あなたが望んだ、ただそれだけ

cyaru

文字の大きさ
24 / 42

22話理由②

しおりを挟む
当時王太子には思い人がいた。

現在【被害妄想の鬼女】と呼ばれているスミルナ侯爵令嬢(エンヴィーの母)だった。
若い頃は性格を表に出す事はなく、容姿端麗で大人しい令嬢だと言われており王太子は密かに慕っていた。婚約者候補にも挙がっていたスミルナ侯爵令嬢(エンヴィーの母)が残れば良かったかも知れないが娘同様早々に脱落したのだ。


婚約者として選ばれたと伯爵家にはもう通達が行っており引き返せなかったが、スミルナ侯爵令嬢(エンヴィーの母)を思うあまり現国王(当時王太子)は婚姻後3年間子作りを一切しなかった。


イデオットを懐妊したのは、その前の年、スミルナ侯爵令嬢(エンヴィーの母)が結婚をしたからである。諦めが付いたのかやっと世継ぎを作る事を始めたがイデオットとエンヴィーが2週間違いで生まれたのも今となっては原因の一つである。


思いに諦めはついたと言っても過去に憧れた女性である。
事もあろうか国王(当時王太子)はスミルナ侯爵夫人(エンヴィーの母)を乳母に望んだ。しかし当のスミルナ侯爵夫人(エンヴィーの母)が産褥で無理だと判り代わりにつけたのがその妹だった。

乳母にと付けたスミルナ侯爵夫人(エンヴィーの母)の妹は王妃を【鉱山で王妃の座を買い取った卑しい伯爵家の女】だと事あるごとに罵った。


王妃や側付き侍女から乳母交代を要請されたが、即位したばかりで忙しかった国王は【それだけの事で文句を言うな】と一蹴したのだった。


イデオットに講師をつける際も国王が乳母交代を一蹴した事から乳母であるスミルナ侯爵夫人(エンヴィーの母)の妹の発言力は大きく、王妃側の要求は何一つくみ取られなかった。
そればかりか、生母であるにも関わらず王子宮への出入りすら禁止されてしまった。


王宮での発言力が増したスミルナ侯爵夫人(エンヴィーの母)の妹はそこで躓いた。イデオットに支給される予算使い込みが発覚したのだ。
姉のスミルナ侯爵夫人(エンヴィーの母)と共に豪遊をしていた事で、取り調べを受けたがそこで本性を知った国王の初恋は砕け散った。


使い込みはスミルナ侯爵家が弁済をしたが、スミルナ侯爵家は社交界からはつま弾きにされた。
スミルナ侯爵夫人(エンヴィーの母)妊娠中から疑い深い性格が表に出始め、毎日のように夫を罵倒するようになっていた。入り婿である夫は妻の使い込みを処理したのだが、他の女に貢いでいると被害妄想を拗らせた妻は毎日その妄想を発展させて、夫に当たり散らし入り婿の夫はエンヴィーが9歳の時に心労で亡くなった。
スミルナ侯爵夫人(エンヴィーの母)はその後男爵家の男と再婚をしている。



第二子以降は乳母や講師の選定は王妃が行い、イデオットは兄弟姉妹では異質な存在になってしまった。

なんとか矯正をしようと試みたが、王子宮にはスミルナ侯爵夫人(エンヴィーの母)の妹は罷免され追放されても雇われた者はその息がかかった者ばかりでエンヴィーの王子宮への出入りを許可してしまうのだ。
エンヴィーの出入り以外は真面目な仕事ぶりの為、解雇も出来ない。
やっとそのような使用人を排除出来た時、イデオットとエンヴィーは15歳になって学園入学の年を迎えてしまったのだった。結果としてイデオットの教育に失敗したとしか言えない。

しおりを挟む
感想 248

あなたにおすすめの小説

王妃様は死にました~今さら後悔しても遅いです~

由良
恋愛
クリスティーナは四歳の頃、王子だったラファエルと婚約を結んだ。 両親が事故に遭い亡くなったあとも、国王が大病を患い隠居したときも、ラファエルはクリスティーナだけが自分の妻になるのだと言って、彼女を守ってきた。 そんなラファエルをクリスティーナは愛し、生涯を共にすると誓った。 王妃となったあとも、ただラファエルのためだけに生きていた。 ――彼が愛する女性を連れてくるまでは。

学生のうちは自由恋愛を楽しもうと彼は言った

mios
恋愛
学園を卒業したらすぐに、私は婚約者と結婚することになる。 学生の間にすることはたくさんありますのに、あろうことか、自由恋愛を楽しみたい? 良いですわ。学生のうち、と仰らなくても、今後ずっと自由にして下さって良いのですわよ。 9話で完結

白い結婚で結構ですわ。殿下より、私の自由のほうが大事ですので

鍛高譚
恋愛
「第二王子との婚約? でも殿下には平民の恋人がいるらしいんですけど? ――なら、私たち“白い結婚”で結構ですわ。お好きになさってくださいな、殿下」 自由気ままに読書とお茶を楽しむのがモットーの侯爵令嬢・ルージュ。 ある日、突然“第二王子リオネルとの政略結婚”を押しつけられてしまう。 ところが当の殿下は平民の恋人に夢中で、 「形式上の夫婦だから干渉しないでほしい」などと言い出す始末。 むしろ好都合とばかりに、ルージュは優雅な“独身気分”を満喫するはずが…… いつしか、リナという愛人と妙に仲良くなり、 彼女を巡る宮廷スキャンダルに巻き込まれ、 しまいには婚約が白紙になってしまって――!? けれどこれは、ルージュが本当の幸せを掴む始まりにすぎなかった。 自分を心から大切にしてくれる“新しい旦那様”候補が現れて、 さあ、思い切り自由に愛されましょう! ……そして、かの王子様の結末は“ざまぁ”なのか“自業自得”なのか? 自由気ままな侯爵令嬢が切り開く、 “白い結婚破談”からの痛快ざまぁ&本当の恋愛譚、はじまります。

【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~

暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」 高らかに宣言された婚約破棄の言葉。 ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。 でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか? 2021/7/18 HOTランキング1位 ありがとうございます。 2021/7/20 総合ランキング1位 ありがとうございます

【完結】旦那様、その真実の愛とお幸せに

おのまとぺ
恋愛
「真実の愛を見つけてしまった。申し訳ないが、君とは離縁したい」 結婚三年目の祝いの席で、遅れて現れた夫アントンが放った第一声。レミリアは驚きつつも笑顔を作って夫を見上げる。 「承知いたしました、旦那様。その恋全力で応援します」 「え?」 驚愕するアントンをそのままに、レミリアは宣言通りに片想いのサポートのような真似を始める。呆然とする者、訝しむ者に見守られ、迫りつつある別れの日を二人はどういった形で迎えるのか。 ◇真実の愛に目覚めた夫を支える妻の話 ◇元サヤではありません ◇全56話完結予定

『婚約破棄されたので王太子女となります。殿下より上位です』

鷹 綾
恋愛
「君は王太子妃に相応しくない」 その一言で、私は婚約を破棄されました。 理由は“真実の愛”。選ばれたのは、可憐な令嬢。 ……ええ、どうぞご自由に。 私は泣きません。縋りません。 なぜなら——王家は、私を手放せないから。 婚約は解消。 けれど家格、支持、実務能力、そして民の信頼。 失ったのは殿下の隣の席だけ。 代わりに私は、王太子女として王政補佐の任を命じられます。 最初は誰もが疑いました。 若い、女だ、感情的だ、と。 ならば証明しましょう。 怒らず、怯えず、排除せず。 反対も忠誠も受け止めながら、国を揺らさずに保つことを。 派手な革命は起こしません。 大逆転も叫びません。 ただ、静かに積み上げます。 そして気づけば—— “殿下の元婚約者”ではなく、 “揺れない王”と呼ばれるようになるのです。 これは、婚約破棄から始まる静かな逆転譚。 王冠の重みを受け入れた一人の女性が、 国を、そして自分の立場を塗り替えていく物語です。

心の傷は癒えるもの?ええ。簡単に。

しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢セラヴィは婚約者のトレッドから婚約を解消してほしいと言われた。 理由は他の女性を好きになってしまったから。 10年も婚約してきたのに、セラヴィよりもその女性を選ぶという。 意志の固いトレッドを見て、婚約解消を認めた。 ちょうど長期休暇に入ったことで学園でトレッドと顔を合わせずに済み、休暇明けまでに失恋の傷を癒しておくべきだと考えた友人ミンディーナが領地に誘ってくれた。 セラヴィと同じく婚約を解消した経験があるミンディーナの兄ライガーに話を聞いてもらっているうちに段々と心の傷は癒えていったというお話です。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

処理中です...