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第三章☆手続きは計画的に(5話)
初めての解約となるか?!
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架空、創作の話です。現実世界と混同しないようご注意ください。
◇~◇~◇
「うぅぅ~最悪ぅ~‥‥」
額がジワリと赤い部分を作ったルルージェさんがゆっくりと顔をあげる。
うっすらと滲む涙にインシュアが現時点でしてあげられる事は数少ない。
この後はルルージェさんがどうしたいかである。
ルルージェさんの家族構成に見合った保険は提案したが、常に世界は前に向けて動いている。それは保険も同じで日々新しいものが出て来て、見直しをした方が良いのか現状維持が良いのか。それを説明するのが販売員なのである。確かに契約は欲しいが錯誤や誤認、理解をしていない状態での契約は間違いなくトラブルの元だ。
保険の流行というのは優しいようで非情でもある。
一時金の給付金が販売されたため、従来の日額型は販売を縮小したのだ。今までの他の商品もであるが縮小した商品をお客様に提案する事はまずない。早ければ数か月おおよそで1年しないうちに販売終了になる。
そして【以前はそんな商品もありましたよね~】っと流されるのだ。
保険は【使わない】のが幸せなのだ。万が一の備えなのだから。
だが、万が一はどこに転がっているか判らない。
世の中【損をしない】ように出来ている。世知辛いがそれは税金の徴収方法と同じ。
一部からガッツリ取ればその一部は翌年はどうするか徹底的に対策するため前年ほどの税収が見込めない。なので広く浅く民衆から集めるのだ。
損をしないのが一番だが、損をしたと気が付いた時のリカバリーも間違ってはいけない。
馬車事故などに遭遇した時、絶対に自分から「すみません」と言ってはいけないと入れ知恵をする者がいるのと同じで、さも本当のように広まっている対処法は大半が地獄行きである。
言ってはいけないケースと言わねばならないケースがあるが判断するのは他人ではなく自分である。
「あの時、こう言ったじゃない!」っとドツボに落ちて食って掛かっても、所詮は関係のない野次馬根性だけのある他人。他人の不幸は蜜の味なのである。
失敗した時こそより注意をしなければならない。何事もケースバイケースなのだ。
一番良いのは他人の話を鵜呑みにしない事と、関わらない事である。
インシュアはルルージェさんが落ち着くまでじっと待っている。
ピンと伸びた背筋。顎を引いて顔を少しだけ弛め、手は軽く握って膝の上。まるで就職活動で面接官の前に座ったかのようだ。
「はぁぁ~。どうしよう。最悪だわ」
「よろしければお話を伺っても?」
通常なら聞かないインシュアだが、支店を出る前に確認はしている。
ルルージェさんはインシュアが担当するご契約者様なのだ。ご契約者様あってのインシュア。
誰にでも話を聞く女ではない。ご契約者様だから聞くのだ。損しかない話は聞く耳を持たない。かの日夫人のママ友の愚痴を聞いたのも、夫人の母がガッツリ契約してくれていて「娘の所に行って来て」と言われたからだ。
「やっちゃったわ。ごめんなさい正直に言うわ。今日来てもらったのは今まで掛けてた保険を解約してアレに乗り換えようと思ったの。ううん。違う‥‥もう契約しちゃったの。だから解約に来てもらったのよ」
「そうですか‥‥4年半のお付き合いでしたが残念です」
「クアァァ!!契約する前に相談したら良かった!契約したらクルージングで1週間の家族旅行の抽選権が貰えるっていうから!幾つか契約したら当選の倍率が上がるっていうし!旦那も私も子供も全部契約しちゃったの!」
「ですが良かった点もあったという事ですよね?」
「それがね‥‥旦那太ってるから血圧も高いのよ。で、医者の診察が必要で先に契約書を書いたの。明後日旦那が休みだから販売員と病院に行くんだけど‥‥」
「なるほど。これはわたくしの予想ですが、当初ルルージェさんは旦那さんの入院についての一時金を30万で考えられていたのではないですか?」
「そうよ?!どうしてわかるの?」
「通常一家の大黒柱である旦那様の保障にしては20万の一時金と言うのが微妙な金額なのです。多分血圧の件で審査が通らないかも知れないと言われ、30万を20万にしたのではないかと」
「アハハ…何でもお見通しだぁ。そうなの。その通りよ」
「旦那様に当方が契約頂いた時はまだお薬も飲んでおらず、通常時で少し高い血圧の範囲内でしたので日額1万ベルという保障が引き受けできたのですが、その後、お伺いさせて頂いた時にお薬を飲み始め、昨年はお薬を飲んで以前の少し高めを推移しているとの事だったので、旦那様の保障についてはもう触ってはいけないと判断したのです。
審査になれば、お引き受け出来ても掛け金は上がりますし、制約が課せられます。おそらく‥‥もし新規のご契約で旦那様をこの保障でしたら、一時金は15万ベルが限界、ごり押しすれば20万ベルが行けるかどうかの回数も(1)、そしてこの保険の死亡時の保障は200万ベルが限界でしょう。死亡、入院一時金、手術がセットになっていますから」
「そうなの。30万いけない?って聞いたけど20万が限界だって」
「そうでしょうね。その上もしかするとその販売員さんは、ルルージェさんには言ってないと思いますが旦那様を病院に連れて行った時に告知すると思います」
「告知って‥‥どんな告知?」
「引き受け開始半年ないし1年間は、全ての給付に置いて半額給付だという縛りです」
「あはっ…あはっ‥‥ナニソレ…もう笑うしかないわ」
「やはり聞かれていませんでしたか。契約としてはご本人である旦那様に伝えれば問題ない事項なのでそうだろうとは思いましたが‥‥では、どうされますか?」
「どうするも何も‥‥諦めるしかないわ」
「ルルージェさんは私の大切なご契約者様です。まだ解約の書類は出しておりません。もう一度お伺いいたします」
グイっと身を乗り出したインシュアに思わず仰け反るルルージェさん。
【どうされますか?】
インシュアの目がキラっ☆っと光った。
◇~◇~◇
「うぅぅ~最悪ぅ~‥‥」
額がジワリと赤い部分を作ったルルージェさんがゆっくりと顔をあげる。
うっすらと滲む涙にインシュアが現時点でしてあげられる事は数少ない。
この後はルルージェさんがどうしたいかである。
ルルージェさんの家族構成に見合った保険は提案したが、常に世界は前に向けて動いている。それは保険も同じで日々新しいものが出て来て、見直しをした方が良いのか現状維持が良いのか。それを説明するのが販売員なのである。確かに契約は欲しいが錯誤や誤認、理解をしていない状態での契約は間違いなくトラブルの元だ。
保険の流行というのは優しいようで非情でもある。
一時金の給付金が販売されたため、従来の日額型は販売を縮小したのだ。今までの他の商品もであるが縮小した商品をお客様に提案する事はまずない。早ければ数か月おおよそで1年しないうちに販売終了になる。
そして【以前はそんな商品もありましたよね~】っと流されるのだ。
保険は【使わない】のが幸せなのだ。万が一の備えなのだから。
だが、万が一はどこに転がっているか判らない。
世の中【損をしない】ように出来ている。世知辛いがそれは税金の徴収方法と同じ。
一部からガッツリ取ればその一部は翌年はどうするか徹底的に対策するため前年ほどの税収が見込めない。なので広く浅く民衆から集めるのだ。
損をしないのが一番だが、損をしたと気が付いた時のリカバリーも間違ってはいけない。
馬車事故などに遭遇した時、絶対に自分から「すみません」と言ってはいけないと入れ知恵をする者がいるのと同じで、さも本当のように広まっている対処法は大半が地獄行きである。
言ってはいけないケースと言わねばならないケースがあるが判断するのは他人ではなく自分である。
「あの時、こう言ったじゃない!」っとドツボに落ちて食って掛かっても、所詮は関係のない野次馬根性だけのある他人。他人の不幸は蜜の味なのである。
失敗した時こそより注意をしなければならない。何事もケースバイケースなのだ。
一番良いのは他人の話を鵜呑みにしない事と、関わらない事である。
インシュアはルルージェさんが落ち着くまでじっと待っている。
ピンと伸びた背筋。顎を引いて顔を少しだけ弛め、手は軽く握って膝の上。まるで就職活動で面接官の前に座ったかのようだ。
「はぁぁ~。どうしよう。最悪だわ」
「よろしければお話を伺っても?」
通常なら聞かないインシュアだが、支店を出る前に確認はしている。
ルルージェさんはインシュアが担当するご契約者様なのだ。ご契約者様あってのインシュア。
誰にでも話を聞く女ではない。ご契約者様だから聞くのだ。損しかない話は聞く耳を持たない。かの日夫人のママ友の愚痴を聞いたのも、夫人の母がガッツリ契約してくれていて「娘の所に行って来て」と言われたからだ。
「やっちゃったわ。ごめんなさい正直に言うわ。今日来てもらったのは今まで掛けてた保険を解約してアレに乗り換えようと思ったの。ううん。違う‥‥もう契約しちゃったの。だから解約に来てもらったのよ」
「そうですか‥‥4年半のお付き合いでしたが残念です」
「クアァァ!!契約する前に相談したら良かった!契約したらクルージングで1週間の家族旅行の抽選権が貰えるっていうから!幾つか契約したら当選の倍率が上がるっていうし!旦那も私も子供も全部契約しちゃったの!」
「ですが良かった点もあったという事ですよね?」
「それがね‥‥旦那太ってるから血圧も高いのよ。で、医者の診察が必要で先に契約書を書いたの。明後日旦那が休みだから販売員と病院に行くんだけど‥‥」
「なるほど。これはわたくしの予想ですが、当初ルルージェさんは旦那さんの入院についての一時金を30万で考えられていたのではないですか?」
「そうよ?!どうしてわかるの?」
「通常一家の大黒柱である旦那様の保障にしては20万の一時金と言うのが微妙な金額なのです。多分血圧の件で審査が通らないかも知れないと言われ、30万を20万にしたのではないかと」
「アハハ…何でもお見通しだぁ。そうなの。その通りよ」
「旦那様に当方が契約頂いた時はまだお薬も飲んでおらず、通常時で少し高い血圧の範囲内でしたので日額1万ベルという保障が引き受けできたのですが、その後、お伺いさせて頂いた時にお薬を飲み始め、昨年はお薬を飲んで以前の少し高めを推移しているとの事だったので、旦那様の保障についてはもう触ってはいけないと判断したのです。
審査になれば、お引き受け出来ても掛け金は上がりますし、制約が課せられます。おそらく‥‥もし新規のご契約で旦那様をこの保障でしたら、一時金は15万ベルが限界、ごり押しすれば20万ベルが行けるかどうかの回数も(1)、そしてこの保険の死亡時の保障は200万ベルが限界でしょう。死亡、入院一時金、手術がセットになっていますから」
「そうなの。30万いけない?って聞いたけど20万が限界だって」
「そうでしょうね。その上もしかするとその販売員さんは、ルルージェさんには言ってないと思いますが旦那様を病院に連れて行った時に告知すると思います」
「告知って‥‥どんな告知?」
「引き受け開始半年ないし1年間は、全ての給付に置いて半額給付だという縛りです」
「あはっ…あはっ‥‥ナニソレ…もう笑うしかないわ」
「やはり聞かれていませんでしたか。契約としてはご本人である旦那様に伝えれば問題ない事項なのでそうだろうとは思いましたが‥‥では、どうされますか?」
「どうするも何も‥‥諦めるしかないわ」
「ルルージェさんは私の大切なご契約者様です。まだ解約の書類は出しておりません。もう一度お伺いいたします」
グイっと身を乗り出したインシュアに思わず仰け反るルルージェさん。
【どうされますか?】
インシュアの目がキラっ☆っと光った。
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