元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru

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愛人の行きつく先

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ガラガラと走る馬車に乗っているのはリリシア1人。

パトリックは散々にリリシアを罵った挙句、失せ物を探すため屋敷に残ったのです。

「はぁ~どうしてくれんの。何にもなくなったじゃない!」

ドレスの類は何か埋め込まれているかもしれないと全部取り上げられました。
小物類は箱の中を引っ張り出されて確認できたものは無造作に詰め込まれたのでグチャグチャ。
いっそこの馬車と馬を売ってやりたいくらいリリシアも腹を立てております。

ガタン

日も暮れているので早く先に行きたいのですが夕暮れになった事もあり宿場町で止まります。
仕方なく、御者には荷馬車の番をするように言いつけて1人宿を取り食事をはじめます。

食事をする時もアンテナを張るのを忘れないリリシア。
この先パトリックはおそらくもう取り合ってくれないとなると次のターゲットを探さないと王都に戻ったところで手持ちの資金や宝石を売っても遊ぶほどはありません。

希望は今まで以上、折れても今までと同等の生活をさせてくれそうな男を見つけねばなりませんからね。
比較的大きな宿場町なのでそれなりに金を持っていそうな商人も同じ宿にいるようです。
どこかのご子息がいいんだけどなぁっと思っていると

「お一人ですか?同席しても?」

っとガラガラの食堂なのに相席を願い出てくる男の声がします。
ブ男だったら許さないわよ!っと顔を向けるとパトリックが霞むようなイケメンが微笑んでいます。

パトリックは顔は良い方です。頭は悪くもなければ良くもありませんがパトリックの顔は100点満点の85~90点というところ。しかし目の前の男は本当に爽やかそうなイケメン。90~95点と言った感じ。
目元にある泣き黒子が妙に色気を出しております。
それに着ている服もパトリック並み。いえ、多分王都かその近辺にいる金持ちのようで洗練された中に流行を感じる服装を上手く着こなしております。

「えぇ、ですが他にもお席は空いておりますわ」
「だが、美しい人を一人で食事させる勇気が私にはないのです」
「美しいだなんて…いやだわ」
「あぁ、その瞳。僕だけを映して欲しい。こんな所ではなく僕の部屋に来ませんか」
「まぁ…ですがいきなりお部屋だなんて」
「そうですね…性急だとは思うのです。ですがほら…他の男が君を見ている。我慢できない」

男の言葉に舞い上がってしまったリリシア。ホイホイとついていき久しぶりにたっぷりと天国にいざなってくれるんだろうと胸に顔を押し付けます。

「名前を教えてほしい」
「リリシアよ。りりィって呼んでほしいわ」
「いや、それだと他の男もそう呼ぶだろう?シアと呼ばせてほしい」
「いいわ。あなたの事はなんて呼べばいいの?」
「俺の名前?そうだな君には是非ライアーと呼んでほしい」
「嬉しいわ。ライアー。あなたは何をしている人?」
「君を抱いて悦ばせる人だよ」

ライアーにキスをされて、服を脱がされ寝台にお姫様抱っこで寝かされると、とても気持ちが良くなるクスリだよとお尻にプチュンと座薬を入れられたリリシアの意識が朦朧とするのに時間はかかりません。

頬をパンパンとされておりますが、涎を流し自分で脚を広げて男を誘います。
くすっと笑ったライアー。そっとベッドから下りると腹の出たヒキガエルのような中年男を部屋に招き入れます。

「久しぶりの若い子だねぇ」
「だが、かなり使い込んでいる感じだからユルイかも知れないよ?」
「いいよ。いいよ。穴は2つあるからねぇ」

中年男はリリシアの口に白髪が混じった陰部に垂れ下がるお粗末なモノを咥えさせると、美味しそうにしゃぶるリリシアの頭を撫でてあげています。
寝台での秘め事をよそに男はリリシアの荷物を物色しています。

「なんだこりゃ?偽物ばかりじゃねぇか」

イミテーションの宝飾品の中から本物だけを抜き取り、大きくなったお粗末なモノから一度目の快感の印をリリシアの顔に吐き出している男に「毎度」と声をかけると部屋から出ていきます。
明け方まで獣のようになったリリシアは中年男の上で腰を振り続け疲れ果てて寝てしまいます。

朝になっても出てこないリリシアをイライラしながら待っている御者。
突然昼前に宿屋から怒鳴り声が聞こえてきます。何事かと耳を澄ませるとどうやら金を持たずに宿泊した者がいると警備兵に通報すると騒いでいるようです。

オマケに泊った部屋の中は、糞尿が散乱して清掃代もバカにならないと宿の女将が憤慨している様子。
それがリリシアだと判ったのは店の前に警備兵に連れられたリリシアが出て来た時です。
ほとんど服らしい服ではなく汚れたような下着姿のリリシアを見て御者と荷馬車の使用人は顔を見合わせます。

「あいつらよ!アタシの荷物を持ってるわ!それを金にして頂戴ッ!」

警備兵と宿の女将、買取屋が小物類をどんどん持っていきます。
残ったのは壊れたドリンキ●グバードだけ。
空っぽになった荷馬車にもう用はないので使用人は先に別邸に戻っていきます。

憤慨しながら馬車に乗りこんでくるリリシアを王都の入り口であるあの三叉路に卸した御者。

「折角気持ちいい夜だったのに!詐欺師だったなんて!」

御者は思います。詐欺って言うか…窃盗犯だよね?



御者も別邸に戻っていったあと、着る物は今着てるものだけ。食べる物もお金もないリリシアをそっと馬車の中から見ている男に近寄ってくる男が1人。

「偽物ばかりでしたが、まぁお駄賃程度は頂きましたよ」
「いいよ。持ってって。また何かあれば頼むよ」
「今度はもっと割のいいの頼みますよ」

そういうとお駄賃の一つをポンポンと放り投げながら男は去っていきます。

「じゃ、仕上げとしようか」
「娼館に連れていきますか?」
「いや、アレにはもう報酬はいらないだろう。炭鉱の性奴隷でいいだろう」
「承知いたしました。女囚の数も足らない所に送りましょう」
「いいねぇ。後ろも貫通してるようだからしばらくは囚人たちも愉しめるだろう」

男が1人リリシアに優しく声をかけ、それに微笑むリリシア。ニヤリとするのはマードレイン第二王子。
2人が消えていくと、何時の間にか王子の馬車も消えていました。
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