまま食べていた。ルツィエの為だけに日を追うごとに萎びていく野菜を調理してくれる。
なんとも居たたまれず岩は流石に食べることは出来なかったが、よく見ればファルグレイドも執事も食べているのではなく舐めているのだと判った。
――郷にいては郷に従えだわ――
そう思い、口に含んでみると土臭いのは仕方がないがその中に塩気を感じた。
「これ…岩塩を含んでいるんだわ」
「塩気は大事なんだよ。シオカラ草があればいいんだけどないからさ。あ、ヤマツバキとって来た。舐めてみるかい?」
花は愛でた事はあっても食べたことはない。
砂糖漬けにした菫の花びらはルツィエには砂糖の味しかしなくて好きではなかった。しかしヤマツバキの花の付け根を舐めてみると…。
「甘い!?甘いわ」
「ちょっとしかないけど、旨いだろ?で…こうやって…」
ファルグレイドはルツィエが蜜を舐めた後の花びらを取り除くと芯になった雌蕊をパクリと食べた。
「え?…(食べちゃった?舐めたのに?)」
「大人の味だから君にはまだ早い‥‥うわっ!!ごめんっ」
食べ物を無駄にしない。それは解るのだがルツィエはまさか食べるとは思わなかった。もしかすると雌蕊の部分は自分の唇にも触れていない部分かも知れない。そう思っても頬が火照ってしまう。
ファルグレイドも女性の食べた後なのにすっかり忘れてしまっていつものように雌蕊の食感を楽しんだだけなのだが、無意識にしてしまった行動に耳まで顔を赤くした。
「待て。そこで顔を赤くするな。反省してるんだ。いつもより甘いなと思ったけ―――違う!決して変な意味じゃなくっ!!」
――それ以上言わないで!!――
傍から見ればじゃれ合っている様にしか見えない。
そんな2人から距離を置いた執事オスパルは焚火の中に枝を放り込んだ。
パチッ!!放り込んだ枝の皮が熱で弾けるとポツリと呟いた。
「旦那様、その甘さ。忘れちゃダメっすよ」
何故かと言えばファルグレイドの馬車は型式が古すぎて買った当時ですら中古。今となれば骨董品のような馬車で信じられない事に揺れを削減するサスペンションが付いていないのだ。
おまけに馬も元々は競走馬で13年間で無勝だが出走料だけは国内で最高回数を誇る現在18歳の人間の年齢で言えばもう50代を過ぎた馬。
「どうしてそんな馬を?」
「安かったし馬肉になるのは可哀想だろう?」
確かにもう競走馬としては走れないし、種馬とするには大穴狙いの客の為にいたような馬なのでタダ同然。金のないベージェ家ではそんな馬でも畑を耕すのに現役で活躍をしている。
「そうなんですか。では結構馬の数が多いんですね」
「そうだなぁ人間が今、866人なんだけど馬は120頭くらいかな。一番若い馬が今、馬車を引いてる馬だよ」
「え・・・」
――本当に安い馬しか持っていないって事なのね――
「あぁでも安心して欲しい。昨年1頭生まれたのがいるから領内の移動は君専用で使うと良いよ」
「え?ですが一番若い馬は今馬車を引いてると?」
「そうだよ。去年生まれたのはデスホースっていう魔獣馬なんだ」
「まっ魔獣?!そんなの危険でしょう?」
「そう思うだろう?生まれた時から飼っているとそうでもないんだ。実は魔獣馬にはいくつか種類があるんだけどモノセロスとか聞いたことあるだろう?」
ルツィエの中には御伽噺に出てくる魔獣と言うよりは一角獣で聖獣の扱いだった気もする。あまりお伽話は好きではなかったのでもっと読んでいれば良かったと思ったのもつかの間だった。
「モノセロスの肉は美味いんだよ。なんて言うか…柔らかくて桜の木の枝とかで燻製にすると香りも付いてさらに旨くなる。角が生えてるんだけど角は毒を無毒化したりもするんだ。でも出会っても一目散に逃げたりしちゃダメだ」
――確かお伽話でも獰猛だと聞くわね。私、処女じゃないし。でも食べるんだ。そっか、食べるんだ――
「クマやイノシシと一緒だから動く物には襲ってくる。よく処女だったら…とか言われてるけど動物にそんなの判るわけない。出会ったら石像のようになって動かずにやり過ごすんだ」
「そうだったんですね…直ぐにいなくなるのかしら」
「4、5時間でいなくなるよ。だからポーズには注意をしないと下手に手をあげたりしてると最悪だ」
「しっ4、5時間?!」
「そ。で、君専用のデスホースっていうのは尻尾が炎になってるからそこだけ気を付ければ普通の馬と同じだよ。ただね…尻尾が燃え盛ってるから鞍がつけられないんだ。燃えちゃうからね」
――それって私も燃えちゃうんじゃないの?――
それにしてもデスホースと発する時に、どうやら手振りで乗り方を指南しているようだが奇妙な動きが気になる。
「あの‥ハミとかもないってことですよね?」
「つけようと思えばつけられるけど、何でも食べるからハミも食べちゃうんだ。でも背中の鬣の切れ目に角が2本あるからそこを握ればいい。デスホースの性感帯になってるみたいで結構言う事をきくんだ」
聞けば、調教をする際に廃屋となった家屋は数棟火災で焼失したらしい。
成長したデスホースは駆除の対象になっているそうだが、それが山火事の原因にもなっているので本末転倒だろう。
――是非遠慮したいわ…想像するだけで怖すぎる――
領内の移動は徒歩に限る。ルツィエはそっと心に誓った。
「ところで兄に宛てた報告書を拝見いたしました。色々な植物もあるようですわね」
「クレセル、読んでくれてたんだ。そうなんだ!あるにはあるんだけど、食えないし売れないんだよ。これをね~なんとか出来れば特産物になるんだけどどうにもならなくてさ」
――取り敢えずは食べてるんだわ――
ただ、ファルグレイドはとても嬉しそうに話をする。
報告書にあったヘルゴウトも見た目の悪いヤギかと思えばこれも魔獣で驚かせたり、虐めたりすると全身がハリネズミのようにトゲトゲになり、グッサリと突き刺さるという。
「ほら、捕まえようとしてさ、貫通したんだ」
腕まくりをしたファルグレイドの腕は手首から肘にかけて傷だらけ。貫通したというように逆側にも傷跡が残っていた。
「取り敢えず毒もあるから1週間くらい熱出ちゃってさ。その間に畑仕事は出来ないしホント、捕まえる時は注意をしないとなーって思うんだけど、ヘルゴウトの乳で作ったチーズは絶品なんだ」
――もしかして、そうまでする原動力は食欲?――
「安心して。君の食事はまぁ…出来るだけ王都にいる時と同じ物を提供することにするから」
「いえ、皆さんと同じ物で構いませんよ?」
「いやいや…多分無理だよ。クレセルも無理って絶対食べなかったし」
――いったい何を食べているというの?――
恵まれた生活をしていれば飢えとは無縁。ルツィエはそんな感覚の違いをベージェ伯爵領に近づけば近づくほどにルツィエは目の当たりにする事になった。
食べることがどれだけ有難い事なのか。
ベージェ伯爵家は貧乏の中でもキング・オブ・貧乏。
道中、野営をする時ファルグレイドと執事は野草や時に岩をそのまま食べていた。ルツィエの為だけに日を追うごとに萎びていく野菜を調理してくれる。
なんとも居たたまれず岩は流石に食べることは出来なかったが、よく見ればファルグレイドも執事も食べているのではなく舐めているのだと判った。
――郷にいては郷に従えだわ――
そう思い、口に含んでみると土臭いのは仕方がないがその中に塩気を感じた。
「これ…岩塩を含んでいるんだわ」
「塩気は大事なんだよ。シオカラ草があればいいんだけどないからさ。あ、ヤマツバキとって来た。舐めてみるかい?」
花は愛でた事はあっても食べたことはない。
砂糖漬けにした菫の花びらはルツィエには砂糖の味しかしなくて好きではなかった。しかしヤマツバキの花の付け根を舐めてみると…。
「甘い!?甘いわ」
「ちょっとしかないけど、旨いだろ?で…こうやって…」
ファルグレイドはルツィエが蜜を舐めた後の花びらを取り除くと芯になった雌蕊をパクリと食べた。
「え?…(食べちゃった?舐めたのに?)」
「大人の味だから君にはまだ早い‥‥うわっ!!ごめんっ」
食べ物を無駄にしない。それは解るのだがルツィエはまさか食べるとは思わなかった。もしかすると雌蕊の部分は自分の唇にも触れていない部分かも知れない。そう思っても頬が火照ってしまう。
ファルグレイドも女性の食べた後なのにすっかり忘れてしまっていつものように雌蕊の食感を楽しんだだけなのだが、無意識にしてしまった行動に耳まで顔を赤くした。
「待て。そこで顔を赤くするな。反省してるんだ。いつもより甘いなと思ったけ―――違う!決して変な意味じゃなくっ!!」
――それ以上言わないで!!――
傍から見ればじゃれ合っている様にしか見えない。
そんな2人から距離を置いた執事オスパルは焚火の中に枝を放り込んだ。
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