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婚約破棄、成立
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ベネディクトの執務室に従者が1人現れた。
「殿下、国王陛下並びに王妃殿下がお呼びで御座います」
「わかった。直ぐに向かうと伝えてくれ」
「畏まりました」
ベネディクトの心臓は嫌な拍動を続ける。
間違いはなかったはずだと思い出してはみるものの、ディアセーラの髪を掴んだ右手、そして肩を掴んだ左手を交互に眺める。
細いクリーム色の髪の毛が袖口についているのを見てベネディクトは愛おしそうにそっと指で抓んで、片手でポケットからハンカチを取り出し、髪の毛を包んだ。
「痛かったかな…大丈夫かな」
髪の毛を包んだハンカチを両手で握りしめ、額に当ててまた項垂れた。
「ベネディクト殿下、参られました」
従者の声と同時に開かれた扉の向こうには、睨みつけてくる父親の国王と呆れた表情の母親の王妃の姿が見える。ベネディクトは扉から一歩進んで、2人に向かい頭を下げた。
その頭が上がり切らないうちに国王の声が耳に飛び込んできた。
「座る必要はない。こちらに来て立っていなさい」
ベネディクトが国王の隣に立てば、王妃が国王と向かい合わせの位置から隣に移動をした。
話があるのではないのか。
そう考えたが、言葉を発するような部屋の空気ではない。
ベネディクトは執務室にいる時よりも心臓の音が耳の奥に大きく聞こえる気がした。
長い時間のようにも思えたが、部屋にある時計は10分も進んでいない。
従者の「参られました」の声。扉を見ればそこにいたのはブロスカキ公爵夫妻だった。
――どうしてここに?今日は面会の日だったのか?――
だとすれば今日、ディアセーラにしてしまったことは日が早かったと後悔したが、国王と王妃の向かいに臣下の礼もカーテシーもなく腰を下ろしたブロスカキ公爵夫妻の言葉にベネディクトは後悔以上の後悔をする事になった。
「何度も申し上げて参りましたが、今日は引きません。婚約は破棄。その事実を我が公爵家は受け入れる事と致しました。こちらは破棄に関する書面。陛下、妃殿下。ご確認を」
ベネディクトは立っているのか、それともその場でふらついているのかも判らない位に足が震えた。
ブロスカキ公爵が差し出した書面を先ずは父親の国王が、そして国王から手渡され母親の王妃が手に取った。王妃がまだ目を通している間に国王は従者にペンを持ってくるように静かに告げた。
「待ってください!!」
「なんだ」
応えてくれたのは国王だけで、ブロスカキ公爵夫妻はベネディクトの方を見ようともしなかった。
「こ、婚約を破棄って…」
「お前が今しがたブロスカキ公爵令嬢に告げたであろうが」
「あれはっ!違うんです。その…じ、冗談で――」
「冗談で娘の髪を掴みあげ、放り投げた。あまつさえ拳を振り下ろした。変わった趣味嗜好をどうこう申し上げる気は御座いませんが?」
「あれはっ!!いや、でもこの時期に婚約破棄――」
「殿下がそう仰った。違いますか?」
ブロスカキ公爵は強い口調でベネディクトの言葉を遮った。
彎曲しようにも場所が悪かった事にやっとベネディクトは気が付いた。
ベネディクトが言葉を発する間に、国王は手渡されたペンを紙の上に走らせ署名を完了してしまった。
「嫌だ!認めない!こんなものっ!絶対に認めないっ!」
テーブルの上に置かれた紙を鷲掴みにするとベネディクトは国王の署名の入った婚約破棄に関する書類を思い切り引き千切る。2枚になり、4枚になりさらに細かく引き千切った。
細かい紙きれになった書面の一部が床に落ち、赤い絨毯の上に白い雪が落ちたような模様を作る。ベネディクトはその場に突っ伏し、泣きながらブロスカキ公爵の情に縋った。
「別れたくない!私にはセーラしかいない!」
「大丈夫です。ディアセーラには他ならない殿下から賜った縁が御座います故。ブロスカキ公爵家としてはその縁を大事に――」
「違うんだ!誤解を解きたい!セーラと話をさせてくれないか!」
国王は手振りで従者にベネディクトを退室させろと指示を出した。
従者2人に腕を取られ、立たされたベネディクトは暴れたが成りは従者でも中身は騎士。抵抗は虚しく部屋の外に連れ出され、喚く声だけが部屋に届いた。
その声が小さくなると、国王は王妃と共に頭を下げた。
「婚約破棄は受け入れる。王家に有責。それで構わない。だから――」
「帝国との縁を取り持て。そう仰るのですか?」
「公爵家には見合う対価を支払う。帝国の傘下から今、外れるわけにはいかないのだ」
身を乗り出し、ブロスカキ公爵に手を差し出す国王だったがブロスカキ公爵は膝の上に置いた手を動かそうとはしなかった。
「余りにも王家に都合の良い話をされても困ります。この婚約破棄。我がブロスカキ公爵家は慰謝料も何も要求は御座いませんので」
「そう言わずに!何度も助けてくれたではないか」
「陛下。娘は笑う事も忘れ一人で重責を背負い、成果は殿下に全て差し上げてきたではありませんか。誰も手を打ってくださらなかった。それは娘を人ではなく道具としているからではないか。何度もそう申し上げてきたはずです」
「言ったわ。ちゃんと言ったの。お願いだから私達の努力も認めて頂戴」
「言った結果が今、そう言う事ですよ。娘に要求された事、よもやお忘れではないでしょう?成果の出ない努力など評価のしようがない。娘は結果は残しました。ただその結果から得られる評価は殿下が受けられた。娘の努力を何時認めて下さったと?」
「認めよう。ベネディクトではなくブロスカキ公爵令嬢の評価として周知する。これで折れてはくれないか」
「正当な評価です。折れる折れない以前の問題。そこも認識されていないのでしたら何度折れた所でまた近日中にこのような不毛なやり取りをする事となりましょう。我が国はそんな事に時間を割く余裕はないはずです」
「判っている。で、では今度の式典にせめて最後の仕事としてディアセーラ嬢を――」
「お断りいたします。娘には療養が必要ですので」
「しかし!それでは事業が不成立となってしまうじゃないか」
「まさか。ベネディクト殿下には優秀な参謀が2人も付いていらっしゃる。我が娘一人よりも殿下を含めまさに三人寄れば文殊の知恵。如何様にでも乗り切る事は出来ましょう」
国王にも王妃にもベネディクトを支える2人に心当たりはなかった。
話を切り上げて立ち去るブロスカキ公爵夫妻を呼び止めるもその足が止まる事はない。
誰かその2人に心当たりの在る者はいないかと声を挙げたが、従者たちは首を横に振った。知らない訳ではない。しかしそれが国王の実弟である王弟の娘2人だと言ってしまえば従者も巻き込まれてしまう。
その昔、王弟が覇権争いに敗れたには訳がある。
王弟には人望がなかった。手柄は横取りをするが気分次第で臣下に分け与える事もある。朝令暮改ばかりで王弟についた貴族はもれなく路頭に迷ったのだ。
失敗する事が判っていてわざわざ棺桶に片足を突っ込もうとするものはいない。
しかし国王と王妃を更に追い込む知らせが舞い込んできた。
☆彡☆彡
次話 第9話 ちょっと所用であきますが12時10分公開です(*^-^*)
「殿下、国王陛下並びに王妃殿下がお呼びで御座います」
「わかった。直ぐに向かうと伝えてくれ」
「畏まりました」
ベネディクトの心臓は嫌な拍動を続ける。
間違いはなかったはずだと思い出してはみるものの、ディアセーラの髪を掴んだ右手、そして肩を掴んだ左手を交互に眺める。
細いクリーム色の髪の毛が袖口についているのを見てベネディクトは愛おしそうにそっと指で抓んで、片手でポケットからハンカチを取り出し、髪の毛を包んだ。
「痛かったかな…大丈夫かな」
髪の毛を包んだハンカチを両手で握りしめ、額に当ててまた項垂れた。
「ベネディクト殿下、参られました」
従者の声と同時に開かれた扉の向こうには、睨みつけてくる父親の国王と呆れた表情の母親の王妃の姿が見える。ベネディクトは扉から一歩進んで、2人に向かい頭を下げた。
その頭が上がり切らないうちに国王の声が耳に飛び込んできた。
「座る必要はない。こちらに来て立っていなさい」
ベネディクトが国王の隣に立てば、王妃が国王と向かい合わせの位置から隣に移動をした。
話があるのではないのか。
そう考えたが、言葉を発するような部屋の空気ではない。
ベネディクトは執務室にいる時よりも心臓の音が耳の奥に大きく聞こえる気がした。
長い時間のようにも思えたが、部屋にある時計は10分も進んでいない。
従者の「参られました」の声。扉を見ればそこにいたのはブロスカキ公爵夫妻だった。
――どうしてここに?今日は面会の日だったのか?――
だとすれば今日、ディアセーラにしてしまったことは日が早かったと後悔したが、国王と王妃の向かいに臣下の礼もカーテシーもなく腰を下ろしたブロスカキ公爵夫妻の言葉にベネディクトは後悔以上の後悔をする事になった。
「何度も申し上げて参りましたが、今日は引きません。婚約は破棄。その事実を我が公爵家は受け入れる事と致しました。こちらは破棄に関する書面。陛下、妃殿下。ご確認を」
ベネディクトは立っているのか、それともその場でふらついているのかも判らない位に足が震えた。
ブロスカキ公爵が差し出した書面を先ずは父親の国王が、そして国王から手渡され母親の王妃が手に取った。王妃がまだ目を通している間に国王は従者にペンを持ってくるように静かに告げた。
「待ってください!!」
「なんだ」
応えてくれたのは国王だけで、ブロスカキ公爵夫妻はベネディクトの方を見ようともしなかった。
「こ、婚約を破棄って…」
「お前が今しがたブロスカキ公爵令嬢に告げたであろうが」
「あれはっ!違うんです。その…じ、冗談で――」
「冗談で娘の髪を掴みあげ、放り投げた。あまつさえ拳を振り下ろした。変わった趣味嗜好をどうこう申し上げる気は御座いませんが?」
「あれはっ!!いや、でもこの時期に婚約破棄――」
「殿下がそう仰った。違いますか?」
ブロスカキ公爵は強い口調でベネディクトの言葉を遮った。
彎曲しようにも場所が悪かった事にやっとベネディクトは気が付いた。
ベネディクトが言葉を発する間に、国王は手渡されたペンを紙の上に走らせ署名を完了してしまった。
「嫌だ!認めない!こんなものっ!絶対に認めないっ!」
テーブルの上に置かれた紙を鷲掴みにするとベネディクトは国王の署名の入った婚約破棄に関する書類を思い切り引き千切る。2枚になり、4枚になりさらに細かく引き千切った。
細かい紙きれになった書面の一部が床に落ち、赤い絨毯の上に白い雪が落ちたような模様を作る。ベネディクトはその場に突っ伏し、泣きながらブロスカキ公爵の情に縋った。
「別れたくない!私にはセーラしかいない!」
「大丈夫です。ディアセーラには他ならない殿下から賜った縁が御座います故。ブロスカキ公爵家としてはその縁を大事に――」
「違うんだ!誤解を解きたい!セーラと話をさせてくれないか!」
国王は手振りで従者にベネディクトを退室させろと指示を出した。
従者2人に腕を取られ、立たされたベネディクトは暴れたが成りは従者でも中身は騎士。抵抗は虚しく部屋の外に連れ出され、喚く声だけが部屋に届いた。
その声が小さくなると、国王は王妃と共に頭を下げた。
「婚約破棄は受け入れる。王家に有責。それで構わない。だから――」
「帝国との縁を取り持て。そう仰るのですか?」
「公爵家には見合う対価を支払う。帝国の傘下から今、外れるわけにはいかないのだ」
身を乗り出し、ブロスカキ公爵に手を差し出す国王だったがブロスカキ公爵は膝の上に置いた手を動かそうとはしなかった。
「余りにも王家に都合の良い話をされても困ります。この婚約破棄。我がブロスカキ公爵家は慰謝料も何も要求は御座いませんので」
「そう言わずに!何度も助けてくれたではないか」
「陛下。娘は笑う事も忘れ一人で重責を背負い、成果は殿下に全て差し上げてきたではありませんか。誰も手を打ってくださらなかった。それは娘を人ではなく道具としているからではないか。何度もそう申し上げてきたはずです」
「言ったわ。ちゃんと言ったの。お願いだから私達の努力も認めて頂戴」
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「認めよう。ベネディクトではなくブロスカキ公爵令嬢の評価として周知する。これで折れてはくれないか」
「正当な評価です。折れる折れない以前の問題。そこも認識されていないのでしたら何度折れた所でまた近日中にこのような不毛なやり取りをする事となりましょう。我が国はそんな事に時間を割く余裕はないはずです」
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「しかし!それでは事業が不成立となってしまうじゃないか」
「まさか。ベネディクト殿下には優秀な参謀が2人も付いていらっしゃる。我が娘一人よりも殿下を含めまさに三人寄れば文殊の知恵。如何様にでも乗り切る事は出来ましょう」
国王にも王妃にもベネディクトを支える2人に心当たりはなかった。
話を切り上げて立ち去るブロスカキ公爵夫妻を呼び止めるもその足が止まる事はない。
誰かその2人に心当たりの在る者はいないかと声を挙げたが、従者たちは首を横に振った。知らない訳ではない。しかしそれが国王の実弟である王弟の娘2人だと言ってしまえば従者も巻き込まれてしまう。
その昔、王弟が覇権争いに敗れたには訳がある。
王弟には人望がなかった。手柄は横取りをするが気分次第で臣下に分け与える事もある。朝令暮改ばかりで王弟についた貴族はもれなく路頭に迷ったのだ。
失敗する事が判っていてわざわざ棺桶に片足を突っ込もうとするものはいない。
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