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マリッサとエレイナ
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「ねぇ、上手くやったかしら?」
「やったに決まってるじゃない」
マリッサとエレイナは屋敷の中で流行の菓子に舌鼓を打っていた。
幼い頃は何でも自由になった。
父親は王弟で一日中屋敷にいる事がほとんどだったが、時折王宮に連れて行ってもらえた。
王宮はマリッサとエレイナにとっては夢の場所だった。
王弟とは言え、実質は王族としての職務はなく穀潰しであるという事実を知ったのは第一王女が生まれた頃だった。
それまで女児のいなかった王家はマリッサとエレイナを政略的に他国の王族と婚姻をさせて国と国を繋ごうと考えていたため、扱いも王女と変わらなかった。
第一王女が生まれた後、側妃にも王女が生まれマリッサとエレイナは役割を失った。
そうなれば嫁ぎ先は国内の貴族となる。
王女が政略的に他国に嫁ぐが、その嫁ぎ先の高位貴族が同じ国から令嬢を迎え入れる事はない。尤も低位貴族であれば話は別だ。ただ王弟一家に育った2人にとって侯爵以下の貴族に嫁ぐ事は「負け」である。
どんなに裕福であっても階級が物を言う国は多い。
王族として嫁ぐのであれば年齢や容姿について言及をされる事はないが、外れれば扱いは異なる。
当然だが贅沢は出来ない上に、領地経営などもせねばならない。
如何にして楽に余生を過ごすか。2人が思いついたのは自国の王族に嫁ぐ事だった。
幸いに側妃制度があり、正妃となる王妃に子がいたとしても側妃は召し上げられる。
王子は3人。ただマリッサとエレイナの対象となるのはベネディクトしかいなかった。見た目は隣に連れても申し分ない3人兄弟だったが、第二王子のデモステネスは幼い頃から犬猿の仲。
見た目にそぐわない粗暴さで、婚約者となっている令嬢は発言すら許されておらず常にデモステネスを立てる事が生きるために必須とされているようなもの。
そんな息の詰まるような生活はごめんである。
第三王子のオデッセアスはそれ以前に問題がある。
金がないのだ。
婚約者の家の融資によってなんとか息をしているような状態で、その令嬢は兎角気が強かった。
オデッセアス自身もその令嬢とは仲がよく、側妃を召し上げる気はさらさらない事は早いうちに明言していた。
残ったのがベネディクトだった。
最初はどちらかが正妃となり、どちらかが側妃となる。そんな思惑の元、2人はベネディクトに近づいた。
長子でもあるベネディクトが一番年齢も近く、母親は王妃であるから金も何とかなる。
当初は婚約者であるディアセーラを追い出そうとしたがベネディクトがそれを許さなかった。
「いいじゃない。面倒な事はしてもらえばいいのよ」
エレイナはあわよくば正妃を狙っていたマリッサが地団駄を踏むのを見て言った。
「貴女は側妃で我慢が出来ると?」
「ええ。やりようよ、やりよう」
「どうするのよ」
「言ったでしょう?面倒な事はしてもらえばいいのよ。考えてみて?正妃になれば思っているようなドレスなんか着れやしない。義伯母様見て判るでしょう?」
マリッサはエレイナの言葉に王妃である義伯母を思い出した。
確かに着ているドレスなど素材はいいし、縫製もしっかりしている。宝飾品も一流ばかりだが執務室にいる事が多い。
茶会なども開いてはいるが、面倒そうな者との茶会も多い。
視察にもよく出かけてはいるが、暑い日でも雨が降っても予定は変わらない。
しかし、デモステネスとオデッセアスの母である側妃は違った。
公務で視察に行くことはあっても、「おまけ」の買い物がメインで主食である視察は1時間程度。確かに王妃に比べれば同等のドレスや宝飾品とは言えないものの、それが粗悪品かと言えば違う。
何より側妃には執務がない。年に数回の【買い物メインの視察】があるだけだ。
デモステネスとオデッセアスの母である側妃は好きな時に茶会を、気に入った者だけを呼んで開いている事が多かった。
「悪くないわ。側妃も悪くない」
エレイナはニヤリと笑った。
「どうせベネディクトはあの娘にべったりなんだもの、こっちも好きにさせてもらえばいいのよ」
「どうするって言うのよ」
「マリッサ、気が付かない?ガスパロだって側に置けるのよ?」
マリッサにはガスパロ、エレイナにはルーチョという恋人がいた。
彼らはとても見目がよく、マリッサやエレイナに尽くしてくれるのだが難点と言えば爵位は子爵や男爵で家が貧乏だという事だ。
彼らは高齢女性をパトロンとして側に侍る事で生計を立てていた。
金の出どころはその女性であり、夫人としての役目を終えて未亡人となった女性達は彼らのような若い愛人を着飾る事で見栄を競っていた。
しかしパトロンの女性はそれまで傅かれて生きてきたため非常に高慢で我儘。なによりも、より好みの男性が出来れば捨てられてしまう。その事に文句は言えなかった。彼らは使い捨ての愛人だったのだ。
だからか、ガスパロもルーチョも兎に角マリッサとエレイナには痛い所に手が届くのは当然で、痒くなる前に掻いてくれるような存在だった。
端的に言えば、金払いの良い客につくホストのようなもの。
ガスパロやルーチョはマリッサとエレイナの嫌がる事は絶対にしないし、いつも耳当たりの良い言葉を囁いてくれる。マリッサもエレイナも溺れていくのは当然でもあった。
「いいわね。あとは…おバカなベネディクトだけって事ね」
「あとは成婚後にマウント取れるように調教が必要って事ね」
「そ、でも相手を間違えちゃダメよ?調教するのはベネディクトで、矯正するのはあの女。正妃なんか押し付けられたらルーチョにも会えなくなっちゃうわ」
しかし己の事ほどよく見えていないとはよく言ったものだ。マリッサとエレイナはそれまで王弟の娘だという事で、自分たちも傅かれるのが普通であり、面倒事を引き起こしても表面化するまでに周りが片付けていた側の人間だという根本的な部分を忘れていた。
ベネディクトが事を起こした3日後、王宮からやってきた使いは2人に登城するよう伝えた。小さく嬌声をあげると手持ちのドレスから一番自分を引き立たせるドレスを選び始めた。
「何をしているんだ」
「お父様、どうしましょう?こちらのサテン布地のドレスのほうが良いかしら?」
「お父様!マリーの部屋にもいらして。ドレスに合う宝飾品が欲しいの」
「何言ってるの?エレイナは少し前にも買ってもらったじゃない!」
「良いじゃないのよ。マリッサだって馬車の内装を新しくしてもらったでしょう?」
言い合いを始めた2人の娘に両腕を引っ張られる王弟はまんざらでもない。
溺愛する2人の娘の頼みなら何でも叶えてきた。
ドレスが欲しいのなら、妻の宝飾品を売ればいいし、宝飾品が欲しいのならホールの絵画や父である先代国王から譲り受けた壺を売ればいいのだ。
湯水のように金を使い、王家から王弟だという事で支給される金も支払いに右から左。
妻の実家からはとうに見限られて融資もない。
――娘だけには恥ずかしい所を見せたくない――
娘の頼みに鼻の下を伸ばした王弟は使用人にホールの絵画や調度品を片付けるように命じた。
「やったに決まってるじゃない」
マリッサとエレイナは屋敷の中で流行の菓子に舌鼓を打っていた。
幼い頃は何でも自由になった。
父親は王弟で一日中屋敷にいる事がほとんどだったが、時折王宮に連れて行ってもらえた。
王宮はマリッサとエレイナにとっては夢の場所だった。
王弟とは言え、実質は王族としての職務はなく穀潰しであるという事実を知ったのは第一王女が生まれた頃だった。
それまで女児のいなかった王家はマリッサとエレイナを政略的に他国の王族と婚姻をさせて国と国を繋ごうと考えていたため、扱いも王女と変わらなかった。
第一王女が生まれた後、側妃にも王女が生まれマリッサとエレイナは役割を失った。
そうなれば嫁ぎ先は国内の貴族となる。
王女が政略的に他国に嫁ぐが、その嫁ぎ先の高位貴族が同じ国から令嬢を迎え入れる事はない。尤も低位貴族であれば話は別だ。ただ王弟一家に育った2人にとって侯爵以下の貴族に嫁ぐ事は「負け」である。
どんなに裕福であっても階級が物を言う国は多い。
王族として嫁ぐのであれば年齢や容姿について言及をされる事はないが、外れれば扱いは異なる。
当然だが贅沢は出来ない上に、領地経営などもせねばならない。
如何にして楽に余生を過ごすか。2人が思いついたのは自国の王族に嫁ぐ事だった。
幸いに側妃制度があり、正妃となる王妃に子がいたとしても側妃は召し上げられる。
王子は3人。ただマリッサとエレイナの対象となるのはベネディクトしかいなかった。見た目は隣に連れても申し分ない3人兄弟だったが、第二王子のデモステネスは幼い頃から犬猿の仲。
見た目にそぐわない粗暴さで、婚約者となっている令嬢は発言すら許されておらず常にデモステネスを立てる事が生きるために必須とされているようなもの。
そんな息の詰まるような生活はごめんである。
第三王子のオデッセアスはそれ以前に問題がある。
金がないのだ。
婚約者の家の融資によってなんとか息をしているような状態で、その令嬢は兎角気が強かった。
オデッセアス自身もその令嬢とは仲がよく、側妃を召し上げる気はさらさらない事は早いうちに明言していた。
残ったのがベネディクトだった。
最初はどちらかが正妃となり、どちらかが側妃となる。そんな思惑の元、2人はベネディクトに近づいた。
長子でもあるベネディクトが一番年齢も近く、母親は王妃であるから金も何とかなる。
当初は婚約者であるディアセーラを追い出そうとしたがベネディクトがそれを許さなかった。
「いいじゃない。面倒な事はしてもらえばいいのよ」
エレイナはあわよくば正妃を狙っていたマリッサが地団駄を踏むのを見て言った。
「貴女は側妃で我慢が出来ると?」
「ええ。やりようよ、やりよう」
「どうするのよ」
「言ったでしょう?面倒な事はしてもらえばいいのよ。考えてみて?正妃になれば思っているようなドレスなんか着れやしない。義伯母様見て判るでしょう?」
マリッサはエレイナの言葉に王妃である義伯母を思い出した。
確かに着ているドレスなど素材はいいし、縫製もしっかりしている。宝飾品も一流ばかりだが執務室にいる事が多い。
茶会なども開いてはいるが、面倒そうな者との茶会も多い。
視察にもよく出かけてはいるが、暑い日でも雨が降っても予定は変わらない。
しかし、デモステネスとオデッセアスの母である側妃は違った。
公務で視察に行くことはあっても、「おまけ」の買い物がメインで主食である視察は1時間程度。確かに王妃に比べれば同等のドレスや宝飾品とは言えないものの、それが粗悪品かと言えば違う。
何より側妃には執務がない。年に数回の【買い物メインの視察】があるだけだ。
デモステネスとオデッセアスの母である側妃は好きな時に茶会を、気に入った者だけを呼んで開いている事が多かった。
「悪くないわ。側妃も悪くない」
エレイナはニヤリと笑った。
「どうせベネディクトはあの娘にべったりなんだもの、こっちも好きにさせてもらえばいいのよ」
「どうするって言うのよ」
「マリッサ、気が付かない?ガスパロだって側に置けるのよ?」
マリッサにはガスパロ、エレイナにはルーチョという恋人がいた。
彼らはとても見目がよく、マリッサやエレイナに尽くしてくれるのだが難点と言えば爵位は子爵や男爵で家が貧乏だという事だ。
彼らは高齢女性をパトロンとして側に侍る事で生計を立てていた。
金の出どころはその女性であり、夫人としての役目を終えて未亡人となった女性達は彼らのような若い愛人を着飾る事で見栄を競っていた。
しかしパトロンの女性はそれまで傅かれて生きてきたため非常に高慢で我儘。なによりも、より好みの男性が出来れば捨てられてしまう。その事に文句は言えなかった。彼らは使い捨ての愛人だったのだ。
だからか、ガスパロもルーチョも兎に角マリッサとエレイナには痛い所に手が届くのは当然で、痒くなる前に掻いてくれるような存在だった。
端的に言えば、金払いの良い客につくホストのようなもの。
ガスパロやルーチョはマリッサとエレイナの嫌がる事は絶対にしないし、いつも耳当たりの良い言葉を囁いてくれる。マリッサもエレイナも溺れていくのは当然でもあった。
「いいわね。あとは…おバカなベネディクトだけって事ね」
「あとは成婚後にマウント取れるように調教が必要って事ね」
「そ、でも相手を間違えちゃダメよ?調教するのはベネディクトで、矯正するのはあの女。正妃なんか押し付けられたらルーチョにも会えなくなっちゃうわ」
しかし己の事ほどよく見えていないとはよく言ったものだ。マリッサとエレイナはそれまで王弟の娘だという事で、自分たちも傅かれるのが普通であり、面倒事を引き起こしても表面化するまでに周りが片付けていた側の人間だという根本的な部分を忘れていた。
ベネディクトが事を起こした3日後、王宮からやってきた使いは2人に登城するよう伝えた。小さく嬌声をあげると手持ちのドレスから一番自分を引き立たせるドレスを選び始めた。
「何をしているんだ」
「お父様、どうしましょう?こちらのサテン布地のドレスのほうが良いかしら?」
「お父様!マリーの部屋にもいらして。ドレスに合う宝飾品が欲しいの」
「何言ってるの?エレイナは少し前にも買ってもらったじゃない!」
「良いじゃないのよ。マリッサだって馬車の内装を新しくしてもらったでしょう?」
言い合いを始めた2人の娘に両腕を引っ張られる王弟はまんざらでもない。
溺愛する2人の娘の頼みなら何でも叶えてきた。
ドレスが欲しいのなら、妻の宝飾品を売ればいいし、宝飾品が欲しいのならホールの絵画や父である先代国王から譲り受けた壺を売ればいいのだ。
湯水のように金を使い、王家から王弟だという事で支給される金も支払いに右から左。
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