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第四章☆愚か者は藁を掴んで燃やす(6話)
線引きは必要です
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地域医療センターの前は混雑をしていた。
インシュアの勘は当たったのだ。
該当する地域に診療所は2つで双方とも入院設備はない。他にクリニックがあるものの整形外科、形成外科ではなく近い位置にあるような気がするリウマチ科である。
病床数は3。つまり入院はほぼ出来ない上にリウマチなどで入院する患者はベッドの空きを待っているため埋まっているからだ。稼働率ほぼ100%と言って良い。
保険販売員ともなれば簡単に知る事も出来るし知っていなければならない事である。
間違ってはいけない。保険の販売員が知る事が出来るのは誰が入院しているかではなく病床稼働状況である。それは王宮にある医務医事課に行けば毎日入り口扉の廊下側に張り出されている事だ。
救助隊となると想定される怪我は骨折、打撲、捻挫あとは重たいものを不自然な形で持ち上げたりすることからぎっくり腰になる事もあるし、変な踏ん張り方で腱を痛めたり中には断裂する場合もある。
「あっ!インシュアさん。来てくれたのね。心強いわ」
「リーボンさん。負傷者が出たという事で急ぎ参りましたがまだのようですね」
「こちらに向かっていると言うけど‥‥誰がケガをしたか判らないというの。無事だと良いんだけど、もしもの時は支払いとかどうしよう」
「大丈夫です。今回の場合は救助隊の編成で向かわれた折の負傷ですから、領地を所有する子爵家及び街道を管理する国から労災認定されるでしょうから医療費はかかりません」
「良かった。先月妹が結婚したから紹介してもらった互助会の1口を妹に譲渡したんだけど祝い事は足が出るから足してあげて今月は厳しいのよ。長く入院になったり手術になったらどうしようかと思った。お金ないからしなくていいですなんて言えないもの。医療費が要らないだけでも助かるわ」
リーボンさんと話をしていると、インシュアが胸ポケットに付けているユズリッハ保険商会のピンバッジを見て数人の女性が近づいてきた。
「ねぇ、ユズリッハ保険商会は貴女だけなの?他の…ウチの担当のテトゥーさんは何処?」
「ウチも。ウチの担当をしてくれているデリンザさんは何処なの?受付?」
「申し訳ございません。わたくしは一人でこちらに来ましたので他の担当販売員が何処に行ったか知らないのです。こちらに来るか、若しくは後日ご自宅に伺うとは思いますがそれが何時になるという事もわたくしには判らないのです」
「もう!何やってるのかしら。こんなに不安な時に!」
「そうよ。この前子供の学費保険を契約したのに!」
「お力になれず申し訳ございません」
「貴女でいいわ、ウチの保険。これは労災だけど給付金出るのかしら?」
時折いるのである。こんな時は給付金うんぬんよりも運ばれて来ているであろう身内の心配をするべきである。ケガと言っても侮ってはいけない。それが原因で後々の就業に響く事もあるのだ。
掴みかかる勢いでインシュアに迫ってくる他の販売員のお客様。
そう、インシュアは自分と契約をしている人はご契約者様だが、他の販売員の顧客はお客様である。ユズリッハ保険商会と契約をしているのは間違いないが、誰の顧客なのか。そこは線引きが必要なのだ。
「申し訳ございません。現在何方もここに搬送されておりませんので怪我の程度が不明です。また素人主観でこの怪我はとお話する事も出来ません。診断をするのはわたくしではなくお医者様です。わたくし達販売員はその診断名を持って契約をしてくださっている保障に該当するか、しないか。該当するならどういう手続きと書類が必要かをお手伝いするだけで御座います」
「あぁもう!でも担当が来ないから聞いてるのよ!」
「申し訳ございません。お客様の契約内容は守秘義務で守られておりますので、同じユズリッハ保険商会の販売員だと言ってもそこはきっちりと線引きをされており、当方はお客様のお名前も何も存じ上げないのです。ですので、当方に問われましても答えかねます」
「あなたね、同じ会社なんだから知ってて当然でしょ!」
「いえ、お客様が個人情報を開示してよいと認められたのは法人と言う立場のユズリッハ保険商会、そして担当販売員です。わたくしがお客様の情報を知る時は、個人固有特定情報法の23条第4項の5にあるように担当販売員が所定の手続きを書面にしてユズリッハ保険商会に提出し決済された時のみです。現在ガッチガチに守られており当方は知り得ることが出来ません。ご了承ください」
「まぁまぁ、そのうち来るわよ。ちょっと私、話があるのよ。もういいかな?行きましょうインシュアさん」
「はい、ご同行いたします」
クルリと背を向けるとリーボンさんと一緒に少し離れた所にある談話室に向かう。
談話室と言っても部屋になっているわけではない。
通路となっている部分とは床の色分けがされていて、いくつかの椅子とテーブルがありセルフでお茶、水が飲める。片付けも勿論セルフである。
丸い小さなテーブルの周りには4人分の椅子があり、同じ組み合わせが幾つもある。
一つを選びリーボンさんと向かい合わせになる椅子にカバンを置くとリーボンさんの分も紙コップにお茶を淹れてそっと差し出した。
「こんな待ち時間いやだわぁ」
「そうですね。負傷者がいるとは聞いておりますがご主人様でない事を祈るのみです」
「大丈夫だと思うけど、意外にウッカリ者で鈍臭いところもあるのよね」
大きな溜息を吐き出し紙コップを手にしたリーボンさん。
そこにインシュアの名前を呼ぶ女性2人が近づいてきた。
「インシュアさんっ!よかった。来てくれてる。安心したぁ」
「良かった。もう不安で不安で‥‥お金必要かもって銀行に行ってたら遅くなっちゃった」
「ジェンナさん、アレッサさん。先月は美味しいお茶ありがとうございました」
「何言ってるの。普通の番茶!夕食にも出してるからそんなセレブが飲むようなものみたいなんじゃないわ」
ジェンナさんもアレッサさんもインシュアのご契約者様である。
この3人はインシュアのご契約者様で家族構成もほぼ同じ。ご主人さんの年齢も1,2歳違うだけで子供たちもとても仲がよく3年前の転勤で王都と崖崩れがあった地の中間に引っ越しをしたのだ。
彼女らの御主人さんの職場はそこからさらに崖崩れのあった側に行ったところにある。
向こうでたむろしている女性達も同様だが、あちらはご契約者様ではなくお客様。線引きは重要だ。
4人が空になった紙コップを折りたたんだり、ギリギリ底に引っ掛かった水滴を揺らしていると外が慌ただしくなった。「行きましょう」とアレッサさんが声をかけ全員が立ち上がり小走りになって搬送されてきた患者の入り口に向かう。
しかし、処置室に入れてくれるわけではなくただ遠巻きに「あれは誰なの?」と見るだけである。
がやがやとした中、「彼で最後です」という声が聞こえてその声の主に彼女たちが一斉に駈け寄った。
駈け寄る際に、その男性の後ろに夫や息子の姿を見つけた者は進路変更で夫や息子に突進していく。
「隊長さんっ!息子はっ?息子は何処にいるの!」
重苦しい雰囲気の中、何時までもここに集まっていては通行の邪魔になる。
隊長さんと呼ばれた男性は【名を呼んだ者の家族の方は談話室へ】といい名前を読み上げ始めた。
「名を呼ばれなかったものは何ともない。隊服も汚れていないから安心して欲しい。名を呼ばれた者のご家族は診察の結果を一緒に談話室で待ちましょう」
談話室に向かう中にはリーボンさんもジェンナさん、アレッサさんの姿もある。
そして自分の担当販売員が来ないと言っていた女性達もいた。
軽傷だったものが処置を終えて出てくるたびに全員が扉の方に視線を向ける。
7、8人は擦り傷、切り傷で縫合などの処置もなく消毒をして念のために化膿止めと解熱剤を処方されて家族と共に帰って行った。
半分を過ぎて17人目が出て来ても、インシュアのご契約者様の3人の御主人様と、あの女性達の家族は出てこなかった。
「全部で26人だったわよね…あと9人…遅いわね。嫌な感じ」
「きっと大丈夫。大丈夫。いつも仰け反っている壁で練習してるもの…大丈夫だわ…」
「うん。毎日無駄に鍛えてるもの‥‥石だって岩だって上腕二頭筋で跳ね返す筈よ」
出てきた9人は念のため今日は入院となった。
頭部に落石が当たって、少ないもので2針、多いもので10針ほど縫合したものもいる。
骨折などはないようだが、頭部以外にも打撲もあった。
「良かった。生きてたぁ」
次々に生きていた事に安堵する者達。先程怪我の状態より給付金を心配した女性も軽傷だった事に安堵している。しかしインシュアの出番はここからである。
「では、皆さん。ご説明を致しますので談話室へ」
「出るの?‥‥給付金?」
不安そうなリーボンさん、ジェンナさん、アレッサさんに向かってインシュアが微笑んだ。
「出ます」
バタバタバタ!!!インシュアが返事をするが早いか数人の足音がこちらに向かって来た。
あの女性達の担当販売員である。
負傷した者達は別のルートで搬送をされたが、王宮に向けた知らせを持って走る伝令が馬を交換している場に出くわし、既に王都に向けて負傷者が運ばれた事を知って、折り返しの馬車をチャーターして走ってきたのだ。
「遅くなりました。ご容体は?!もしやお亡くなりに?!」
何て事をいの一番に聞く販売員なんだろうか‥‥インシュアは遠い目になった。
そしてそっと指を真横にシュっと宙を走らせた。
「ボーダーライン」
小さい呟きはジェンナさんだけに聞えたようで失笑されたのだった。
インシュアの勘は当たったのだ。
該当する地域に診療所は2つで双方とも入院設備はない。他にクリニックがあるものの整形外科、形成外科ではなく近い位置にあるような気がするリウマチ科である。
病床数は3。つまり入院はほぼ出来ない上にリウマチなどで入院する患者はベッドの空きを待っているため埋まっているからだ。稼働率ほぼ100%と言って良い。
保険販売員ともなれば簡単に知る事も出来るし知っていなければならない事である。
間違ってはいけない。保険の販売員が知る事が出来るのは誰が入院しているかではなく病床稼働状況である。それは王宮にある医務医事課に行けば毎日入り口扉の廊下側に張り出されている事だ。
救助隊となると想定される怪我は骨折、打撲、捻挫あとは重たいものを不自然な形で持ち上げたりすることからぎっくり腰になる事もあるし、変な踏ん張り方で腱を痛めたり中には断裂する場合もある。
「あっ!インシュアさん。来てくれたのね。心強いわ」
「リーボンさん。負傷者が出たという事で急ぎ参りましたがまだのようですね」
「こちらに向かっていると言うけど‥‥誰がケガをしたか判らないというの。無事だと良いんだけど、もしもの時は支払いとかどうしよう」
「大丈夫です。今回の場合は救助隊の編成で向かわれた折の負傷ですから、領地を所有する子爵家及び街道を管理する国から労災認定されるでしょうから医療費はかかりません」
「良かった。先月妹が結婚したから紹介してもらった互助会の1口を妹に譲渡したんだけど祝い事は足が出るから足してあげて今月は厳しいのよ。長く入院になったり手術になったらどうしようかと思った。お金ないからしなくていいですなんて言えないもの。医療費が要らないだけでも助かるわ」
リーボンさんと話をしていると、インシュアが胸ポケットに付けているユズリッハ保険商会のピンバッジを見て数人の女性が近づいてきた。
「ねぇ、ユズリッハ保険商会は貴女だけなの?他の…ウチの担当のテトゥーさんは何処?」
「ウチも。ウチの担当をしてくれているデリンザさんは何処なの?受付?」
「申し訳ございません。わたくしは一人でこちらに来ましたので他の担当販売員が何処に行ったか知らないのです。こちらに来るか、若しくは後日ご自宅に伺うとは思いますがそれが何時になるという事もわたくしには判らないのです」
「もう!何やってるのかしら。こんなに不安な時に!」
「そうよ。この前子供の学費保険を契約したのに!」
「お力になれず申し訳ございません」
「貴女でいいわ、ウチの保険。これは労災だけど給付金出るのかしら?」
時折いるのである。こんな時は給付金うんぬんよりも運ばれて来ているであろう身内の心配をするべきである。ケガと言っても侮ってはいけない。それが原因で後々の就業に響く事もあるのだ。
掴みかかる勢いでインシュアに迫ってくる他の販売員のお客様。
そう、インシュアは自分と契約をしている人はご契約者様だが、他の販売員の顧客はお客様である。ユズリッハ保険商会と契約をしているのは間違いないが、誰の顧客なのか。そこは線引きが必要なのだ。
「申し訳ございません。現在何方もここに搬送されておりませんので怪我の程度が不明です。また素人主観でこの怪我はとお話する事も出来ません。診断をするのはわたくしではなくお医者様です。わたくし達販売員はその診断名を持って契約をしてくださっている保障に該当するか、しないか。該当するならどういう手続きと書類が必要かをお手伝いするだけで御座います」
「あぁもう!でも担当が来ないから聞いてるのよ!」
「申し訳ございません。お客様の契約内容は守秘義務で守られておりますので、同じユズリッハ保険商会の販売員だと言ってもそこはきっちりと線引きをされており、当方はお客様のお名前も何も存じ上げないのです。ですので、当方に問われましても答えかねます」
「あなたね、同じ会社なんだから知ってて当然でしょ!」
「いえ、お客様が個人情報を開示してよいと認められたのは法人と言う立場のユズリッハ保険商会、そして担当販売員です。わたくしがお客様の情報を知る時は、個人固有特定情報法の23条第4項の5にあるように担当販売員が所定の手続きを書面にしてユズリッハ保険商会に提出し決済された時のみです。現在ガッチガチに守られており当方は知り得ることが出来ません。ご了承ください」
「まぁまぁ、そのうち来るわよ。ちょっと私、話があるのよ。もういいかな?行きましょうインシュアさん」
「はい、ご同行いたします」
クルリと背を向けるとリーボンさんと一緒に少し離れた所にある談話室に向かう。
談話室と言っても部屋になっているわけではない。
通路となっている部分とは床の色分けがされていて、いくつかの椅子とテーブルがありセルフでお茶、水が飲める。片付けも勿論セルフである。
丸い小さなテーブルの周りには4人分の椅子があり、同じ組み合わせが幾つもある。
一つを選びリーボンさんと向かい合わせになる椅子にカバンを置くとリーボンさんの分も紙コップにお茶を淹れてそっと差し出した。
「こんな待ち時間いやだわぁ」
「そうですね。負傷者がいるとは聞いておりますがご主人様でない事を祈るのみです」
「大丈夫だと思うけど、意外にウッカリ者で鈍臭いところもあるのよね」
大きな溜息を吐き出し紙コップを手にしたリーボンさん。
そこにインシュアの名前を呼ぶ女性2人が近づいてきた。
「インシュアさんっ!よかった。来てくれてる。安心したぁ」
「良かった。もう不安で不安で‥‥お金必要かもって銀行に行ってたら遅くなっちゃった」
「ジェンナさん、アレッサさん。先月は美味しいお茶ありがとうございました」
「何言ってるの。普通の番茶!夕食にも出してるからそんなセレブが飲むようなものみたいなんじゃないわ」
ジェンナさんもアレッサさんもインシュアのご契約者様である。
この3人はインシュアのご契約者様で家族構成もほぼ同じ。ご主人さんの年齢も1,2歳違うだけで子供たちもとても仲がよく3年前の転勤で王都と崖崩れがあった地の中間に引っ越しをしたのだ。
彼女らの御主人さんの職場はそこからさらに崖崩れのあった側に行ったところにある。
向こうでたむろしている女性達も同様だが、あちらはご契約者様ではなくお客様。線引きは重要だ。
4人が空になった紙コップを折りたたんだり、ギリギリ底に引っ掛かった水滴を揺らしていると外が慌ただしくなった。「行きましょう」とアレッサさんが声をかけ全員が立ち上がり小走りになって搬送されてきた患者の入り口に向かう。
しかし、処置室に入れてくれるわけではなくただ遠巻きに「あれは誰なの?」と見るだけである。
がやがやとした中、「彼で最後です」という声が聞こえてその声の主に彼女たちが一斉に駈け寄った。
駈け寄る際に、その男性の後ろに夫や息子の姿を見つけた者は進路変更で夫や息子に突進していく。
「隊長さんっ!息子はっ?息子は何処にいるの!」
重苦しい雰囲気の中、何時までもここに集まっていては通行の邪魔になる。
隊長さんと呼ばれた男性は【名を呼んだ者の家族の方は談話室へ】といい名前を読み上げ始めた。
「名を呼ばれなかったものは何ともない。隊服も汚れていないから安心して欲しい。名を呼ばれた者のご家族は診察の結果を一緒に談話室で待ちましょう」
談話室に向かう中にはリーボンさんもジェンナさん、アレッサさんの姿もある。
そして自分の担当販売員が来ないと言っていた女性達もいた。
軽傷だったものが処置を終えて出てくるたびに全員が扉の方に視線を向ける。
7、8人は擦り傷、切り傷で縫合などの処置もなく消毒をして念のために化膿止めと解熱剤を処方されて家族と共に帰って行った。
半分を過ぎて17人目が出て来ても、インシュアのご契約者様の3人の御主人様と、あの女性達の家族は出てこなかった。
「全部で26人だったわよね…あと9人…遅いわね。嫌な感じ」
「きっと大丈夫。大丈夫。いつも仰け反っている壁で練習してるもの…大丈夫だわ…」
「うん。毎日無駄に鍛えてるもの‥‥石だって岩だって上腕二頭筋で跳ね返す筈よ」
出てきた9人は念のため今日は入院となった。
頭部に落石が当たって、少ないもので2針、多いもので10針ほど縫合したものもいる。
骨折などはないようだが、頭部以外にも打撲もあった。
「良かった。生きてたぁ」
次々に生きていた事に安堵する者達。先程怪我の状態より給付金を心配した女性も軽傷だった事に安堵している。しかしインシュアの出番はここからである。
「では、皆さん。ご説明を致しますので談話室へ」
「出るの?‥‥給付金?」
不安そうなリーボンさん、ジェンナさん、アレッサさんに向かってインシュアが微笑んだ。
「出ます」
バタバタバタ!!!インシュアが返事をするが早いか数人の足音がこちらに向かって来た。
あの女性達の担当販売員である。
負傷した者達は別のルートで搬送をされたが、王宮に向けた知らせを持って走る伝令が馬を交換している場に出くわし、既に王都に向けて負傷者が運ばれた事を知って、折り返しの馬車をチャーターして走ってきたのだ。
「遅くなりました。ご容体は?!もしやお亡くなりに?!」
何て事をいの一番に聞く販売員なんだろうか‥‥インシュアは遠い目になった。
そしてそっと指を真横にシュっと宙を走らせた。
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