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第四章☆愚か者は藁を掴んで燃やす(6話)
契約通りです
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架空、創作の話です。現実世界と混同しないようご注意ください。
◇~◇~◇
1つ開けたテーブルでそれぞれの顧客に対して販売員は説明を始める。
帰るにしても負傷した家族が入院になった者は辻馬車を待たねばならないが、その待ち時間があるのだ。公共交通機関は便利だが自分に合わせて動いてくれている訳ではない。
そこは自分が合わさねばならないのだ。
「では主契約となっている保険、そしてケガに対応する保険は皆さま同じです。金額も同じですし現在ご主人様が入院をされておられますので記入いただく一式を奥様にお渡しいたします。医師の診断書などは労災となりますのでわたくしの方で王宮の医務医事課に行き発行手続きを致しますが、その委任状をご主人様にお渡しください。ご注意頂くのは委任状は2つありますのでお忘れなく」
「うわぁ結構あるのね」
「ホントだ。あれ?クリアファイルが2つあるけど」
「はい、保険の種別によって分けております。誤って一緒になってしまっても、わたくしが責任をもって分別しますのでご安心ください。では説明を致します」
インシュアが説明を始めると、1つ空けたテーブルではあの女性達がこちらにも聞き耳を立てている。カバンからこれと、あれと…と出しては違うとカバンに仕舞い、やはり必要だともたつく自分の販売員に溜息を吐きつつも気になるようである。
「では、主契約として頂いている契約でこちら。先日日帰りでも入院をすれば一時金と言うタイプに加入頂いた分です。危険なお仕事に従事されているという事で3名様ともご希望の30万ベル(13)には出来ませんでしたが、10万ベル(4)に該当をしております。入院一時金が1泊2日となりますので10万ベル。当社の規定で縫合は2針以上となっており、先程の隊長さんのお話で少ない方で2針とありますので、特定損傷特約から1万ベル。こちらの保険からは合計11万ベルが給付されます。よろしいでしょうか」
「まさか、こんなに早く使う事になるなんて…」
「ホント…びっくりだわ」
「あの時、余計な特約に気が付いて良かったわ。10年無駄に払ったと思ったら腹が立ったけどウチの担当にインシュアさんがなってくれて良かったわ」
「いえ、保険は万が一の備えです。こんな時にお役に立てて嬉しく思います」
その保険は、他の女性達も同じだったようでこの場にいる者はご主人さんや息子さんが救助隊という危険な仕事にも従事するため、少し高い掛け金となり制約も受けるが備える気持ちは人一倍あるのだ。
ガタガタと後方で席を立つ音がする。他の方の保険はそれだけだったようだ。
しかし、変に見下したような目でこちらを見ている。リーボンさんが睨むと顔をそらし女性達はクスクスと笑っている。おそらく一時金の額がリーボンさん達は10万ベルに対して自分たちは限界の15万ベルだった事に優越感を持っているのだろう。
給付金は備えである。額の多さに勝った負けたではないのだ。
「では次にこちらの保険の説明をさせて頂きます」
<< えっ >>
先ほどの女性達である。どういう事だと顔を見合わせているがインシュアには関係のないお客様である。何度も言うかご契約者様とお客様は違う。明確な線引きをしているのだ。
「一時金タイプを限度額の15万ベルではなく10万ベルに押さえて頂く事でそれまでの日額保障を継続頂きありがとうございました」
「そりゃ残すわよ。月にたった1500ベル違うだけだもの。昼のランチを数回我慢すればいいだけだし」
「そうそう。こんな事になれば崩れた後を整地するにも駆り出されるんだもの。どんな怪我するか判らないじゃない。次の方が大きかったら最悪だわ」
「ホント。歩いて帰れそうだから良いけどこの後松葉杖や車いすでリハビリもなんてなったら大変だもの」
「そうですね。今回皆様のご主人さまはこの救助隊に加入される前にご契約頂いておりましたので日額1万ベル、入院御見舞金が10万ベル、縫合に対しての手術給付金が5万ベルとなっております。
退院される際はまだ抜糸をしておりませんので、抜糸、およびその後の経過における診察で少なくとも2日分の通院給付金も対象になっておりますから、通院が2日として合計17万ベルの給付金となります。よろしいでしょうか」
<<ナンデスッテ!!>>
外野の声は聞こえない。インシュアのご契約者様は目の前の3人である。
「では2つ目のクリアファイル。これはケガに特化した保険です。覚えておいででしょうか」
「覚えてるわ。先月年払いで引き落としがあったばかりだもの」
「そうそう。これ、ウチは3カ月前に息子が転んで擦り傷でも使ったのよ」
「私も料理中に包丁でやっちゃったときに縫わなかったけどケガ通院貰ったわ」
「使わないのが何よりでございますが、お役に立ったようで良かったです。では説明を致しますね。
今回はケガでの入院となっておりますので日額5千ベル。1泊2日ですので1万ベルとなります。縫合と言う外科的処置に対しては3万ベル。その後は抜糸、経過における診察が2日あると思いますので単にケガでの通院ではなく、入院を伴ったケガの通院となりますので日額3千ベルの一先ず2日分の合計4万6千ベルが給付となります。よろしいでしょうか」
「ばっちり!それが2つ目の委任状という事ね」
「そうでございます。お手数をおかけしますが商会ごとに問い合わせを致しますのでお願いいたします」
<< ちょっと待ったぁぁ! >>
他の販売員のお客様の女性達が真っ赤な顔をして近づいてくる。
一体何をそんなに興奮をしているのであろうか。
「どうしてウチが17万ベルしか貰えないのに、アンタたちは30万ももらえるのよ!」
「違います」
「えっ?だってさっき…」
「30万ベルではなく、最低32万6千ベルです。最低と言うのは通院の日数により増えますが抜糸と経過における診察以外に何日の通院となるか不明なため最低額の給付金を説明したのです。給付金の金額の間違いは決して小さな間違いでは御座いませんので訂正させて頂きます」
「おかしいじゃない!!!同じユズリッハ保険商会なのに!」
「おかしくは御座いません。金額からのみの推測で申し訳ないのですが、一時金払いの際に限度額の15万にされ、それまでの日額保障を下取りにされたのだと思います。その保険に対しての給付額ですのでおかしくは御座いません」
「そ、そうよ!文句ある?何が悪いのよ」
「いいえ。何も悪くは御座いません。それはお客様が選択をし納得をされた事ですから」
「だけどおかしいじゃない!どうしてそっちの額が多いのよ!」
「額は多く御座いません。契約頂いている通りの給付金ですので、一介の販売員風情が勝手に増額する事などは出来るはずも御座いません」
「そうよ。私達はそれまでの保険も今は不要な介護保険と別の保険にある先進医療なんかを外しただけ。入院についてはダブルヘッダーにしてるだけよ。あなた達はそれまでの保険を下取りにしたんでしょう?」
そう、リーボンさん達の御主人さんの日額保障の保険は当時独身だった頃に御主人さんのお母様方が契約をしていたのだ。その販売員はインシュアのクズな先輩たちである。引き継いだ時には掛け金を払っているリボーンさん達から言えばお姑さんが保険を触らせてくれなかった。
アレッサさんの御主人さんもはじめてかけた保険だと触らせてくれなかったのだ。
しかし年金生活になると結婚した息子の保険の掛け金は負担である。
結果的にリボーンさんたちの元にやって来たので見直しをして、削った分にちょっと足した額の一時金タイプを最低限の保障でプラスしただけなのだ。
そのついでに損保のケガの保険をさらに追加で契約してくれたのだ。
ぶつぶつと【納得できない!】っと自分の担当販売員を追いかける様に走り去る女性。
納得するもしないもない。契約している通りの事しかしないのだから。
残念ながら帰りの馬車は、女性達に罵倒されている他の販売員と同じである。
聞き流すに限る。自分の失敗をリカバリーできるのは自分だけだ。
「あなたね!死ななかったからよかったものの!役に立たないじゃない!」
捲し立てる女性の言葉にインシュアのコメカミがピクリと動いた。
「アレッサさん。この後、少しで良いのですがお時間御座いますでしょうか」
「フェッ?いいけど。ウチくる?子供の面倒を妹に見てもらってるから五月蠅いかもだけど」
「妹さんも?それはご主人さんの妹さんですか?」
「ううん。違う。私の妹だから遠慮要らないわ」
「尚の事、お時間を頂きたく存じます」
どうした?インシュア?!
◇~◇~◇
1つ開けたテーブルでそれぞれの顧客に対して販売員は説明を始める。
帰るにしても負傷した家族が入院になった者は辻馬車を待たねばならないが、その待ち時間があるのだ。公共交通機関は便利だが自分に合わせて動いてくれている訳ではない。
そこは自分が合わさねばならないのだ。
「では主契約となっている保険、そしてケガに対応する保険は皆さま同じです。金額も同じですし現在ご主人様が入院をされておられますので記入いただく一式を奥様にお渡しいたします。医師の診断書などは労災となりますのでわたくしの方で王宮の医務医事課に行き発行手続きを致しますが、その委任状をご主人様にお渡しください。ご注意頂くのは委任状は2つありますのでお忘れなく」
「うわぁ結構あるのね」
「ホントだ。あれ?クリアファイルが2つあるけど」
「はい、保険の種別によって分けております。誤って一緒になってしまっても、わたくしが責任をもって分別しますのでご安心ください。では説明を致します」
インシュアが説明を始めると、1つ空けたテーブルではあの女性達がこちらにも聞き耳を立てている。カバンからこれと、あれと…と出しては違うとカバンに仕舞い、やはり必要だともたつく自分の販売員に溜息を吐きつつも気になるようである。
「では、主契約として頂いている契約でこちら。先日日帰りでも入院をすれば一時金と言うタイプに加入頂いた分です。危険なお仕事に従事されているという事で3名様ともご希望の30万ベル(13)には出来ませんでしたが、10万ベル(4)に該当をしております。入院一時金が1泊2日となりますので10万ベル。当社の規定で縫合は2針以上となっており、先程の隊長さんのお話で少ない方で2針とありますので、特定損傷特約から1万ベル。こちらの保険からは合計11万ベルが給付されます。よろしいでしょうか」
「まさか、こんなに早く使う事になるなんて…」
「ホント…びっくりだわ」
「あの時、余計な特約に気が付いて良かったわ。10年無駄に払ったと思ったら腹が立ったけどウチの担当にインシュアさんがなってくれて良かったわ」
「いえ、保険は万が一の備えです。こんな時にお役に立てて嬉しく思います」
その保険は、他の女性達も同じだったようでこの場にいる者はご主人さんや息子さんが救助隊という危険な仕事にも従事するため、少し高い掛け金となり制約も受けるが備える気持ちは人一倍あるのだ。
ガタガタと後方で席を立つ音がする。他の方の保険はそれだけだったようだ。
しかし、変に見下したような目でこちらを見ている。リーボンさんが睨むと顔をそらし女性達はクスクスと笑っている。おそらく一時金の額がリーボンさん達は10万ベルに対して自分たちは限界の15万ベルだった事に優越感を持っているのだろう。
給付金は備えである。額の多さに勝った負けたではないのだ。
「では次にこちらの保険の説明をさせて頂きます」
<< えっ >>
先ほどの女性達である。どういう事だと顔を見合わせているがインシュアには関係のないお客様である。何度も言うかご契約者様とお客様は違う。明確な線引きをしているのだ。
「一時金タイプを限度額の15万ベルではなく10万ベルに押さえて頂く事でそれまでの日額保障を継続頂きありがとうございました」
「そりゃ残すわよ。月にたった1500ベル違うだけだもの。昼のランチを数回我慢すればいいだけだし」
「そうそう。こんな事になれば崩れた後を整地するにも駆り出されるんだもの。どんな怪我するか判らないじゃない。次の方が大きかったら最悪だわ」
「ホント。歩いて帰れそうだから良いけどこの後松葉杖や車いすでリハビリもなんてなったら大変だもの」
「そうですね。今回皆様のご主人さまはこの救助隊に加入される前にご契約頂いておりましたので日額1万ベル、入院御見舞金が10万ベル、縫合に対しての手術給付金が5万ベルとなっております。
退院される際はまだ抜糸をしておりませんので、抜糸、およびその後の経過における診察で少なくとも2日分の通院給付金も対象になっておりますから、通院が2日として合計17万ベルの給付金となります。よろしいでしょうか」
<<ナンデスッテ!!>>
外野の声は聞こえない。インシュアのご契約者様は目の前の3人である。
「では2つ目のクリアファイル。これはケガに特化した保険です。覚えておいででしょうか」
「覚えてるわ。先月年払いで引き落としがあったばかりだもの」
「そうそう。これ、ウチは3カ月前に息子が転んで擦り傷でも使ったのよ」
「私も料理中に包丁でやっちゃったときに縫わなかったけどケガ通院貰ったわ」
「使わないのが何よりでございますが、お役に立ったようで良かったです。では説明を致しますね。
今回はケガでの入院となっておりますので日額5千ベル。1泊2日ですので1万ベルとなります。縫合と言う外科的処置に対しては3万ベル。その後は抜糸、経過における診察が2日あると思いますので単にケガでの通院ではなく、入院を伴ったケガの通院となりますので日額3千ベルの一先ず2日分の合計4万6千ベルが給付となります。よろしいでしょうか」
「ばっちり!それが2つ目の委任状という事ね」
「そうでございます。お手数をおかけしますが商会ごとに問い合わせを致しますのでお願いいたします」
<< ちょっと待ったぁぁ! >>
他の販売員のお客様の女性達が真っ赤な顔をして近づいてくる。
一体何をそんなに興奮をしているのであろうか。
「どうしてウチが17万ベルしか貰えないのに、アンタたちは30万ももらえるのよ!」
「違います」
「えっ?だってさっき…」
「30万ベルではなく、最低32万6千ベルです。最低と言うのは通院の日数により増えますが抜糸と経過における診察以外に何日の通院となるか不明なため最低額の給付金を説明したのです。給付金の金額の間違いは決して小さな間違いでは御座いませんので訂正させて頂きます」
「おかしいじゃない!!!同じユズリッハ保険商会なのに!」
「おかしくは御座いません。金額からのみの推測で申し訳ないのですが、一時金払いの際に限度額の15万にされ、それまでの日額保障を下取りにされたのだと思います。その保険に対しての給付額ですのでおかしくは御座いません」
「そ、そうよ!文句ある?何が悪いのよ」
「いいえ。何も悪くは御座いません。それはお客様が選択をし納得をされた事ですから」
「だけどおかしいじゃない!どうしてそっちの額が多いのよ!」
「額は多く御座いません。契約頂いている通りの給付金ですので、一介の販売員風情が勝手に増額する事などは出来るはずも御座いません」
「そうよ。私達はそれまでの保険も今は不要な介護保険と別の保険にある先進医療なんかを外しただけ。入院についてはダブルヘッダーにしてるだけよ。あなた達はそれまでの保険を下取りにしたんでしょう?」
そう、リーボンさん達の御主人さんの日額保障の保険は当時独身だった頃に御主人さんのお母様方が契約をしていたのだ。その販売員はインシュアのクズな先輩たちである。引き継いだ時には掛け金を払っているリボーンさん達から言えばお姑さんが保険を触らせてくれなかった。
アレッサさんの御主人さんもはじめてかけた保険だと触らせてくれなかったのだ。
しかし年金生活になると結婚した息子の保険の掛け金は負担である。
結果的にリボーンさんたちの元にやって来たので見直しをして、削った分にちょっと足した額の一時金タイプを最低限の保障でプラスしただけなのだ。
そのついでに損保のケガの保険をさらに追加で契約してくれたのだ。
ぶつぶつと【納得できない!】っと自分の担当販売員を追いかける様に走り去る女性。
納得するもしないもない。契約している通りの事しかしないのだから。
残念ながら帰りの馬車は、女性達に罵倒されている他の販売員と同じである。
聞き流すに限る。自分の失敗をリカバリーできるのは自分だけだ。
「あなたね!死ななかったからよかったものの!役に立たないじゃない!」
捲し立てる女性の言葉にインシュアのコメカミがピクリと動いた。
「アレッサさん。この後、少しで良いのですがお時間御座いますでしょうか」
「フェッ?いいけど。ウチくる?子供の面倒を妹に見てもらってるから五月蠅いかもだけど」
「妹さんも?それはご主人さんの妹さんですか?」
「ううん。違う。私の妹だから遠慮要らないわ」
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