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第四章☆愚か者は藁を掴んで燃やす(6話)
その選択は吉と出るか凶と出るか
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架空、創作の話です。現実世界と混同しないようご注意ください。
◇~◇~◇
「では今日も一日をお客様の為に!」
ユズリッハ保険商会の王都西南支店長の大きなゲキが部屋の隅まで行きわたると「はいっ」と返事をする販売員たちだが今朝は数人の販売員がバタバタしていた。
その理由は以前から危険が指摘されていた街道添いの山崩れが発生し多くの負傷者が出たのだ。
初回の崩落で付近にある民家が何棟か土砂にのまれてしまった。
しかし、危険地域に指定されていた事もあって、その家屋を住まいとする者は数年をかけて別の平坦な地域に集合住宅を国に用意してもらった事で、以前の住まいを引き払っていた。
電話やメールのない異世界である。情報が伝わってくるのには時間差がある。
銀行とて、引き落としは対応しているもののATMなどというものはなく、窓口に行って通帳に行員が手書きで入出金を記録し帳簿と突き合わせるのだ。
なので、同じ銀行でも支店が違えば窓口に行っても金は入出金出来ない。付き合わせる帳簿がないからだ。
崖崩れの一報が付近の住民に知らされ、救助隊が編成されたのが崖崩れ発生から2時間後。王都に知らされたのはそれから12時間後である。王都に知らされた一報を王宮にある各保険商会の者が待機する部屋に知らされ各支店にもたらされたのは崖崩れが発生した日の夜中である。そして救助隊が巻き込まれたとの第二報が支店に知らされたのが翌朝だった。
人的被害はないと思われたが、【ゴメスさんがいない】と一人の男性が言った。
ゴメスさんは生まれ育った生家に寝泊まりをするわけではないが、庭にある畑で少しの野菜を育てるためにほぼ毎日といってよいほど出向いていた男性だ。
1人とは言え、いないとなれば探さねばならない。ケガをしていたり埋まっているのなら早く救助しなくてはならないと救助隊が編成されて現地に向かったのだ。
救助隊が現地に向かって半日ほどした時、再度ゴゴゴと地鳴りのような音がして大きな土煙が空に向かって舞い上がった。崩れた崖は大抵その部分で止まる事はなく、支え合っていた片方が無くなると残った方も何かの衝撃で崩れてしまう事が多い。
「また崩れた」と土煙を指差す男性の先に小さな人影が見えた。ゴメスさんである。
聞けば数日前から腐葉土が更に腐ったような匂いと小石がパラパラと落ちて来ていたため、今日は陽が昇る前から畑に行って採れる野菜を収穫し、植えかえれば育ちそうな苗を取りに行って、帰りに遠回りで幾つか野菜を売ってきたと背中の籠を指差しながら語った。
ゴメスさんが無事だったのは良かったが、人々はおそらく時間的にはもう現地に到着しているだろう救助隊が二次災害に巻き込まれていないかを危惧した。
人々の願いは虚しく、死亡者はいなかったが30人ほどが負傷をしてしまったのだ。
バタバタとする中にインシュアの姿もある。
向かう先はご契約者様の自宅ではなく、おそらく搬送されるであろう王都の医院だった。
該当地域には診療所やクリニックといった医療施設しかなく、応急の手当は出来ても全員を入院させるほどのベッド数はない。
医療機関と言っても色々あるのである。
診療所やクリニックに入院施設がないと誤解している者もいるがそうではない。
病床数が19以下なら診療所やクリニックで入院設備があるかないかは関係がないのだ。
対して病院というには病床数が20以上を示し、総合病院は100床以上と決められている。
診療所やクリニックは一人の医師が診察をする患者の数は規定されておらず一人でも診れるのなら1万人でも構わないのだが、病院となると外来患者は40人に対して医師は1人であり、入院患者16人に対して医師は1人と定められている。
時折急に【●月より泌尿器科は外来診察のみとなり診察には予約が必須となります】など張り紙がされる事があるが、上記の規定を満たさなくなったという事である。
医師が辞めちゃったという事もあるが、入院患者が17人になってしまったり、外来の患者が50人も60人も診察に来るけれど医師は一人しかないとなれば対応をせざるを得ない。
そして働くスタッフの種類や数も異なる。
診療所やクリニックは医師一人が受付をして検査をして診察をして治療をして会計をしても問題ないのだ。薬は処方箋薬局にどうぞと言えば薬剤師を置く必要もない。
しかし病院となると看護師、准看護師、看護補助者に入院患者への院内処方に対応する薬剤師や食事提供などに栄養士も置かねばならないし、放射線技師、作業療法士、理学療法士など、適切な医療行為が行えるようその業務に特化した有資格者を確保し従事させねばならないのだ。
病床とする病室も細かく決められていおり、部屋の面積などは壁から壁の算術で弾きだされる面積から必要な設備機器などを水平投影面積で差し引いたものが満たされなければならない。
古い病院の4人部屋を大規模改修した時、改修後に3人、2人部屋になっているのはその面積が足らないからである。余りにも患者数が減ってしまう場合、個人の病院は【特老】などに姿を変える事もある。
ちなみにシャボーン国ではいきなり大病院を診察に訪れると診察してくれない事もないが、診療所やクリニック、病院の紹介状がないとかなり待たされる上に別途料金を加算されるようになっている。
なので怪我の状態が不明な事もあるが、ほぼ王都の病院に回されてくるだろうと他の販売員たちが崖崩れの発生した地域への馬車の手配をする横をすり抜けて1人目星をつけた地域医療センターに向かったのだった。
――ご契約者のお怪我が軽傷なら良いのですが――
そう思いながら1人みんなの乗る馬車には乗らないだけでなく、逆方向に歩いていくインシュアを見て馬車に乗り込んだ販売員たちはクスクスと笑った。
「お客様がケガをしたかも知れないと言うのにトップセールスは違うわね」
「頭の地図の方位磁針が壊れているんじゃない?毎月トップだから焼けついてるのよ」
「誰か教えてあげなさいよ。逆方向ですよって」
「どうしてそんな知恵を授けてやらなきゃいけないのよ。これできっとさっさと来ない販売員だってお客様が怒って解約ラッシュになるわ。いい気味よ」
彼女らの言う通り、もしかすればその地域にある診療所やクリニックで手当てを受けているかも知れないが、支店に入ってきた最新情報は【崖崩れで何人かのお客様が巻き込まれ負傷者が出た】という情報だけである。既にこちらに向かっている可能性もある。救急搬送に使う道は通常のルートではないからすれ違う事はない。行きつかないと判らないのだ。救助隊に名乗りを上げる者はもれなく保険商会と契約をしている。そういう危険と隣り合わせだからだ。
現地に行くのが正解か、地域医療センターに行くのが正解かは販売員には判らない。間違った選択をしてしまえば行ったり戻ったりで1日はロスをするだろう。
しかし、インシュアは迷うことなく他の販売員とは違う選択をしたのだった。
◇~◇~◇
「では今日も一日をお客様の為に!」
ユズリッハ保険商会の王都西南支店長の大きなゲキが部屋の隅まで行きわたると「はいっ」と返事をする販売員たちだが今朝は数人の販売員がバタバタしていた。
その理由は以前から危険が指摘されていた街道添いの山崩れが発生し多くの負傷者が出たのだ。
初回の崩落で付近にある民家が何棟か土砂にのまれてしまった。
しかし、危険地域に指定されていた事もあって、その家屋を住まいとする者は数年をかけて別の平坦な地域に集合住宅を国に用意してもらった事で、以前の住まいを引き払っていた。
電話やメールのない異世界である。情報が伝わってくるのには時間差がある。
銀行とて、引き落としは対応しているもののATMなどというものはなく、窓口に行って通帳に行員が手書きで入出金を記録し帳簿と突き合わせるのだ。
なので、同じ銀行でも支店が違えば窓口に行っても金は入出金出来ない。付き合わせる帳簿がないからだ。
崖崩れの一報が付近の住民に知らされ、救助隊が編成されたのが崖崩れ発生から2時間後。王都に知らされたのはそれから12時間後である。王都に知らされた一報を王宮にある各保険商会の者が待機する部屋に知らされ各支店にもたらされたのは崖崩れが発生した日の夜中である。そして救助隊が巻き込まれたとの第二報が支店に知らされたのが翌朝だった。
人的被害はないと思われたが、【ゴメスさんがいない】と一人の男性が言った。
ゴメスさんは生まれ育った生家に寝泊まりをするわけではないが、庭にある畑で少しの野菜を育てるためにほぼ毎日といってよいほど出向いていた男性だ。
1人とは言え、いないとなれば探さねばならない。ケガをしていたり埋まっているのなら早く救助しなくてはならないと救助隊が編成されて現地に向かったのだ。
救助隊が現地に向かって半日ほどした時、再度ゴゴゴと地鳴りのような音がして大きな土煙が空に向かって舞い上がった。崩れた崖は大抵その部分で止まる事はなく、支え合っていた片方が無くなると残った方も何かの衝撃で崩れてしまう事が多い。
「また崩れた」と土煙を指差す男性の先に小さな人影が見えた。ゴメスさんである。
聞けば数日前から腐葉土が更に腐ったような匂いと小石がパラパラと落ちて来ていたため、今日は陽が昇る前から畑に行って採れる野菜を収穫し、植えかえれば育ちそうな苗を取りに行って、帰りに遠回りで幾つか野菜を売ってきたと背中の籠を指差しながら語った。
ゴメスさんが無事だったのは良かったが、人々はおそらく時間的にはもう現地に到着しているだろう救助隊が二次災害に巻き込まれていないかを危惧した。
人々の願いは虚しく、死亡者はいなかったが30人ほどが負傷をしてしまったのだ。
バタバタとする中にインシュアの姿もある。
向かう先はご契約者様の自宅ではなく、おそらく搬送されるであろう王都の医院だった。
該当地域には診療所やクリニックといった医療施設しかなく、応急の手当は出来ても全員を入院させるほどのベッド数はない。
医療機関と言っても色々あるのである。
診療所やクリニックに入院施設がないと誤解している者もいるがそうではない。
病床数が19以下なら診療所やクリニックで入院設備があるかないかは関係がないのだ。
対して病院というには病床数が20以上を示し、総合病院は100床以上と決められている。
診療所やクリニックは一人の医師が診察をする患者の数は規定されておらず一人でも診れるのなら1万人でも構わないのだが、病院となると外来患者は40人に対して医師は1人であり、入院患者16人に対して医師は1人と定められている。
時折急に【●月より泌尿器科は外来診察のみとなり診察には予約が必須となります】など張り紙がされる事があるが、上記の規定を満たさなくなったという事である。
医師が辞めちゃったという事もあるが、入院患者が17人になってしまったり、外来の患者が50人も60人も診察に来るけれど医師は一人しかないとなれば対応をせざるを得ない。
そして働くスタッフの種類や数も異なる。
診療所やクリニックは医師一人が受付をして検査をして診察をして治療をして会計をしても問題ないのだ。薬は処方箋薬局にどうぞと言えば薬剤師を置く必要もない。
しかし病院となると看護師、准看護師、看護補助者に入院患者への院内処方に対応する薬剤師や食事提供などに栄養士も置かねばならないし、放射線技師、作業療法士、理学療法士など、適切な医療行為が行えるようその業務に特化した有資格者を確保し従事させねばならないのだ。
病床とする病室も細かく決められていおり、部屋の面積などは壁から壁の算術で弾きだされる面積から必要な設備機器などを水平投影面積で差し引いたものが満たされなければならない。
古い病院の4人部屋を大規模改修した時、改修後に3人、2人部屋になっているのはその面積が足らないからである。余りにも患者数が減ってしまう場合、個人の病院は【特老】などに姿を変える事もある。
ちなみにシャボーン国ではいきなり大病院を診察に訪れると診察してくれない事もないが、診療所やクリニック、病院の紹介状がないとかなり待たされる上に別途料金を加算されるようになっている。
なので怪我の状態が不明な事もあるが、ほぼ王都の病院に回されてくるだろうと他の販売員たちが崖崩れの発生した地域への馬車の手配をする横をすり抜けて1人目星をつけた地域医療センターに向かったのだった。
――ご契約者のお怪我が軽傷なら良いのですが――
そう思いながら1人みんなの乗る馬車には乗らないだけでなく、逆方向に歩いていくインシュアを見て馬車に乗り込んだ販売員たちはクスクスと笑った。
「お客様がケガをしたかも知れないと言うのにトップセールスは違うわね」
「頭の地図の方位磁針が壊れているんじゃない?毎月トップだから焼けついてるのよ」
「誰か教えてあげなさいよ。逆方向ですよって」
「どうしてそんな知恵を授けてやらなきゃいけないのよ。これできっとさっさと来ない販売員だってお客様が怒って解約ラッシュになるわ。いい気味よ」
彼女らの言う通り、もしかすればその地域にある診療所やクリニックで手当てを受けているかも知れないが、支店に入ってきた最新情報は【崖崩れで何人かのお客様が巻き込まれ負傷者が出た】という情報だけである。既にこちらに向かっている可能性もある。救急搬送に使う道は通常のルートではないからすれ違う事はない。行きつかないと判らないのだ。救助隊に名乗りを上げる者はもれなく保険商会と契約をしている。そういう危険と隣り合わせだからだ。
現地に行くのが正解か、地域医療センターに行くのが正解かは販売員には判らない。間違った選択をしてしまえば行ったり戻ったりで1日はロスをするだろう。
しかし、インシュアは迷うことなく他の販売員とは違う選択をしたのだった。
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