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だって、いとこだもの
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王城の私室に戻ったベネディクトは荒れていた。
――何故他の男と一緒にいるのだ?相手は誰なんだ?――
悩んでいるベネディクトの元に従者がやってきた。
「殿下、お客様でございます」
「客?誰に」
「ですから、殿下です。殿下でなければここには来ません」
総入れ替えになってしまった従者たちにベネディクトを敬う気持ちは全く感じられない。
出来れば態度が悪いと他の部署に回して欲しいという気持ちが出ているくらいだ。
伝える事だけを伝えれば持ち場に戻る従者に何を言っても無駄である。
ならば持ち場に戻る前にもう一つ仕事をさせた方がまだいい。
「通してくれ」
「畏まりました」
以前、ディアセーラと激しく言い合っていた時は、ベネディクトに対し面会願いはひっきりなしだった。ただベネディクトは今月の恋人と呼ばれる令嬢達と市井に繰り出したり、時に日帰りの旅行に出たりとしていたため会う事はなかった。
執務や政務の傍らで時間をやりくりしディアセーラが面会をしていたのだ。
騒ぎを起こしてから数日で面会願いは一件もなくなった。
謹慎をしている時も、調整の必要すらなかったのは不幸中の幸いだろうか。
ただ、先日で恋人と呼ばれる令嬢はいなくなった。彼女らに前もっての約束など必要なかった。それも指示をしたのはベネディクトだった。
今の状況が非常に不味い事はよく判るのだが、どうすればいいのかも判らない。
「あら?今日はご機嫌斜めね。聞いたわよ。謹慎していたんですって?」
「ベネデッタ、あんな娘だとは思わなかったわ。私達からも抗議をしておいたから」
やってきたのはマリッサとエレイナ。2人はベネディクトを中に、右にマリッサ左にエレイナとなってソファまで歩いた。3人掛けのソファに並んで腰を下ろし、ベネディクトの手は2人がそれぞれ手で包んだ。
「ディック。式典の事は聞いているでしょう?」
「あぁ、憂鬱で堪らない。とても無理だ」
「その話、わたくし達も陛下から手伝うようにと言われているの」
「えっ?手伝ってくれるのか?」
「勿論。でね?素敵なサプライズがあってもいいと思わない?」
「サプライズ?そんなのは式次第になかったんじゃないか?」
「だ・か・ら、サプライズ。ディックとディアセーラの再婚約を堂々発表!どう?」
再婚約と聞いてベネディクトは顔全体がカッと熱くなった。
マリッサとエレイナは目を半月にして微笑んだ。
第三王子オデッセアスがベネディクトを引きずり降ろし間も無く王太子となる。誰もがそう言った。第二王子のデモステネスも反対する事無く王兄教育を間も無く終える。
ベネディクトが下ろされるのは婚約者不在となってしまった事に他ならない。かといって王太子妃になれる令嬢などその辺には転がっていない。
式典の進行やもてなしだけでも面倒なのに王妃となればさらに何かを押し付けられるに決まっている。2人はそう考え、是が非でもディアセーラに返り咲いて貰わねば困るとお互いの意見の一致を見た。
このままだと、貴族に嫁がされ裕福な暮らしから益々遠のいてしまう。
マリッサとエレイナは焦った。ベネディクトには何が何でも即位してもらわねば努力が徒労に終わってしまう。
父親に聞けばどうやら婚約破棄を告げた日にベネディクトが「お前にくれてやる」と言わなくていい事まで言ってしまった事に、ブロスカキ公爵家がその男性の安全を確保するため取り込んだと教えてもらった。
ベネデッタの愚かな行為にもマリッサとエレイナは腹を立てていた。
横からベネディクトを掻っ攫おうとしたベネデッタ。
特にマリッサの怒りは収まる所を知らず、医師の診察後「行為はなかった」と一旦屋敷に戻されたベネデッタの元に翌日使いを送り、呼び出し王弟の宮に連れ込んだ。
「ねぇベネデッタ。誰かに喋ったら…賢い貴女なら判るわよね?」
数日間、責め立てた挙句に人も滅多に通らない雑木林に真夜中ベネデッタを捨てた。
そんな事一切表情に出さず、マリッサとエレイナはおよよとベネディクトの方に頬を寄せた。
「ディックがお前にくれてやる!なんて言うからその男はその気になってブロスカキ公爵家に転がり込んでいるのよ。公爵家となれば手出しが出来ないって知恵の働く男だわ」
「そうだったのか…そうか。あの時の男か」
「ディアセーラは元に戻りたいのに責め立てられていると聞くわ」
「なんだって?!」
「だって屋敷からディアセーラは出てこないでしょう?あれはね、出してもらえないの。わたくしも女だからよく判るわ。無理やり爵位が低い冴えない男と一緒になれと言われても気持ちの切り替えなんかできないもの。でも閉じ込めて徐々に洗脳していけば…判るわよね?」
「ブロスカキ公爵も非道だわ。ディックは口が滑っただけなのに、どうでも流せる言葉をお家大事で娘を生贄にするようなものよ」
「式典は3日間あるの。ブロスカキ公爵は絶対にディアセーラは連れてこない。でもね?ブロスカキ公爵は出席しなきゃいけないでしょう?お父様の私兵を貸してあげる。手薄になった公爵家に乗り込んでその男を拘束するのよ。でもその時にディアセーラまで連れてきちゃダメ。その男をエサにしてブロスカキ公爵と取引をするの。最終日に大勢の前で再婚約を宣言すれば全てが元通り。いいプランだと思わない?」
「しかし、式典の最中にそんな事をすればタダじゃ済まない」
「もう!ディック。ちゃんと聞いて?何か言われれば余興だと言えばいいじゃない。来賓の方々を退屈させないための余興よ。でも大勢の前で再婚約の宣言は覆らないわ。それは余興じゃないもの」
「そうよ?ブロスカキ公爵家に転がり込んだ男を正義の名の下にディックが処罰するんだもの。ブロスカキ公爵だってどうやって感謝の意を表せばいいか悩むんじゃない?」
ふむと考え込むベネディクト。もし本当にあの時の不用意な発言でブロスカキ公爵家にあの男が転がり込んでいるのなら責任は取らなくてはならない。
だが、ふと脳裏をよぎった思いがあった。
「ねぇ。どうしてマリッサとエレイナはそんなに親身になってくれるんだ?」
マリッサとエレイナは顔を見合わせた。そして同時にベネディクトに向かって微笑んだ。
「だって、いとこじゃない」
「だけど、してもらうばかりでなにも返せない」
「今はいいの。ディックが国王になったら、国王のディックじゃないと出来ない事でわたくし達を助けてくれればいいだけよ」
「ありがとう…」
ベネディクトはまた乗せられてしまった事に気が付かず、馬車まで2人を見送った。
――何故他の男と一緒にいるのだ?相手は誰なんだ?――
悩んでいるベネディクトの元に従者がやってきた。
「殿下、お客様でございます」
「客?誰に」
「ですから、殿下です。殿下でなければここには来ません」
総入れ替えになってしまった従者たちにベネディクトを敬う気持ちは全く感じられない。
出来れば態度が悪いと他の部署に回して欲しいという気持ちが出ているくらいだ。
伝える事だけを伝えれば持ち場に戻る従者に何を言っても無駄である。
ならば持ち場に戻る前にもう一つ仕事をさせた方がまだいい。
「通してくれ」
「畏まりました」
以前、ディアセーラと激しく言い合っていた時は、ベネディクトに対し面会願いはひっきりなしだった。ただベネディクトは今月の恋人と呼ばれる令嬢達と市井に繰り出したり、時に日帰りの旅行に出たりとしていたため会う事はなかった。
執務や政務の傍らで時間をやりくりしディアセーラが面会をしていたのだ。
騒ぎを起こしてから数日で面会願いは一件もなくなった。
謹慎をしている時も、調整の必要すらなかったのは不幸中の幸いだろうか。
ただ、先日で恋人と呼ばれる令嬢はいなくなった。彼女らに前もっての約束など必要なかった。それも指示をしたのはベネディクトだった。
今の状況が非常に不味い事はよく判るのだが、どうすればいいのかも判らない。
「あら?今日はご機嫌斜めね。聞いたわよ。謹慎していたんですって?」
「ベネデッタ、あんな娘だとは思わなかったわ。私達からも抗議をしておいたから」
やってきたのはマリッサとエレイナ。2人はベネディクトを中に、右にマリッサ左にエレイナとなってソファまで歩いた。3人掛けのソファに並んで腰を下ろし、ベネディクトの手は2人がそれぞれ手で包んだ。
「ディック。式典の事は聞いているでしょう?」
「あぁ、憂鬱で堪らない。とても無理だ」
「その話、わたくし達も陛下から手伝うようにと言われているの」
「えっ?手伝ってくれるのか?」
「勿論。でね?素敵なサプライズがあってもいいと思わない?」
「サプライズ?そんなのは式次第になかったんじゃないか?」
「だ・か・ら、サプライズ。ディックとディアセーラの再婚約を堂々発表!どう?」
再婚約と聞いてベネディクトは顔全体がカッと熱くなった。
マリッサとエレイナは目を半月にして微笑んだ。
第三王子オデッセアスがベネディクトを引きずり降ろし間も無く王太子となる。誰もがそう言った。第二王子のデモステネスも反対する事無く王兄教育を間も無く終える。
ベネディクトが下ろされるのは婚約者不在となってしまった事に他ならない。かといって王太子妃になれる令嬢などその辺には転がっていない。
式典の進行やもてなしだけでも面倒なのに王妃となればさらに何かを押し付けられるに決まっている。2人はそう考え、是が非でもディアセーラに返り咲いて貰わねば困るとお互いの意見の一致を見た。
このままだと、貴族に嫁がされ裕福な暮らしから益々遠のいてしまう。
マリッサとエレイナは焦った。ベネディクトには何が何でも即位してもらわねば努力が徒労に終わってしまう。
父親に聞けばどうやら婚約破棄を告げた日にベネディクトが「お前にくれてやる」と言わなくていい事まで言ってしまった事に、ブロスカキ公爵家がその男性の安全を確保するため取り込んだと教えてもらった。
ベネデッタの愚かな行為にもマリッサとエレイナは腹を立てていた。
横からベネディクトを掻っ攫おうとしたベネデッタ。
特にマリッサの怒りは収まる所を知らず、医師の診察後「行為はなかった」と一旦屋敷に戻されたベネデッタの元に翌日使いを送り、呼び出し王弟の宮に連れ込んだ。
「ねぇベネデッタ。誰かに喋ったら…賢い貴女なら判るわよね?」
数日間、責め立てた挙句に人も滅多に通らない雑木林に真夜中ベネデッタを捨てた。
そんな事一切表情に出さず、マリッサとエレイナはおよよとベネディクトの方に頬を寄せた。
「ディックがお前にくれてやる!なんて言うからその男はその気になってブロスカキ公爵家に転がり込んでいるのよ。公爵家となれば手出しが出来ないって知恵の働く男だわ」
「そうだったのか…そうか。あの時の男か」
「ディアセーラは元に戻りたいのに責め立てられていると聞くわ」
「なんだって?!」
「だって屋敷からディアセーラは出てこないでしょう?あれはね、出してもらえないの。わたくしも女だからよく判るわ。無理やり爵位が低い冴えない男と一緒になれと言われても気持ちの切り替えなんかできないもの。でも閉じ込めて徐々に洗脳していけば…判るわよね?」
「ブロスカキ公爵も非道だわ。ディックは口が滑っただけなのに、どうでも流せる言葉をお家大事で娘を生贄にするようなものよ」
「式典は3日間あるの。ブロスカキ公爵は絶対にディアセーラは連れてこない。でもね?ブロスカキ公爵は出席しなきゃいけないでしょう?お父様の私兵を貸してあげる。手薄になった公爵家に乗り込んでその男を拘束するのよ。でもその時にディアセーラまで連れてきちゃダメ。その男をエサにしてブロスカキ公爵と取引をするの。最終日に大勢の前で再婚約を宣言すれば全てが元通り。いいプランだと思わない?」
「しかし、式典の最中にそんな事をすればタダじゃ済まない」
「もう!ディック。ちゃんと聞いて?何か言われれば余興だと言えばいいじゃない。来賓の方々を退屈させないための余興よ。でも大勢の前で再婚約の宣言は覆らないわ。それは余興じゃないもの」
「そうよ?ブロスカキ公爵家に転がり込んだ男を正義の名の下にディックが処罰するんだもの。ブロスカキ公爵だってどうやって感謝の意を表せばいいか悩むんじゃない?」
ふむと考え込むベネディクト。もし本当にあの時の不用意な発言でブロスカキ公爵家にあの男が転がり込んでいるのなら責任は取らなくてはならない。
だが、ふと脳裏をよぎった思いがあった。
「ねぇ。どうしてマリッサとエレイナはそんなに親身になってくれるんだ?」
マリッサとエレイナは顔を見合わせた。そして同時にベネディクトに向かって微笑んだ。
「だって、いとこじゃない」
「だけど、してもらうばかりでなにも返せない」
「今はいいの。ディックが国王になったら、国王のディックじゃないと出来ない事でわたくし達を助けてくれればいいだけよ」
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