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デビット君の脱落
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「そんなっ!俺は聞いていない!」
「今言ったからな。当たり前だろう」
「絶対に嫌だ」
「もう決まった事だ。お前も子供じゃないんだ。周りを見ろ。自由にしていい時間は終わったんだ」
屋敷に戻ったデビット君を待っていたのは、抗争を起こさないための業務提携のような政略結婚。
お相手はこの国ではなく隣国で武器販売もシノギでやっている同じような組織のお嬢様。
「明後日まで絶対に部屋から出すな」
不貞腐れるデビット君は部屋に閉じ込められてしまいます。
窓は…と言ってもこんな家族です。当然のように防弾ガラスで嵌め殺し窓ですので開きません。
天井裏に暗殺者が忍び込む事もありますのでそのままコンクリートが見えていますから天井裏を通ってなんて事も出来ません。要は部屋からは逃げられないって事です。
こんな事なら…昨日エレインの手を取って隣国へでも逃げれば良かったとベッドで涙します。
15年に及ぶ長い長い恋。
デビット君には普通に接してくれるのはエレインだけだったのです。
言い寄ってくる女の子も大人たちも、同性の友達のような者もみんなデビット君のパパが怖くて媚びるような者ばかり。
幼い頃は、初対面で遊ぶのは普通に面白く遊べましたが、2回目がない子は半分以上。
残った子も2回目はとにかくデビット君の通りに!デビット君が言うなら!と自己主張はしなくなります。
でもエレインだけは最初からずっと同じ態度でデビット君に接してくれたのです。
デビット君の話を【無駄話】とバッサリ斬り捨てるのもエレインだけです。
顔を見ればつい意地悪をしてしまっていましたが、キュインと恋心に気が付いたのは、初等部の頃、第三王子にエスコートを学園の下校時に当日ドタキャンされてため息を吐いていたエレインを見た時です。
デヴュタント前でも王族の婚約者であるエレインには出席が義務付けられていたのですね。
「どうしたんだ?」
「第三王子がエスコートしないって言ってきたのですわ」
「夜会は今日だろう?」
「そうですわね」
黙って立ち去ったエレインの後ろ姿に自分なら困らせたりしないのに!と第三王子に激しい怒りとそれでも婚約者というエレインの立場に憤りを感じたのです。
それ以降は、からかいもありますがエレインが怒りながらも笑ってくれるのが嬉しくてついつい弄ってしまうデビット君。
ですが、第三王子がみんなの前で婚約破棄を言い渡し、チャンスが来た!と勇んで債権回収に行ったら侯爵家とはもう縁が切れているなんていうので、容赦ない取り立てを開始。
やっと居場所を探し当てればとんだ田舎に独りぼっち。
1年で離縁をするの!っと笑っていたエレインが、もしかしたらあの日のように本当は寂しいんじゃないかと毎日魔石電話をしたい気持ちを抑えて週一の電話で我慢していたのに!!
ドンドンドン!!!
「おいっ!誰かいるんだろう!ここから出せっ!」
「坊ちゃん、お静かに」
「いいから出せっ!出せよ!」
思いっきり扉を叩いてもびくともしない扉。そう。窓と同じく装甲板使用の扉ですのでバズーカの直撃も数発ならびくともしない。叩いたところで手が痛むだけです。
差し出される食事も壁に投げつけて、ハンストをしたところでどうにもなりません。
3日目。やっと扉が開いた時、父親を睨みつけるデビット君。
「くそがっ!」
「何とでも言え。言っておくぞ?1年以内に子が出来なければ女は沈める」
「はっ?なんだそれ」
「大丈夫だ。直ぐにその時はその女の妹が来る」
「てめぇ!人間かよ!鬼の方がまだマシじゃねぇかっ!!」
「いいんだぜ?俺ぁまだ若い。40にもなっちゃいねぇからな。お前に無理に継いでもらわなくてもいいんだ。お前をクスリ漬けにして子供が出来ればお前を始末したっていいんだ」
ここにきて急にシリアスになった話。しかしデビット君にNOは言えないのです。
デビット君のパパは裏社会のドン。やる時は自分の子供だって容赦はしません。下の者に示しがつかないからです。
大本命と思われたデビット君。ここで脱落。
この後、お見合いをしたご令嬢と愛のない結婚かと思われましたが、ご令嬢もデビット君同様に思いあった男性との間を割かれてのお見合いでこの後2人は後を継いで双方の国からこんな組織を内側から壊してやる!っと活動を始めるのです。
2人の間に生まれた子は2人。男の子と女の子。
男の子は、妻となった女性が思いあっていた男性の名前コルレオーネ、女の子の名前はデビット君が愛したエレイン。子供たちが適齢期になった頃には弱体化した組織となったのでお互いが好きな相手と結婚をさせました。
娘のエレインが嫁ぐ日、デビット君はあの指輪をそっと娘に託しました。
☆~☆~☆
残りは2話。ヤバい‥‥7日以内に終わらない…!!
「今言ったからな。当たり前だろう」
「絶対に嫌だ」
「もう決まった事だ。お前も子供じゃないんだ。周りを見ろ。自由にしていい時間は終わったんだ」
屋敷に戻ったデビット君を待っていたのは、抗争を起こさないための業務提携のような政略結婚。
お相手はこの国ではなく隣国で武器販売もシノギでやっている同じような組織のお嬢様。
「明後日まで絶対に部屋から出すな」
不貞腐れるデビット君は部屋に閉じ込められてしまいます。
窓は…と言ってもこんな家族です。当然のように防弾ガラスで嵌め殺し窓ですので開きません。
天井裏に暗殺者が忍び込む事もありますのでそのままコンクリートが見えていますから天井裏を通ってなんて事も出来ません。要は部屋からは逃げられないって事です。
こんな事なら…昨日エレインの手を取って隣国へでも逃げれば良かったとベッドで涙します。
15年に及ぶ長い長い恋。
デビット君には普通に接してくれるのはエレインだけだったのです。
言い寄ってくる女の子も大人たちも、同性の友達のような者もみんなデビット君のパパが怖くて媚びるような者ばかり。
幼い頃は、初対面で遊ぶのは普通に面白く遊べましたが、2回目がない子は半分以上。
残った子も2回目はとにかくデビット君の通りに!デビット君が言うなら!と自己主張はしなくなります。
でもエレインだけは最初からずっと同じ態度でデビット君に接してくれたのです。
デビット君の話を【無駄話】とバッサリ斬り捨てるのもエレインだけです。
顔を見ればつい意地悪をしてしまっていましたが、キュインと恋心に気が付いたのは、初等部の頃、第三王子にエスコートを学園の下校時に当日ドタキャンされてため息を吐いていたエレインを見た時です。
デヴュタント前でも王族の婚約者であるエレインには出席が義務付けられていたのですね。
「どうしたんだ?」
「第三王子がエスコートしないって言ってきたのですわ」
「夜会は今日だろう?」
「そうですわね」
黙って立ち去ったエレインの後ろ姿に自分なら困らせたりしないのに!と第三王子に激しい怒りとそれでも婚約者というエレインの立場に憤りを感じたのです。
それ以降は、からかいもありますがエレインが怒りながらも笑ってくれるのが嬉しくてついつい弄ってしまうデビット君。
ですが、第三王子がみんなの前で婚約破棄を言い渡し、チャンスが来た!と勇んで債権回収に行ったら侯爵家とはもう縁が切れているなんていうので、容赦ない取り立てを開始。
やっと居場所を探し当てればとんだ田舎に独りぼっち。
1年で離縁をするの!っと笑っていたエレインが、もしかしたらあの日のように本当は寂しいんじゃないかと毎日魔石電話をしたい気持ちを抑えて週一の電話で我慢していたのに!!
ドンドンドン!!!
「おいっ!誰かいるんだろう!ここから出せっ!」
「坊ちゃん、お静かに」
「いいから出せっ!出せよ!」
思いっきり扉を叩いてもびくともしない扉。そう。窓と同じく装甲板使用の扉ですのでバズーカの直撃も数発ならびくともしない。叩いたところで手が痛むだけです。
差し出される食事も壁に投げつけて、ハンストをしたところでどうにもなりません。
3日目。やっと扉が開いた時、父親を睨みつけるデビット君。
「くそがっ!」
「何とでも言え。言っておくぞ?1年以内に子が出来なければ女は沈める」
「はっ?なんだそれ」
「大丈夫だ。直ぐにその時はその女の妹が来る」
「てめぇ!人間かよ!鬼の方がまだマシじゃねぇかっ!!」
「いいんだぜ?俺ぁまだ若い。40にもなっちゃいねぇからな。お前に無理に継いでもらわなくてもいいんだ。お前をクスリ漬けにして子供が出来ればお前を始末したっていいんだ」
ここにきて急にシリアスになった話。しかしデビット君にNOは言えないのです。
デビット君のパパは裏社会のドン。やる時は自分の子供だって容赦はしません。下の者に示しがつかないからです。
大本命と思われたデビット君。ここで脱落。
この後、お見合いをしたご令嬢と愛のない結婚かと思われましたが、ご令嬢もデビット君同様に思いあった男性との間を割かれてのお見合いでこの後2人は後を継いで双方の国からこんな組織を内側から壊してやる!っと活動を始めるのです。
2人の間に生まれた子は2人。男の子と女の子。
男の子は、妻となった女性が思いあっていた男性の名前コルレオーネ、女の子の名前はデビット君が愛したエレイン。子供たちが適齢期になった頃には弱体化した組織となったのでお互いが好きな相手と結婚をさせました。
娘のエレインが嫁ぐ日、デビット君はあの指輪をそっと娘に託しました。
☆~☆~☆
残りは2話。ヤバい‥‥7日以内に終わらない…!!
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